【マウンテンバイク】マキシス(MAXXIS)始め新製品続々登場

都内で開かれた新製品内覧会の中から、マウンテンバイク関連を中心に新製品情報をお届けしたい。

掲載日/2022年10月2日  取材・写真・文/やかん

取材協力/マルイ

 都内で開かれた新製品内覧会の中から、マウンテンバイク関連を中心に新製品情報をお届けしたい。

マキシス(MAXXIS)はサイズ展開が豊富に

アセガイはサイズ展開と新仕様の2パターン。

 国内での使用率も高いであろうマキシス(MAXXIS)は、まずアセガイ(Assegai)に 27.5” と 29” にワイド幅モデルの追加が。その他、微妙な仕様違いの 4 種が加わる形に。

【NEW SIZE】

  • 27.5” x 2.60” WT(66-584) 1,095g 3C マックステラ 40PSI EXO+/チューブレスレディ 1万1,880円(10%税込み)
  • 29” x 2.60” WT(66-622) 1,170g 3C マックステラ 40PSI EXO+/チューブレスレディ 1万1,880円(10%税込み)

【NEW】

  • 27.5” x 2.50” WT(63-584) 1,050g 3C マックスグリップ 50PSI EXO+/チューブレスレディ 1万1,550円(10%税込み)
  • 27.5” x 2.50” WT(63-584) 1,045g 3C マックステラ 50PSI EXO(+がなくなっている)/チューブレスレディ 1万120円(10%税込み)
  • 29” x 2.50” WT(63-622) 1,125g 3C マックスグリップ 50PSI EXO+/チューブレスレディ 1万1,550円(10%税込み)
  • 29” x 2.50” WT(63-622) 1,030g 3C マックステラ 50PSI EXO(+がなくなっている)/チューブレスレディ 1万120円(10%税込み)
アセガイ(Assegai)は、コーナーコントロールに特に秀でているようだ。

 

ディセクター(Dissector)は、すべてのサイズに仕様違いが加わる形に。

 ディセクター(Dissector)は、非常にややこしいが僅かな仕様違いのモデルが全サイズに加わることになった。

【NEW】

  • 27.5” x 2.40”(61-584) 880g 3C マックステラ(グリップがない) 50PSI EXO+(になっている)/チューブレスレディ 1万1,550円(10%税込み)
  • 27.5” x 2.60”(66-584) 1,055g 3C マックステラ(グリップがなくなってる) 40PSI EXO+/チューブレスレディ 1万1,880円(10%税込み)
  • 29” x 2.60”(66-622) 1,120g 3C マックス 50PSI EXO+(になっている)/チューブレスレディ 1万1,550円(10%税込み)
  • 29” x 2.40” WT(61-622) 945g 3C マックス(グリップがなくなってる) 40PSI EXO+/チューブレスレディ 1万1,550円(10%税込み)
転がり抵抗を低減させているので、ドライのハイスピードコンディションでの使用に向いているか。

 

フォーキャスター(Forekaster)は、29”サイズが追加に。

 土がまとわり付くような状態でも安定したグリップを得られるという、フォーキャスター(Forekaster)。従来の 27.5” のみから 29” サイズが 2 種類追加になった。

【NEW SIZE】

  • 29” x 2.40” WT(61-622) 950g デュアル 50PSI EXO/チューブレスレディ 8,580円(10%税込み)
  • 29” x 2.60”(66-622) 1,040g デュアル 40PSI EXO/チューブレスレディ 9,240円(10%税込み)
レース用タイヤとしては位置づけられていない。

トピークからは様々なツールが追加に

ニンジャ+ツールボックスに『ミニ』版が登場。(Ninja+ ToolBox mini)

 対応するボトルケージにアダプターを介することで携行が可能なニンジャ+ツールボックスに、かなりコンパクトになった『ミニ』版が登場。

どのくらい小さいかは指との比較で解ると思う。
この小さなケースの中に最低限の工具が収まっている。

 サイズがこれだけコンパクトだと力を入れる作業は難しいと思うが、逆に入り組んだ箇所には入れやすい。7 機能あるうちの 8 mm六角レンチは、5 mmと(−)ドライバーを組み合わせて使用する。

  • 価格/5,500(10%税込み)
  • アルミ合金ボディ、クロムバナジウムツール
  • W35 x H16 x L(D)58 mm
  • 70 g

7機能ミニツール

  • 六角レンチ/2、3、4、5、8 mm
  • トルクスレンチ/T25
  • (−)ドライバー

 

ボトムブラケットの中空部に収めてしまおう、という発想のツール。BBQハイドツール。(BB Hide’n Tool)

 昨今のBIKEでは空いていることが当たり前のアノ部分に入れてしまおう、という発想のコンパクトツール。個人的に抜けてしまわないか、すこし不安にはなったが場所の有効活用という考え方ではアリなのかもしれない。

  • 価格/7,480円(10%税込み)
  • アルミ合金ボディ、エンジニアリンググレードポリマーボディ、クロムバナジウムツール
  • シマノGRX、デオーレXT、SLX、スラム XX1、X01 イーグルDUB、FSA 中空カーボンクランク対応
  • 直径部 124 mm 以上、内径Φ 18.5 〜 20 mm、Φ 20 〜 25 mmの中空スピンドルに対応
  • ダストキャップ付き
  • W25 x H25 x L(D)130 mm
  • 82 g

チェーンツール

  • シングルスピード〜 13 速、スラム フラットトップチェーン対応
  • チェーンフック

7機能ミニツール(ニンジャ+ツールボックスミニと同じ物)

  • 六角レンチ/2、3、4、5、8 mm
  • トルクスレンチ/T25
  • (−)ドライバー

 

ハンドル部に工具を入れてしまおう、という発想は同社では従来からあったが、その発展形。チューブレスリペアキットがあるのが時代か。プラグツールマウンテンプロ(Plug’n Tool mountain Pro)と、プラグツールマウンテン(Plug’n Tool mountain)。

 ハンドルバーに収納し、必要な時だけ取り出して使える、MTB向けツール。ビットキット、チューブレスタイヤリペアキット、チェーンツール、チェーンフックを搭載。(プラグツールマウンテンプロ)
 価格は、1万1,000円(10%税込み)。

 プラグツールマウンテンは、チェーンツールとチェーンフックが含まれない。7,480円(10%税込み)。

 

アデプト(ADEPT)のヘルメットは注目

参考出品だがハチ張りに見えにくいシルエットが秀逸な、アーバンスポーツヘルメット(URBAN SPORT HELMET)。販売予価、7,150円(10%税込み)。
試しに被ってみたところ。この『キノコ具合のなさ』は特筆すべき点だと思った。

 どんな自転車に乗る時もヘルメットが忌避される最たる原因のひとつが、あのハチが張ってキノコシルエットになることではないだろうか。このアデプト(ADEPT)のアーバンスポーツヘルメット(URBAN SPORT HELMET)はそれが限りになく抑えられていて、日常使い、通勤などシーンを選ばず選択肢のひとつに上げたいと思った。

 最新のテクノロジーは付いていないが、事故時の頭部を損傷する確率は明らかで、それは一般道をクルマなどと一緒に走っている時のリスクはさらに増す。筆者も過去に交通事故で救急隊員から「ヘルメットは被っていなかったんですね?」と問われたことがある程で、これはぜひ製品化をしてもらいたいと思った。

現状、6色のサンプル展示だった。

 

アジャスターを設けたボトルケージ、オールパーパスケージ(All-Purpose Cage)。
しなりの大きなカーボン製だとかなりのサイズに適合するが、ガッチリホールドするまでには至らない。そこを解消する製品。

 アデプトのオールパーパスケージ(All-Purpose Cage)は、締め付け可能なバンドを設けることで様々なサイズの丸系の物をしっかり固定できるようにしたアイディア商品。対応ボトル径は、Φ 51 〜 120 mmとなっている。

  • 価格/2,860円(10%税込み)
  • POM、ナイロンボディ
  • 適応ボトル外径/Φ 51 〜 120 mm
  • W70 〜 115 x H165 x L(D)80 〜 160 mm
  • 60g

 

チューブレスを導入するかどうかの分水嶺

 今回、レース車両のバンシー(banshee)が展示されているのと同時に、塚本 岳選手が会場にいて、現役ライダーに会うのが久しぶりなのでチューブレスタイヤの使い分けについてなど訪ねてみた。

 展示車両は当然、前後ともチューブレスになっていたが、チューブドとの使い分けは未だに個々の考え方や環境にもよるのではないか、という私見であった。というのが、チューブレス化しているとシーラントがタイヤ内にあるのでチューブレスからチューブドへの作業は非常に面倒。かといって、山中では一気に加圧できるような空気入れがないとチューブレスのビードは上がらないので、そこでお手上げ。常設コースの富士見パノラマリゾートのような場所ならば、パンクしたのならば下まで押して降りてくる方法もあるが、トレールでの山中であったらそうはいかない。

 対策品のコアも何社からも出ているが、これの使用も個人でかなり分かれるようで、そうすると一発勝負のレースならばチューブレスはありだけど、1日山中を走るような使い方ではチューブレスの選択が難しい状況も出るのではないか、とのことだった。

 先日もある漫画家のツイートで、パンクをしてずっと押しているROAD乗りに遭遇し声を掛けたのだが、漫画家はチューブレスタイヤ、パンクをしたひとはチューブドで結局、何も出来ずに別れてしまった、という話しがあった。今後はこういうシーンも多く起こってくるかもしれないということだ。

 何となく聞いてみた話しの内容だったのだが、案内、重たい中身になってしまった。

 

 パンクしなければそれでいい、と考えるかもしれないが先日、山口県から急遽会場がパルコール嬬恋リゾートに変更になった全日本選手権では、案外、パンク車が続出。チューブ選択の難しさを突きつけられたような気がした。

 なお、バンシー(banshee)はマルイから購入可能で半年に1回のスパンで台湾生産されているので、タイミングが合えばすぐに手に入るし、そうでなければしばらく待つ体制だという。レジェンド(Legend)、カッコいいんですよね。

 

END

【ジーティー】ハイピボットデザイン化した新生フォースカーボンが登場

ライトウェイプロダクツジャパンは、GT Bicycles の最新モデルをいくつか発表。生産工場の稼働状況にもよるが、ライトウェイ取扱店にて購入可能。

掲載日/2021年10月9日  文/やかん

ライトウェイプロダクツジャパンは、GT Bicycles の最新モデルをいくつか発表。生産工場の稼働状況にもよるが、ライトウェイ取扱店にて購入可能。

A NEW FORCE UNLEASHED「解き放たれる新しいフォース」

 マウンテンバイクの中で大きく変わったのが、エンデューロバイクのハイエンドモデル、フォース・シリーズ。

 キャッチフレーズは、

ハイピボットデザインとキックバックの最小化を実現し、卓越したダウンヒル性能と登坂性能を両立した、エンデューロレーサーの理想形

 以下、リリースより。

GT FORCE CARBON FRAME(フォースカーボンフレーム)
36万800円

 GT が開発を続けてきた LTS サスペンションをさらにハイピボットデザインに変更し、ダウンヒルバイク『 FURY 』のアイドラープーリーを装備したエンデューロレース MTB が『フォースカーボン』です。
 チェーンを引っ張る位置を高い位置に持ってくるアイドラープーリーを装備することで、ハイピボットデザインのフルサスペンションのデメリットである、ペダリング時にサスペンションの動きが悪くなる、ストローク時にペダルが逆回転してしまう現象を最小化。
 GT が開発した LTS サスペンションのポテンシャルを、最大限発揮できるようになりました。
 リアサスペンションを伸縮させるレバー比も新しく設計しなおし、ストローク全域において自然なストローク感を提供します。

