ハスクバーナモーターサイクルズ『スヴァルトピレン 250 & 401』雑感インプレ(2021)

掲載日/2022年1月31日  取材・写真・文/やかん

取材協力/KTM世田谷・リベルタ

 ハスクバーナモーターサイクルズ( Husqvarna Motorcycles )から出ているスヴァルトピレン( Svartpilen )というモデルの 250 cc と 400 cc に少しだけ乗れたので、雑感レベルの報告を残しておこうと思います。

▲スヴァルトピレンシリーズの中では高速道路に乗れ、かつ車検の不要な、日本国内ではもっとも使い勝手の良い排気量250ccクラスになる、スヴァルトピレン250。

▲KTMデュークとベースが一緒とは思えない特徴的な外観を誇る。

 ことの始まりは、KTM デューク( DUKE )の 125 cc が相変わらず気になっていたものの、日本導入当時に比べると方々で見掛けることが増え(そのほとんどは排気量大きいが)、すこし手垢感が強いと感じて、代替として中身は一緒、でも見た目はかなり違う、グループ会社のハスクバーナ スヴァルトピレンの 125 cc にターゲットを変えたことです。

▲灯火類はすべて、現在主流のLED。 (スヴァルトピレン250)

▲ヘッドライトの点灯イメージ。 (スヴァルトピレン401 / 2020)

▲テールライトの点灯イメージ。(スヴァルトピレン401 / 2018)

▲ハスクバーナ(Husqvarna) スヴァルトピレン401(Svartpilen 401)イメージ。

 近隣で 125 cc の試乗車を用意している店舗はなかったものの、知り合いがお世話になっている KTM ショップで 250 cc と 400 cc の試乗イベントを行うというので、そこに足を運んでみたまでが流れ。

▲試乗会当日の様子。(KTM世田谷・リベルタ)

▲雑多な写真で申し訳ないが、やはりこのルックスに魅力を感じるひとが多いのはよく解る。

 2 つの排気量差に乗った感想としては、「所有するなら断トツ、400 cc 」という感想に至りました。なぜか、というと、

250 cc(スヴァルトピレン 250 )は

  • アクセル(スロットルとも)の開け始めがか細く、エンストしないようクラッチレバー操作に気を使う。
  • 1 速から 3 速までのエンブレがキツ過ぎて、アクセルの開け閉めで簡単に動作がギクシャクしてしまう。
  • フロント周りが重いというかモッサリというかで、ダルく切れ込みが鈍く感じる。
  • シート幅があり足着き悪い、そして思った以上に車重を感じる。
  • エンジンの振動や鼓動、音がシンプルかつ平易過ぎて信号待ちで萎える。

と、正直、価格を考えるとこの車種を選ばなければならない理由が見い出せませんでした。

▲ハスクバーナ(Husqvarna) スヴァルトピレン250(Svartpilen 250)
65万9,000円(10%税込)/2020年モデル。

Svartpilen 250

65万9,000円(10%税込)

シート高/835 mm

車両重量 (燃料なし)/153 kg

エンジン種類/水冷 4 ストロークDOHC 4 バルブ単気筒

排気量/248.8 cc

最高出力/31 PS / 9,000 rpm

最大トルク/2.45 kg・m / 7,250 rpm

変速機形式/常時噛合式 6 段リターン

▲ハスクバーナ(Husqvarna) スヴァルトピレン250(Svartpilen 250)
65万9,000円(10%税込)/2020年モデル。

 それが、400 cc モデル(スヴァルトピレン 401 )になると、

  • クラッチ操作でのエンストのおそれはまずなくなるので、右手に意識が集中しやすくなる(線の細さを感じなくなる)。
  • エンブレのキツさが気になるのは 1 速と 2 速だけで、ストレスが減る。
  • フロント周りのモッサリ感はあるが排気量UPによる重量分布が変わるのか、全体のどっしり感が増し、タンク周りを抑え込んでいる膝の力を抜くだけで曲がりたい方向に切れ込みやすくなる。
  • シート高は一緒だそうだが、重量分布変化なのか全体の安定感やしっくり感が増え、足着きの悪さをさほど感じなくなる(順番的に 400 cc の方が試乗あとだったので、慣れてきた、というのもあるが)。
  • エンジンの振動や鼓動に良い意味での雑味が加わって、いかにも「二輪に乗っている」という気にさせてくれる。信号待ちで萎えることはまずない。

というように、 スヴァルトピレン 250 で感じたネガがかなり取り払われた印象です。

▲ハスクバーナ(Husqvarna) スヴァルトピレン401(Svartpilen 401)
77万7,000円(10%税込)/2020年モデル。

▲大径ディスクや評判の良いWP(ホワイトパワー)社製サスペンションが目を惹くが、足回りはいくつかスヴァルトピレン250と401では仕様が異なる。(写真は250)

Svartpilen 401

77万7,000円(10%税込)

シート高/835 mm

車両重量 /152 kg

エンジン種類/水冷 4 ストロークDOHC 4 バルブ単気筒

排気量/373 cc

最高出力/44 PS / 9,000 rpm

最大トルク/3.77 kg・m / 7,000 rpm

変速機形式/常時噛合式 6 段リターン

▲ハスクバーナ(Husqvarna) スヴァルトピレン401(Svartpilen 401)
77万7,000円(10%税込)/2020年モデル。

▲スヴァルトピレンシリーズのハンドル周りは、オフロードタイプのトップブリッジを持つアップ仕様。それでも乗車姿勢はそこそこ、前屈みになる。

 店舗スタッフに感想を聞かれたので、おおよそ同じことをそれぞれの車種について答えたところ、実際、意図的に 250 cc (スヴァルトピレン 250 )のあとに 400 cc (スヴァルトピレン 401 )に乗ってもらうことがあるそうです。結果、ほぼほぼスヴァルトピレン 401 を買っていくとのこと。

