【マウンテンバイク】マキシス(MAXXIS)始め新製品続々登場

都内で開かれた新製品内覧会の中から、マウンテンバイク関連を中心に新製品情報をお届けしたい。

掲載日/2022年10月2日  取材・写真・文/やかん

取材協力/マルイ

 都内で開かれた新製品内覧会の中から、マウンテンバイク関連を中心に新製品情報をお届けしたい。

マキシス(MAXXIS)はサイズ展開が豊富に

アセガイはサイズ展開と新仕様の2パターン。

 国内での使用率も高いであろうマキシス(MAXXIS)は、まずアセガイ(Assegai)に 27.5” と 29” にワイド幅モデルの追加が。その他、微妙な仕様違いの 4 種が加わる形に。

【NEW SIZE】

  • 27.5” x 2.60” WT(66-584) 1,095g 3C マックステラ 40PSI EXO+/チューブレスレディ 1万1,880円(10%税込み)
  • 29” x 2.60” WT(66-622) 1,170g 3C マックステラ 40PSI EXO+/チューブレスレディ 1万1,880円(10%税込み)

【NEW】

  • 27.5” x 2.50” WT(63-584) 1,050g 3C マックスグリップ 50PSI EXO+/チューブレスレディ 1万1,550円(10%税込み)
  • 27.5” x 2.50” WT(63-584) 1,045g 3C マックステラ 50PSI EXO(+がなくなっている)/チューブレスレディ 1万120円(10%税込み)
  • 29” x 2.50” WT(63-622) 1,125g 3C マックスグリップ 50PSI EXO+/チューブレスレディ 1万1,550円(10%税込み)
  • 29” x 2.50” WT(63-622) 1,030g 3C マックステラ 50PSI EXO(+がなくなっている)/チューブレスレディ 1万120円(10%税込み)
アセガイ(Assegai)は、コーナーコントロールに特に秀でているようだ。

 

ディセクター(Dissector)は、すべてのサイズに仕様違いが加わる形に。

 ディセクター(Dissector)は、非常にややこしいが僅かな仕様違いのモデルが全サイズに加わることになった。

【NEW】

  • 27.5” x 2.40”(61-584) 880g 3C マックステラ(グリップがない) 50PSI EXO+(になっている)/チューブレスレディ 1万1,550円(10%税込み)
  • 27.5” x 2.60”(66-584) 1,055g 3C マックステラ(グリップがなくなってる) 40PSI EXO+/チューブレスレディ 1万1,880円(10%税込み)
  • 29” x 2.60”(66-622) 1,120g 3C マックス 50PSI EXO+(になっている)/チューブレスレディ 1万1,550円(10%税込み)
  • 29” x 2.40” WT(61-622) 945g 3C マックス(グリップがなくなってる) 40PSI EXO+/チューブレスレディ 1万1,550円(10%税込み)
転がり抵抗を低減させているので、ドライのハイスピードコンディションでの使用に向いているか。

 

フォーキャスター(Forekaster)は、29”サイズが追加に。

 土がまとわり付くような状態でも安定したグリップを得られるという、フォーキャスター(Forekaster)。従来の 27.5” のみから 29” サイズが 2 種類追加になった。

【NEW SIZE】

  • 29” x 2.40” WT(61-622) 950g デュアル 50PSI EXO/チューブレスレディ 8,580円(10%税込み)
  • 29” x 2.60”(66-622) 1,040g デュアル 40PSI EXO/チューブレスレディ 9,240円(10%税込み)
レース用タイヤとしては位置づけられていない。

トピークからは様々なツールが追加に

ニンジャ+ツールボックスに『ミニ』版が登場。(Ninja+ ToolBox mini)

 対応するボトルケージにアダプターを介することで携行が可能なニンジャ+ツールボックスに、かなりコンパクトになった『ミニ』版が登場。

どのくらい小さいかは指との比較で解ると思う。
この小さなケースの中に最低限の工具が収まっている。

 サイズがこれだけコンパクトだと力を入れる作業は難しいと思うが、逆に入り組んだ箇所には入れやすい。7 機能あるうちの 8 mm六角レンチは、5 mmと(−)ドライバーを組み合わせて使用する。

  • 価格/5,500(10%税込み)
  • アルミ合金ボディ、クロムバナジウムツール
  • W35 x H16 x L(D)58 mm
  • 70 g

7機能ミニツール

  • 六角レンチ/2、3、4、5、8 mm
  • トルクスレンチ/T25
  • (−)ドライバー

 

ボトムブラケットの中空部に収めてしまおう、という発想のツール。BBQハイドツール。(BB Hide’n Tool)

 昨今のBIKEでは空いていることが当たり前のアノ部分に入れてしまおう、という発想のコンパクトツール。個人的に抜けてしまわないか、すこし不安にはなったが場所の有効活用という考え方ではアリなのかもしれない。

  • 価格/7,480円(10%税込み)
  • アルミ合金ボディ、エンジニアリンググレードポリマーボディ、クロムバナジウムツール
  • シマノGRX、デオーレXT、SLX、スラム XX1、X01 イーグルDUB、FSA 中空カーボンクランク対応
  • 直径部 124 mm 以上、内径Φ 18.5 〜 20 mm、Φ 20 〜 25 mmの中空スピンドルに対応
  • ダストキャップ付き
  • W25 x H25 x L(D)130 mm
  • 82 g

チェーンツール

  • シングルスピード〜 13 速、スラム フラットトップチェーン対応
  • チェーンフック

7機能ミニツール(ニンジャ+ツールボックスミニと同じ物)

  • 六角レンチ/2、3、4、5、8 mm
  • トルクスレンチ/T25
  • (−)ドライバー

 

ハンドル部に工具を入れてしまおう、という発想は同社では従来からあったが、その発展形。チューブレスリペアキットがあるのが時代か。プラグツールマウンテンプロ(Plug’n Tool mountain Pro)と、プラグツールマウンテン(Plug’n Tool mountain)。

 ハンドルバーに収納し、必要な時だけ取り出して使える、MTB向けツール。ビットキット、チューブレスタイヤリペアキット、チェーンツール、チェーンフックを搭載。(プラグツールマウンテンプロ)
 価格は、1万1,000円(10%税込み)。

 プラグツールマウンテンは、チェーンツールとチェーンフックが含まれない。7,480円(10%税込み)。

 

アデプト(ADEPT)のヘルメットは注目

参考出品だがハチ張りに見えにくいシルエットが秀逸な、アーバンスポーツヘルメット(URBAN SPORT HELMET)。販売予価、7,150円(10%税込み)。
試しに被ってみたところ。この『キノコ具合のなさ』は特筆すべき点だと思った。

 どんな自転車に乗る時もヘルメットが忌避される最たる原因のひとつが、あのハチが張ってキノコシルエットになることではないだろうか。このアデプト(ADEPT)のアーバンスポーツヘルメット(URBAN SPORT HELMET)はそれが限りになく抑えられていて、日常使い、通勤などシーンを選ばず選択肢のひとつに上げたいと思った。

 最新のテクノロジーは付いていないが、事故時の頭部を損傷する確率は明らかで、それは一般道をクルマなどと一緒に走っている時のリスクはさらに増す。筆者も過去に交通事故で救急隊員から「ヘルメットは被っていなかったんですね?」と問われたことがある程で、これはぜひ製品化をしてもらいたいと思った。

現状、6色のサンプル展示だった。

 

アジャスターを設けたボトルケージ、オールパーパスケージ(All-Purpose Cage)。
しなりの大きなカーボン製だとかなりのサイズに適合するが、ガッチリホールドするまでには至らない。そこを解消する製品。

 アデプトのオールパーパスケージ(All-Purpose Cage)は、締め付け可能なバンドを設けることで様々なサイズの丸系の物をしっかり固定できるようにしたアイディア商品。対応ボトル径は、Φ 51 〜 120 mmとなっている。

  • 価格/2,860円(10%税込み)
  • POM、ナイロンボディ
  • 適応ボトル外径/Φ 51 〜 120 mm
  • W70 〜 115 x H165 x L(D)80 〜 160 mm
  • 60g

 

チューブレスを導入するかどうかの分水嶺

 今回、レース車両のバンシー(banshee)が展示されているのと同時に、塚本 岳選手が会場にいて、現役ライダーに会うのが久しぶりなのでチューブレスタイヤの使い分けについてなど訪ねてみた。

 展示車両は当然、前後ともチューブレスになっていたが、チューブドとの使い分けは未だに個々の考え方や環境にもよるのではないか、という私見であった。というのが、チューブレス化しているとシーラントがタイヤ内にあるのでチューブレスからチューブドへの作業は非常に面倒。かといって、山中では一気に加圧できるような空気入れがないとチューブレスのビードは上がらないので、そこでお手上げ。常設コースの富士見パノラマリゾートのような場所ならば、パンクしたのならば下まで押して降りてくる方法もあるが、トレールでの山中であったらそうはいかない。

 対策品のコアも何社からも出ているが、これの使用も個人でかなり分かれるようで、そうすると一発勝負のレースならばチューブレスはありだけど、1日山中を走るような使い方ではチューブレスの選択が難しい状況も出るのではないか、とのことだった。

 先日もある漫画家のツイートで、パンクをしてずっと押しているROAD乗りに遭遇し声を掛けたのだが、漫画家はチューブレスタイヤ、パンクをしたひとはチューブドで結局、何も出来ずに別れてしまった、という話しがあった。今後はこういうシーンも多く起こってくるかもしれないということだ。

 何となく聞いてみた話しの内容だったのだが、案内、重たい中身になってしまった。

 