GT FORCE CARBON FRAME(フォースカーボンフレーム)
36万800円

【 サスペンションデザイン特徴 】
・ホイール軌道の最適化による衝撃吸収性向上
 旧モデルと比較して、衝撃を後方に受け流すホイール軌道に最適化。連続する障害物でも、減速を最小化して駆け抜けることができます。
 例えば、サスペンションが伸びきった状態から、90 mm ストロークした場合、新型フォースでは 10 mm 後方にホイールが移動して前方からの障害物を受け流すことができます。(旧モデルの場合は約 2 mm )
・ローギア時のアンチスクワット性能を向上
 特に、登りのシーンで大きなリアギアを選択している時のサスペンションの沈み込みを抑制。ロングストロークバイクとは思えない登坂力を発揮します。
 逆に、ハイスピードで下っている時は、よりペダリングしてもサスペンションの動きを最大限発揮できるように、アンチスクワット量をチューニングしています。
・限りなくスムーズなサスペンションレバー比
 リアサスペンションのストローク量を 55 mm から 65 mm に伸ばしたことで、ストローク全域でレバー比を下げて、サスペンションユニットをスムーズに動かし、性能を最大限発揮。
 特に、ストローク初期動作において逆プログレッシブなレバー比にすることで、より自然なスプリングレートになっています。

GT FORCE CARBON FRAME(フォースカーボンフレーム)
36万800円

【 ジオメトリー詳細 】
・ロングリーチ × ショートステムの設計による、高速走行下での正確なハンドリング。( M サイズ前モデル 445 mm 、新モデル 455 mm 、+ 10 mm )
 78 度のシートチューブアングルで、ヒルクライムのペダリング効率を向上。(前モデル 76 度)
・ヘッドアングルをさらに寝かせて、高速走行時の安定性を向上。(前モデル 65.5 度、新モデル 63.5 度)
・スタンドオーバーハイトを小さくして、悪路での足つき性を向上。( M サイズ 前モデル 750 mm 、新モデル 730 mm )
・リアセンターを長くして、ハイスピード時の安定性を向上。( M サイズ 前モデル 434 mm 、新モデル 445 mm / 435 mm )*フリップチップで変更可能。

【 フレーム機能 】
・ラッカス・コントロール
 エンデューロ走行において気になるチェーンのバタつきによる傷やノイズを抑えるために、フレーム各所にプロテクターを装備。
・リアエンド・フリップチップ
 リアエンドにフリップチップを設けることで、リアセンターをライダーの好みに合わせてチューニングが可能。
・TUBE IN TUBE
 フルサスペンションに最適化した内装フレームルーティング、『 TUBE IN TUBE 』方式を開発。ケーブルのトラブルを減少させつつ、メンテナンス性も大幅に向上。
・フレームストレージ
 サスペンション上のフレームスペースにはお好みのバンドを使って、CO2 ボンベやチューブなどを格納することができます。

参考までに、旧モデルのフォース。

FORCE CARBON PRO(フォースカーボンプロ)

GT FORCE CARBON PRO(フォースカーボンプロ)


価格/65万7,800円(税5万9,800込み)
カラー/ダークグリーン
サイズ/S(380)、M(410)
フレーム/Force カーボン 29” 、ハイピボット LTS サスペンション、160 mm トラベル、Tube in Tube ケーブルルーティング、BSA 73 mm 、Boost 12 x 148 mm スルーアクスル、230 × 65 ショック、ISCG05
フォーク/RockShox Zeb Select+、170 mm 、Boost 15 x 110 mm スルーアクスル、44 mm オフセット
リアショック/RockShox Super Deluxe Select+、230 x 65 mm
リム/ホイール/WTB ST i29 TCS、32h、チューブレスレディ
タイヤ/(F)Maxxis Assegai、29 x 2.5″ 、3C MaxxTerra、EXO+、チューブレスレディ、(R)Maxxis Minion DHR II、29 x 2.4″ 、3C Maxx Terra、EXO+、チューブレスレディ
ブレーキ/SRAM Code R、4 ピストン、220 / 200 mm Centerline ローター
シートポスト/GT Dropkick、31.6 mm
重量/n/a

FORCE CARBON ELITE(フォースカーボンエリート)

GT FORCE CARBON ELITE(フォースカーボンエリート)


価格/50万3,800円(税4万5,800込み)
カラー/タン
サイズ/S(380)、M(410)、L(445)
フレーム/Force カーボン 29” 、ハイピボット LTS サスペンション、160 mm トラベル、Tube in Tube ケーブルルーティング、BSA 73 mm 、Boost 12 x 148 mm スルーアクスル、230 × 65 ショック、ISCG05
フォーク/RockShox Yari RC、170 mm 、Boost 15 x 110 mm スルーアクスル、42 mm オフセット
リアショック/RockShox Super Deluxe Select、230 x 65 mm
リム/ホイール/WTB ST i29 TCS、32h、チューブレスレディ
タイヤ/(F)Maxxis Assegai、29 x 2.5″ 、チューブレスレディ、(R)Maxxis Minion DHR II、29 x 2.4″ 、チューブレスレディ
ブレーキ/TRP Slate T4 M806 油圧ディスク、203 mm ローター
シートポスト/GT Dropkick、31.6 mm
重量/n/a

FORCE CARBON FRAME(フォースカーボンフレーム)

組み立て例。


価格/36万800円(税3万2,800込み)
カラー/マットブラック
サイズ/S(380)、M(410)
フレーム/Force カーボン 29” 、ハイピボット LTS サスペンション、160 mm トラベル、Tube in Tube ケーブルルーティング、BSA 73 mm 、Boost 12 x 148 mm スルーアクスル、230 × 65 ショック、ISCG05
リアショック/Fox Factory Float X2 、230 x 65 mm Trunnion、2 Pos-Adj

【 Force カーボン 29 Q&A 】

Q:29 インチのみのラインアップである理由は?
A:実際に乗車して行ったテストの結果、フォースのパフォーマンスを最大化できる組み合わせが前後 29 インチだと判断しました。
Q:ダブルクラウンは装着できますか?
A:シングルクラウン専用に設計されています。フレームを安全に使用できるアクスルからクラウンまでの最長距離は、591 mm です。
Q:どんなリアサスペンションが使えますか?
A:エアー式でもコイル式でも使用できます。
Q:フロントチェーンリングはいくつまで使えますか?
A:最大 34 T まで使用可能です。

■ジオメトリ

※編集部より:

 先日、久しぶりにダウンヒルのレースイベントに参加してきたが( 2021 年 10 月)、なんとこのフォース含め、GT の BIKE を出走者の中でほとんど見掛けなかった。やはり、ダウンヒルバイクを専業にしているメーカーや代理店の BIKE が目立ち、これは昨今の世界的な需要増と、それに反するかのような生産力の大幅な減少により 2 年先の注文も溢れる、という状況も影響しているのだろう。

 つまり、ここ 2 年程は欲しくても店頭に該当の BIKE がなく、また注文も不可、という状態が続いているのだ。その結果、今回の大会のような光景になったのかと思う。もちろん国内プロモーションや販売店のプッシュ方向も関係するだろうが、決して GT のマウンテンバイクが劣っている、という訳ではないことはここで書いておきたい。

 編集部は、性能が落ちれば容赦なく切るので(利害関係がいっさいないので)、ちょうちんでもなんでもない。カーボンは耐久性については相変わらず課題があるようには感じるが、店頭で選択肢として並んでいたらぜひチェックをして欲しい。

【マウンテンバイク】今シーズンはシューズに拘ってみませんか?(クランクブラザーズ&FLR)

掲載日/2021年7月28日  取材・文/やかん
取材協力/ライトウェイプロダクツジャパン

※お断り:
掲載時期を早める都合、随時、追加していくかたちにしています。

 趣味であるマウンテンバイクの世界は、ここ数年での進化がさらに著しく、また『競技』という側面でも多様性がより拡張しているように感じます。
 そんな中ですが、BIKE とライダーの重要な接点である箇所は変わらず、グリップとサドル、そしてペダルになります。それらも個々に進化や新しい拡がりを見せていますが、そのお仲間である専用のシューズについて、気鋭 2 社の日本発売がありました。( クランクブラザーズ & FLR )

 本稿を執筆時、野山の緑は深くなり、マウンテンバイクの楽しさが発揮されるシーズン入り口。その専用シューズたちを紹介しますので、今年はすこしマッチョな足下にして遊んでみませんか?

独自のビンディングシステムが特徴の『クランクブラザーズ』

 独自性を持ち、デザイン性にも富んだマウンテンバイク用のパーツを多くリリースしているブランド、それがクランクブラザーズ( Crankbrothers )です。ペダルとシューズを専用の金具で固定してしまうビンディングシステムについては、古くから、一般流通量の多いシマノ製とは一線を画するペダル(と金具)を発売しています。

 今回、満を持しての登場となった専用のシューズ群は、基本的にはそれらクランクブラザーズ製のビンディングペダル(と金具)にジャストフィットするよう作られた物になります。もっとも、他社ビンディングシステムでも使えるようになっているので、今現在クランクブラザーズのシステムを使っていなくともこれらシューズを組み合わせることは可能です。

 種類が多いので、写真を交えながら紹介していきましょう。

豊富な展開となったクランクブラザーズのライディング用シューズたち。
豊富な展開となったクランクブラザーズのライディング用シューズたち。

【 MALLET シリーズ ビンディングタイプ 4 種 】


『 Match Box 』を採用し、様々な MTB ペダルに適応するビンディングペダル用シューズ。
BOA、ストラップ + シューレース、エンデューロ向けシューレース、ダウンヒル向けシューレースの 4 種類をラインナップ。

1.<マレットE ボア(MALLET E BOA)

マレットE ボア 2万7,280円
マレットE ボア 2万7,280円

価格/2万7,280円(税2,480円込)
サイズ( 4 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm
カラー( 1 色のみ)/ブラック-ゴールド/ブラックアウトソール

マレットE ボア 2万7,280円
マレットE ボア 2万7,280円
マレットE ボア 2万7,280円
  • エンデューロレースをメインターゲットに据えた、クランクブラザーズ一押しの MTB シューズ。トレイルライドにも。
  • 微調整が効き、確実な締め心地を提供する BOA システム採用。
  • 歩行時も快適なように、最適化された角度とパターンのつま先とカカトを持つソール形状を採用。
マレットE ボア 2万7,280円
マレットE ボア 2万7,280円

 編集部評:すこし地味かもしれませんね。

2.<マレットE スピードレース(MALLET E SPEEDLACE)

マレットE スピードレース 2万2,880円
マレットE スピードレース 2万2,880円 ブラック-シルバー/ブラックアウトソール
マレットE スピードレース 2万2,880円 グリーン-ブルー/ガムアウトソール

価格/2万2,880円(税2,080円込)
サイズ( 4 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm
カラー(全 2 色)/ブラック-シルバー/ブラックアウトソール、グリーン-ブルー/ガムアウトソール

マレットE スピードレース 2万2,880円 グリーン-ブルー/ガムアウトソール
マレットE スピードレース 2万2,880円 ブラック-シルバー/ブラックアウトソール
  • エンデューロレースをメインターゲットに、トレイルライドにも使えるクランクブラザーズ一押しのオールラウンド MTB シューズ。
  • 足にフィットするシューレースタイプ。ストラップが素早く確実な締め心地を提供。
  • シューレースの絡みつきを防止するための、収納用メッシュポケット付き。
  • 歩行時も快適なように、最適化された角度とパターンのつま先とカカトを持つソール形状を採用。
マレットE スピードレース 2万2,880円 ブラック-シルバー/ブラックアウトソール
マレットE スピードレース 2万2,880円 グリーン-ブルー/ガムアウトソール
マレットE スピードレース 2万2,880円 グリーン-ブルー/ガムアウトソール

 編集部評:BOA なしバージョン。すこし目立つ色が選べます。

3.<マレットE レース(MALLET E LACE)

マレットE レース 1万9,580円
マレットE レース 1万9,580円


価格/1万9,580円(税1,780円込)
サイズ( 4 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm
カラー( 1 色のみ)/ブラック-ブルー/ブラックアウトソール

マレットE レース 1万9,580円
マレットE レース 1万9,580円
  • エンデューロレースをメインターゲットに、トレイルライドにも使えるクランクブラザーズ一押しのオールラウンド MTB シューズ。
  • 素早く締めつけられる丸紐のシューレースタイプ。絡みつきを防止するための、収納用メッシュポケット付き。
  • 歩行時も快適なように、最適化された角度とパターンのつま先とカカトを持つソール形状を採用。
マレットE レース 1万9,580円
マレットE レース 1万9,580円

