ホンダは、モトクロス競技専用車『CRF450R』をベースに、公道での走行に必要な保安部品などを装備した本格オフロードモデル、『CRF450L』を2018年9月20日(木)に発売する。
ホンダは、モトクロス競技専用車『CRF450R』をベースに、公道での走行に必要な保安部品などを装備し、コンペティションモデルのポテンシャルを体感できる本格オフロードモデル、『CRF450L』を2018年9月20日(木)に発売する。
< リリースより >
CRF450Lは、«Attack next trail»を開発のキーワードとして、CRF450Rで培ったオフロードでの走破性を有するとともに、公道走行を含めた幅広いシーンで操る楽しさを実現したモデルです。
CRF450L エクストリームレッド
パワーユニットはCRF450Rに採用されている水冷4ストロークOHC(ユニカムバルブトレイン)4バルブ単気筒エンジンをもとに、バルブタイミングなど細部の仕様を変更。低回転域の粘り強さと、中回転から高回転域にかけての扱いやすい出力特性を実現。オフロード走行での優れた扱いやすさと公道モデルとしての環境性能を高次元で両立し、6速ミッションの採用により一般道を使用した長距離移動時の快適性を確保しています。
CRF450L エクストリームレッド
車体はCRF450Rのフレーム、スイングアームをベースに各部の剛性を最適化。フロントフォークとリアサスペンションには専用のセッティングを施すことで、舗装路から未舗装路まで幅広い路面状況に対応しています。また、すべての灯火類はLEDを採用することで軽量コンパクト化を図るとともに、消費電力を低減。リチウムイオンバッテリーの採用により車体の軽量化とマスの集中化を図っています。
カラーリングはHondaのモトクロスマシンに採用されているエクストリームレッドを主体色に、ホイールリムをブラックとすることでCRF450Rと同様の精悍なデザインとしています。
■販売計画台数(国内・年間)
500台
■メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
129万6,000円
*価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
【 CRF450Lの主な特徴 】
■パワーユニット
・CRF450Rに採用されている水冷4ストロークOHC(ユニカムバルブトレイン)4バルブ単気筒エンジンをベースに、公道やオフロード走行での扱いやすさと環境性能を両立させるため、バルブタイミングや圧縮比など各部の仕様を変更。
・クランクウエイトの形状を最適化することで、オフロード走行で求められる低回転域から粘り強い出力特性と、中回転から高回転域にかけたリニアなスロットルコントロール性能を高次元で両立。
・新設計のマフラーは、O2センサーを備えキャタライザーを内蔵することで排出ガス規制に対応。
2019 Honda CRF450L(北米仕様)
2019 Honda CRF450L(北米仕様)
2019 Honda CRF450L(北米仕様)
■車体
・フレームは、6速ミッションに対応しピボットプレートを新設計。また、ヘッドパイプを専用設計とすることで、公道走行に対応した剛性とオフロード走行に適したしなやかさを両立。なお、新設計のアルミ製サブフレームも最適な剛性バランスを確保しながら、保安部品およびナンバープレートブラケットの取り付けに対応しています。
・専用設計のチタン製フューエルタンクは、スリムなライディングポジションを実現しながらも7.6Lのタンク容量を確保。
・前後サスペンションは、CRF450Rをベースに専用セッティングを施す事で、オフロード走行に必要な路面追従性と公道走行時の快適性を追求。
・スイングアームには、ドライブチェーンガードを装備。チェーンスライダーは耐摩耗性を向上。
2019 Honda CRF450L(北米仕様)
2019 Honda CRF450L(北米仕様)
2019 Honda CRF450L(北米仕様)
2019 Honda CRF450L(北米仕様)
■電装
・LEDヘッドライトは、軽量コンパクトでありながら高輝度かつ広域な照射範囲を確保。
・メーターは、視認性の良いデジタルメーターを採用。
・ウインカーは、転倒時のダメージを軽減するフレキシブルラバーマウントを採用。
・ハンドルスイッチは、専用設計とし、小型・軽量化を実現するとともに扱いやすさにも配慮。
2019 Honda CRF450L(北米仕様)
2019 Honda CRF450L(北米仕様)
■スタイリング
・ベースモデルのCRF450Rと同様にモトクロスマシンの機能美を追求した外観はそのままに、公道走行に必要な保安部品などを装備。インサートフィルム成型のシュラウド一体型グラフィックを採用することで、洗車や摩擦に対して剥がれにくい耐久性を確保。
※CRF450Lは、モトクロス競技専用車両であるCRF450Rをベースに、公道走行に必要な装備を追加し法規に対応させることで公道走行を可能としたモデルです。Hondaの2年保証の適用とCRF450Lの性能を維持し、長くご愛用いただくためには、Honda指定のスケジュールに沿ったメンテナンスと部品交換が必要となります
[ 一例 ]
エアクリーナーエレメント/6ヵ月毎に点検、3年毎に交換
エンジンオイル、オイルクリーナー/1,000km毎、または4か月毎に交換
フューエルフィルター/3,000km毎、または1年毎に交換
冷却水/3年毎に交換
吸気バルブ/排気バルブ、ピストン、ピストンピン、ピストンリング/30,000km毎に交換
クランクシャフト、クランクシャフトベアリング、カムチェーンテンショナー/30,000km毎に交換
トランスミッション/30,000km毎に点検
点火プラグ(イリジウム)/30,000km毎に交換
【 主要諸元 】
通称名/CRF450L
車名・型式/ホンダ・2BL-PD11
全長×全幅×全高(mm)/2,280×825×1,240
軸距(mm)/1,500