 パンクしなければそれでいい、と考えるかもしれないが先日、山口県から急遽会場がパルコール嬬恋リゾートに変更になった全日本選手権では、案外、パンク車が続出。チューブ選択の難しさを突きつけられたような気がした。

 なお、バンシー(banshee)はマルイから購入可能で半年に1回のスパンで台湾生産されているので、タイミングが合えばすぐに手に入るし、そうでなければしばらく待つ体制だという。レジェンド(Legend)、カッコいいんですよね。

 

END

【ジーティー】ハイピボットデザイン化した新生フォースカーボンが登場

ライトウェイプロダクツジャパンは、GT Bicycles の最新モデルをいくつか発表。生産工場の稼働状況にもよるが、ライトウェイ取扱店にて購入可能。

掲載日/2021年10月9日  文/やかん

ライトウェイプロダクツジャパンは、GT Bicycles の最新モデルをいくつか発表。生産工場の稼働状況にもよるが、ライトウェイ取扱店にて購入可能。

A NEW FORCE UNLEASHED「解き放たれる新しいフォース」

 マウンテンバイクの中で大きく変わったのが、エンデューロバイクのハイエンドモデル、フォース・シリーズ。

 キャッチフレーズは、

ハイピボットデザインとキックバックの最小化を実現し、卓越したダウンヒル性能と登坂性能を両立した、エンデューロレーサーの理想形

 以下、リリースより。

GT FORCE CARBON FRAME(フォースカーボンフレーム)
36万800円

 GT が開発を続けてきた LTS サスペンションをさらにハイピボットデザインに変更し、ダウンヒルバイク『 FURY 』のアイドラープーリーを装備したエンデューロレース MTB が『フォースカーボン』です。
 チェーンを引っ張る位置を高い位置に持ってくるアイドラープーリーを装備することで、ハイピボットデザインのフルサスペンションのデメリットである、ペダリング時にサスペンションの動きが悪くなる、ストローク時にペダルが逆回転してしまう現象を最小化。
 GT が開発した LTS サスペンションのポテンシャルを、最大限発揮できるようになりました。
 リアサスペンションを伸縮させるレバー比も新しく設計しなおし、ストローク全域において自然なストローク感を提供します。

GT FORCE CARBON FRAME(フォースカーボンフレーム)
36万800円

【 サスペンションデザイン特徴 】
・ホイール軌道の最適化による衝撃吸収性向上
 旧モデルと比較して、衝撃を後方に受け流すホイール軌道に最適化。連続する障害物でも、減速を最小化して駆け抜けることができます。
 例えば、サスペンションが伸びきった状態から、90 mm ストロークした場合、新型フォースでは 10 mm 後方にホイールが移動して前方からの障害物を受け流すことができます。(旧モデルの場合は約 2 mm )
・ローギア時のアンチスクワット性能を向上
 特に、登りのシーンで大きなリアギアを選択している時のサスペンションの沈み込みを抑制。ロングストロークバイクとは思えない登坂力を発揮します。
 逆に、ハイスピードで下っている時は、よりペダリングしてもサスペンションの動きを最大限発揮できるように、アンチスクワット量をチューニングしています。
・限りなくスムーズなサスペンションレバー比
 リアサスペンションのストローク量を 55 mm から 65 mm に伸ばしたことで、ストローク全域でレバー比を下げて、サスペンションユニットをスムーズに動かし、性能を最大限発揮。
 特に、ストローク初期動作において逆プログレッシブなレバー比にすることで、より自然なスプリングレートになっています。

GT FORCE CARBON FRAME(フォースカーボンフレーム)
36万800円

【 ジオメトリー詳細 】
・ロングリーチ × ショートステムの設計による、高速走行下での正確なハンドリング。( M サイズ前モデル 445 mm 、新モデル 455 mm 、+ 10 mm )
 78 度のシートチューブアングルで、ヒルクライムのペダリング効率を向上。(前モデル 76 度)
・ヘッドアングルをさらに寝かせて、高速走行時の安定性を向上。(前モデル 65.5 度、新モデル 63.5 度)
・スタンドオーバーハイトを小さくして、悪路での足つき性を向上。( M サイズ 前モデル 750 mm 、新モデル 730 mm )
・リアセンターを長くして、ハイスピード時の安定性を向上。( M サイズ 前モデル 434 mm 、新モデル 445 mm / 435 mm )*フリップチップで変更可能。

【 フレーム機能 】
・ラッカス・コントロール
 エンデューロ走行において気になるチェーンのバタつきによる傷やノイズを抑えるために、フレーム各所にプロテクターを装備。
・リアエンド・フリップチップ
 リアエンドにフリップチップを設けることで、リアセンターをライダーの好みに合わせてチューニングが可能。
・TUBE IN TUBE
 フルサスペンションに最適化した内装フレームルーティング、『 TUBE IN TUBE 』方式を開発。ケーブルのトラブルを減少させつつ、メンテナンス性も大幅に向上。
・フレームストレージ
 サスペンション上のフレームスペースにはお好みのバンドを使って、CO2 ボンベやチューブなどを格納することができます。

参考までに、旧モデルのフォース。

FORCE CARBON PRO(フォースカーボンプロ)

GT FORCE CARBON PRO(フォースカーボンプロ)


価格/65万7,800円(税5万9,800込み)
カラー/ダークグリーン
サイズ/S(380)、M(410)
フレーム/Force カーボン 29” 、ハイピボット LTS サスペンション、160 mm トラベル、Tube in Tube ケーブルルーティング、BSA 73 mm 、Boost 12 x 148 mm スルーアクスル、230 × 65 ショック、ISCG05
フォーク/RockShox Zeb Select+、170 mm 、Boost 15 x 110 mm スルーアクスル、44 mm オフセット
リアショック/RockShox Super Deluxe Select+、230 x 65 mm
リム/ホイール/WTB ST i29 TCS、32h、チューブレスレディ
タイヤ/(F)Maxxis Assegai、29 x 2.5″ 、3C MaxxTerra、EXO+、チューブレスレディ、(R)Maxxis Minion DHR II、29 x 2.4″ 、3C Maxx Terra、EXO+、チューブレスレディ
ブレーキ/SRAM Code R、4 ピストン、220 / 200 mm Centerline ローター
シートポスト/GT Dropkick、31.6 mm
重量/n/a

FORCE CARBON ELITE(フォースカーボンエリート)

GT FORCE CARBON ELITE(フォースカーボンエリート)


価格/50万3,800円(税4万5,800込み)
カラー/タン
サイズ/S(380)、M(410)、L(445)
フレーム/Force カーボン 29” 、ハイピボット LTS サスペンション、160 mm トラベル、Tube in Tube ケーブルルーティング、BSA 73 mm 、Boost 12 x 148 mm スルーアクスル、230 × 65 ショック、ISCG05
フォーク/RockShox Yari RC、170 mm 、Boost 15 x 110 mm スルーアクスル、42 mm オフセット
リアショック/RockShox Super Deluxe Select、230 x 65 mm
リム/ホイール/WTB ST i29 TCS、32h、チューブレスレディ
タイヤ/(F)Maxxis Assegai、29 x 2.5″ 、チューブレスレディ、(R)Maxxis Minion DHR II、29 x 2.4″ 、チューブレスレディ
ブレーキ/TRP Slate T4 M806 油圧ディスク、203 mm ローター
シートポスト/GT Dropkick、31.6 mm
重量/n/a

FORCE CARBON FRAME(フォースカーボンフレーム)

組み立て例。


価格/36万800円(税3万2,800込み)
カラー/マットブラック
サイズ/S(380)、M(410)
フレーム/Force カーボン 29” 、ハイピボット LTS サスペンション、160 mm トラベル、Tube in Tube ケーブルルーティング、BSA 73 mm 、Boost 12 x 148 mm スルーアクスル、230 × 65 ショック、ISCG05
リアショック/Fox Factory Float X2 、230 x 65 mm Trunnion、2 Pos-Adj

【 Force カーボン 29 Q&A 】

Q:29 インチのみのラインアップである理由は?
A:実際に乗車して行ったテストの結果、フォースのパフォーマンスを最大化できる組み合わせが前後 29 インチだと判断しました。
Q:ダブルクラウンは装着できますか?
A:シングルクラウン専用に設計されています。フレームを安全に使用できるアクスルからクラウンまでの最長距離は、591 mm です。
Q:どんなリアサスペンションが使えますか?
A:エアー式でもコイル式でも使用できます。
Q:フロントチェーンリングはいくつまで使えますか?
A:最大 34 T まで使用可能です。

■ジオメトリ

※編集部より:

 先日、久しぶりにダウンヒルのレースイベントに参加してきたが( 2021 年 10 月)、なんとこのフォース含め、GT の BIKE を出走者の中でほとんど見掛けなかった。やはり、ダウンヒルバイクを専業にしているメーカーや代理店の BIKE が目立ち、これは昨今の世界的な需要増と、それに反するかのような生産力の大幅な減少により 2 年先の注文も溢れる、という状況も影響しているのだろう。

 つまり、ここ 2 年程は欲しくても店頭に該当の BIKE がなく、また注文も不可、という状態が続いているのだ。その結果、今回の大会のような光景になったのかと思う。もちろん国内プロモーションや販売店のプッシュ方向も関係するだろうが、決して GT のマウンテンバイクが劣っている、という訳ではないことはここで書いておきたい。

 編集部は、性能が落ちれば容赦なく切るので(利害関係がいっさいないので)、ちょうちんでもなんでもない。カーボンは耐久性については相変わらず課題があるようには感じるが、店頭で選択肢として並んでいたらぜひチェックをして欲しい。

【マウンテンバイク】今シーズンはシューズに拘ってみませんか?(クランクブラザーズ&FLR)

掲載日/2021年7月28日  取材・文/やかん
取材協力/ライトウェイプロダクツジャパン

※お断り:
掲載時期を早める都合、随時、追加していくかたちにしています。

 趣味であるマウンテンバイクの世界は、ここ数年での進化がさらに著しく、また『競技』という側面でも多様性がより拡張しているように感じます。
 そんな中ですが、BIKE とライダーの重要な接点である箇所は変わらず、グリップとサドル、そしてペダルになります。それらも個々に進化や新しい拡がりを見せていますが、そのお仲間である専用のシューズについて、気鋭 2 社の日本発売がありました。( クランクブラザーズ & FLR )

 本稿を執筆時、野山の緑は深くなり、マウンテンバイクの楽しさが発揮されるシーズン入り口。その専用シューズたちを紹介しますので、今年はすこしマッチョな足下にして遊んでみませんか?