 編集部評:これも地味ですが。『 E 』はエンデューロの E のようですね。『丸紐のシューレースタイプ』とは、普通のヒモのことです。

4.<マレット レース(MALLET LACE)

マレット レース 1万9,580円
マレット レース 1万9,580円 ブラック-レッド/ブラックアウトソール
マレット レース 1万9,580円 ネイビー-シルバー/ガムアウトソール


価格/1万9,580円(税1,780円込)
サイズ( 4 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm
カラー(全 2 色)/ブラック-レッド/ブラックアウトソール、ネイビー-シルバー/ガムアウトソール

マレット レース 1万9,580円 ブラック-レッド/ブラックアウトソール
マレット レース 1万9,580円 ネイビー-シルバー ガムアウトソール
  • クランクブラザーズが創りあげた究極のダウンヒル競技用シューズ。
  • ダウンヒル向けの特長として、ソールにはクリート位置を深めに設定した『 RACE ZONE 』を採用。コントロール性を高め、安定性を保ちます。
  • 一般的なシューズよりもクリートボックスを 5 mm 奥へセットできるので、セッティングの幅が広がり、より踏みやすくなります。
  • 素早く締めつけられる丸紐のシューレースタイプ。絡みつきを防止するための、収納用メッシュポケット付き。
マレット レース 1万9,580円 ブラック-レッド/ブラックアウトソール
マレット レース 1万9,580円 ブラック-レッド/ブラックアウトソール
マレット レース 1万9,580円 ネイビー-シルバー/ガムアウトソール

 編集部評:高速でセクションに突っ込むダウンヒルなのに BOA ではなく紐を選択しているのが、興味深いです。『丸紐のシューレースタイプ』→普通のヒモ。

マレット レース 1万9,580円 ブラック-レッド/ブラックアウトソール
マレット レース 1万9,580円 ネイビー-シルバー/ガムアウトソール

■マレットモデル共通

  • ビンディングペダルのために開発された低摩擦・高弾力の MC1 コンパウンド複合ラバーソールを採用。
  • 堅牢なクリップインエリアはフリクションを抑えてビンディングの着脱を容易にし、効率よくパワーを伝えます。
  • クリートボックスに付いた傾斜は、クリートキャッチを簡単にし、同時に泥を排除します。
  • クランクブラザーズペダル用のクリートとシムが付属します。クランクブラザーズのビンディングペダルをお持ちであれば、すぐに使えます。
  • EVA ミッドソールが不要なショックを吸収し快適な履き心地を生み出します。
  • アッパー部のメッシュウィンドウが通気性を保ち、足の蒸れを逃がします。 → 編集部評:雨だと濡れる注意です。
  • パッド付タンが甲を保護します。
  • つま先はポリウレタンで補強されており、摩耗を防ぎます。
  • 隠れたアイレットが耐久性ばかりではなくシンプルなカッコよさを引き立てます。
  • 足が抜けやすい踵部分に付けられたドットで、靴と足のグリップを向上させ優れたホールド性を実現。
踵部分に細かいドットが入っているのがご覧いただけるかと。

 

Match Box(マッチボックス)について

自社ペダルとの組み合わせで設計されている、独自機構である『マッチボックス(Match Box)』。


Match Box は、最適な接点を提供するため、ペダルとシューズを統合されたひとつのシステムとする設計アプローチ。シューズとクリートとペダルをマッチさせ、一体感のあるライディングを可能にします。
新品の状態ではクランクブラザーズ純正のクリート + シム 1 枚。厚みのある他社製クリートでは、クリートのみ取付で最適な状態になります。使用に伴って靴底が減っても、シムを抜くことでクリートの篏合を最適な状態に保ちます。
 編集部評:つまり、この機能はクランクブラザーズでの組み合わせのみ? ▶ 代理店の回答:「ご指摘の通り、クランクのクリートはやや薄いため、シマノクリートはシム無しで取付になるようです。クランクのペダルの設計思想としては『ペダルとシューズの密着度を追求する』というコンセプトなのでソールの減りが生じたら、シムを抜いて密着度を上げる調整になるようです」とのこと。

ダウンヒル用シューズ “ マレット レース ” では、マッチボックス( Match Box )に加えクリート位置を深めに設定した『レースゾーン( RACE ZONE )』を採用。

【 STAMPシリーズ フラペ用 3 種 】

汎用性が高く使いやすい、スタンプシリーズ。


ダウンヒル、トレイル、エンデューロ、BMX、そしてカジュアルなサイクリングまで幅広く対応するフラットペダル用。
STAMP ペダルに最適化するようにソールを開発した、クランクペダルファン待望の MTB / BMX 用シューズ。
BOA、ストラップ + シューレース、シューレースの 3 種類をラインナップ。

フラットペダル用のスタンプは、外観はマレットと差異なく見えるが、カラー展開が多くなる。

1.<スタンプ ボア(STAMP BOA)>

スタンプ ボア 2万5,080円
スタンプ ボア 2万5,080円


価格/2万5,080円(税2,280円込)
サイズ( 4 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm
カラー( 1 色のみ)/ブラック-ゴールド ブラックアウトソール

  • フラットペダルユーザー待望の、BOA フラットペダルシューズ。
  • 微調整が効き、素早く確実な締め心地を提供する BOA システムを採用。

編集部評:やはりやや地味な印象。トップモデルゆえ?

2.<スタンプ スピードレース(STAMP SPEEDLACE)>

スタンプ スピードレース 2万680円 グリーン-オレンジ/ブラックアウトソール
スタンプ スピードレース 2万680円 グレー-レッド/ブラックアウトソール


価格/2万680円(税1,880円込)
サイズ( 4 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm
カラー(全 2 色)/グリーン-オレンジ/ブラックアウトソール、グレー-レッド/ブラックアウトソール

スタンプ スピードレース 2万680円 グリーン-オレンジ/ブラックアウトソール
スタンプ スピードレース 2万680円 グレー-レッド/ブラックアウトソール
  • 足にフィットするシューレースタイプ。ストラップが素早く確実な締め心地を提供。
  • シューレースの絡みつきを防止するための、収納用メッシュポケット付き。
スタンプ スピードレース 2万680円 グリーン-オレンジ/ブラックアウトソール
スタンプ スピードレース 2万680円 グレー-レッド/ブラックアウトソール
スタンプ スピードレース 2万680円 グリーン-オレンジ/ブラックアウトソール
スタンプ スピードレース 2万680円 グレー-レッド/ブラックアウトソール


 編集部評:個人的に良いカラリングと思います。

3.<スタンプ レース(STAMP LACE)>

スタンプ レース 1万6,280円 ブラック-シルバー/ガムアウトソール
スタンプ レース 1万6,280円 ネイビー-シルバー/ガムアウトソール
スタンプ レース 1万6,280円 ブラック-レッド/ブラックソール


価格/1万6,280円(税1,480円込)
サイズ( 5 展開)/25 cm 、26 cm 、27 cm 、28 cm 、29 cm
カラー(全 4 色)/ブラック-シルバー/ガムアウトソール、ネイビー-シルバー/ガムアウトソール、ブラック-レッド/ブラックソール、ホワイト/ホワイト/ガムアウトソール(ファビオ・ヴィブマー シグネチャーエディション)

スタンプ レース 1万6,280円 ブラック-シルバー/ガムアウトソール
スタンプ レース 1万6,280円 ネイビー-シルバー/ガムアウトソール
スタンプ レース 1万6,280円 ブラック-レッド/ブラックソール
スタンプ レース 1万6,280円 ブラック-シルバー/ガムアウトソール
  • カジュアルなサイクリング用シューズとしてもおすすめのシューレースタイプ。丸紐が素早い締付けを可能にします。 → 編集部評:一部、従来の四角タイプだが? ▶ 代理店の回答:ファビオ・ヴィブマー シグネチャーモデル(ホワイト/ホワイト)のみ平紐(黒の替え紐付属)。
  • シューレースの絡みつきを防止するための、収納用メッシュポケット付き。
スタンプ レース 1万6,280円 ネイビー-シルバー/ガムアウトソール
スタンプ レース 1万6,280円 ブラック-レッド/ブラックソール


 編集部評:突然の気合展開。それもその筈、MTB・バイクトライアル界のスーパースター ファビオ・ヴィブマー(Fabio Wibmer)使用モデル。

スタンプ レース 1万6,280円 ホワイト/ホワイト/ガムアウトソール(ファビオ・ヴィブマー シグネチャーエディション)
スタンプ レース 1万6,280円 ホワイト/ホワイト/ガムアウトソール(ファビオ・ヴィブマー シグネチャーエディション)
スタンプ レース 1万6,280円 ホワイト/ホワイト/ガムアウトソール(ファビオ・ヴィブマー シグネチャーエディション)
スタンプ レース 1万6,280円 ホワイト/ホワイト/ガムアウトソール(ファビオ・ヴィブマー シグネチャーエディション)
見事なフリップをメイクする、ファビオ・ヴィブマー(Fabio Wibmer)選手。

■スタンプモデル共通

  • STAMP ペダルの形状に合うよう最適化されたペダルエリア。
  • アウトソール部の MC2 コンパウンドは優れたピンの食い込みとグリップを提供。耐久性も優れています。
  • 歩行時も快適なように、最適化された角度とパターンのつま先とカカト。
  • ペダリングパワーを最大限伝える硬質なソール。 → 編集部評:優れたピンの食い込みとグリップ硬質なソールが相反するように受け取れるが? ▶ 代理店回答:「『ライディングに要求される要素を満たした適度なソール剛性』という感覚でしょうか。ここは非常によくできた部分だと思います」「もちろん材質がゴムですので、カーボンのような硬さのソールではなく、歩行も特に問題ありません。履いて歩行した感想ですが、ソールの柔らかいウォーキングシューズに比べると少し硬さは感じますが、長時間履いても疲労する程ではないように感じました」
  • EVA ミッドソールが不要なショックを吸収し快適な履き心地を生み出します。
  • アッパー部のメッシュウィンドウが通気性を保ち、足の蒸れを逃がします。
  • パッド付タンが甲を保護します。
  • つま先はポリウレタンで補強されており、摩耗を防ぎます。
  • 隠れたアイレットが耐久性ばかりではなくシンプルなカッコよさを引き立てます。
  • 足が抜けやすい踵部分に付けられたドットで、靴と足のグリップを向上させ優れたホールド性を実現。
スタンプも踵部分に細かいドットが入って、踵抜けを防止する。

でも、メジャーなの?

 さて、ここからはクランクブラザーズのビンディングシステム一般について、すこし触れておこうと思います。同社のビンディングは、基本的にオフロードライディングのマウンテンバイクでの需要が主ですが、レースシーンというよりか、山に分け入るトレイルライディングでの支持者が多いです。
 これは他社製に比べ、クリート(シューズに付く金具)周辺に泥が酷くこびりついてもペダル側の金具がしっかりとキャッチしてくれる、という大きな利点があるからです。かつてはTIME(タイム)のビンディングシステムが同じキャラクターを持ち、降車が付き纏うシクロクロス(当時、国内ではマウンテンバイクでの出走者も多かった)では、やはり圧倒的な支持を得ていました。

クランクブラザーズのビンディングペダルの代表モデルと言えば、こちら。特異な形状が目を引く、エッグビーター(EGG BEATER)シリーズ。クリートを捉える金具が剥き出しな点とキャッチが4面にあることから、コンディションを問わず確実な固定を得られる。


 現在の華やかなレースシーンではあまり見掛けないクランクブラザーズのビンディングシステムですが、ワールドクラスのダウンヒルではまず足を強く地面に着くことはそれほどありませんし、クロスカントリーもかなりの高速レイアウトになり、押し担ぎのような様相はなくなりました。つまり、スタートしたら最後、ゴールするまでペダルからシューズを外すことが昨今はないのです。
 また、スポンサードの関係もあると思います。同社は、アメリカのブランドによくある、『賑やかになったらどこかに売却する』や『斜陽になった途端、どこかに買収される』という話しを聞きません。派手なスポンサー活動をするのではなく、堅実にビジネスをおこなっているのかもしれません。
 ですから、「あんまりメジャーなイメージないやー」や「ワールドカップで見掛けないよ」みたいな印象で倦厭するのは、もったいないと思います。自分が知っているトレイルライディングを楽しんでいるマウンテンバイクユーザーのほとんどは、実際、クランクブラザーズのビンディングシステムを愛用しています。雨が多い日本ですので、やはりその理由は「泥が詰まってもしっかり嵌まる」、だそうです。

 他社に比べ、クリートを掴む感覚が「ぐにゃり」らしいですが、いつまでも取れないクリートの泥と格闘することを考えれば、慣れの範疇だと思います。

〜以降、FLR 社シューズの紹介へ続きます。お楽しみに。(やかん)

【マウンテンバイク】2020年でも買える折り紙付き26インチタイヤ(MTBタイヤカタログ その2)

新たに取材ができましたので、追加のマウンテンバイク用 26 インチタイヤを紹介します。(MTBタイヤカタログ&ガイド)

掲載日/2020年3月15日  取材・写真・文/やかん
取材協力/サイクルパーツ合同展示会、井上ゴム工業、パナレーサー、マルイ

 

 予想外に好評でした 1 回目の実力派 26 インチタイヤ特集。あれから新たに取材ができましたので、追加のマウンテンバイク用 26 インチタイヤを紹介したいと思います。

 今回は、ほとんどが日本ブランド & 国内生産なので、ある意味、国内の土質に合っているのではないでしょうか?

