三月は深き紅のダートを Dirt59 老体KLX250SR、少しずつ各部の劣化が始まる。その2

前回、フロントブレーキが抜けてしまった、我が愛車、カワサキ・KLX250SR。続けざまにアチラコチラに不具合が生じました。1986年製の個体、そろそろ調子を崩し始めたようです。

三月は深き紅のダートを Dirt59 老体KLX250SR、少しずつ各部の劣化が始まる。その2

掲載日:2015年12月1日

 

持病とも言える
ブレーキバルブの断線

前回、フロントブレーキが抜けてしまった、我が愛車、カワサキ・KLX250SR。続けざまにアチラコチラに不具合が生じました。1986年製の個体、そろそろ調子を崩し始めたようです。

とは言っても、実は今回のトラブルはある意味、持病。このKLX250SRは、どういう訳だか、テールランプのブレーキバルブ(ダブル球なので、ブレーキライトのフィラメント)がしょっちゅう切れるのです。決して、振動の多いオフロード走行が理由ではなく、街乗り中でもこの症状が出ます。傾向としては、アクセルを全開近くにまで回すと切れる事が多く、もしかしたら渦電流になるのかもしれません。

このKLX250SRは1986年製とそこそこ年季の入ったオフロード車なので、テールランプデザインはやや古めかしいデザイン。いつもこのように、テールランプのみが残り、ブレーキバルブが切れてしまう。
このKLX250SRは1986年製とそこそこ年季の入ったオフロード車なので、テールランプデザインはやや古めかしいデザイン。いつもこのように、テールランプのみが残り、ブレーキバルブが切れてしまう。

直接の関係性はないとは思うのですけど、メーターランプの補助球も切れていて、こちらを放置するようになってから、ブレーキバルブは切れやすくなった印象も持っています。

さて、このテールランプのトラブル。恒例化してはいるので、エンジン始動、アイドリング時にチェックするようにしています。今回は出先で起きましたが、さすがによくある事なので、リアに備わる小型バッグ内にスペア球を入れてあり、事なきを得ました。しかしまあ、こんなに切れやすいの、どうしましょう? ここ最近は起きてなかった事もあり、そろそろ、抜本的な対策を施したいです。

そこで閃いたのが、素人ながらの考えで、LED化です。もともとは、振動による球切れが起きない、と言ってオフロード界ではアフターパーツで用意される事が多かったですが、今はモーターサイクル全般でLED化はメーンで、大掛かりな改造が不要な、バルブを交換するだけでLED化出来る商品も用意されています。KLX250SRも、オフロード系のパーツカタログを眺めてみましたが、テール周りの意匠が変わるのと、決して楽な加工ではなさそうだったので、バルブを交換するだけで可能な商品を探してみました。

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結果、本来はハーレー用ですがKLX250SRにも使えそうで、また不要なナンバー灯もなかった商品だったので、購入。こちらに交換してみました。作業はバルブを交換するだけの簡単なものかと思いきや、微妙に寸法が異なるのか、なかなかハウジング側のロック爪にLEDバルブが引っ掛かりません。結局は、ハウジングをリアフェンダーから取り外して、なんとか取付けました。ですので、点灯テスト動画はこのようになっています。

テールランプカバーが赤色なのにわざわざレッドLEDを選択したのは、LEDは光線の直進性が高く、カバーによっては白色を選ぶと、明かりも白っぽくなってしまう事があるからです。危険度が高いモーターサイクルでは、絶対に「赤色」を主張したかったからの選択です。下の動画で確認出来ますが、日中でもしっかり赤色に光っていて、ブレーキランプ点灯との差異も違いが分かります。250ccは車検がないのでこのあたりの基準値がなく、少しこわいですね。

 

<続く>

 

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三月は深き紅のダートを Dirt58 老体KLX250SR、少しずつ各部の劣化が始まる。その1

かなり低身長ユーザー用にモデファイされた、うちのカワサキ・KLX250SR。少しずつアチラコチラの調子を崩しています。

三月は深き紅のダートを Dirt58 老体KLX250SR、少しずつ各部の劣化が始まる。その1

掲載日:2015年11月19日

取材協力/ミサイルファクトリー

フロントブレーキが抜けた!
1986年製、そろそろガタ出ますよね

かなり低身長ユーザー用にモデファイされた、うちのカワサキ・KLX250SR。バッテリーレス&パワー重視の時代個体の為、2015年の現在も可愛がってオフロード走行のお供にしていますが、まあ流石に、寄る年波には勝てないというもので、少しずつアチラコチラの調子を崩しています。

モトクロスコースでバッキバキに走らせているのも要因かもしれません。今回は、なんとフロントブレーキが抜けてしまい、全開までレバーを握り込んでもブレーキパッドは1mmも動かず。コース走行はフロントブレーキが駄目になってもなんとか走れますが、公道の走行は怖い事この上ないので、すぐに今の主治医である『ミサイルファクトリー』小川店長に連絡をして、診てもらう事にしました。