独自のビンディングシステムが特徴の『クランクブラザーズ』

 独自性を持ち、デザイン性にも富んだマウンテンバイク用のパーツを多くリリースしているブランド、それがクランクブラザーズ( Crankbrothers )です。ペダルとシューズを専用の金具で固定してしまうビンディングシステムについては、古くから、一般流通量の多いシマノ製とは一線を画するペダル(と金具)を発売しています。

 今回、満を持しての登場となった専用のシューズ群は、基本的にはそれらクランクブラザーズ製のビンディングペダル(と金具)にジャストフィットするよう作られた物になります。もっとも、他社ビンディングシステムでも使えるようになっているので、今現在クランクブラザーズのシステムを使っていなくともこれらシューズを組み合わせることは可能です。

 種類が多いので、写真を交えながら紹介していきましょう。

豊富な展開となったクランクブラザーズのライディング用シューズたち。
豊富な展開となったクランクブラザーズのライディング用シューズたち。

【 MALLET シリーズ ビンディングタイプ 4 種 】


『 Match Box 』を採用し、様々な MTB ペダルに適応するビンディングペダル用シューズ。
BOA、ストラップ + シューレース、エンデューロ向けシューレース、ダウンヒル向けシューレースの 4 種類をラインナップ。

1.<マレットE ボア(MALLET E BOA)

マレットE ボア 2万7,280円
マレットE ボア 2万7,280円

価格/2万7,280円(税2,480円込)
サイズ( 4 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm
カラー( 1 色のみ)/ブラック-ゴールド/ブラックアウトソール

マレットE ボア 2万7,280円
マレットE ボア 2万7,280円
マレットE ボア 2万7,280円
  • エンデューロレースをメインターゲットに据えた、クランクブラザーズ一押しの MTB シューズ。トレイルライドにも。
  • 微調整が効き、確実な締め心地を提供する BOA システム採用。
  • 歩行時も快適なように、最適化された角度とパターンのつま先とカカトを持つソール形状を採用。
マレットE ボア 2万7,280円
マレットE ボア 2万7,280円

 編集部評:すこし地味かもしれませんね。

2.<マレットE スピードレース(MALLET E SPEEDLACE)

マレットE スピードレース 2万2,880円
マレットE スピードレース 2万2,880円 ブラック-シルバー/ブラックアウトソール
マレットE スピードレース 2万2,880円 グリーン-ブルー/ガムアウトソール

価格/2万2,880円(税2,080円込)
サイズ( 4 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm
カラー(全 2 色)/ブラック-シルバー/ブラックアウトソール、グリーン-ブルー/ガムアウトソール

マレットE スピードレース 2万2,880円 グリーン-ブルー/ガムアウトソール
マレットE スピードレース 2万2,880円 ブラック-シルバー/ブラックアウトソール
  • エンデューロレースをメインターゲットに、トレイルライドにも使えるクランクブラザーズ一押しのオールラウンド MTB シューズ。
  • 足にフィットするシューレースタイプ。ストラップが素早く確実な締め心地を提供。
  • シューレースの絡みつきを防止するための、収納用メッシュポケット付き。
  • 歩行時も快適なように、最適化された角度とパターンのつま先とカカトを持つソール形状を採用。
マレットE スピードレース 2万2,880円 ブラック-シルバー/ブラックアウトソール
マレットE スピードレース 2万2,880円 グリーン-ブルー/ガムアウトソール
マレットE スピードレース 2万2,880円 グリーン-ブルー/ガムアウトソール

 編集部評:BOA なしバージョン。すこし目立つ色が選べます。

3.<マレットE レース(MALLET E LACE)

マレットE レース 1万9,580円
マレットE レース 1万9,580円


価格/1万9,580円(税1,780円込)
サイズ( 4 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm
カラー( 1 色のみ)/ブラック-ブルー/ブラックアウトソール

マレットE レース 1万9,580円
マレットE レース 1万9,580円
  • エンデューロレースをメインターゲットに、トレイルライドにも使えるクランクブラザーズ一押しのオールラウンド MTB シューズ。
  • 素早く締めつけられる丸紐のシューレースタイプ。絡みつきを防止するための、収納用メッシュポケット付き。
  • 歩行時も快適なように、最適化された角度とパターンのつま先とカカトを持つソール形状を採用。
マレットE レース 1万9,580円
マレットE レース 1万9,580円

 編集部評:これも地味ですが。『 E 』はエンデューロの E のようですね。『丸紐のシューレースタイプ』とは、普通のヒモのことです。

4.<マレット レース(MALLET LACE)

マレット レース 1万9,580円
マレット レース 1万9,580円 ブラック-レッド/ブラックアウトソール
マレット レース 1万9,580円 ネイビー-シルバー/ガムアウトソール


価格/1万9,580円(税1,780円込)
サイズ( 4 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm
カラー(全 2 色)/ブラック-レッド/ブラックアウトソール、ネイビー-シルバー/ガムアウトソール

マレット レース 1万9,580円 ブラック-レッド/ブラックアウトソール
マレット レース 1万9,580円 ネイビー-シルバー ガムアウトソール
  • クランクブラザーズが創りあげた究極のダウンヒル競技用シューズ。
  • ダウンヒル向けの特長として、ソールにはクリート位置を深めに設定した『 RACE ZONE 』を採用。コントロール性を高め、安定性を保ちます。
  • 一般的なシューズよりもクリートボックスを 5 mm 奥へセットできるので、セッティングの幅が広がり、より踏みやすくなります。
  • 素早く締めつけられる丸紐のシューレースタイプ。絡みつきを防止するための、収納用メッシュポケット付き。
マレット レース 1万9,580円 ブラック-レッド/ブラックアウトソール
マレット レース 1万9,580円 ブラック-レッド/ブラックアウトソール
マレット レース 1万9,580円 ネイビー-シルバー/ガムアウトソール

 編集部評:高速でセクションに突っ込むダウンヒルなのに BOA ではなく紐を選択しているのが、興味深いです。『丸紐のシューレースタイプ』→普通のヒモ。

マレット レース 1万9,580円 ブラック-レッド/ブラックアウトソール
マレット レース 1万9,580円 ネイビー-シルバー/ガムアウトソール

■マレットモデル共通

  • ビンディングペダルのために開発された低摩擦・高弾力の MC1 コンパウンド複合ラバーソールを採用。
  • 堅牢なクリップインエリアはフリクションを抑えてビンディングの着脱を容易にし、効率よくパワーを伝えます。
  • クリートボックスに付いた傾斜は、クリートキャッチを簡単にし、同時に泥を排除します。
  • クランクブラザーズペダル用のクリートとシムが付属します。クランクブラザーズのビンディングペダルをお持ちであれば、すぐに使えます。
  • EVA ミッドソールが不要なショックを吸収し快適な履き心地を生み出します。
  • アッパー部のメッシュウィンドウが通気性を保ち、足の蒸れを逃がします。 → 編集部評:雨だと濡れる注意です。
  • パッド付タンが甲を保護します。
  • つま先はポリウレタンで補強されており、摩耗を防ぎます。
  • 隠れたアイレットが耐久性ばかりではなくシンプルなカッコよさを引き立てます。
  • 足が抜けやすい踵部分に付けられたドットで、靴と足のグリップを向上させ優れたホールド性を実現。
踵部分に細かいドットが入っているのがご覧いただけるかと。

 

Match Box(マッチボックス)について

自社ペダルとの組み合わせで設計されている、独自機構である『マッチボックス(Match Box)』。


Match Box は、最適な接点を提供するため、ペダルとシューズを統合されたひとつのシステムとする設計アプローチ。シューズとクリートとペダルをマッチさせ、一体感のあるライディングを可能にします。
新品の状態ではクランクブラザーズ純正のクリート + シム 1 枚。厚みのある他社製クリートでは、クリートのみ取付で最適な状態になります。使用に伴って靴底が減っても、シムを抜くことでクリートの篏合を最適な状態に保ちます。
 編集部評:つまり、この機能はクランクブラザーズでの組み合わせのみ? ▶ 代理店の回答:「ご指摘の通り、クランクのクリートはやや薄いため、シマノクリートはシム無しで取付になるようです。クランクのペダルの設計思想としては『ペダルとシューズの密着度を追求する』というコンセプトなのでソールの減りが生じたら、シムを抜いて密着度を上げる調整になるようです」とのこと。

ダウンヒル用シューズ “ マレット レース ” では、マッチボックス( Match Box )に加えクリート位置を深めに設定した『レースゾーン( RACE ZONE )』を採用。

【 STAMPシリーズ フラペ用 3 種 】

汎用性が高く使いやすい、スタンプシリーズ。


ダウンヒル、トレイル、エンデューロ、BMX、そしてカジュアルなサイクリングまで幅広く対応するフラットペダル用。
STAMP ペダルに最適化するようにソールを開発した、クランクペダルファン待望の MTB / BMX 用シューズ。
BOA、ストラップ + シューレース、シューレースの 3 種類をラインナップ。

フラットペダル用のスタンプは、外観はマレットと差異なく見えるが、カラー展開が多くなる。

1.<スタンプ ボア(STAMP BOA)>

スタンプ ボア 2万5,080円
スタンプ ボア 2万5,080円


価格/2万5,080円(税2,280円込)
サイズ( 4 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm
カラー( 1 色のみ)/ブラック-ゴールド ブラックアウトソール

  • フラットペダルユーザー待望の、BOA フラットペダルシューズ。
  • 微調整が効き、素早く確実な締め心地を提供する BOA システムを採用。

編集部評:やはりやや地味な印象。トップモデルゆえ?