 

アイアールシー( IRC )

 あとに上げるパナレーサーと合わせて、古くから日本のスポーツサイクル用タイヤの、特にレースタイヤの能力向上を牽引してきた片翼。最大の違いは、IRC はモーターサイクルのタイヤも多く手掛けていること。特にオフロード分野には強く、その意味でもマウンテンバイク用タイヤに寄せる期待と信頼は大きい。開発陣での、自転車とモーターサイクルの情報共有はあるようだ。


◇ミトス XC(MYTHOS XC)

アイアールシー(IRC) ミトス XC(MYTHOS XC)サイズ比較

 まず、この時世に幅違いで 3 種類ラインナップしていることを称賛したい。古くからある、クロスカントリーレースに於ける定番タイヤで、サイズ展開はその名残とも言える。メーカー曰く、「XC レースで勝つ!」ことを至上タスクとして開発されたレース直系のモデル。
 センターからショルダーのブロックを 2 段形状にして、剛性と耐摩耗性をキープしたままに小型・軽量化。それでいて、グリップ性能と耐パンク性能を疎かにはしていない。
 昨今の高速系コースでは太めをチョイスしたくなるが、後輪のみ軽さを狙って細めを履く、というのもひとつ。ブロックパターンが各サイズごとの専用設計になっていて、それぞれのパフォーマンスを最大限に引き出せるよう配置を最適化しているとのことなので、レース用途では事前のテストをお勧めしたい。

サイズ/26 × 1.95
ETRTO/53 – 559
コンパウンド/表記はないが、従来から変更なし
重量/525g

アイアールシー(IRC) ミトス XC(MYTHOS XC)

サイズ/26 × 2.10
ETRTO/57 – 559
コンパウンド/表記はないが、従来から変更なし
重量/595g

アイアールシー(IRC) ミトス XC(MYTHOS XC)

サイズ/26 × 2.25
ETRTO/60 – 559
コンパウンド/表記はないが、従来から変更なし
重量/610g
価格/5,060円 / 共通(10%税込み)
すべて、折り畳み可能

 


◇ミブロ – X(MIBRO – X)

アイアールシー(IRC) ミブロ-X(MIBRO-X)

 オールラウンド特性のマウンテンバイク用タイヤである『ミブロ』をベースに、さらにエキストリームな使い方(IRC では“アソビ”と表現)に対応させた、アドバンスドグレード。従来品であるミブロのパターンを徹底的にチューンナップし、ハードパックな路面でも音を上げない剛性を得た。グリップ性能にも優れる。
 なお、2.40 サイズより 2.25 の方が重いのは、タイヤ内部の構造が違うため。2.25 サイズには、ビード部にゴムを入れてこの付近の強度を持たせたブレーカーが使われている。

サイズ/26 × 2.25
ETRTO/60 – 559
コンパウンド/表記はないが、従来から変更なし
重量/875g

サイズ/26 × 2.40
ETRTO/100 – 559
コンパウンド/表記はないが、従来から変更なし
重量/770g
価格/5,060円 / 共通(10%税込み)
どちらも、折り畳み可能

 


◇ブリロ(BRILLO)

アイアールシー(IRC) ブリロ(BRILLO)

 マウンテンバイクのルックスやイメージを損なわない、ということで同社ではアーバン向けにカテゴライズされる街乗り用ブロックタイヤ。だが、筆者は 10 年以上使い続けていてダートでの性能になんら問題のないことを確認している。
 ポイントは耐久性と価格だが、その分、重量はどうしても犠牲になっている。センターリッジのパターンになっていて、転がり抵抗を軽減。耐久性に優れたゴムでサイドをカバー & 強化してもいる。スチールビードなので、折り畳みはできない。

アイアールシー(IRC) ブリロ(BRILLO)

サイズ/26 × 1.75
ETRTO/47 – 559
コンパウンド/−
重量/790g
価格/オープン(実勢価格 3,000円 前後)

サイズ/26 × 2.00
ETRTO/54 – 559
コンパウンド/−
重量/900g
価格/オープン(実勢価格 3,000円 前後)

 

 なお、ミブロ for マラソン チューブレスレディ(MIBRO for MARATHON TUBELESS READY) サイズ/26 ×2.25(19635E)は、廃番とのこと。残念!

 

 

パナレーサー( Panaracer )

 先に紹介したアイアールシーと共に、国内レースシーン用タイヤの両翼を担う存在。26 インチタイヤの数は 1 モデルのみとなってしまったが、以前から決戦用チューブやコストパフォーマンスに優れたタイヤレバーなど、周辺アイテムの充実が目立つ。近年は、新タイプの空気入れを開発し(ワンタッチポンプ)、ラインナップを増やしてもいる。


◇マッハ SS(Mach SS)

パナレーサー(Panaracer) マッハ SS(Mach SS)

 高速系マウンテンバイク用タイヤの走りともなった、マッハシリーズ。『SS』は、その中でも最も低抵抗のセミスリックトレッドモデルとなる。見た目はグリップ力に劣るように感じるが、当時からよく考えられたパターンで問題はない。基本的にはハード & ドライコンディション用のタイヤなので、マディでの挙動は事前にテストしておくのが望ましい。
 全体的に耐久性にも優れているため、ロングライフという面でも魅力が強い。コンパウンドは、特に名称はないが耐摩耗に優れた物を採用。ケーシングは、太いナイロンコードを使用した『800D Strong Cord(800D 強化コード)』。ビード部に、厚みのあるチェーファを採用し(ASB Chafer / アンチスネークバイト チェーファ)、耐リム打ちパンクに優れる。
 ビード自体はスチールなので、折り畳みはできない。

サイズ/26 × 1.95
ETRTO/53 – 559
コンパウンド/−
重量/650g
価格/3,279円(10%税込み)

 

 

タイオガ(TIOGA)

 かつては、国産で良質なタイヤを多く出していた三ツ星に委託したレース用マウンテンバイクモデルをラインナップ。現在は、三ツ星のタイヤ事業廃業により、かなり後退。その中でも、今回紹介する 1 モデルだけは台湾で他社のレースタイヤと同じ製造ラインで作られる。


◇サイコ II(Psycho – II)

タイオガ(TIOGA) サイコ II(Psycho-II)

 過去に存在したタイオガの名作『サイコ』の、普及モデル。路面コンディションを選ばないオールラウンド仕様で、価格を含め入門用にも最適なタイヤ。折り畳み不可。

サイズ/26 × 1.95
ETRTO/52 – 559
コンパウンド/AP ラバー コンパウンド
重量/710g
価格/3,080円(10%税込み)

 

 


 今回紹介するマウンテンバイク用タイヤは、これで以上になります。ほとんど過去からの継続モデルなので“チューブレスレディ”には非対応ですが、新品ゴムで 26 インチタイヤが入手できるのは助かるところであります。

 ちなみに、ある問屋の話しでは 26 インチのマウンテンバイク用タイヤは、アメリカに於いては日本比で 5 倍くらいの需要があると言います。車体自体の買い替え意欲がないのか、物を大事に使う文化なのか、判断は難しいところですが「持続可能」という言葉ばかりが踊る昨今、ひとつ、見つめ直すべき点ではないでしょうか?

 

関連:1 回目の特集

【マウンテンバイク】2020年にまだ26インチのマウンテンバイクは闘えるのか?(MTBタイヤカタログ) ※情報追記

 

 

ダート&モト編集部
サトウハルミチ(やかん) Harumichi Sato

東京都生まれ千葉県育ちで、身長 156cm の mini ライダー。紙媒体の編集を長く経験した後、2012 年 4 月から初めて WEB マガジンに携わる。戦車から爆撃機まで無類の乗り物好きで、特に土の上を走る四輪・二輪に目がない。競争事も好きで、マウンテンバイク / モトクロスはレース経験あり。モーターサイクル / スポーツサイクル以外にフィルムカメラ、ホームオーディオ、クルマ、紙の読書(恩田 陸先生の大ファン)、ガンプラが大好きで、住まいはモノで溢れている。特技は、引き落としの滞納。スポーツサイクルは、マウンテンバイク 6 台と BMX 1 台を所有。

 

 

【マウンテンバイク】2020年にまだ26インチのマウンテンバイクは闘えるのか?(MTBタイヤカタログ) ※情報追記

「2020 年もまだ 26 インチ径のマウンテンバイクは乗れるのか?」という観点に注目して、最新タイヤを紹介します。(MTBタイヤカタログ&ガイド)

掲載日/2019年11月06日  取材・写真・文/やかん
取材協力/PRインターナショナル、マルイ

 

※パート 2 はこちら。
【マウンテンバイク】2020年でも買える折り紙付き26インチタイヤ(MTBタイヤカタログ その2)

 

 長い間、マウンテンバイクのホイール径は 26 インチとされてきました。しかし、それも今となっては昔話。いくつものサイズや規格が提案され登場したこのサイズ紛争ですが、結論として、従来サイズの 26 インチは掃討されてしまったと見てよいでしょう。

 代わって主流となったのは、27.5 インチと 29 インチ。それぞれに利点があり、確かに 26 インチに回帰する理由は、今のところ見当たらないのが実情でもあります。

 さらに、チューブの代わりにシーラント液を入れる“チューブレスレディ”がレースシーンでは主力となりつつあり、それに呼応して、26 インチはタイヤもチューブも供給が不安視されています。

 しかし、様々な理由から 26 インチホイールを使い続けなければならないユーザーは、一定数いるでしょう。それは、マウンテンバイクを日常使いにしているひとだけではなく、ホビーユースのひとでも少数はいると思います。

 ところが、規格やタイヤ クリアランスなどの観点から、従来の BIKE に 27.5 インチ以上のホイール & タイヤを履くことは推奨できず、昨今のタイヤ事情は頭痛の種です。

 トレッドパターンなどは従来品のままでも、せめて新しいゴムで使いたい、という気持ちは当然のものです。筆者も多くの 26 インチマウンテンバイクを所有しているので、今年の展示会は特にその事に注意して、「2020 年もまだ 26 インチ径のマウンテンバイクは闘えるのか?」という観点で、お呼ばれした会場を見て周りました。

 

シュワルベ(SCHWALBE)

値段はやや高いが、高性能・高品質で定評あるブランド。ハイエンド、レース向けモデルに限り、チューブレスレディ対応品あり。


◇マジックマリー(MAGIC MARY)

日本での人気が高い、ダウンヒルレースでの定番タイヤ。オールラウンダーだがマディ路面への対応力も人気の秘密かと。

シュワルベ(SCHWALBE) マジックマリー(MAGIC MARY)

サイズ/26 × 2.35
ETRTO/60 – 559
コンパウンド/ADDIX(ソフト)
重量/1,045g
価格/1万780円(10%税込み)
チューブレスレディ


◇ノビーニック パフォーマンス(NOBBY NIC Performance)

汎用性のあるマウンテンバイク用タイヤだが、ブロックパターンからも解るようにかなり路面に食いつきそう。重さもあるので、下りセクション多いシチュエーションに向いてるかと。

