掲載日:2014年12月17日 ※本記事は他媒体で連載していたもの(現在は抹消)を復刻したものです。
取材協力/ダートフリーク、ダンロップ、テクニクス、野口装美、ミサイルファクトリー、MCインターナショナル、HIR
完璧に仕上がった前後サスペンション
野口装美製シートも予想以上の高性能さ
KLX250SRの前後サスペンションを『HIR(Hisashige Issei Racing)』でリフレッシュしてもらってから、数か月。その間、まったくオフロード走行をする機会に恵まれなかったのですが、先日奮起して、ようやくコースに出かけてきました。もちろん、自走です。
そのコースは整備が殆ど行われていない自然のオフロードなので、とにかく路面のギャップが凄いです。大きなうねりが随所にあり、また場所によってはかなりの深さがあります。ジャンプの踏切もかなり荒れていて、走行テストにはうってつけの環境です。
さらに言うと、このコースを前に訪れてからもう10年以上も経過していて1周サラッと走ってみると、やはり当時の記憶と違うところが随所にあります。久しぶりのフルサイズマシン(250cc)走行というのもあり、始めのうちはゆっくり丁寧に走りました。この時にまず驚いたのが、サスペンションの運動性能。HIRによってリフレッシュされたサスペンションは、前後とも非常に良い動きをして低速の走行でもギャップのうねりを上手く吸収してくれます。リアの反動もコントロールしやすい動きで、まったく新しいマシンのように変わりました。とても驚き、また感心です。中本さん(HIR)、ヤルな!
久しぶりのコースの感触を確かめたらパドックに戻り、しばし休憩。エンジンが途中で止まるようなこともなく、『ミサイルファクトリー』で行ったキャブレターの改造も問題ないようです。1本目の本格走行だったので休憩を充分にとってから、再びコースイン。今度は徐々にペースをアップしていきます。すると、低速の時はただのうねりであった深いギャップが、スピードを上げることで尖った激しい突き上げに変わります。以前であれば、この時、お尻に加わる衝撃はかなりのものだったのですが、『野口装美』によってカスタムされた新しいシートの衝撃吸収性たるや! とんでもなく吸収性が良いのです。コースに慣れてきて、さらにペースアップしてもこの印象は変わることなく、オフロードバイクユーザーはみんな野口装美製のシートに変えたほうがいいのではないか? と思うほど素晴らしいシートに生まれ変わってました。こちらもやはり驚きです。野口さん、やりますな!
また、KLX250SRはそこそこトルクがあるので、ここのコースの低速コーナーは2速~3速でこなせることが多いです。ただ、当然クラッチを丁寧に当てる必要があるのですが、『マグラの油圧クラッチ(167マスター)』がまた調子の良いこと。引きは軽いし、とても繊細なコントロールが可能。クラッチプレートが過熱してきてもフィーリングが変わることもなく、コーナーワークは劇的に良くなりました。左手のストレスがグッと減ります。167マスターは対応する車種が多いので、安い買い物ではないですが激しいオフロード走行をする人は、ぜひ導入してみてください。凄く走りが変わりますよ。
低速でよく動いてくれたサスペンションは、ペースアップしても動きが破綻することなく、しっかりと衝撃を吸収しながら路面を捉えてくれます。まだ山の新しい『ダンロップ D909』もとても優れたグリップ力を発揮してくれるので、どのセクションでも怖さを感じることがありません。全体的に車高を落としたこのKLX250SRですが、路面にエンジン下部を大きくヒットさせるようなこともありませんでした。むしろシートに跨った状態のキック始動が容易になり、カスタムの方向性は大正解です。
このように、多くのカスタマイズを施した我がKLX250SR、現状ではかなり最強と言えます。完全自己満足ですが、とても良いマシンに仕上がってますよ。これは、読者のみなさんにもいずれ見てもらえる機会を作りたいです。次回の走行ではHIRからお借りしているカスタパーツ、『サブエアチャンバー』を試してみたいと思います。あら、とうとう正体を明かしてしまいましたね。単純に言うと、フロントサスペンションの硬さを変えられる効果があります。次回以降をお楽しみに!