2.<スタンプ スピードレース(STAMP SPEEDLACE)>

スタンプ スピードレース 2万680円 グリーン-オレンジ/ブラックアウトソール
スタンプ スピードレース 2万680円 グレー-レッド/ブラックアウトソール


価格/2万680円(税1,880円込)
サイズ( 4 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm
カラー(全 2 色)/グリーン-オレンジ/ブラックアウトソール、グレー-レッド/ブラックアウトソール

スタンプ スピードレース 2万680円 グリーン-オレンジ/ブラックアウトソール
スタンプ スピードレース 2万680円 グレー-レッド/ブラックアウトソール
  • 足にフィットするシューレースタイプ。ストラップが素早く確実な締め心地を提供。
  • シューレースの絡みつきを防止するための、収納用メッシュポケット付き。
スタンプ スピードレース 2万680円 グリーン-オレンジ/ブラックアウトソール
スタンプ スピードレース 2万680円 グレー-レッド/ブラックアウトソール
スタンプ スピードレース 2万680円 グリーン-オレンジ/ブラックアウトソール
スタンプ スピードレース 2万680円 グレー-レッド/ブラックアウトソール


 編集部評:個人的に良いカラリングと思います。

3.<スタンプ レース(STAMP LACE)>

スタンプ レース 1万6,280円 ブラック-シルバー/ガムアウトソール
スタンプ レース 1万6,280円 ネイビー-シルバー/ガムアウトソール
スタンプ レース 1万6,280円 ブラック-レッド/ブラックソール


価格/1万6,280円(税1,480円込)
サイズ( 5 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm 、29 cm
カラー(全 4 色)/ブラック-シルバー/ガムアウトソール、ネイビー-シルバー/ガムアウトソール、ブラック-レッド/ブラックソール、ホワイト/ホワイト/ガムアウトソール(ファビオ・ヴィブマー シグネチャーエディション)

スタンプ レース 1万6,280円 ブラック-シルバー/ガムアウトソール
スタンプ レース 1万6,280円 ネイビー-シルバー/ガムアウトソール
スタンプ レース 1万6,280円 ブラック-レッド/ブラックソール
スタンプ レース 1万6,280円 ブラック-シルバー/ガムアウトソール
  • カジュアルなサイクリング用シューズとしてもおすすめのシューレースタイプ。丸紐が素早い締付けを可能にします。 → 編集部評:一部、従来の四角タイプだが? ▶ 代理店の回答:ファビオ・ヴィブマー シグネチャーモデル(ホワイト/ホワイト)のみ平紐(黒の替え紐付属)。
  • シューレースの絡みつきを防止するための、収納用メッシュポケット付き。
スタンプ レース 1万6,280円 ネイビー-シルバー/ガムアウトソール
スタンプ レース 1万6,280円 ブラック-レッド/ブラックソール


 編集部評:突然の気合展開。それもその筈、MTB・バイクトライアル界のスーパースター ファビオ・ヴィブマー(Fabio Wibmer)使用モデル。

スタンプ レース 1万6,280円 ホワイト/ホワイト/ガムアウトソール(ファビオ・ヴィブマー シグネチャーエディション)
スタンプ レース 1万6,280円 ホワイト/ホワイト/ガムアウトソール(ファビオ・ヴィブマー シグネチャーエディション)
スタンプ レース 1万6,280円 ホワイト/ホワイト/ガムアウトソール(ファビオ・ヴィブマー シグネチャーエディション)
スタンプ レース 1万6,280円 ホワイト/ホワイト/ガムアウトソール(ファビオ・ヴィブマー シグネチャーエディション)
見事なフリップをメイクする、ファビオ・ヴィブマー(Fabio Wibmer)選手。

■スタンプモデル共通

  • STAMP ペダルの形状に合うよう最適化されたペダルエリア。
  • アウトソール部の MC2 コンパウンドは優れたピンの食い込みとグリップを提供。耐久性も優れています。
  • 歩行時も快適なように、最適化された角度とパターンのつま先とカカト。
  • ペダリングパワーを最大限伝える硬質なソール。 → 編集部評:優れたピンの食い込みとグリップ硬質なソールが相反するように受け取れるが? ▶ 代理店回答:「『ライディングに要求される要素を満たした適度なソール剛性』という感覚でしょうか。ここは非常によくできた部分だと思います」「もちろん材質がゴムですので、カーボンのような硬さのソールではなく、歩行も特に問題ありません。履いて歩行した感想ですが、ソールの柔らかいウォーキングシューズに比べると少し硬さは感じますが、長時間履いても疲労する程ではないように感じました」
  • EVA ミッドソールが不要なショックを吸収し快適な履き心地を生み出します。
  • アッパー部のメッシュウィンドウが通気性を保ち、足の蒸れを逃がします。
  • パッド付タンが甲を保護します。
  • つま先はポリウレタンで補強されており、摩耗を防ぎます。
  • 隠れたアイレットが耐久性ばかりではなくシンプルなカッコよさを引き立てます。
  • 足が抜けやすい踵部分に付けられたドットで、靴と足のグリップを向上させ優れたホールド性を実現。
スタンプも踵部分に細かいドットが入って、踵抜けを防止する。

でも、メジャーなの?

 さて、ここからはクランクブラザーズのビンディングシステム一般について、すこし触れておこうと思います。同社のビンディングは、基本的にオフロードライディングのマウンテンバイクでの需要が主ですが、レースシーンというよりか、山に分け入るトレイルライディングでの支持者が多いです。
 これは他社製に比べ、クリート(シューズに付く金具)周辺に泥が酷くこびりついてもペダル側の金具がしっかりとキャッチしてくれる、という大きな利点があるからです。かつてはTIME(タイム)のビンディングシステムが同じキャラクターを持ち、降車が付き纏うシクロクロス(当時、国内ではマウンテンバイクでの出走者も多かった)では、やはり圧倒的な支持を得ていました。

クランクブラザーズのビンディングペダルの代表モデルと言えば、こちら。特異な形状が目を引く、エッグビーター(EGG BEATER)シリーズ。クリートを捉える金具が剥き出しな点とキャッチが4面にあることから、コンディションを問わず確実な固定を得られる。


 現在の華やかなレースシーンではあまり見掛けないクランクブラザーズのビンディングシステムですが、ワールドクラスのダウンヒルではまず足を強く地面に着くことはそれほどありませんし、クロスカントリーもかなりの高速レイアウトになり、押し担ぎのような様相はなくなりました。つまり、スタートしたら最後、ゴールするまでペダルからシューズを外すことが昨今はないのです。
 また、スポンサードの関係もあると思います。同社は、アメリカのブランドによくある、『賑やかになったらどこかに売却する』や『斜陽になった途端、どこかに買収される』という話しを聞きません。派手なスポンサー活動をするのではなく、堅実にビジネスをおこなっているのかもしれません。
 ですから、「あんまりメジャーなイメージないやー」や「ワールドカップで見掛けないよ」みたいな印象で倦厭するのは、もったいないと思います。自分が知っているトレイルライディングを楽しんでいるマウンテンバイクユーザーのほとんどは、実際、クランクブラザーズのビンディングシステムを愛用しています。雨が多い日本ですので、やはりその理由は「泥が詰まってもしっかり嵌まる」、だそうです。

 他社に比べ、クリートを掴む感覚が「ぐにゃり」らしいですが、いつまでも取れないクリートの泥と格闘することを考えれば、慣れの範疇だと思います。

〜以降、FLR 社シューズの紹介へ続きます。お楽しみに。(やかん)

【スペシャライズド】マウンテンバイク展示試乗会 Trail Days 2020 クイックレポ。※随時更新

掲載日/2020年11月5日  取材・写真・文/やかん

※お断り:
掲載時期を早める都合、随時、追加していくかたちにしています。

スペシャライズド・ジャパンが、多くのマウンテンバイクを試乗体験できるイベント、Trail Days(トレイル デイズ)2020 を開催。時期的に 2021 年モデルもいくつか用意されるということで、足を運んでみた。ショート形式で、印象を書きたいと思う。

 試乗コースは、Ninja Trail。(神奈川県小田原市)

スペシャライズド ロックホッパー エキスパート 29(2021)

SPECIALIZED Rockhopper Expert 29 / ロックホッパー エキスパート 29(2021)/12万6,500円(税¥11,500込み)