シュワルベ(SCHWALBE) ノビーニック パフォーマンス(NOBBY NIC Performance)

サイズ/26 × 2.25
ETRTO/57 – 559
コンパウンド/ADDIX
重量/715g
価格/6,050円(10%税込み)
チューブレスレディ


◇スマートサム(SMART SAM)

アディックスは採用しているが、センターノブのデザイン上、湿った富士見パノラマリゾート A コースは避けたほうがいいかも、とのこと。個人的にはやる気を感じさせるブロックに惹かれるが。あと、消耗品なのでこのプライスは助かる。ケブラービードでもある。

シュワルベ(SCHWALBE) スマートサム(SMART SAM)

サイズ/26 × 2.10
ETRTO/54 – 559
コンパウンド/ADDIX
重量/645g
価格/3,850円(10%税込み)


◇ラピッド ロブ(RAPID ROB)

同社マウンテンバイク用タイヤのスタンダード品である“レーシング ラルフ”のDNAを受け継いだ、汎用性の高いモデル。パンク対策に K ガードを採用しているので重さはあるが、信頼度は高い。ブロックタイヤは摩耗が早いので、やはりこのプライスは助かる。

シュワルベ(SCHWALBE) ラピッドロブ(RAPID ROB)

サイズ/26 × 2.10
ETRTO/54 – 559
コンパウンド/SBC
重量/650g
価格/2,860円(10%税込み)

サイズ/26 × 2.25
ETRTO/57 – 559
重量/720g
価格/2,860円(10%税込み)


◇ハリケーン(HURRICANE)

従来品から大きく生まれ変わり、日本代理店でもかなりの期待を寄せているオールラウンダー系タイヤ。マウンテンルックに見えそうだが、以前から高速系クロスカントリー用ではこのようなパターンは他社でも存在し、恐らくはヤスリ状のセンタートレッドはそれほど滑り出しは速くないと思われる。26 インチは、レースガード仕様のみ。ケブラービード。

シュワルベ(SCHWALBE) ハリケーン(HURRICANE)

サイズ/26 × 2.10
ETRTO/54 – 559
コンパウンド/ADDIX
重量/620g
価格/4,950円(10%税込み)
2020年2〜3月入荷予定

シュワルベ(SCHWALBE) ハリケーン(HURRICANE)

 

 

マキシス(MAXXIS)

マキシスは、チューブレスレディではないモデルもあるが、意外と種類はまだ豊富。


◇ミニオン(MINION) DHF

ダウンヒル向けのフロント用。

マキシス(MAXXIS) ミニオン(MINION) DHF(写真左) & DHR II(写真右)

サイズ/26 × 2.50
ETRTO/55 / 59 – 559
コンパウンド/3C Maxx Terra
重量/860g
価格/8,580円(10%税込み)


◇ミニオン(MINION) DHR II

ダウンヒル向けのリア用。

マキシス(MAXXIS) ミニオン(MINION) DHF(写真左) & DHR II(写真右)

サイズ/26 × 2.40
ETRTO/61 – 559
コンパウンド/3C Maxx Terra
重量/880g
価格/8,580円(10%税込み)


◇ビーバー(BEAVER)

ウェット & マッド路面に対応したクロスカントリー向けモデル。

マキシス(MAXXIS) ビーバー(BEAVER)

サイズ/26 × 2.00
ETRTO/50 – 559
コンパウンド/Dual
重量/540g
価格/8,580円(10%税込み)
チューブレスレディ

マキシス(MAXXIS) ビーバー(BEAVER)


◇アイコン(IKON)

転がり抵抗重視の、軽量クロスカントリー向けモデル。池田 祐樹選手の 2019 年王滝優勝 BIKE でも使用された。これは、濡れた路面でも流れが速かったり水はけが良い場合、泥がまとわり付きにくいので、このぐらいのトレッドでも目詰まりしないため。

マキシス(MAXXIS) アイコン(IKON)

サイズ/26 × 2.00
ETRTO/50 – 559
コンパウンド/3CMaxx Speed
重量/585g
価格/9,900円(10%税込み)
チューブレスレディ

マキシス(MAXXIS) アイコン(IKON)


◇クロスマーク(CROSSMARK) II

総合バランスに優れたクロスカントリー向け。直線に並んだセンターノブは転がり抵抗を軽減しつつ、その両脇に広がるブロックが旋回時のグリップを確保する。

マキシス(MAXXIS) クロスマーク(CROSSMARK) II

サイズ/26 × 2.10
ETRTO/53 – 559
コンパウンド/Dual
重量/635g
価格/7,920円(10%税込み)
チューブレスレディ

マキシス(MAXXIS) クロスマーク(CROSSMARK) II

 

 

 


 一応、世の中的にメジャーなサイズについても新作をお知らせ。

 シュワルベは、マジックマリーに、スーパーグラビティー仕様の 29 × 2.60 が登場。従来品は、スネークスキンのみ。

サイズ/29 × 2.60
ETRTO/65 – 622
コンパウンド/ADDIX(ソフトのみ)
重量/1,370g
価格/1万780円(10%税込み)
チューブレスレディ

 先に紹介したスマートサムは、29 × 2.60の取り扱いを開始。

シュワルベ(SCHWALBE) スマートサム(SMART SAM)

サイズ/29 × 2.60
ETRTO/65 – 622
コンパウンド/ADDIX
重量/920g
価格/4,620円(10%税込み)

 マキシスは、ショーティー(SHORTY)に 29 インチが追加に。完全なダウンヒルレース用で、コーナーコントロール力は MAX 値だが転がり抵抗は激重。

マキシス(MAXXIS) ショーティー(SHORTY)

マキシス(MAXXIS) ショーティー(SHORTY)

サイズ/29 × 2.50
ETRTO/63 – 622
コンパウンド/3C Maxx Grip
重量/1,330g
価格/1万780円(10%税込み)
チューブレスレディ
2019年12月入荷予定

 アセガイ(ASSEGAI)は、エンデューロレースを考えた軽量仕様が新登場。コーナーコントロール力が MAX 値かつ転がり抵抗もかなり軽いという、稀有なバランス。

マキシス(MAXXIS) アセガイ(ASSEGAI)

マキシス(MAXXIS) アセガイ(ASSEGAI)

サイズ/29 × 2.50
ETRTO/63 – 622
コンパウンド/3C Maxx Terra
重量/1,165g
価格/1万120円(10%税込み)
チューブレスレディ
2020年春入荷予定

 ディセクター(DISSECTOR)は、まだデータ不明。トロイ・ブロスナン選手との開発をした新モデルということ。

マキシス(MAXXIS) ディセクター(DISSECTOR)

マキシス(MAXXIS) ディセクター(DISSECTOR)

参考出品
2020年春入荷予定

※情報追記

コーナリングでのコントロール性能を維持しながら、抵抗力を最小限に抑えることを目的とした設計のMTBタイヤ。ドライコンディションでの高速走行に最適です。内幅30〜35mmのリムに最適な、ワイドトレイルケーシングを採用。オーストラリアのDHプロライダー、トロイ・ブロスナン選手シグネチャーモデル。耐パンク性能は、中庸。

サイズ/27.5 × 2.40
ETRTO/61 – 584
コンパウンド/3C Maxx Terra
重量/800g
チューブレスレディ

サイズ/29 × 2.40
ETRTO/61 – 622
コンパウンド/3C Maxx Terra
重量/861g
価格/1万780円(ともに10%税込み)
チューブレスレディ

 フォーキャスター(FOREKASTER)は、要望の多い 29 インチを追加。

マキシス(MAXXIS) フォーキャスター(FOREKASTER)

マキシス(MAXXIS) フォーキャスター(FOREKASTER)

サイズ/29 × 2.35
ETRTO/60 – 622
コンパウンド/Dual
重量/735g
価格/8,580円(10%税込み)
チューブレスレディ
2019年12月入荷予定

 

 


 ちなみに、どこで選手に聞いても、「29 インチの可能性」「チューブレス(レディ)以外は考えられない」が主流で、試乗車に於いてもその恩恵は筆者も理解しています。どちらにも今すぐスイッチしたいですが、なかなかそうもいかず。現状、26 インチのチューブレスレディ対応の新品リムを 3 種類見付けたので、まずはそれでホイールを組み直すぐらいから始めたいと考えています。

 新しい物が良いのは事実ですが、まだ 26 インチマウンテンバイクに御用あるひとがいたら、本稿がその一助になればさいわいであります。

 

※第 2 弾を公開しました。
【マウンテンバイク】2020年でも買える折り紙付き26インチタイヤ(MTBタイヤカタログ その2)

 

ダート&モト編集部
サトウハルミチ(やかん) Harumichi Sato

東京都生まれ千葉県育ちで、身長 156cm の mini ライダー。紙媒体の編集を長く経験した後、2012 年 4 月から初めて WEB マガジンに携わる。戦車から旅客機まで無類の乗り物好きで、特に土の上を走る四輪・二輪に目がない。競争事も好きで、マウンテンバイク/モトクロスはレース経験あり。モーターサイクル/スポーツサイクル以外にフィルムカメラ、ホームオーディオ、クルマ、紙の読書(恩田 陸先生の大ファン)、ガンプラが大好きで、住まいはモノで溢れている。特技は、引き落としの滞納。スポーツサイクルは、マウンテンバイク 6 台と BMX 1 台を所有。

 

 

【トレック】甘美なオールラウンダーマウンテンバイク、新型 Fuel EX が登場。

掲載日/2019年08月19日  取材・写真/やかん
取材協力/トレック・ジャパン
 
トレック・ジャパンは、どのようなトレイルも十全に楽しめるBIKE『Fuel EX』をフルモデルチェンジし、国内では3モデルで展開する。
 
 

トレック フューエル EX 9.8 2020年モデル/63万円(税抜)/カラー:Raw Carbon/Rage Red

 
< リリースより >
新型Fuel EX

この度、トレック・ジャパンは、トレイルバイクの一番人気、Fuel EXをフルモデルチェンジして発表いたします。

今回、トレックの中で最も売れているフルサスバイクに、新たな特徴と大幅なアップグレードを加えました。新しいFuel EXは、マウンテンバイクのあらゆる最新テクノロジーを採用し、1台のバイクであらゆる走りを楽しみたいお客様に最適のパッケージとなっています。

フロントサスペンションは140mmとなり、130mmのリアトラベルと組み合わせ、効率的な登坂性能を損なわずに、よりテクニカルなトレイルにも対応できるようにしました。この新しいトラベル量に合わせてジオメトリーも一新し、よりオールラウンドな走りに対応します。新モデルは旧モデルと比べてヘッドアングルが寝かされ、下りでの安定性が高まっています。シートアングルは立たせ、より効率的な姿勢でペダリングできます。

トレック フューエル EX 5 2020年モデル/25万5,000円(税抜)/カラー:Slate/Trek Black

他のトレックのフルサストレイルバイクと同じく、固定式のロワーショックマウントを採用し、より高強度のチェーンステーと効率的なペダリングを実現しました。

ジオメトリーを可変させる機構、 『Mino Link』(ミノー リンク) は、 EVOリンク側に取り付けられる。ナットを回すことでの調整幅は、ヘッド角を 0.5度 ずつ。ボトムブラケットの高さは、 10mm ずつ調整できる。局部でみれば小さな数値だが、全体で見ると大きくジオメトリーは変化するという。

新型Fuel EXは、女性用モデルを展開する代わりに、全てのモデルでXS サイズを用意しました。これにより、お客様の性別、身長、走り方にかかわらず、フィットに優れたFuel EXが見つかります。

トレック フューエル EX 8 2020年モデル/38万円(税抜)/カラー:Matte Dnister/Gloss Trek Black

MとL サイズは、速くて走破性の高い29インチホイールを搭載します。XS サイズは27.5インチホイールを搭載し、小柄な方でも操作しやすく、より適したスタンドオーバー高となるようにしました。S サイズには27.5と29の両モデルを用意。これは、このサイズのホイールサイズの好みが分かれることが、調査からわかったためです。