当初はふたりとも、「エア噛みでもしたんでしょ」と考えていました。だいぶん、雨の日が多く湿気が多かったですし。ところが、エア抜きなどを行っても症状が一向に改善しない。小川店長が色々とトライしてみますが、駄目です。結局は結論として、ブレーキのマスターシリンダーがおかしい、という事になり、部品を交換しないと直らない状態である事が分かりました。以前、リアブレーキも同様の症状に見舞われたので、やはりどちらも寿命と考えられます。

カワサキ・KLX250SR('98)のフロントブレーキが利かなくなった。当初は、エア噛みなど軽微なトラブルだろうと小川店長も考えた。
カワサキ・KLX250SR(’98)のフロントブレーキが利かなくなった。当初は、エア噛みなど軽微なトラブルだろうと小川店長も考えた。
モータサイクルでは未だにDOT4オイルを使う事が多いが、環境問題や作業のしやすさを考えれば、マウンテンバイクのようにミネラルオイルに切り替えるべき。
モータサイクルでは未だにDOT4オイルを使う事が多いが、環境問題や作業のしやすさを考えれば、マウンテンバイクのようにミネラルオイルに切り替えるべき。
専用の道具などを使いフロントブレーキのエア抜きを行っている小川店長。しかし、いくらやっても一向に改善されない!?
専用の道具などを使いフロントブレーキのエア抜きを行っている小川店長。しかし、いくらやっても一向に改善されない!?

さてしかし、神奈川県の溝の口近辺まで自走で来てしまっていて、これからまたこの状態で帰るのは危険です。そこで小川店長の腕が光ります。ラリーレイドの現場で、様々なシチュエーションのトラブルに対処して来ているので、今回のような「部品がないがなんとか修理しないと」、という時は心強いです。具体的な作業内容は省略しますが、取り敢えず、しっかりとフロントブレーキが効く状態にまで、補修部品を使わずに改善しました。もちろん、これがベストな状態ではないですから急ぎ部品を取り寄せて修理は必要ですが、この日、自宅に帰るのには安全に走れました。

結局は、マスターシリンダーの内部部品劣化が原因という結論に。しかし、当然店先にその補修部品はなく、普通ならばそのまま乗って帰るしかない。小川店長は、その持てるスキルをフルに発揮し、応急処置的に、ブレーキが利くように奮闘。
結局は、マスターシリンダーの内部部品劣化が原因という結論に。しかし、当然店先にその補修部品はなく、普通ならばそのまま乗って帰るしかない。小川店長は、その持てるスキルをフルに発揮し、応急処置的に、ブレーキが利くように奮闘。

早くこのKLX250SR、多くのオフロードライダーにお見せしたいのですが、タイミング合わずどうもその機会を逃しています。今回も突如のトラブル発生ですし、もう少しクリーンな状態で並べるには時間が掛かりそうです。お楽しみに!

走行時間はそれほどでもなかったが、季節の変わり目でもあったので、エンジンオイルの交換も行った。それこそエンジンはもう替りがないので、大事に使いたい。
走行時間はそれほどでもなかったが、季節の変わり目でもあったので、エンジンオイルの交換も行った。それこそエンジンはもう替りがないので、大事に使いたい。
今回はオイルフィルターの交換は実施しなかったが、次回くらいには行いたい。オイル内の汚れをさらに積極的に取り除く商品も導入予定。
今回はオイルフィルターの交換は実施しなかったが、次回くらいには行いたい。オイル内の汚れをさらに積極的に取り除く商品も導入予定。
オイル交換の際、キックアームの根本の緩みを発見した小川店長。オーナーはこのマシンしか知らないし、普段から乗っているので、こういうささいな変化は気付き難い。専門店でのオイル交換は大事。
オイル交換の際、キックアームの根本の緩みを発見した小川店長。オーナーはこのマシンしか知らないし、普段から乗っているので、こういうささいな変化は気付き難い。専門店でのオイル交換は大事。

 

<続く>

 

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数々のラリーレイドに参加した経験を多く持ち、元々は九州で活動していたが、ダカールラリーのカミオンクラスで有名な日野チームスガワラにメカニック員として声を掛けられ上京。2年間チームスタッフとして活躍し、その後そのまま関東に留まり現在の場所に専門店を開く。長距離系オフロードの他、エンデューロにも造詣が深く、また自身も頻繁にバイクに乗るため、ライディングテクニックも高いものを持つ。店内ではおいしいコーヒーもいただけます。

住所/〒213-0022 神奈川県川崎市高津区千年670
電話/044-766-7444
営業時間/10時〜20時(金曜日だけ深夜営業を行う事あり/要確認)
定休日/日曜・祝日 他
URL/http://missilefactory.jimdo.com/

 

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