試乗モデルは、S サイズ。価格とパッケージングが、この日、試乗コースにもっともマッチしたモデル。
かつてのスペシャライズドの汎用BIKEといったらスタンプジャンパーという印象であったが、今はこのロックホッパーがその役割を担っているよう。ジオメトリーもハンドリング特性も、とにかく癖がなく、初めて走った湿ったトレイルを不安なく走れた。すべてのバランスが良い。
特に、次に紹介するチゼルが履くタイヤより、ロックホッパーが標準装備する Ground Control 29 x 2.3″ のほうがグリップ力があり、それでいて舗装路で重たい訳でもなかったのが印象的。(ブロックパターンは広めで、ノブも高い)
日本ではつい、『くだり性能』をアピールしがちだが、本来の「路面を選ばずどこでも自由に走れる」万能さがこの値段で手に入れられるのは、大きいと思う。
個人的に、色はこちらの『サテンシルバーダスト/ブラックホログラフ』が好み。

スペシャライズド チゼル コンプ(2021)

SPECIALIZED Chisel Comp / チゼル コンプ(2021)/19万8,000円(税¥18,000込み)

試乗モデルは、XS サイズ。勝てるアルミフレーム XC(クロスカントリー)BIKE を目指したそうで、D’Aluisio Smartweld Technology(ダルージオ・スマートウェルド製法)がその鍵という。
フロントフォークの沈み込みがやけに深く、ポジションに違和感あったのだが、初めの 1 本はエアの抜き過ぎ。圧を高めた 2 本めは、移動区間の舗装路でロックしたのを忘れ丸々走りきり、「サスペンションいらないかも」、という印象。本稿執筆時に、XS モデルは 80 mm トラベルであることが解る(現地では、100 mm と回答された)。個人的には、ここを改善したい。
それと、タイヤは、完全なレースターゲットなら標準の Fast Trak 29 x 2.3″ でもありかもしれないが、汎用性を取るなら Ground Control 29 x 2.3″ が良い。もしくは、Fast Trak をチューブレス仕様にして、低圧で攻めるか。Fast Trak 29 x 2.3″ はいわゆる、『ヤスリ目テイスト』のトレッドなので、湿った急斜面での登りは技量が要求される。
なお、グレード違いで下位モデルのチゼルが安いのだが(16万5,000円)、昔流行ったキャンディーレッド テイストに似た『グロスレッドティントブラッシュド/ホワイト』が魅力なので、色で選ぶとこちらになる。
それと、カーボンほどの軽さは感じなかった。

スペシャライズド ロックホッパー スポーツ 27.5(2021)

SPECIALIZED Rockhopper Sport 27.5 / ロックホッパー スポーツ 27.5(2021)/6万8,200円(税¥6,200込み)

試乗モデルは、XS サイズ。イベント当日の試乗車受け取りの広場からトレイルまでのアプローチには、出てまもなく舗装はされているが急な登り坂があり、そこでいきなりリアの変速が不調。値段相応なのか、当日の整備が不良なのか。(後日の仕様確認で、スプロケット/カセットはやや気になる。)
トレイルに入ると、今度はブレーキの効きが前後とも弱い。これは、レース系車両に乗り続けての違和感なので、一般的には問題ないだろうが、オフロードに慣れてきたら槍玉に上がる。
タイヤは良い。細かな調整ができないフロントフォークも、本機で挑める速度域なら不満は感じない。
なにより、フレームが小さい、価格が安い。色も、個人的には可愛くて好き。
THE マウンテンバイクを「買ってみたい」、「乗ってみたい」、という入り口としては好適。
この値段から本格 BIKE がないと、やはり一般的にはキツイ。家族で揃えようとしたら、最低でも 2 台は必要になるのだから。(大まか 7 万円 × 2 で、14 万円が発生。)
老舗の良心が詰まった 1 台だと思う。

スペシャライズド デモ レース(2021)

SPECIALIZED Demo Race / デモ レース(2021)/72万6,000円(税¥66,000込み)

試乗サイズは、S2 サイズ(スペシャライズド独自表記)。生粋のダウンヒルレーサーで、当たり前だがトレイルまでのアプローチはほぼ地獄。リフトなどを使ったゲレンデダウンヒルが、完全なターゲット。
そのため、この日の試乗コースとの相性は微妙。特に、フロントタイヤが外側に流れる(滑る)感触が酷く、この日乗ったどの BIKE よりも恐怖を感じるし、スピードが出せない。
(補足として、フロント:Butcher BLCK DMND, 29 x 2.3″ 、リア:Butcher BLCK DMND, 27.5 x 2.3″ という、前後異径仕様。)
現地で出せるセッティングは大まか、スタッフのほうで行っているが、スピード域、ヘッドアングルの寝ぐあい、コースの斜度など、どれもが噛み合わなかった印象。
ただし、ちょうど同日、ポルトガルのロウザンで開催された『 2020 UCIマウンテンバイクワールドカップ』で、ファクトリーライダーのロイック・ブルーニ選手が優勝しているので、性能が良いことは確か(足回りのパッケージ違いはあるが、過去にも幾度も勝っている BIKE )。

ロウザンで開催されたUCIマウンテンバイクワールドカップで勝利を収めた、ロイック・ブルーニ。ただし、サスペンションを中心に、足回りが大きく異なる。
©Red Bull Content Pool

完全なコンペマシンなので、しかるべき場所でしかるべきセッティングの上、練習も含め、走り込めば真価は発揮できる筈。
ちなみに、とんでもない値段に感じられるだろうが、ひとときの高騰期に比べると、これでも入手しやすくなった価格。

スペシャライズド スタンプジャンパー エキスパート(2021)

SPECIALIZED Stumpjumper Expert / スタンプジャンパー エキスパート(2021)/58万3,000円(税¥53,500込み)

試乗モデルは、S2 サイズ(スペシャライズド独自表記)。本機は、煩雑化が進んだマウンテンバイクのカテゴリーに於いて、スペシャライズドでは『トレイル』の括りになる。
量産化初期のマウンテンバイクの多くは “ クロスカントリー ” カテゴリーに位置し、“ トレイル ” は現代ではそれに代わり、もっとも汎用性を持った BIKE と言える。
同社でも、「最高のトレイルバイクとは、軽く、タフで、登坂性能に優れていながら、激しい下りのセクションをしっかり操作して走れるバイク。」「トレイルで出くわすあらゆるセクションに挑めるバイクをお探しなら、ここで見つかります。」と語っている。

その中で、この『スタンプジャンパー』はスペシャライズドが古くから持つモデル名で、1981 年に登場した世界初の量産マウンテンバイクに冠されたモデル名でもある。今回の試乗イベントの中で、これと Stumpjumper EVO のみ “ 当日試乗受付 ” だけという特例で、試乗も一枠 30 分と他車の半分となっていて、「より多くのひとに乗ってもらいたい」という代理店の意気込みが覗えた。

ところが、午前と午後、都合 1 時間のライドでの印象は、極めて不良。特段不満は感じないのだが、際立っての特徴や惹かれるポイントが残らない。価格も考えると、『この BIKE でしか得られない何か』は、どこにも見付けられなかった。値段は倍するが、2019 年に乗った S-Works Enduro のほうが、圧倒的な魅力と所有欲を満たせて、「これは是非とも買いたい」、という頭一つ飛び抜けた性能を持っていた。

S-Works Enduro carbon 29 / Sワークス エンデューロ カーボン(2020)/106万4,800円(税込)

とんでもない値段であることは事実だが、それだって、『スタンプジャンパー』も “ S-Works ” になるとほぼ同じ値段がする。(S-Works Stumpjumper は、115万5,000円 / 税込)
当時との落差が、値段だけとは思えない。それと、実際に現地でもそういうシチュエーションに遭遇したが、この形状のフレーム( Stumpjumper )は『担ぎ』には圧倒的に不向きで、ここへの不満も大きい。
スタンプジャンパーとエンデューロ、それに各モデルに用意されるエヴォについて、追加の考察があるので、後日、お知らせしたい。

複雑なシリーズ構成をすこし整理したい

スタンプジャンパー エキスパートまで書き連ねてきて、ふと、各モデルの住み分けが解らなくなってきたのだ。実際に乗ると、新生スタンプジャンパーの立ち位置が不明だし、個人的にはエンデューロに軍配が上がってしまう。
さらに、それぞれには、エヴォという派生モデルも存在する。しかし、メーカーとしては特に今シーズン(2021年)は、『スタンプジャンパー』をプッシュしたい筈なのに、そこが読み解けない。
販売店や、もっと多くの乗車経験を持つユーザーなら解るのかもしれないが、ここは整理の意味で、一度、国内代理店に尋ねてみることにした(電話で)。その結果が、以下である。

大まかは、これを見てもらえれば解ると思う。一部、「?」になっているのは、この整理を済ませてから画像を添付してメールで認識の再確認をしたのだが、無反応。よって、この説明は、あくまで
『電話口でのやりとりに於いて聞けた、筆者が受け取った理解の範囲』
と捉えてもらいたい。メーカー 100% お墨付き情報ではない。(確実性を担保したかったのだが、延々、回答が返ってこないので)

もちろん、ここまでに書いた試乗の印象は、一個人のモノである。当然、これが万人に当て嵌まることはない。
仮に素性の感じ方は一緒であっても、介在する部品点数が多いので、各部の調整や変更で印象を変化させることはできる。
「メーカーの意図をこう感じたひともいるのか」、と捉えてもらえれば幸いである。

スペシャライズド エピック エヴォ エキスパート(2021)

SPECIALIZED Epic EVO Expert / エピック エヴォ エキスパート(2021)/72万6,000円(税¥66,000込み)