トレック フューエル EX 9.8 2020年モデル/63万円(税抜)/カラー:Raw Carbon/Rage Red

どのモデルも、ドロッパーポスト、ワイドレンジの1x ドライブトレイン、グリップ力に優れた2.6インチタイヤを搭載します。

フューエル EXはフレームサイズによってホイールサイズを変えている関係で、ドロッパーポスト(ボントレガー Line Elite / フューエル EX 9.8)もストロークが分けられている。サイズ: XS , S で 100mm トラベル。 M , ML は、 150mm 。 L , XL は、 170mm となる。ケーブルは、完全内蔵式。

カーボンモデルのダウンチューブには新型Domane(編注:ロードバイク)と同様、ストレージが設けられ、パックの重さや煩わしさを気にすることなく、ツールなどを収納できます。

フューエル EX 9.8(カーボンモデル) は、今回からフレーム内側にストレージを設置。容量は意外と大きい。

内蔵ストレージ搭載 BIKE に対応した、BITS BAG 。バンク修理用キットが収まる。マウンテンバイクの場合、これに加え、チェーン切れの対策品ぐらいは入れておいたほうがよいだろう。ただ、パンク修理がこのタイプだと、チューブレスレディのホイールが宝の持ち腐れになってしまう。山中に繰り出すライダーには悩ましい点。
価格/2,400円(税抜)
サイズ/ワンサイズ
カラー/ブラック

飛び石やグラウンドヒットなどを考慮して、カーボンアーマーをダウンチューブに装備。

さらなるカスタムを楽しみたいお客様のために、Fuel EXはProject Oneでもお選びいただけます。
 
 
 


※編集部より:

 この、新生Fuel EXは、『TREK WORLD 2020』に於いて、フューエル EX 9.8 のみが関係者に先行公開された。

『TREK WORLD 2020』にて先行展示された、フューエル EX 9.8。

 そこでまず感じたのが、「相変わらずトレックの OCLV フレームは美しい」だった。

 筆者は昔、トレック本社のウォータールー(アイオワ州)に取材に行かせてもらったことがある。ヘッドオフィスだけでなく、実際に自転車(主にフレーム)の製作工場も見せてもらえたのだが、その当時から OCLV フレームは秘匿事項が多く、製造工程の撮影などは NG であった。

 しかし、カーボンレイアップの手法やポイント、塗装工程などは見ることができ、その当時からストレートに「美麗」であるとしか出てこなかった。

スポーツサイクルに於けるカーボンフレームの造詣について、トレック & OCLV が一級であり最先端であることは、論を俟たないところであろう。そもそも、率直に言って、流麗すぎる。

 今回、会場で展示されたフューエル EX 9.8 は、その技術とセンスを最新のマウンテンバイクに落とし込んだ機種と言えるだろう。

 国内展開は、このカーボンモデルの他に、アルミモデルが2つあるが、ここはぜひ奮発してフューエル EX 9.8 を狙って欲しいところだ。それだけの価値が詰まった1台になっている。

トレック フューエル EX を気に入る理由とは?

会場では一部のスペックしか公開されなかったが、現在は同社 HP でフルスペックを確認可能。

 フューエル EX シリーズは、オールラウンドなトレイルバイクを企図しているが、それはリアサスペンション機構のテクノロジーに拠るところが大きい。まず、ベースとなる『RE:aktiv』(リアクティブ)であり、進化系の『Thru Shaft』(スルー シャフト)だ。

トレック独自の、『RE:aktiv』(リアクティブ)ダンパーを搭載。進化系の『Thru Shaft』(スルー シャフト)も採用することで、様々な路面変化に素早く追従することが可能ということだ。

解り難いが、このユニットの下部が『Thru Shaft』(スルー シャフト)。逆転の発想で、構造は至ってシンプルということだ。

 実は、この RE:aktiv & Thru Shaft の組み合わせは、今のところフューエル EX 9.8 のみになっている。フューエル EX 8 は、 RE:aktiv のみ。フューエル EX 5 は、いずれも非搭載となってしまう。動画を見る限り、F1(モータースポーツ)のテクノロジーが投入されていて、マウンテンバイクで主要なサスペンションメーカー2社のユニットを相当にカスタマイズしているようなので、コスト高なのだろう。

 代わりに、トレックのフルサスペンション マウンテンバイク共通の、『Mino Link』(ミノー リンク)と『ABP』(アクティブ ブレーキング ピボット)はグレードに関わらず搭載している。

リンクとアッパーアームの接続部に備わる『Mino Link』(ミノー リンク)は、回すだけでヘッドアングルとボトムブラケットハイトが変化し、クイックかナローか BIKE の特性を瞬時に変えられる。必要なのは、 5mm 六角レンチのみ。後述の内蔵ストレージにぜひ入れておこう。

『Mino Link』(ミノー リンク)は、 HIGH と LOW の2モードで用意される。

永らく、リアブレーキがサスペンションの動作に悪影響を与えるのは、マウンテンバイクでは珍しくなかった。この両者を切り離すことで、それぞれが自由に動けるのが、『ABP』(アクティブ ブレーキング ピボット)。キャリパーをフローティング部に設置するのが肝のようで、特許技術でもあるそうだ。

 先に触れた、カーボンモデル限定の、内蔵ストレージは待望の機能であろう。

カーボン素材を使ったマウンテンバイクフレームで他社が先行していた、ダウンチューブのストレージ機能を、フューエル EX OCLV カーボンモデルで採用。

ボトルケージとアクセスドアは一体で、つまり素早くアクセスできる場所にある。ドアはしっかり閉まり、それでも泥だらけのグローブをはめたままで開閉が容易。

 現状は、同社の上級モデルに於いても採用しているのはこのフューエル EX 9.8 のみで、もちろんデメリットがなければ今後も採用車種は増えるだろうが、もしもコスト面が高いハードルになっているのだとしたら、しばらくは本機のみかもしれない。筆者は、とにかく背中に荷物を背負うのが嫌いなので、常日頃からサイクルジャージのポケットのみか、欲張ってもサドルバッグで対応している。

 公道も含め、身体の動きを阻害する要素は排除したい傾向にあり、このストレージ機能は甚く魅力的に映る。

足回りは、かつてのダウンヒルモデルに匹敵するワイド設計。ドロップアウトのブースト規格は、フロントが 110mm 、リアが 148mm となる。サイズ: XS , S では 27.5 を。 S , M , ML , L , XL では、29インチの用意となる。

トップエンドモデルになるフューエル EX 9.8 は、ホイールまでもがカーボン。驚くのが、『カーボンケア・ホイールプログラム』というものが用意され、
「ボントレガーのカーボンホイールを最初の購入から 2 年以内に不測にも壊してしまった場合、私たちが無料で修理または交換する」
という内容。お解りの通り、ハードな走行や大きな転倒で破損した場合に効力を発揮するという、通常とは逆のサービス。トレックは「安全性」にとかく敏感なメーカーで、その「らしさ」が表れている。

このような、トレールを主に駆け回る BIKE では、チェーンリングはもはやシングルのみ。しかも、デバイスレスという進歩。サスペンション機構やチェーンと歯の進化により、チェーンが猛烈に暴れなくなったり外れにくくなった所以であろう。丁数は、 32T 。クランク長は、フレームサイズ: XS , S で 170mm 。 M , ML , L , XL は、 175mm 。

リア周りは最近のトレンドである、クイックタイプだがスルーアクスル、且つブースト規格、という仕様。数値はブーストが 148mm、アクスルは 12mm 。カセットは 12 速で、 10-50T 。

 もうひとつ触れておきたいのが、『KNOCK BLOCK』(ノックブロック)。筆者は、しばらくトレックBIKEは触れていなかったので未見の機構であったのだが、これに拠るストレートなダウンチューブが、とにかく美しい。

独自の『KNOCK BLOCK』(ノックブロック)を開発したことで、真っ直ぐなダウンチューブ設計が可能になった。これは、特殊なステム、ヘッドセットトップキャップ、スペーサー、それにフレーム側に内蔵されるチップで構成され、ハンドルを目一杯切り込んでも、フォークのクラウン部分がダウンチューブに接触する前にロックされ、双方がノーダメージで済むようになっている。

『KNOCK BLOCK』(ノックブロック)の詳細。黄色の箇所がシステムで、写真は、目一杯ハンドルを右に切り込んだ状態。赤色の箇所は見事にダウンチューブと接触していない。能力的には、ストレートなダウンチューブは高剛性を維持しながら過度に重くならないフレームを設計できるということだが、個人的にはあの曲がったダウンチューブが嫌いなので、これは大歓迎。なお、あまりに大きな衝撃が加わった時は、ノックブロックは自己崩壊しライダーへのダメージを軽減する。そのため、ダウンチューブには衝撃吸収バンパーは備わる。

 
 

 
 なお、以前の Top Fuel の紹介記事でも書いたが、特に小柄で手足が短い日本人にとって、サイズ選びはことさらに重要。

 幸いに、フューエル EX シリーズは、 XS からの用意があり、この適応身長は 137.0〜155.0cm 、股下は 64.0〜73.0cm 。ひとつ上の S は、 153.0〜162.0cm , 72.0〜76.0cm 。 S サイズになると 29 インチホイールが選択でき、こちらに優位性を感じている筆者(身長 156cm )などは選択をしてしまいそうだが、注意したいのがハンドルまでの遠さ。案外、ここは見逃されがちかもしれなく、通説では 29 インチはどうしてもこの“実効トップチューブ長”が伸びる傾向にある。

 KNOCK BLOCK の手前、ステムが専用品になってしまうので、この辺りは注意して、実車を前によく確認したほうがよいだろう。

 ちなみに、ステム長は、サイズ: XS , S で 40mm 。 M , ML , L , XL は、 50mm が初期設定。(やかん)


 
 
[ ソース ]
トレック・ジャパン
 
 

【マウンテンバイク】GT bicycles の2020年モデル、展示会場より現車チェック! (フルサス編) ※公式試乗会追加

掲載日/2019年08月08日  取材・写真・文/やかん
取材協力/ライトウェイプロクツジャパン

 

インパクト強いとは言い難い年

 マウンテンバイク文化がアメリカで盛んになり始めた頃に開発をスタートし、そこから現在まで良質な BIKE を作り続けている GT bicycles(ジーティー)。リアサスペンションを備える、いわゆる「フルサス」については、今では考えられないほど様々なスタイルを模索しながら進化し続け、同社の代名詞とも言える数々のシステムを生み出した。

< 一例 >
・RTS(Rocker Tuned Suspension)
・LTS(Links Tuned Suspension)
・STS(Stay Tuned Suspension)
・i-DRIVE(Independent Drivetrain® Suspension)
・AOS(Angle Optimized Suspension)
など。

 正直なところ、i-DRIVE で飛躍的な革新を遂げ、AOS に於いて一旦の頂点を極めたと思われた GT のリアサスペンション技術だが、資本の入れ替わりが激しいアメリカ企業の因習に同社も逆らうことはできず、2019年モデルで回帰とも言える LTS システムを採用するかたちとなった。

 LTS は結局のところ、マウンテンバイクでは現在、最も構造やコスト、整備性のバランスが優れているとされる 4バーリンケージ方式のサスペンション システムで、込み入った話であるが、この方式でパテントを取っていたよその技術の期限が切れ、使い易くなったことも一因であると言われている。

 結果的に、これから紹介する GT のフルサスペンションバイクは、性能は別として見た目はあまり他社と代わり映えしない。完全にリアサスペンション システムがフィックスしてしまったモトクロッサー(モーターサイクル)に対して、様々な試行錯誤を窺えるのがマウンテンバイクの楽しみのひとつと考える筆者としては、残念至極としか言いようがない。辛辣ではあるが、ひとつの意見として明記しておく。

 出鼻をくじくかたちとなってしまい申し訳ないが、次から展示会場での写真を交えて、2020年モデルの展開を見ていく。
 
 


LTS & ハイピボットに回帰した『FURY』

マイナーチェンジ

GT フューリーチーム 2020年モデル/108万円(税抜)/カラー:チームブルー

 かつての RTS システムが案外、ダウンヒルレースで実力を認められ、そこから GT とダウンヒルの付き合いは長く、ワールドカップ(UCI)などでの戦歴は多い。ダウンヒル専用レーサーになるフューリー(FURY)は AOS 登場以降も長らく i-DRIVE を採用していたが、残念ながら2019年に LTS にスイッチ。

