【マウンテンバイク】抜群のコントロール性を誇る油圧式ブレーキ《マグラ》 HC3 レバーブレード & HS33R。

掲載日/2019年03月15日  取材・写真・文/やかん

取材協力/サイクルパーツ合同展示会

 

 

マグラ/MAGURA

 ここ日本でも古くから油圧系ブレーキで定評のある、ドイツ(バートウーラッハ)ブランドのマグラ。

 特に注目されたのは、ダウンヒルが脚光を浴びるようになってからで、当時はまだリムブレーキタイプではあったが、とにかく従来のカンチブレーキとは比較にならないストッピングパワーを持つ、との評判は広く知れ渡るようになった。

 その後、Vブレーキが登場したことと油圧タイプは高価であったことから市場規模は縮小傾向になったが、ご存知の通りディスクブレーキが一般化した昨今では、完全復権の趣である。

 全体的に、マグラ製品の価格が引き下がった印象があるのはもちろんのことだが、さらに安価で利きも強烈な油圧式ディスクブレーキが市場に溢れる現況なのに、何故だろうか?

 それは、動力が“人力”と“重力”のみに限定される自転車に於いて、強いストッピングパワーが必ずしもよい、と判断されないからであろう。

 例えば、「制動力」と言われるように、スポーツサイクルでは止まることよりも、動きを制する=減速することが重要視される。エンジン付きのように急減速してからでも一気にトップスピードに持っていけるような加速性や動力性能は、人力ではとても無理だ。

 それぞれのライダーにとっての安全圏ギリギリまで減速できればよいだけで、止まりたい訳ではないのだ。速度を僅か落としたいだけなのに、限りなく0km/hまで落ちてしまっては、レースシーンなどでは致命的でしかない。

 また、地面とのミューが低く、その状態も常に安定しないダート路面を走るマウンテンバイクにとっては、タイアがロックしかねないようなブレーキの効きは歓迎されない。それでは簡単にスリップか転倒するだろう。

 減速はしたい、しかしロックはしたくない、微妙なさじ加減。そして、上体が常に大きく揺れ動くダート路面でも、安定したブレーキ操作をしたい。

 さらに、コース後半で体力が落ちた局面でも、ストレスなく少ない力でブレーキ操作をおこないたい。

 そういった難しい要求をバランスよく満たしているのがマグラのブレーキシステム、ということなのだ。リムブレーキの頃からそうであったが、ストッピングパワーはもちろん、微妙な加減が非常にやり易く、「繊細さ」を高く求めるレーサーやユーザーからの支持が圧倒的な同社。

 多くのメーカーがディスクブレーキをリリースする中、生き残った古参にはやはり意味があるのだ。

 

 

マグラ HC3 レバーブレード 価格/9,000円(1pc・税別)

 掌が小さい日本人にはうれしい、リーチアジャスト機構が付いたモデル。かつ、剛性が非常に高い。利点ばかりでこのレバーに交換したくなるが、注意が一点。
 高剛性ばかりに長時間ライドでは腕に来やすく、たとえばエンデューロレースなどでは不向きなひとも出てくるとのこと。ここ一発や体力に自身のあるライダー向け。

【 仕様 】
MT8/MT7/MT6/MT Trail Carbonに適合
リーチアジャストに加え、独自の機構によるレシオアジャスト(レバー比変更機能)を装備した、高剛性レーシングショートレバー。
ブレーキングパワーとフィッティングをフルに調整する事ができます。(リリースより)

 

マグラ HS33R 価格/1万8,000円(片側・税別)

 じつは、いまだに油圧式リムブレーキはリリースされている。Vブレーキが台頭してからはやや、タッチが「0 or 1」と言われることもあったが、それは昔の話し。代理店によれば、リムタイプでもマグラ特有の良コントロールは維持されているという。

【 仕様 】
アルミレバー(2フィンガー/4フィンガー)
EVO2アダプター付属
重量/449g(片側)
カラー/ブラック・シルバー
Vブレーキ台座に装着できる油圧式リムブレーキ。トレッキングバイク・トライアルバイクに最適。
MTと同じく、マスターシリンダーに超高剛性カーボン素材「カーボテクチャー」を採用。
新設計ラジアルタイプマスターで、繊細なタッチと高いストッピングパワー(前モデルより5%UP)を両立。(リリースより)

フィーリングの向上は、新設計のラジアルタイプマスターに因るところが大きいという。

 

マグラ ヴァイロン ドロッパーシートポスト 価格/6万8,000円(各種・税別)

【 諸元 】
ストローク量/150mm 、 125mm 、 100mm
全長/446mm(150mmモデル) 、 421mm(125mm) 、 396mm(100mm)
重量/595g
取り付け時長さ/56mm 〜 206mm(150mm) 、 181mm(125mm) 、 156mm(100mm)
必要(最低)挿入長/120mm
最大挿入長/240mm
油圧制御 ━ 圧縮エア伸長式(エアは米式バルブで再充填可能)
サドルクランプ/2本ボルト
適合シートポスト内径/30.9mm 、 31.6mm
適合充電コネクタ/マイクロUSB
充電所要時間/約3時間
満充電時動作可能回数/約400回
電波法による技術適合証明取得済
【 付属品 】
・ELECTリモートコントローラー
・ELECTリモートキャップ
・リモコン取り付け用Oリング2種
・リモコン台座ゴム
・充電用マイクロUSBケーブル
・取扱説明書(英語・日本語)
VYRONドロッパーシートポストは、リモートコントロールに電波(ELECTワイヤレスリモートコントロール)を使用した、非常にスマートなドロッパーポストです。
コントロールの通信に電波を使用するので、本体を操作するためのケーブル類が全く無く、取り付け時に手間をかけて配線を行う必要は一切ございません。
本体よりケーブル類が飛び出ていないので、フレーム形状による取り付けの制約がほとんど無く、シートポスト径さえ同じならお手持ちの別の自転車にも簡単に付け替えることができます。
多くの技術革新を持つVYRONドロッパーシートポストは、Design&Innovation Award 2016の金賞を含め、沢山の賞に輝いています。

受信&コントロールユニットは、やぐら部にレイアウトされる。

ワイヤレスELECTリモートコントロールは、ボタンにワンタッチするだけでサドルを落とすことができるばかりでなく、150mm・125mm・100mmの各範囲内で最適なサドル高に調整する事ができます。
シートポストの固定と開放はモーターと油圧バルブによって行われます。ダンピングオイルはMAGURAロイヤルブラッドミネラルオイルを使用しており、長期間メンテナンスフリーでご使用頂けます。
サイズ、操作感ともにやや慣れは必要はある、と感じた。

リモコン(リモートキャップ付き):同梱のキャップをリモコンに取り付けることで、より容易にボタンを押す事ができます。(リリースより)

 

 

取り扱い/エムシー・インターナショナル
06-6318-5000