■メリダ/MERIDA O.NINE PRO TEAM ISSUE(2013) 279,000円 41cm MTB試乗インプレ

メリダワールドチームのライダー、ホセ・ヘルミダ選手が2010年の世界選手権を制した時に乗っていたのが、このO.NINEシリーズです。

写真

掲載日:2013年04月15日  取材・写真・文/やかん

最先端カーボンテクノロジーを纏うレーススペックMTB

 メリダワールドチームのライダー、ホセ・ヘルミダ選手が2010年の世界選手権を制した時に乗っていたのが、このO.NINEシリーズです。26インチハードテールのピュア・レースBIKEで、オールドスクールと見る向きもあるかもしれませんが、MTBの原点と言えます。そのO.NINEシリーズの中のPRO TEAM ISSUEは、カーボン素材を使ったチームレプリカBIKEで、2012年まで大きな変更がありませんでしたが、2013年モデルから、同社のロードバイクに採用されたバイオファイバーをカーボンレイアップに加えた構造をシートステーに取り入れ(Bio Fiber Damping Compound)、更なる振動吸収性と快適性を追求しています。完成車質量は、41cmモデルで驚きの9.9kg。

 乗ってすぐに感じた印象は、その質量が素直に効いて、とても軽い、という事です。フレームだけでなくBIKE全体が軽く感じ、またフレームが伸び伸びと前に跳ねてくれる事から、この日の試乗コースを、他のモデルに較べギア2つぐらい上(重たいの)が使えます。速くなったと感じるのではなく、実際に速くなります。2013年モデルで刷新されたというリア周りは、個人的にはそれでもまだ僅かに硬い印象は受けますが、その分、とにかく良く走ります。路面からの突き上げをやや緩和させる目的で、通常のセッティングよりもサドル高を少し下げたら、この突き上げ感は解消されました。

 当日の試乗コースは、個人的には29インチMTBの効果をとても感じられるレイアウトだったので、それに較べると僅かに慣性力に物足りなさを感じたのは事実ですが、フレームの出来がとにかく素晴らしく、『自転車はフレームが命』である事をあらためて痛感させられました。日本では、まだ26インチMTBの方が真価を発揮するフィールドが多い事もあって、充分出番のある即戦力レースBIKEです。37cmも用意されているので、小柄なライダーでも選択出来るのも良いです。

フロントサスペンションは、DT Swiss XRM 100 Remote。特徴的なアーチはTORSION BOXと呼称され、ローワーと一体成形されるマグネシウム製。内部構造はエア式で、Auto Balancing Springを採用。トラベル量は100mm。 サスペンションは右側手元でのロックアウトが可能。シフターはSRAMのX9で、インジケーターがないタイプ。個人的には不便に感じる。ギアレシオはベーシックな3×10になる。メリダの純正グリップはスポンジ状が多く、なかなか具合が良い。 ハイモジュラスカーボンファーイバーをフレームに使い、2013年からはシートステーにバイオファイバーが加えられた。メリダはガーボン成形のレベルも非常に高く、Nano Matrix Carbon、Anti Wrinkle Systemなど独自の技術を多く持つ(本機も採用)。
カーボンチューブ内にリブを入れたメリダ独自の技術、Double Chamber Technologyを採用する。2つの独立したチャンバー(空洞)をフレーム内に設ける事で、曲げや捻じれに対する剛性を大幅に上げ、衝撃に対する耐久性も向上させている。 ブレーキは前後に油圧式ディスクのMagura MT4を採用。昨今のクロスカントリーは平均スピードの上昇と下りセクションの激化が進んでいるため、対応してローター系は前がφ180mm、後ろがφ160mmになる。デザインも最新の物に。 O.NINEもトップチューブにアイコン的グラフィックが入れられる。ヘッドチューブは同社オリジナルの、中心部が膨らんだEgg-Shape形状。セミインテグラルのヘッドパーツと組み合わせる事で、剛性を高めている。塗装の仕上がりも素晴らしい。

 

コメントを残す