※後日

ダート&モト編集部
サトウハルミチ(やかん) Harumichi Sato

東京都生まれ千葉県育ちで、身長 156cm の mini ライダー。紙媒体の編集を長く経験した後、2012 年 4 月から初めて WEB マガジンに携わる。戦車から航空機まで無類の乗り物好きで、特に土の上を走る四輪・二輪に目がない。競争事も好きで、マウンテンバイク/モトクロスはレース経験あり。モーターサイクル/スポーツサイクル以外にフィルムカメラ、ホームオーディオ、クルマ、紙の読書(恩田 陸先生の大ファン)、プラモデルが大好きで、住まいはモノで溢れている。特技は、引き落としの滞納。マウンテンバイクは、オーバーサイズコラムの 26 インチばかりを 6 台所有( + BMX 1 台)。

❏編集部の走り書き 06. 本格テスト完了です、TIOGAスパイダー(アウトランド サドル&ダズ ライト ペダル)。

 

━はじめに
この走り書きは、連日連夜の慌ただしさでなかなか記事の更新ができない言い訳や、そのうち掲載する内容のメモ的なものとして置きます。クイックな側面ゆえ、乱暴な文体もありますが、ご容赦ください。

 

グッドルックかつ本気仕様

 ここに取り上げるくらいなので、かなりの貸与期間になっています。今回のお題は、長きに渡ってマウンテンバイク関連のアイテムをリリースし続けてくれているブランド、TIOGA(タイオガ)。

 そのラインナップの中から、一時期から『スパイダーシリーズ』として登場している “ レーススタイル ” アイテムのピックアップ。ほぼ樹脂で構成されているスパイダー アウトランド サドルと、クモの巣に意匠を似せたスパイダー ダズ ライト ペダルの 2 点。

 どちらの商品も過去にチラッとは紹介していて、その時の記事が相変わらず人気のようなので、ここで一度掘り起こした次第で。

 手元にあるスパイダー アウトランド サドルは、かなり初期のモデルで、今はより機能を向上させた『アンダーカバーシリーズ』が主力になっていますが、基本的な概念は共通なので、このモデルを通してその特色は掴めます。

 スパイダー ダズ ライト ペダルは、変わらず現行で、当時と値段が変わったのと 2 色展開になっただけです。踏み面がコンパクトなのが今となっては珍しく、レース仕様だけどミニマルデザインなのが変わらず注目なのかもしれません。

 今シーズンにみっちりとダートとレースコースを走り込んで来たので、そのうちお届けするテストリポートを、ぜひお待ちください。

━やかん

協力/マルイ

 
※過去記事は、コチラ↓から。
<製品テスト>TIOGA スパイダー アウトランド(2015年マルイ製品展示会より.1)
<製品テスト>TIOGA 『Spyder DAZZ LITE(スパイダー ダズ ライト)』(2015年マルイ製品展示会より.2)
【タイオガ】スパイダーサドルの進化系と言える、感嘆するクッション性を誇るアンダーカバーシリーズ。
 
 

【マウンテンバイク】ビッグ トレイル 400の魅力を解析、試乗インプレッション。メリダ/MERIDA BIG.TRAIL 400(2021) 38cm

掲載日/2020年8月29日  取材・写真・文/やかん
取材協力/メリダジャパン

 

※お断り:
掲載時期を早める都合、パイロット版になっています。
随時、加筆していきます。

メリダジャパンが 2021 年モデルとして特段プッシュするマウンテンバイクになる、『 BIG.TRAIL 400 』。触りはショート記事(走り書き 01. )で書いたが、本稿ではもうすこし掘り下げみたいと思う。

 

どのような BIKE なのか、把握しよう

 まず、この BIG.TRAIL 400 (ビッグ トレイル 400 )は、その立ち位置を正確に把握することが必要かと、取材現場で感じました。それを理解せずに、勝手な期待だけであれやこれやと論じてしまうと、まったく想定とは異なる結果となってしまいます。

 どう使って欲しいのか、誰にヒットさせたいのか? このあたりをしっかりと捉える必要があります。

 ということで、短めですが届いているリリース文章を解いてみます。

MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) インターナルケーブル

 

  • トレイルをよりシンプルに楽しめるバイク 新型『 BIG.TRAIL 』
  •  →新型、みたいです

  • 29er ホイールを装備した新世代トレイルバイク。
  •  →どこを取って、「新世代」か確認が必要ですね

  • ハードテイルバイクのシンプルさやスペックは、いまだにマウンテンバイク界で根強い人気を誇っています。
  •  →どこのハナシ? すくなくとも日本では “ ホビー ” として捉えた場合、少数派かと

  • 過酷なトレイルを走る場合でも同じこと。とはいえ、こういった挑戦しがいのあるトレイルを走るには、その走りに最適なバイクが必要になります。
  •  →そうですね。スキルもかなり要求はされますが

     

     上記に対するメリダの解が、今回の BIG.TRAIL 400 (ビッグ トレイル 400 )のようです。リリース文章を続けます。

     

    • その最適なバイクとは、MERIDA の新しい BIG.TRAIL 。トレイル向けハードテイルバイクです。
    •  →まあ、マウンテンバイク自体がそもそも『トレイル』向けですが(いじわる?)

    • ハードテイルバイクのシンプルさとメンテナンス性の良さに加え、ロングトラベルバイクの走破性や楽しさを融合させました。
    •  →前半はある程度解りますが、後半で突如「ロングトラベルバイクの〜」が登場するの、解りません。フルサスペンション BIKE のことでしょうか?

       

       また、詳細を現在確認中ですが、BIG.TRAIL (ビッグ トレイル)の開発にはドイツの R & D チームだけでなく、イギリスのショップがかなり噛んでいるようです。彼の地は、以前からハードテイル BIKE でダウンヒルコースのような場所を豪快にライドする文化があり、そういったモデルを得意とする小さなブランドも多いです。

       

      “ マッチョ ”なトレンドを追及する、次の世代の BIKE

       つまり、ここで指している「トレイル」というのは、マウンテンバイクが元来フィールドとする荒れ地やフラットダートとはすこし離れ、ハイクして山頂を目指し、そこからふもとまで駆け下りてくるような使い方、遊び方を想定しているようなのです。細かいスペックは後述しますが、しかし、マウンテンバイクビギナーや脚力の自信がないライダーは、なかなか山の頂まで登っていくのは現実的ではありません。日本では、ゴンドラやリフトを使って上がれる、ゲレンデダウンヒルのような使い方が、ひとつではないでしょうか。

       もちろん、クルマで途中まで上がり、残りのアプローチを自走でハイクするのもありでしょう。というのが、本機はシートの上げ下げが容易な『ドロッパーポスト』を標準装備しているからです。スポーツサイクルのサドル位置というのは、登りが多い時は『高い』ほうがペダリング効率が良く登坂に向いていて、下りが多い時は『低い』のが好まれる傾向にあります。

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) ドロッパーポスト

       従来仕様の BIKE だと、サドル位置を決めているシートポスト(ピラー)はバンド部品で固定されていて、クイックレバーを緩めて上げ下げするか、レバーレスのボルトタイプだと、都度、工具を使って緩める必要がありました。ドロッパーポストは、ハンドルバーに固定を解除するレバーが付き、乗車したまま手元でサドルの位置を自由に上げ下げできます。

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) リモートレバー

       

      ドロッパーポスト装備による恩恵

       このドロッパーポストの登場により、マウンテンバイクの使い方はさらに幅が拡がり、特に登りも下りもランダムに現れるトレイル(というよりかは、トレッキング)での順応性が、飛躍的に向上しました。ですから、脚力に自信があれば、BIG.TRAIL (ビッグ トレイル)は山頂まで自走で上がることは可能です。

       ただし、基本的には下りを重視、さらにはハードなセクションを “ 過激に攻める ” ことも想定しているので、タイヤボリュウムがかなりのモノです。サイズは前述の通り、現在の主流規格のひとつ、29 インチですが、現車を前にするとかなりワイドな 29 インチ + (プラス)と言って差し支えない幅になっています。スペックシートの数値上は、2.4 ” (インチ)と格段に広い訳ではないですが、タイヤ全体が大柄になる 29 インチの「 2.4 ” 」なので、接地面積などからも「軽快さ」はやや犠牲になります。

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) タイヤボリュウム

       

      チューブレスレディに標準対応

       さらに、本機の内幅 29 mm のリムは『チューブレスレディ』仕様なので、必然的に対応タイヤを選択した場合は、下りでのクッション性向上を企図して、空気圧は相当下げる使い方になると思います。そうすると、タイヤの抵抗力は増しますので、ひたすらな登りが続いた場合は、しんどいです。山頂までのアプローチは登りがほぼメインなので、往路は空気圧を高くして軽快さを出し、山頂からの復路ではめいいっぱい空気圧を下げてハードに攻める、ならありと思いますが。

       ちなみに、このチューブレスレディというのは、自転車用タイヤの中には一般的に入っているチューブが、不要な仕組みのことです。ホイール(正確にはリム)とタイヤのビード部がぴっちり貼り付くことで、タイヤ内の空気を保持します。(クルマやモーターサイクルではこちらが普通ですよね)

       マウンテンバイクに於けるメリットとして、チューブありで低圧にすると発生しやすくなる “ スネークバイト ” というパンクが物理的に起きず(チューブがないので)、かなりの低圧でも走れる。チューブ分、軽量になるので、タイヤの転がりが軽くなる(慣性も弱くなる)。また、チューブという干渉物がなくなることから、タイヤ本来の特性が邪魔されず発揮できる、といった特徴があります。

       欠点(というか特性)は、空気が抜け切ってしまうと、一般的な空気入れでは密閉ができません(ビードが上がらない、と表現する)。ですので、山中でもしパンク(という表現も微妙なのですが)したら、チューブを入れて降りてくることになります。ですから、もし BIG.TRAIL (ビッグ トレイル)をチューブレス仕様で乗るのであれば、◆対応のチューブ(バルブ形状間違えないように)◆空気入れ(ハンディタイプで OK )◆タイヤレバー(樹脂製が理想)、の携行は必須になります