▲比較的プレーンなタイプと言える、フロントディスク。キャリパーは、ブレンボグループのOEMメーカー。タイヤはインド製MRF。(スヴァルトピレン250)

▲試乗時は気が付かなかったが、スヴァルトピレン250はホイールが鋳造キャストに対して、401はスポークタイプ。タイヤも、ピレリ製スコーピオンラリーSTRが標準。

 250と401では、主には車検の有無が排気量差で出てきますが、そこの負担を含めてもこういったモデルが気になるのであれば、せっかくなので 400 cc (スヴァルトピレン 401 )を選んだ方がお得感は大きいと感じました。

※追伸:掲載用の写真を整理していて気が付いたのですが、なぜか 401 はスポークホイール。これがフロントの印象に貢献?

▲スヴァルトピレン250のエンジンは、水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒、排気量が248.8cc。最高出力は、31PS / 9,000rpm、最大トルク、2.45kg・m / 7,250rpm。

▲スヴァルトピレン401は、水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒は共通で、排気量が373cc、最高出力は44PS / 9,000rpm。最大トルクは3.77kg・m / 7,000rpmと、やや扱いやすくなる。

▲水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒エンジン周り、左サイド。(スヴァルトピレン250 )

▲シート高は両排気量共通で、835mm。普段、オフ車にしか乗らない身としては、幅広で足着きには不便を感じた。(筆者は、身長156cm、体重52kg)

▲スヴァルトピレン250と401の違いのひとつに、フロントサスペンションの調整機構がある。401は、同じWP社製を装備するKTMのエンデュランサーのように、トップキャップ上にリバウンドとコンプレッションを調整できるダイヤルが備わる。

▲この調整機構はグローブをした状態でも容易に操作ができる大型ダイヤルを持ち、かつ、外部から簡単に調整でき、エンデュランサー乗りから評判が良い。(スヴァルトピレン401)

▲右側が、リバウンド調整。(スヴァルトピレン401)

▲左側が、コンプレッション調整。(スヴァルトピレン401)

 ちなみに、輸入車あるあるで、シフトのニュートラルポジションに入れるのは相変わらず苦行です。国産車の感覚比ですと。

▲特徴的なスチール製トレリスフレームは基本的にはKTMデュークと同じ筈なのだが、各部意匠がそれをまったく感じさせない。ただ、スヴァルトピレン250ではやや、エンジンが負けている印象。

▲回転計すらない旧型オフロード車にしか乗っていないと隔世の感ある、メーター周り。国内導入初期のKTMデュークの時も驚いたが、とにかく便利。(スヴァルトピレン250)

 どちらの排気量も 1 速からニュートラルに入れるのは困難なので、スヴァルトピレン 250 は 2 速から踵でチョンっと下げて、スヴァルトピレン 401 ならつま先でもなんとかニュートラルに下げることは可能でした。こればかりは、本当に慣れるしかないなと思います。

▲輸入車の性か、シフトポジションをニュートラルに入れるのはそれなりに苦労する。慣れの問題かと思うが、スヴァルトピレン250ではクラッチレバーを握り切っても僅かにクラッチが滑っている感触もあり、そのままでの信号待ちは避けたい印象だった。

▲スヴァルトピレン250はガソリンタンク脇に『401』のよう意匠がないが、理由は不明らしい。125も、同様にないとのこと。

▲世界的にも珍しいという、手元スイッチ類がほんのり点灯するLED仕様。

▲いわゆる「スモールデューク」と呼ばれるKTMモデルも共通で、大排気量にはない機能だという。

▲遊び調整が付く可倒式クラッチレバー。

▲ブレーキレバーも同様で、遊び調整が付き、転倒時に破損を回避しやすい可倒式になっている。

▲ガソリンタンク上の意匠パーツはキャリアで、バッグ類を積載できる。耐荷重は5kgまで。(スヴァルトピレン401 / 2020)

▲会場となったKTM世田谷・リベルタから南下した場所に、系列店でハスクバーナ世田谷がある。
TEL/03-3703-6103

▲モタード仕様にしたガスガス(GASGAS)も用意されたが、公道で足が届かないのは転倒の恐れがあるので、泣く泣く諦め。

▲ハスクバーナ(Husqvarna) スヴァルトピレン250(Svartpilen 250)
65万9,000円(10%税込)/2020年モデル。

▲ハスクバーナ(Husqvarna) スヴァルトピレン250(Svartpilen 250)
65万9,000円(10%税込)/2020年モデル。

▲ハスクバーナ(Husqvarna) スヴァルトピレン401(Svartpilen 401)
77万7,000円(10%税込)/2020年モデル。

▲ハスクバーナ(Husqvarna) スヴァルトピレン401(Svartpilen 401)
77万7,000円(10%税込)/2020年モデル。

■店舗情報

▲KTM世田谷・リベルタ。交差点にあり、セブンイレブンが目印。

KTM世田谷・リベルタ

住所/〒158-0081 東京都世田谷区深沢4-15-6

営業時間/10:00~19:00(水曜日定休)

TEL/03-3703-0125

▲店内。
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