最低地上高(mm)★/299
シート高(mm)★/895
車両重量(kg)/131
乗車定員(人)/1
燃料消費率※1(km/L)/
国土交通省届出値 定地燃費値※2/31.0(60km/h定地走行テスト値)<1名乗車時>
WMTCモード値★(クラス)/25.7(クラス2)※3<1名乗車時>
最小回転半径(m)/2.4
エンジン型式・種類/PD11E・水冷 4ストローク OHC (ユニカム)4バルブ単気筒
総排気量(cm3)/449
内径×行程(mm)/96.0×62.1
圧縮比★/12.0
最高出力(kW[PS]/rpm)/18[24]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)/32[3.3]/3,500
燃料供給装置形式/電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)>
燃料種類/無鉛プレミアムガソリン
始動方式★/セルフ式
点火装置形式★/DC-CDI点火
潤滑方式★/圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L)/7.6
クラッチ形式★/湿式多板コイルスプリング式
変速機形式/常時噛合式6段リターン
変速比/
1速/2.357
2速/1.705
3速/1.300
4速/1.090
5速/0.916
6速/0.793
減速比(1次★/2次)/2.357/3.923
キャスター角(度)★/トレール量(mm)★/29°30´/127
タイヤ/
前/80/100-21M/C(51P)
後/120/80-18M/C(62P)
ブレーキ形式/
前/油圧式ディスク
後/油圧式ディスク
懸架方式
前/テレスコピック式
後/スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式/セミダブルクレードル
(Honda測定値)
*製造事業者/本田技研工業株式会社 熊本製作所
■道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)
※1燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※2定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※3WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果に基づいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます
[ 問い合わせ ]
ホンダお客様相談センター
TEL/0120-086819
[ 編集部より ]
『CRF450L』の発売に水を差すつもりは毛頭ないのだが(むしろ歓迎している)、名称とルックスが近似しているからといって、CRF250Lと同じ感覚で捉えてはいけないことは、注意喚起しておきたい。
CRF450Lは、ベースとなる車輌がモトクロッサーのCRF450Rであることから、まず各メンテナンスサイクルが厳しく定められている。
CRF450R
また、摩耗もCRF250Lのそれより短いことは容易に想像できる。従来からある「ホンダ車はタフでメンテいらず」は通用しないと思ったほうがよい。
それであるので、信頼できるお店探しと定期的なメンテナンス費用が嵩むことは覚悟しておくべきだろう。
データにもすこし目を転じてみたい。
まず、販売計画台数(国内・年間)であるが、CRF250Lが1,700台(派生モデル含む)とするところ、CRF450Lは500台。モデルの性格を考えれば、少なくはない数値だと思う。
燃費は、1名乗車時を比較したいので、WMTCモード値を参照。CRF250Lが33.1km/L(クラス2-2)、CRF450Lは25.7km/L(クラス2)。チタン製のタンクは7.6L入るので、単純計算では、195.32kmの航続距離を持つことになる。もちろん、アスファルト舗装上での話しである。
CRF250L
その燃料に関連しては、CRF450Lはいわゆる『ハイオク』が指定されている。ベースがレーサーであるので、当たり前のことなのだが、普段はレギュラーでモーターサイクルに乗っているユーザーは、ガソリン代計算にも注意が必要だ。
日本人の多くが気にするであろうシート高は、1Gの状態でCRF250Lが875mm、CRF450Lは895mm。想像したよりも高くはない。ただ、乗車した時の1G’でサスペンションがどの程度ストロークするかで、実感は大きく変わってくるだろう。CRF250Lのそれよりもハード目であることは、想像に難くない。純正でのローダウンKITなどのアナウンスは、今のところはない。
CRF250L
最後にパワーを確認したい。リリース直後から、「馬力が小さい」という声が多く聞かれたが、CRF450Lは24PS/7,500rpmである。確かに「オヤオヤ」である。何故ならば、CRF250Lも24PS/8,500rpmと、数値の上ではほぼ一緒だからなのだ。オフトレッキングで響いてくる車重との関係になると、CRF250Lが144kgに対して、CRF450Lは131kg。約10kg差は大きいが、それでもこの重さで24PSは不安かもしれない。
ただ、単気筒とはいえ450ccになるとエンジンの粘り感は格段に違ってくるので、パワーフィールやキャラクターは、懸念する程ひ弱ではないのかもしれない。路面とのミュー(摩擦係数)が極端に少なくなるオフロード走行に於いては、凶暴過ぎるパワーやキャラクターは一転、扱いづらいだけのものになるのが普通なので、「マイルドだが底力のある」、のような特性を持たせているのかもしれない。
2019 Honda CRF450L(北米仕様)
いずれにしろ、発売は大いに楽しみである。価格に相応しいナニかを携えて来てくれるだろうか?
文/やかん
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