       

      前後180mmの高速仕様

      「そんなに低圧にして乗らなければいいじゃん?」と思われるかもしれませんが、先の『走り書き』にもありますが、この BIG.TRAIL 400 (ビッグ トレイル 400 )のアルミフレームは、お世辞にも柔らかい、とは言い難いです。どちらかというと、元来のアルミフレーム特有の硬さがあります。これは、ハードな走行にも耐えられるように、逆に柔らかさを優先して必要な時にフレームが腰砕けにならないように、といった意図があるのだと思います。「必要な時」、というのは、『速度域がかなり高くなった時』、と解釈して間違いないと思います。

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) フレーム硬度

       それを裏付けるように、本機の油圧式ディスクブレーキは、ローター径が前後ともに 180 mm です。ハードテイル BIKE は、一般的にフロントよりもリアのほうがローター径は小さくなり、また、フロントは 160 mm までが主流です。どちらも 180 mm を装備するというのは、それだけ高速域での BIKE コントロールが必要になる、とメーカーでは想定して作っている訳です。

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) リアローター

       そうなると、やはりどうしてもフレームの全体的な強度は必要になってきます。従来は、フレームをやや柔らかくすることでしか、路面からの突き上げ感やリア周りの硬さを軽減する手段はありませんでした。しかし、それは反せばフレームの脆弱性に繋がり、転倒で岩にヒットなどさせることで大きな破損を招くことにもなりました。チューブレスの登場は、タイヤ本来の特性を発揮しやすくなるだけでなく、低圧にできることで、タイヤを『第 2 のサスペンション』として利用することが可能になったのです。

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) フロントローター

       

      贅沢新装備で魅せる、新世界

       BIG.TRAIL 400 (ビッグ トレイル 400 )が、エアボリュウムを確保しやすい 29 + のようなタイヤを標準装備しているのは、ワイド化することでグリップ力が上がる単純な力学効果だけでなく、回避できないフレームの硬さはタイヤ空気圧の調整でコントロールして、という新しい使い方を企図してのことと思います。そういった意味では、「新世代」というウリ文句は、頷けます。タイヤクリアランスは 2.5 インチまで確保されているので、今以上に幅広のタイヤを選択することも可能で、よりハードな使い方もできます。

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) クリアランス

       ということなので、正直、取材会場として用意された、河川敷に新設されたフラットな周回コースでは、本機の特性や利点、狙い所の “ おいしさ “ を感じ取ることはできませんでした。幅が広いハンドルバー( 740 mm )、クイックには回れないホイール径、そして強固なフレーム。昔のクロスカントリーコースのようなテストコースでは、真価は発揮できないです。

       中速以上の下りメインのコースやフィールドであれば、印象は大きく変わるでしょう。この周回コースで感じ取れたメリットは、幅の広いタイヤによる接地面の圧倒的な安定性とグリップ力、サドルから前に飛び降りた時でもトップチューブに急所を打たない大きくスローピングさせたフレームデサイン。それとやや関連して、ドロッパーポストの装備により乗込時はサドルをかなり低い位置に降ろせるので、小柄なライダーでも扱いが容易な点です。
      (※編注:跨がりの地面からの距離は、 “ スタンドオーバーハイト ” という値で表すこともあります)

       

      値段から見た魅力は、さてどうか?!

       ここまで読まれて、多くの方はゲンナリしたと思います。なにせ『インプレッション記事』と銘打っておきながら、本来の能力を発揮できるフィールドでの十全な試乗記ではないのですから。すみません。

       後半は、各種数値や価格の面から、本機が魅力的な BIKE かどうかを見ていきたいと思います。正直、自分も国内に入ってきているすべてのモデルを把握している訳ではないので。

       まず、この BIG.TRAIL 400 (ビッグ トレイル 400 )の価格は、15万3,890円(10%税込)。一般的なひとの感覚からすると、安くはないです。サイズ展開は、S( 38 cm )と M( 41 cm )の 2 種類。重さは、M サイズで 14.3 kg なので、今となってはハードテイル BIKE のカテゴリーでは、軽くはないです。ドロッパーポストとチューブレスレディ対応リムを標準採用しながらこの価格で抑えるには、どうしてもコンポーネンツ群のグレードをやや落とさざるを得ず、結果、重量増に繋がっているのでしょう。

       ただし、このあたりは他社も同じだと思いますので、見てみましょう。(※編注:敢えてぼやかしています)

      ・G 約15万込 13.1kg 120mm 15mm Axle 180mm / 160mm 27.5 x 2.6 Tubeless Ready 12s(11-50T) 31.8 780mm 30.9 x 345/T100mm 395/T125mm 15 x 110mm / 141mm  Tubeless Ready
      ・T 約15万込 14.84kg Boost110 15mm 20mm 180mm / 160mm 27.5 x 2.80″(29 x 2.40″コンパチ) 12s(11-50T) 31.8mm 750mm 100mm 31.6mm 361mm 130mm 31.6mm 425mm Boost110 15mm thru axle Boost141 5mm QR Tubeless Ready 40mm
      ・J 約16万込 14.5kg 15 x 110mm axle 130mm 180mm / 160mm 27.5 x 2.8” TCS Tubeless 10s(11-42T) 31.8 x 740mm Dropper TCS Tubeless 15 x 110mm & 12 x 148mm
      ・K 約18万込 約14kg 130mm 110mm 180mm / 160mm 27.5 x 2.8″(29″コンパチ) 12s(11-50T) 35 31.6mm 約100mm / 125mm 110 x 15mm 148 x 12mm チューブレスレディ
      ・G 約17万込 確認中kg 130mm 15 × 110mm 180mm / 160mm 29 × 2.3” 12s(11-50T) 31.8mm 780mm 31.6mm 15 × 110 12 × 148 チューブレスレディ
      ・S 約19万込 約14.25kg Boost™ 120mm 180mm / 160mm 27.5 x 3.0″ tubeless ready 11s(11-42T) 750mm 31.8mm 30.9mm S 120mm M/XXL 150mm 15 x 110mm thru-axle 12 x 148mm thru-axle 38mm tubeless ready
      ・M 約26万込 13.9kg 110 x 15mm Boost 130mm 180mm / 180mm 27.5 × 2.6” Tubeless Compatible 11s(11-46T) 780mm S 125mm All Other Sizes 150mm 30.9mm 29mm Tubeless Compatible 110 x 15mm 12 x 148mm
      ・C 該当類似 BIKE なし
      ・S 該当類似 BIKE なし

       このように見較べてみると、まず前述の重量は、この『新カテゴリー』では標準的な重さである、と言えます。高剛性フレームやボリュウムあるタイヤを備えるので、純レーサーのようなクロスカントリー BIKE とはやはり趣が違うようです。どの専門店に行っても並んでいるメジャーどころをピックアップしたつもりなのですが、用意がないブランドもありました。新世代らしい、というよりか、これは単純に国内に入って来ていないだけですね。

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) 15万3,890円(10%税込) SILK DARK PURPLE(SILVER-PURPLE):EM03

       公表されていなかったり表記のない数値類もあり、スタンドオーバーハイトについては一律で確認できなかったですが、写真で見較べても、BIG.TRAIL 400 (ビッグ トレイル 400 )は、確かにかなり低めにデザイン(設計)されているのは事実です。

      メリダ BIG.TRAIL 400 (ビッグ トレイル 400 ) 716 mm と 723 mm
      他社参考 731,754,751,748,763 757,781,806 723,729,736 732,763,794 740,790 664,677

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) 15万3,890円(10%税込) GLOSSY BLACK(MATT COOL GREY):EK93

       

      突出した性能に固執せず、総合的な安心感勝負の 1 台

       総じて見ると、量産性による品質の均一化、安定性、販売網や代理店による購入後のサービス体制なども勘案すると、このカテゴリー(と考えられる)内で、十分に購入対象となる BIKE であると言えます。トレンドをよく研究して、装備や作りも熟考されている印象です。

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) サスペンションフォーク

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) テーパードコラム

       新車整備後、すぐに載せ替えたり破損するような部品も見受けられず、余計な出費も必要なさそうです。BIKE の目指すフィールドを間違えなければ、この 1 台でアグレッシブなライドが楽しめるでしょうから、あとは安全装備だけ十全を期せば、新しい世界が体験できることは間違いありません。

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル)
      フロントシングル

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) リア10s

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) ダボ

       

       さあ、地球に飛び出してみよう!