 ただ、おもしろいのが、このフレームは LTS に逆流しただけでなく、ハイピボット & アイドラープーリーを採用すること。

 このスタイルはかつて一時だけ存在した、どちらかというとマイナーな方式であったが、最近は他社も再び取り入れている。その中では、ユニットを含めた能力向上も寄与してか、ワールドカップで勝利している BIKE もある。

 もっとも、フューリーは会場で展示車がなかったので、GT BIKE のポテンシャルは解らない。2020年からは完成車のみの扱いとなった。

ベーシックスペック:
フレーム/Fury カーボン、190mm トラベル (29”) | 200mm トラベル (27.5”)、BSA 83mm、1.5” ヘッド、Boost 12×148 スルーアクスル、225x75mm トラニオンマウント、ISCG05
フォーク/Fox Float Factory 49、190mm、ハイ/ロースピード コンプレッションアジャスト、リバウンドアジャスト、Grip 2 Damper、20×110 BOOST スルーアクスル
リアショック/Fox Float Factory X2、225×75、Metric Trunnion、Air、ハイ/ロースピード コンプレッションアジャスト、ハイ/ロースピード リバウンドアジャスト
タイヤ/Schwalbe Magic Mary UltraSoft、29 x 2.35″、Downhill、Addix Ultra Soft Compound、チューブレスレディ
クランク/Shimano Saint 36T、e-thirteen LG1+ Guide
ディレーラー/Shimano Saint、10スピード
ブレーキ/Shimano Saint BR-M820 油圧ディスク、203mm SM-RT86 IceTech ローター、メタルパッド、フィン
 
 


オールマウンテンカテゴリーの『FORCE』

マイナーチェンジ

GT フォースエリート 2020年モデル/36万8,000円(税抜)/カラー:レッド

 2020年にサンクション(SANCTION)がカタログ落ちしたことで、ハイスピード系フルサスペンションバイクで TOP モデルとなったシリーズ。フューリー同様、マイナーチェンジで価格も据え置き。

GT フォースコンプ 2020年モデル/29万8,000円(税抜)/カラー:ガンメタル

 後述のセンサー(SENSOR)と見た目はそっくりになるが、フォースはキャラクター的に「下り・エンデューロレース」を念頭に置く。ダウンヒルバイクは基本的にはオーバースペックなので、ゲレンデダウンヒルをシーズン中に多く楽しむひとの最有力候補だろう。

 同じフォースでも、2パターンが用意され、重量はあるが初期動作がスムーズなコイル式、軽量でセッティング変更が容易なエア式に分かれる。

GT フォースエリート 2020年モデル/36万8,000円(税抜)/カラー:レッド

GT フォースエリート 2020年モデル/36万8,000円(税抜)/カラー:レッド

 コイルユニットを搭載するフォース エリートは、より下りを重視したエンデューロレース向けのパーツアッセンブルになっていると理解してよいとのことだ。

GT フォースエリート 2020年モデル/36万8,000円(税抜)/カラー:レッド

GT フォースエリート 2020年モデル/36万8,000円(税抜)/カラー:レッド

GT フォースコンプ 2020年モデル/29万8,000円(税抜)/カラー:ガンメタル

GT フォースコンプ 2020年モデル/29万8,000円(税抜)/カラー:ガンメタル

GT フォースコンプ 2020年モデル/29万8,000円(税抜)/カラー:ガンメタル

 
 


トレイルカテゴリーの『SENSOR』

マイナーチェンジ

GT センサーコンプ 2020年モデル/28万8,000円(税抜)/カラー:ガンメタル

 センサーも継続モデル。個人的に応援していたヴァーブ(VERB)がなくなったことで、フルサスモデルのローグレードを担うことになったが、いわゆる「軽快な里山BIKE」を目指していると思うので、その価格には10万円の開きがある。(ヴァーブ コンプは12万8,000円。販売終了。)

GT センサーコンプ 2020年モデル/28万8,000円(税抜)/カラー:ガンメタル

 経験者には無謀な値段ではないのだが、10万円台前半で真面目なフルサスペンションバイクが買える昨年(’19)を知っていると、センサーの価格はなかなかに厳しい。

GT センサースポーツ 2020年モデル/22万8,000円(税抜)/カラー:ディープティール

GT センサースポーツ 2020年モデル/22万8,000円(税抜)/カラー:ディープティール

 これからマウンテンバイクを買おう、というひとは、性能差よりも価格、もっと言うと“見た目”“格好良さ”が第一優先なのは揺るがぬ事実だ。
 
 
 なお、フォースとセンサーはよく似たフレーム形状だが、ジオメトリが若干異なっていて、味付けは微妙に違うということだ。
 


 ということで、GT に於いては2020年モデルのフルサスペンションバイクのみに目をやると、ラインナップの整理、i-DRIVE からの完全な決別の結果、魅力はかなり薄まってしまった。同社はマウンテンバイクが強いイメージあるので、フルサスペンションバイクは特に気になり、残念な状態。世相を反映しているとも言える。

 後日続けてお届けするハードテイル編で、進化したトリプルトライアングル(Triple Triangle™)を携えたいくつかの BIKE を紹介するので、そちらの実力に2020年は期待して欲しい。

関連:ハードテイル編
https://yakandirtmoto.wordpress.com/2019/09/04/mountain-bike-gt-bicycles-2020-02/

 
 

【 試乗会のお知らせ 】

2019年10月20日(日)
第15回 かかみ野MTBフェスティバル
各務原市 市営公園「各務野自然遺産の森」
〒504-0102 岐阜県各務原市各務車洞6797-1
0583-83-6115
 https://www.sportsentry.ne.jp/event/t/79909

予定試乗車
・ザスカー カーボン コンプ M ロウ/ブラック
・ザスカー アロイ コンプ M アクアブルー
・アバランチェ エリート M モスグリーン
・ストンパー エース24 24″ シルバー


2019年10月27日(日)
長岡MTBフェスティバル2019最終戦
長岡市営スキー場
〒940-0821 新潟県長岡市栖吉町3300
 http://sb-project-nagaoka.com/

予定試乗車
・ザスカー アロイ エリート M ブラッシュド/ブラック
・センサースポーツ M ディープティール
・フォースコンプ M ガンメタル
・アバランチェ スポーツ 27.5 M ブラック
・ストンパー エース24 24″ アクアブルー


2019年11月3日(日)
SAYAMA HILLS DAY
東京都西多摩郡瑞穂町南平2-50-30
042-570-1757
 https://www.sayamaparks.com/app/events/view/1103

予定試乗車
・アバランチェ スポーツ 29 M アクアブルー
・アバランチェ スポーツ 27.5 M ブラック
・アバランチェ エリート M モスグリーン
・アバランチェ エキスパート 27.5 M シルバー
・アバランチェ コンプ M レッド
・アグレッサー スポーツ M サテンブラック
・アグレッサー コンプ M レッド


2019年11月17日(日)
MTBの楽しさを共有したいinフォレストバイク小田原
フォレストバイク小田原
神奈川県小田原市荻窪
 https://www.forestbike.jp/

予定試乗車
・ザスカー アロイ エリート M ブラッシュド/ブラック
・ザスカー アロイ コンプ M アクアブルー
・センサースポーツ M ディープティール
・センサーコンプ M ガンメタル
・フォース29 プロ M グロスバーガンディ
・フォース29 エキスパート M グロスピッチグリーン
・フォース29 エリート M サテンブラック
・アバランチェ エリート M モスグリーン
・フォースエリート M レッド
・フォースコンプ M ガンメタル
・アバランチェ エキスパート 27.5 M ブラック
・アバランチェ エリート M モスグリーン
・アバランチェ コンプ M ディープティール


2019年11月23日(祝)
第14回セオサイクル サイクルフェスティバル
袖ヶ浦フォレスト・レースウェイ
千葉県袖ケ浦市林348-1
04-7189-0100
 http://seocycle.net/seofesweb/index.html

予定試乗車
・グレード カーボン エキスパート M サテンシェイド
・グレード アロイ エキスパート M パープル
・ザスカー アロイ エリート M ブラッシュド/ブラック
・アバランチェ エリート M モスグリーン
・ストンパー エース26 26″ シルバー
・ストンパー エース24 24″ ミント
・ストンパー プライム20 20″ ブルーシルバー
・ランジ16 16″ オレンジ
・ランジ12 12″ オレンジ
 
 
[ 取り扱い ]
ライトウェイプロクツジャパン
 
 

【マウンテンバイク】UCI マウンテンバイク ワールドカップ ダウンヒル 2019年 第1戦 Maribor(SLOVENIA) 結果&データ。

2019年のUCI マウンテンバイク ワールドカップ ダウンヒルが、いよいよ開幕した。

【マウンテンバイク】UCI マウンテンバイク ワールドカップ ダウンヒル 2019年 第1戦 Maribor(SLOVENIA) 結果&データ。

 

 2019年のUCI マウンテンバイク ワールドカップ ダウンヒルが、いよいよ開幕した。初戦は、スロベニアのマリボル。今シーズンは、チーム移籍や新チーム発足など例年にない賑やかさで、世界的にダウンヒルバイクの売上げが振るわない中、『観る』スポーツとしては海外では定着しているようだ。

 また、昨シーズン後半あたりから下り系レースで見られ始めた前後異径のBIKEが浸透し始め、今戦トップ2はこの仕様。具体的には、フロントが29インチ、リアが27.5インチとなっており、走破性に優れるがクイックコントロールに癖がややあると言われている29インチを前に持って来て、リアに26インチに完全に取って代わった27.5インチを着けることで、全体的に難易度が引き上げられているハードセクションの攻略に役立てようという思惑であろうか。

 ただ、BIKEによって29インチをベースに、一品物のリンクでジオメトリを合わせているようだ。もっとも、オフロードモーターサイクルでは古くから、フロント21インチ、リア19 or 18インチの方式を採っており、動力に違いはあれど、有利なスタイルなのかもしれない。今大会は出走してないGTファクトリーレーシングのマーティン・マエズも、昨シーズン、異径BIKEで好成績を収めている。海外では、97.5BIKE(er)などと、早くも呼ばれているようだ。

 

Amaury Pierron performs at UCI DH World Cup in Maribor, Slovenia on April 28th, 2019 // Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool

 

 

 

DOWNHILL 1
Maribor(SLOVENIA) – 28 APR 2019
Results Final Men Elite

順位 ゼッケンナンバー 氏名(国籍) 年齢 UCI MTBチーム タイム(差)

1 7 Loic BRUNI / ロイク・ブルーニ(FRA) 25 SPECIALIZED GRAVITY 02:31.141 ※29/27.5前後異径
2 2 Danny HART / ダニー・ハート(GBR) 28 MADISON SARACEN FACTORY TEAM 02:59.243(+0.404) ※29/27.5前後異径
3 3 Troy BROSNAN / トロイ・ブロズナン(AUS) 26 CANYON FACTORY RACING DH 02:59.603(+0.764)
4 16 Charlie Harrison / チャーリー・ハリソン(USA) 22 TREK FACTORY RACING DH 02:59.767(+0.928) ※チーム初参加
5 21 Matt WALKER / マット・ウォーカー(GBR) 20 MADISON SARACEN FACTORY TEAM 03:00.449(+1.610)
6 11 Aaron GWIN / アーロン・グイン(USA) 32 INTENSE FACTORY RACING 03:00.734(+1.895) ※チーム移籍
7 1 Amaury PIERRON / アモリー・ピエロン(FRA) 23 COMMENCAL / VALLNORD 03:00.896(+2.057)
8 14 Mark WALLACE / マーク・ウォレス(CAN) 24 CANYON FACTORY DOWNHILL TEAM 03:01.143(+2.304)
9 5 Laurie GREENLAND / ラウリー・グリーンランド(GBR) 22 MS MONDRAKER TEAM 03:01.218(+2.379)
10 22 Dakotah NORTON / ダコタ・ノートン(USA) 27 UNIOR/DEVINCI FACTORY RACING 03:01.890(+3.051)

