■スコット/SCOTT SPARK 720(2017) 54万8,640円 Sサイズ MTB試乗インプレッション

このBIKEで筆者が1番に勘違いしていたのは、本機がクロスカントリー用のフルサスペンションマシンであったことです。

■スコット/SCOTT SPARK 720(2017) 54万8,640円 Sサイズ MTB試乗インプレッション
 

スコット/SCOTT SPARK 720(2017) 54万8,640円

 

掲載日:2017年07月24日  取材・写真・文/やかん

取材協力/富士見パノラマリゾート
 

驚異的な軽さと荒れ地での安定性は武器となる

 

このBIKEで筆者が1番に勘違いしていたのは、本機がクロスカントリー用のフルサスペンションマシンであったことです。富士見パノラマの駐車場で軽く乗るとそれなりに動くサスペンションに気を良くして、いきなりCコースに入ってしまったのは失敗でした。いくら、「ワールドカップではニノ・シューター選手が2016世界戦を制した SPARK」と言っても、それはプロライダーでの話しであって、自分には縁遠いことで。


ということで、このBIKEは初級者向けダウンヒルコースである、Cコースを走りました。スペックの特徴としましては、スコットが誇る各種カーボン技術に加え、FOXと組んで開発した前後のサスペンション。それに、レース 仕様のジオメトリーと言えます。個人的見どころは、よく動くリアサスペンションと、前後同時にロックできる『Twinloc Lever System』だと思います。


特に、後者は完璧なまでにサスペンションがロックされ、完全なソリッドBIKEになったかのように感じます。FOXのNude リアサスペンションテクノロジー、というのも特徴のひとつということですが、数あるロック機構の中でも、この性能は群を抜いているように感じました。Twinloc Lever Systemは、サスペンションの旧来見られたON/OFFだけでなく、『トラクションモード』という中間のモードも持ち、サスペンションの働きにより、上り坂では失いがちのグリップ力をアシストしながら、下りセクションでは適度な沈み込みもあると、とても微妙な動作をしてくれます。年々、ハードなセクションが増えながらも高速化が進むリアルクロスカントリーレースの世界では、コンマ1を争う状況で、そこで僅かなミスも起こさない走りに結実する能力と感じました。


また別に、本機は筆者がその用途を誤ってしまったこともありますが、逆に富士見パノラマのCコースをガンガンに下って、『ディセンドモード』の驚くべく性能も目の当たりにしました。それというのも、スパーク720は、案外とサドルにどっかりと座ってもいられるのです。昔、クロスカントリー用のフルサスBIKEというと、それはそれはやはりどうしても動きが硬めで、とてもシートに腰掛けたまま降りてこられる、などというものはありませんでした(低速なら別ですが)。スコットのクロスカントリー用フルサスBIKEは、サスペンションメーカーとタッグを組んだこともあり、次元がひとつ異なる世界の1台となっています。シルキーとまではいかずとも、相当なサスペンションが前後に備わることでのメリットを出しながらも、限られた人力を無駄にせず、そして驚く゛軽さ”も得たという、昔、誰もが夢見たクロカン用フルサスBIKEに仕上がっています。


恐らく、ひとによってはマラソンレースでの使い道もあると思います。なにせ、とにかくTwinloc Lever Systemが良い仕事をしてくれます。この機能はスコットでないと実現しないものになるので、バリュはとても高いと思います。リジッドのクロスカントリーBIKEは少し身体に辛い、というひとは、ぜひこのスパークを選んでみてはどうでしょうか。

 
 
※価格は税込み。掲載時点でのものです。
※本取材は、富士見パノラマリゾートさまの協力を得て実施しました。
 
 

フロントサスペンションは、FOXの34 Float Performance Air Grip 3を装備。トラベル量は、120mmとすこし長め。

スコット独自の『Twinloc Lever System』を採用。1つのレバーで前後のサスペンションを3つのセッティングに変更可能なシステムで、たいへん使い勝手が良い。
スパークも、Boost規格を取り入れたBIKEとなり、フロントアクスルは15x110mm QRタイプになる。ブレーキは、シマノ SLXになり、ローター径はΦ180mm。
リアショックは、FOXとの共同開発のNUDE Trunnion SCOTT customを逆さまに装備。3つのモードを持ち、トラベル量だけで見れば 120mm – 85 – Lockout と選べる。ユニット単体のスペックは、165×45mm。
前三角のフレームは、スコットのテクノロジーであるSpark 3 Carbon / IMP / HMFが惜しみなく使われる。スイングアーム側は、 Alloy SL 6011。
スコットでは、わざわざカーボンの地を塗装で消すことはしないでいる。レイアップの様子が伺えるのに加え、所有欲を満たす演出と言える。
スパークもフロントドライブは2枚構成となる。ディレーラーとクランクセットは、 SLX side swingとSLXの36×26 T。
シフターとブレーキレバーも、SLX 。Rapidfire Plusは2wayのリリースが可能で、乗り手を選ばない良いポイント。リーチアジャストも可能。
個人的にはあまり使用する機会はなかったが、FOXのドロッパーポストであるTransferを装備する。ストロークは、フレームサイズがSでは100mm、M, L & XLで125mmの仕様。
リアディーラー周りは、シマノのXT DM / Shadow Plus。スプロケットはSLXで、22スピードの11-42T(ワイドレシオ)。
スパークはリアサスペンションが付くので効果は限定的だが、スケールと同じ、ブレーキキャリパーが一部フロートした構造になる。ローター径は、Φ180mm。
ホイールをはじめ変速関係以外は、シンクロスの部品を多く使う。タイアサイズは、27.5インチ。

ヘッド周りは変わったデザインの規格を採用している。スペックシートによると、2014 integratedという物。ハンドルバーは、径が31.8mm。

 
 

富士見パノラマリゾートは、日本で有数のマウンテンバイクコースを持つ施設で、春から秋にかけてはこのほか、山頂へのゴンドラを使ったハイキングなども楽しめる。特に今はハイカーに人気で、家族で出掛けても1日楽しめるようになっている。
http://www.fujimipanorama.com/summer/
 
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投稿者: やかん

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