■スコット/SCOTT SCALE 710(2017) 48万3,840円 Sサイズ MTB試乗インプレッション

スコット(SCOTT)は欧州を中心に古くからスポーツサイクルを作っている会社で、日本にも黎明期から輸入されていたので名前を知っている人は多いでしょう。

■スコット/SCOTT SCALE 710(2017) 48万3,840円 Sサイズ MTB試乗インプレッション
 

スコット/SCOTT SCALE 710(2017) 48万3,840円

 

掲載日:2017年07月20日  取材・写真・文/やかん

取材協力/富士見パノラマリゾート
 

このプライスでこの性能と装備は豪奢と言わざるを得ない

 

スコット(SCOTT)は欧州を中心に古くからスポーツサイクルを作っている会社で、日本にも黎明期から輸入されていたので名前を知っている人は多いでしょう。もちろん、スコットと言えばウィンタースポーツが圧倒的に有名で、それらの技術とサイクルの技術がまったくオーバーラップしてないか、というとそんなことはないと思います。


今回、一般向け試乗会にお邪魔して初めに乗らせていただいたのが、純クロスカントリー車となる、こちら、スケール(SCALE)710です。モデルとしては以前からラインナップされているBIKEで、国内のリアルレーサーだけでなく、海外でも選択肢としてよく上がる1台になります。特徴は、同社が誇るカーボンレイアップ技術で、まるでロードバイクのような驚異的な加速性能と、進化を続けるショックダンピングシステム、それに関連して高いトラクション性能を持つBIKE、と謳われています。


実際に乗ってみると、筆者の体重(53kg)も関係するのでしょうが、まだ身体が慣れず低速でのライドが続いていると『カタサ』がやや気になります。その代り、登坂力と瞬発力はすさまじいものがあります。メーカーの売り文句は間違いない、といった塩梅です。


また、その感じる硬さと相俟ってか、下りではテクニックがそれなりに要求され、それ以外にも、正しくセンターに乗っていないとライディングが乱れがちになります。27.5インチのBIKEなので多少ここは融通が利くかと思いがちですが、意外とそうでもなく、初心者がいきなりこのBIKEに乗ると、正直、危ないと感じました。


しかし、2周目、眼も身体もコースに慣れてくると、おのずとアベレージスピードは上がり、すると1本目に感じた硬さはかなり軽減されるようになりました。得意なスピード域が高いようで、適切にボトムブラケットに荷重を掛けていれば、優れた振動吸収能力を感じます。マス(重心)のシビアさは相変わらずですが、この、路面からの尖った振動を吸収し、それでいながら抜群の瞬発力を見せる特性は、確かにリアルレーサーには喉から手が出る程欲しいものではないか、という印象です。


それ以外にも本機を細かく見ていきますと、そのフレーム性能に劣らない各パーツ、コンポーネントが目立ち、全体で見渡すととてつもないベストバリュであることに気付かされます。個々の性能も全体のバランスから来る高次元な性能も、たいへん優れたものがあり、量産車でないとおそらくこの価格は成立しないのではないかな、と思う内容です。


ガンガンに漕いで、積極的にペースを上げていき、かつ、どんなコンディションでも音を上げないコンポーネントを欲するのであれば、これほどうってつけのBIKEはない、というのが偽らざる感想です。あとは、乗りこなせるかどうかは、ライダーの体力とスキル次第です。お財布の心配は、オフシーズンにでもしましょう。

 
 
※価格は税込み。掲載時点でのものです。
※本取材は、富士見パノラマリゾートさまの協力を得て実施しました。
 
 

フロントサスペンションは、FOX 32 SC Float Performance Elite Air FIT4 3- Modes with low speed adj。100mmのトラベル量を持ち、リバウンド調整が可能。エア式。

FOXフロントサスペンションは、右レッグ頭頂部にリモートロックの機構が備わる。
RIDELOC TECHNOLOGYと名付けられたリモート機構は、1つのレバーで3つのモード(登坂・トレイル・下り)を瞬時に切り替えられる。スケール710は、ハンドル左に装着。
現在のマウンテンバイクのトレンドになるBoost規格のBIKEで、フロントは15x110mm QR Thru Axleでの固定になる。
15mmのアクスルは、クイックレバーを採用し脱着が容易になっている。ブレーキは、油圧シマノXTディスクで、ローター径はΦ180mm。コントロール性の高さは、流石。
Scale 3 Carbon / IMP technology / HMFのカーボン技術で構成されるフレームは、BBにプレスフィットBB92規格を採用。クランクスペーサーが不要で、レース仕様の補強も施されている。
スコットのクロスカントリーBIKEの答えはフロントギア2枚のようで、シマノXTのサイドスイングを採用している。ケーブル処理は、よく考えられた ICCR Cable routing を使い、たいへん美しい仕上がり。
複数のカーボン技術がフレームに投入されていて、リア三角はSDS2 advanced Shock & Standing Damping Systemが投入されている。シートステーが外側にしなり、衝撃を吸収する。
基本的なコンポーネントは、シマノのディオーレXTで構成される。リアルレースを考えると必要なラインで、操作性、動作の確実性と、どれをとっても破綻がない。また、レバーが2wayリリースなので、乗り手を選ばないのも美点。
ホイールは、リムにSyncros XR2.0 / 28H / Tubeless readyを、ハブはSyncros XR2.0 CLを採用し、前後ともBOOST規格になる(幅/フロント110mm、リア148mm)。
解り難いが、リアブレーキはキャリパーを固定する部品が別体になる独自の構造を採用する。この機構により、ブレーキの応力がアクスルとチェーンステーにのみ掛かる。
リアのブレーキも油圧で、シマノのXTを採用。ローター径はΦ160mmで、コントロール性は高い。このカットで、マウントがフローティングされていることが解る。
リアディレーラーは、シマノXT Shadow Plusで11s。スプロケットもXTグレードで、丁数は11-42T。最後の1枚がワイド化されている。

ハンドル周りなどアッセンブルされる部品は、主にシンクロスの物を採用している。シートレールはチタン製で、軽量化を追求してもいる。

 
 

富士見パノラマリゾートは、日本で有数のマウンテンバイクコースを持つ施設で、春から秋にかけてはこのほか、山頂へのゴンドラを使ったハイキングなども楽しめる。特に今はハイカーに人気で、家族で出掛けても1日楽しめるようになっている。
http://www.fujimipanorama.com/summer/
 
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投稿者: やかん

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