<続く>
モータサイクルのカスタムシートをメインに手がけるスペシャルショップ。特に長距離を走るラリーレイドなどで定評があり、最近では特別にクルマ用のシートもトライしている。海外からも注目される、日本の匠。
住所/〒501-3941 岐阜県関市小屋名921-2
電話/0575-28-2057
営業時間/10時〜17時
定休日/土日・祝日
URL/http://a-seat.jp
E-mail/bike@a-seat.jp
代表の中本 久成氏は、1969年にモトクロスを始め、MFJではNAまで、MCFAJではエキスパートまで上り詰めた人物。元々、エンジンを触るのが好きで、なんでもバラしていたという。2000年からメカニックサポートを開始し、特にキャブレターとサスペンションのチューニングで腕を振るい、次第に評判が広がり副業的に事業を開始する。本職は地質調査。
住所/神奈川県相模原市磯部1123-9
電話/090-7219-2484(17:00〜21:00)
対応可能日/日曜のみ
URL/http://hir-tune.com/top.html
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三月は深き紅のダートを Dirt03 KLX250SR でモトクロスデビュー!
2輪の免許もないうちから、さっさとバイクだけは入手してしまったのが前回まで。今回は、さてそこからどのようにオフロー“道”に突入して行ったのか、です。
三月は深き紅のダートを Dirt03 KLX250SR でモトクロスデビュー!
掲載日:2013年04月05日 ※本記事は他媒体で連載していたもの(現在は抹消)を復刻したものです。
きっかけは
町のバイク屋
2輪の免許もないうちから、さっさとバイクだけは入手してしまったのが前回まで。今回は、さてそこからどのようにオフロー“道”(どう、って読んで下さい!)に突入して行ったのか、です。
KLX250SRは、すでに下見の時点でシートに跨った状態でキック始動出来ない事はわかっていたので(足が着かない)、引き上げをお願いしたお店のスタッフさんから教わった、車両右側からキックする、という方法で、駐輪場でニヤニヤしながらただエンジンだけをかけていました。教習場に通っていたし、ギア車の50cc(スズキ/ハスラー50)に乗っていたので運転する事は出来たのですが、まあそこだけはさすがに自制して。今ではそうは思いませんが、とにかく当時はフルサイズのオフロードバイクってのは、すごくデカく感じたんです。ずーっとMTBと原付でしたから。
そして、本格的にオフロー道にハマり、オフロード系WEBマガジンの担当まで務めるようになったそのきっかけは、お世話になるお店にありました。KLXを引き上げてもらった所ですが、外観は“普通〜の町のバイクショップ”なのですが、その実、社長はMCFAJ(全日本モーターサイクルクラブ連盟)という組織の中の関東支部の役員をやりながら自身もモトクロスレースに参加し、子分にあたるスタッフ(ひとり)は、全日本モトクロス選手権にIB(国際B級)ライダーとして参戦中、という根っからの“オフ屋”だったのです。本当、普段はヤクルトのオバちゃんが乗るスクーターとか、新聞配達員のカブを触っているんですよ。それが閉店した途端、突然自分たちのクルマからモトクロスレーサーを降ろし始め「ウッシッシ」と言いながらサスペンションばらしたり、タイヤ交換を始めるんです。という事で、この環境にかなり影響を受けました。あれよあれよという間に、KLX250SRは簡単な保安部品だけを外して、IBライダーのクルマに便乗させてもらい、一路モトクロスコースに。トレール車/レーサーの区別なく、社長のスパルタ特訓を受け、モトクロスコースを普通に走れるぐらいまでには上達出来ました。もちろん、気持ちの中には既にオフロー道があったので、厳しかったですが練習はとても楽しかったです。
こうして、KLX250SRでモトクロスらしき事をして1年ぐらいでしょうか。とうとうモトクロスレーサーを買う事になりました。これは、トレール車では限界がある、という事ではなく、やはり続けていくと1度はレーサーに乗りたくなるんです。そうして当時、お店のお客さんが売却した車両の中にたまたまカワサキ KX80-II(1998年製)があり、それを購入。晴れて、Wカワサキオーナーとなりました。ここからは、車両がレーサーになった事で社長のスパルタは更に度を増し、あちらこちらのコースで猛烈にしごかれる事に。周囲に良い見本となる人が多かった事もあり、レーサーもそこそこ走らせられるようになりました。
<続く>
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