       

      < スペック >
      フレーム/BIG.TRAIL TFS
      フレームサイズ/S(38cm)、M(41cm)
      フォーク/Suntour XCR34 LOR Air 140 STR
      ヘッドセット/MERIDA M2345
      リアサスペンション/N.A.
      ギヤクランク/Shimano Deore M5100 32 ATC Length:170mm
      BB セット/attached
      F. ディレーラー/N.A.
      R. ディレーラー/Shimano Deore M5120 Shadow+
      シフター/Shimano Deore M4100
      F ブレーキセット/Hydraulic Brake
      R ブレーキセット/Hydraulic Brake
      ブレーキレバー/Shimano SL -MT500
      リム/MERIDA COMP TR 29 IWR
      チューブレス対応/Tubeless ready
      スポーク/Black stainless
      F. ハブ/Shimano MT400-B 110 x15
      R. ハブ/Shimano MT400-B 148 x12
      F. タイヤ/Kenda Regolith 29×2.4″ wire
      R. タイヤ/Kenda Regolith 29×2.4″ wire
      ギヤ/Shimano Deore M4100 11-46 ATC 10S
      チェーン/KMC X10
      ハンドルバー/MERIDA EXPERT CC MAT aluminium 740 10°
      ハンドルステム/MERIDA COMP CC MAT aluminium φ 31.8 6° Length:50mm
      サドル/MERIDA COMP CC
      シートピラー/MERIDA COMP TRaluminium φ 30.9 0° S:125SPT – M:150SPT
      シートクランプ/MERIDA COMP QR
      ペダル/VP VPE-891
      チューブ・バルブ/仏式バルブ
      付属品/ベル、ロック、リフレクター
      重量/14.3kg(Mサイズ)

       

      < ジオメトリー >

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) 65.5度と75.5度のアングル

      フレームサイズ/38 (41)
      シートチューブ/380 (410)
      トップチューブ/579 (600)
      チェーンステー/435 (435)
      ヘッドチューブアングル/65.5 (65.5)
      シートチューブアングル/75.5 (75.5)
      ボトムブラケットドロップ/66.5 (66.5)
      ヘッドチューブレングス/95 (100)
      フォークレングス/550 (550)
      リーチ/415 (435)
      スタック/636 (641)
      スタンドオーバーハイト/716 (723)
      適正身長/38 cm – 160 cm ~ 175 cm、41 cm – 165 cm ~ 180 cm

      MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) ジオメトリー

       

       

      ダート&モト編集部
      サトウハルミチ(やかん) Harumichi Sato
      東京都生まれ千葉県育ちで、身長 156cm の mini ライダー。紙媒体の編集を長く経験した後、2012 年 4 月から初めて WEB マガジンに携わる。戦車から航空機まで無類の乗り物好きで、特に土の上を走る四輪・二輪に目がない。競争事も好きで、マウンテンバイク/モトクロスはレース経験あり。モーターサイクル/スポーツサイクル以外にフィルムカメラ、ホームオーディオ、クルマ、紙の読書(恩田 陸先生の大ファン)、プラモデルが大好きで、住まいはモノで溢れている。特技は、引き落としの滞納。マウンテンバイクは、オーバーサイズコラムの 26 インチばかりを 6 台所有( + BMX 1 台)。

       

       

       

❏編集部の走り書き 05. 長期使用中です、LAKE シューズ。

 

━はじめに
この走り書きは、連日連夜の慌ただしさでなかなか記事の更新ができない言い訳や、そのうち掲載する内容のメモ的なものとして置きます。クイックな側面ゆえ、乱暴な文体もありますが、ご容赦ください。

 

希少本革が提供するフィット感

 このシューズを使い始めたのも、かなり前のことです。代理店との mail 連絡記録を見たところ、受け取ったのは 2019 年 9 月のようです。そこから使い続け、今日になってしまっているので、このコーナーで臨時紹介している訳ですが……。

 きっかけは、ある展示会で立ち寄ったところ、「本革製で自信あります」「が、マウンテンバイクユーザーへの浸透はまだまだです」、とのことで。「そうですね」、と言いたいところなのですが、ぼくはこの LAKE (レイク)というブランドは 2000 年より前に知っていて、当時のシューズを 2 足持っています。ただし、それは本革ではありませんでした。

 本革製であることの特徴は色々あると思いますが、いちばんは “ 使い込んでいくうちに馴染んでくる ” 、という点だと思います。今使っているモデルは、MX237 という型番の SPD シューズで、紐やバックルはいっさいなく、ワイヤーと BOA ダイヤルを使った、ロードモデルでは一般的なスタイルです。

 使い始めは秋口で、そこから寒い時期、暑い時期と履いてみていますが、革は意外と伸びるので始め「きついかな?」というぐらいの調子で締めておいても、1 時間もするともう一度 BOA ダイヤルで締める感じです。紐とは違うので、走行中でも楽なのがいいです。

 それなので、試し履きの時は「全体的にゆとりがある」、よりも「ぴったり目」を選ぶのが良いかと思います。

 今のところは、河川敷サイクリングロードでの走り込みに加え、オフロードコース、ダウンヒルコースでも履いています。ファブリックや合成皮革シューズと較べて、対策が必要な箇所もありますが、総じて「レーシー」「軽量」「タフ」な出来栄えに、感嘆しています。

テストリポート、もちろんそのうちお届けしますので、お待ちください。

━やかん

協力/キルシュベルク

 
 

❏編集部の走り書き 03. 取材中です、BBBヘルメット(デューンMIPS&グリッド)。

 

━はじめに
この走り書きは、連日連夜の慌ただしさでなかなか記事の更新ができない言い訳や、そのうち掲載する内容のメモ的なものとして置きます。クイックな側面ゆえ、乱暴な文体もありますが、ご容赦ください。

 

大仰でない & 目立つヘルメットで自己防衛を

 現在、マウンテンバイク向けとサイクリング & 日常使いできそうなヘルメットを、2 つお借りして取材を進めています。

 とは言っても、貸与から現在までかなり時間が経過してしまっている訳ですが……。すみません。

 事前に告知しておきますと、ブランドは BBB (オランダ)。ラインナップは、スポーツスタイルでバイザー付きのマウンテンバイクライクな、『デューン MIPS 』と、後部に LED のレッドライトを備える、ストリートスタイルな『グリッド』。

 デューン MIPS は、安全装備の MIPS を採用しつつ後頭部下回りの張り出しがない昔ながらのデザインで、トレンドの “ トレイル向け ” のように大仰でないのが、選択の理由。

 グリッドは、とにかく視認性重視。安全のためにヘルメットの装着は望ましいですが、それに加えて「自分はここにいるよ!」という積極的なアピールがないと、自転車での車道走行は危なくて恐怖でしかありません。

 鋭意取材進行中でありますので、もうしばらくお待ちください。

━やかん

協力/ライトウェイプロダクツジャパン

 
 

❏編集部の走り書き 02. 長期使用中です、ESI グリップ。

 

━はじめに
この走り書きは、連日連夜の慌ただしさでなかなか記事の更新ができない言い訳や、そのうち掲載する内容のメモ的なものとして置きます。クイックな側面ゆえ、乱暴な文体もありますが、ご容赦ください。

 

環境の変化に左右されない良グリップ

 このグリップを使い始めたのは、代理店との mail でのやりとり記録を見るに、2019 年 1 月のことのようです。それから今日まで使い続けているので、1 年半は経過したことになります。

 当初から、ゴム系とは違う手触りで、「手袋がいらない!」と感嘆していましたが(もちろん、ロングライドなどでは装着します)、その間に季節は一巡した訳で、温度や天候に左右されない万能性がたいへん気に入っています。

 まず、装着したのが冬の時期でしたが寒さで硬くなることはなく、ひんやりと冷たくもありません。そのあと夏を迎え、そこで逆に柔らかくなったりベタつくこともありませんでした。装着 BIKE は所有車両の中でオールラウンドに使っている 1 台なので(リンク記事参照)、常に手袋(グローブ)を着ける必要はなく、しかし、スポーツサイクルに多いゴム系だと、柔らかめなのと匂いが気になります。

 このストレスから開放されるのは、最高です。

 そして、日本で乗るのに避けては通れないのが、梅雨の季節です。グリップは、水で濡れるとたいてい滑ります。どんなにパターンやコンパウンドを工夫しても、素手だと滑りやすくなるのは否めません。ところが、ESI (イーエスアイ)グリップではそれがありませんでした。

 また、構成素材のシリコンは連泡ではなく単泡なので雨が染み込んでグジュグジュになることもなく、今年( 2020 年)の長雨でもグローブいらず & 安定のグリップ力で、すこぶる快調でした。

 すこし痩せてきたかな? とは見えますが、まだまだ安全なライドに寄与しくれそうです。

━やかん

協力/グルーヴィインターナショナル

 
 

❏編集部の走り書き 01. メリダジャパン推しの BIG.TRAIL 400 に乗ってきた。

 

━はじめに
この走り書きは、連日連夜の慌ただしさでなかなか記事の更新ができない言い訳や、そのうち掲載する内容のメモ的なものとして置きます。クイックな側面ゆえ、乱暴な文体もありますが、ご容赦ください。

 

取り上げ方にやや迷う 1 台

 先日、メリダジャパンがわざわざ別個に mail リリースを出したマウンテンバイク、『 BIG.TRAIL 400 』という新しいモデルに乗ってきました(取材)。特徴は、アルミフレームに 29 インチ + (プラス)とも言えるゴリゴリに太いタイヤを履いた、下り重視の “ マッチョ ” ハードテイルモデルです。

 ロングツーリングも想定してか “ ダボ ” を 3 箇所備える、次のトレンドを狙っていきそうな BIKE なのですが、正直、「取り上げ方にやや迷う 1 台」というのが素直な感想でした。なにせ、相変わらず “ ここ ” のアルミフレームは硬い……。

 過去、試乗(取材)したモデルで、それでも “ ややソフト ” なアルミ BIKE はありましたが、今回の BIG.TRAIL 400 (ビッグ トレイル 400 )は厳しい。

 もっとも、河川敷に新設されたフラットな周回コースをテストコースとしたので、中速以上の下りメインであれば印象は変わるのかもしれません。

 試乗記(インプレッション)はそのうちお届けしますので、お待ちください。(というか、3 つもあるダボを撮り忘れました。唖々)

━やかん

協力/メリダジャパン

 
※試乗記を追加しました。コチラ↓から。
【マウンテンバイク】ビッグ トレイル 400の魅力を解析、試乗インプレッション。メリダ/MERIDA BIG.TRAIL 400(2021) 38cm