※以下、編集部として拾っておきたいチーム
25 17 Marcelo GUTIERREZ VILLEGAS / マルセロ・グティエレス(COL) 29 GIANT FACTORY OFF-ROAD TEAM 03:05.058(+6.219)
26 9 Gee ATHERTON / ジー・アサートン(GBR) 34 ATHERTON BIKES 03:05.196(+6.357) ※オウンチーム立ち上げ初年度
27 24 Adam BRAYTON / アダム・ブレイトン(GBR) 31 HOPE TECHNOLOGY 03:05.351(+6.512)
40 123 Matthew SIMMONDS / マット・シモンズ(GBR) 32 CANNONDALE FACTORY RACING 03.06.907(+8.068) ※ファクトリーレーシング復活初年度

グレッグ・ミナーは予選での順位が63位で、昨シーズンあまり出走していない影響でプロテクトが使えず、予選落ち。

 

Aaron Gwin performs at UCI DH World Cup in Maribor, Slovenia on April 28th, 2019 // Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool

Finn Iles performs at UCI DH World Cup in Maribor, Slovenia on April 28th, 2019 // Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool

Gee Atherton performs at UCI DH World Cup in Maribor, Slovenia on April 28th, 2019 // Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool

Brook MacDonald performs at UCI DH World Cup in Maribor, Slovenia on April 28th, 2019 // Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool

Loic Bruni performs at UCI DH World Cup in Maribor, Slovenia on April 28th, 2019 // Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool

Charlie Harrison, Danny Hart, Loic Bruni, Troy Brosnan and Matt Walker are standing on the podium at UCI DH World Cup in Maribor, Slovenia on April 28th, 2019 // Bartek Wolinski/Red Bull Content Pool

 

 

 

 

UCI

 

【トレック】まったく新しい衝撃吸収技術『WaveCel』を搭載したヘルメット、2種発売に。

トレック・ジャパンは、2019年3月20日、サイクリングヘルメットの安全性に寄与する衝撃吸収技術『ウェーブセル』を搭載したモデルを、ボントレガーブランドから発売する。
 
 

BONTRAGER WaveCel

 
< リリースより >
まったく新しい衝撃吸収技術「WaveCel」

2019年3月20日、この度トレック・ジャパンは、サイクリングヘルメットの安全性を飛躍的に高める衝撃吸収技術WaveCel(ウェーブセル)を搭載したヘルメット2モデルを、ボントレガーブランドから発売いたします。WaveCelとは、ヘルメットの内側に設置されたまったく新しい衝撃吸収技術のことで、本製品は世界で初めてWaveCelを搭載した製品となります。
 
■サイクリングヘルメットにおけるプロテクション
一般的なEPSフォーム(発泡スチロール)のヘルメットは、主に頭部に垂直にかかる衝撃を吸収し、頭蓋骨骨折を防ぐことを想定して開発されています。しかし現実世界では、サイクリング中に転倒した場合、頭部が斜め方向で地面に衝突し、回転やひねりの力によって脳が揺さぶられることで、脳震とうや後遺症につながる脳障害が発生します。こういった脳へのダメージの多くは、頭蓋骨骨折を伴わず、頭蓋骨の内部で発生することがわかっています。トレックは、このダメージを最小化することこそがサイクリングヘルメットに求められる最も重要な性能であると考え、より安全なヘルメットを提供するため、外部研究機関と綿密に連携しながらヘルメットの開発を進めてきました。

■WaveCelの機能
WaveCelは、頭部にかかる斜めの衝撃を吸収することを目的に開発されました。衝撃を受けると、WaveCelのレイヤーが独立して動き、セル構造が変形し、潰れた後に横方向へ滑り、頭部にかかる衝撃を積極的に吸収します。WaveCelは、一般的なサイクリングでの転倒を想定した実験*において、軽度の脳障害の発生を1.2%に抑えます。なお、従来のEPSフォームヘルメットにおいては、同条件での実験で、軽度の脳障害の発生が58.2%、WaveCelと同じく斜めの衝撃を吸収するために開発されたスリップライナー「MIPS(ミップス)」を搭載したヘルメットにおいても、34.2%に留まり、WaveCelは他製品と比べ、圧倒的なプロテクションパフォーマンスを提供します。
*本実験は、標準的なEPSフォームのヘルメットと、WaveCelを取り付けた同一のヘルメットを、秒速6.2m、斜め45度の衝突で生じるAIS スコア2の怪我(脳震とう~軽度の脳障害)の発生確率を比較

WaveCelは、衝撃を緩和する為に「曲がる」→「潰れる」→「滑る」の3ステップをおこなう。

秒速6.2m、斜め45度で生じる、AISスコア2(中程度)の脳障害の発生確率。※トレック資料より

■WaveCelの今後の展開
トレックは、米APEXバイオメディカルが開始したWaveCelの技術研究に初期段階から協力してまいりました。今回発売されるヘルメットは、世界初のWaveCelが搭載された製品となります。今後、他のスポーツやアクティビティ用のヘルメットにおいて、WaveCelの技術が搭載された製品が発売予定です。

WaveCelは、約50gだけ重くなるという。代わりに、安全性は大幅に向上する、とのこと。

トレックの言い分では、より速く走る人ほどWaveCelの必要性は高まるという。

■トレック・バイシクル アメリカ本社 社長 ジョン・バークのコメント
「より多くの人にバイクに乗ってもらうには、ライドをより安全で身近なものにしなければならない。WaveCelは、今までデザインされた中で最も発達したヘルメットテクノロジー。これを搭載したヘルメットこそが、ライドをより安全にし、誰でも楽しめるものにする」
 
■ボントレガー WaveCel ヘルメット ラインアップ
1.XXX WaveCel Road Helmet(トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット)
・エアロダイナミクスや軽量性を重視したハイエンドモデル。
・価格/3万4,000円(税込)
・サイズ/S/M、M/L
・カラー/Black, White, Red, Visibility Yellow, Azule, Purple Phase
・アジアフィット 2019年4月下旬予定 ※トレックツイッターアカウントによると、ゴールデンウィーク明けの入荷を予定

ボントレガー トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット Black

ボントレガー トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット White

ボントレガー トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット Red

ボントレガー トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット Visibility Yellow

ボントレガー トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット Azule

ボントレガー トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット Purple Phase

 
2.Specter WaveCel Road Helmet(スペクター ウェーブセル ロード ヘルメット)
・日常的なサイクリングを目的としたミドルグレードモデル
・価格/2万1,000円(税込)
・サイズ/M、L
・カラー/Black, White, Red, Visibility Yellow
発売中

ボントレガー スペクター ウェーブセル ロード ヘルメット Black

ボントレガー スペクター ウェーブセル ロード ヘルメット White

ボントレガー スペクター ウェーブセル ロード ヘルメット Red

ボントレガー スペクター ウェーブセル ロード ヘルメット Visibility Yellow

 
 
 


※編集部より:
 近年、ヘルメットに於ける新技術の流れは従来の、「衝撃を吸収する」ものに加え、それを「受け流す」方向に変わってきている。これは、今回のトレックのリリースにあるように、二輪に於ける頭部へのインパクトはひとつの方向からのみではなく、そもそも対象が動き続けていることに起因する。
(これを、直線加速度と回転加速度という。)

 その観点から、スポーツサイクルよりもスピードが上がるモーターサイクル用では、例えばアライヘルメットは古くから、ヘルメット外装を極力、張り出しのないたまごのようなカタチにし、路面に接触した際、滑っていくことで衝撃を逃がす、というコンセプトを継続している。

 ショウエイについては、MIPSではなく独自のM.E.D.S.を使うことで、やはり回転加速度の低減を図っている。

ショウエイが新開発した独自の衝撃吸収構造『M.E.D.S.』(Motion Energy Distribution System)。インサートライナーがスイングし、頭部を衝撃吸収ライナーへ沈めることにより回転方向のエネルギーを吸収する。*画像はイメージ。

 乗員の安全性により敏感で先進的なアメリカでは、最近ではAISという新技術を取り入れたヘルメットも登場しており、二輪用ではフライ レーシングがフォーミュラというフルフェイスヘルメットを発売開始する。

二輪用ではフライレーシングが新しく採用する、AIS(ADAPTIVE IMPACT SYSTEM)。スノーボードなど他の分野では、採用済み。

 筆者が過去に雑誌で検証記事を組んだ時の経験としては、人間の頭部はたいへんに脆いものでありながら、二輪に乗車状態では最も高い位置に存在し、転倒時にそこに加わる衝撃は常人の想像を遥かに超えるものである。
(あの高さから地面に打ち付けられる為。)

 また、上記にもあるように、実は損傷よりも衝撃によるダメージによる死亡の方が、圧倒的に多い、という医療機関のデータがある。
(今回のトレックの資料によると、「自転車事故による脳障害の90%は頭蓋骨の破損なしで発生している」。)

 その時の実感として、また当時の技術ではまだEPSフォームしかなかったが、「こんなチープな物でも被らないより格段マシ」、であった。モーターサイクル用ではグラスファイバーなどを主体とした高い弾性と引張強度を持つ有機繊維を使い、それを積層した構造によりガッチガチの高強度シェルを実現しているのに対し、スポーツサイクル用は恐ろしく脆弱であったが(今でもそうだが)、極端なハナシ、帽子1枚でも被っていただけでかなり違う、とも言われる人間の頭部である。例え、発泡スチロールでもあれだけの厚みがあれば、違いは明白である。

 もちろん、スポーツサイクルで重量のある、また空気が抜けて行きにくい構造のヘルメットが倦厭されるのはよく解る。であれば、今回のウェーブセルのような構造は歓迎されるべきであろう。現在、MIPSを筆頭にヘルメットの考え方はひとつの転換期を迎えつつある(理論としては以前からあったが、技術がなかった)。「たかが自転車の転倒」、と思うかもしれないが、状況によってはその惨事はとんでもないことになる。先に述べたように、外傷はなくとも脳は強いダメージを受け、帰らぬ人になることは多々ある。よしんば死ななくとも、一生、植物状態、全身不随になったらどうだろうか。家族は? 身内は? そう考えたら、決して疎かにはできない筈だ。

 諸手を挙げてウェーブセル商品を推すことは勿論ないが、これを機に、自転車(特に、スピードが上がるスポーツサイクル)に於いて、ヘルメットの重要性を今一度、見つめ直してもらいたい。

△古い雑誌ですが、バイシクルナビNo.3 146ページから、はとても参考になります。(やかん)


 
 
[ ソース ]
トレック・ジャパン
 
 

【マウンテンバイク】『マウンテンバイク教室@つくで手作り村』を開催。

< 主催者告知文より >
 イベントのお知らせです!

 愛知県新城市にある道の駅『つくで手作り村』にて、マウンテンバイク教室を2日間、開催します。

日時/2019年3月24日(日) 午前10時〜
 同3月31日(日) 午前10時〜

 手作り村では、マウンテンバイクの貸出を始めることとなりました!
 4時間 2,000円、8時間 3,500円 となっており、作手の綺麗な空気と景色、歴史に四季を感じて貰えたらと思います。

 先立ちまして、自転車を提供して下さった作手のマウンテンバイク サロン、サローネデルモンテ店主・鎌苅さんを迎えまして、マウンテンバイク教室を開催致します。
 3/24、3/31 の2日間、いずれも受付開始 9:30~10:00。
 教室開始 10:00~11:30となっております。

両日とも、午前中、約2時間ほどのレッスンです。

どなたでも参加できます。

 参加料は、1,000円。1教室につき定員15名、ヘルメット、自転車のレンタルは先着8名様まで。
 (レンタサイクル料 2,000円)
 かっこいいHAROのレンタルバイクと、ヘルメットもあります(有料・要予約)。

 自転車をお持ちの方は、マイ自転車持参OK!

 少しでも興味があるお客様は、手作り村またはサローネデルモンテさんに、お電話にてお問い合わせくださいませ!

初めてマウンテンバイクに乗る方、興味がある方、小中学生、女の子、親子で、夫婦で、カップルで!

■申し込みは、手作り村
TEL/0536-37-2772
■初めてで不安なので色々質問したい方は、サローネデルモンテ
TEL/0536-37-5151 へ

開催日時・開催期間/
2019年 3月24日(日)10:00~11:30
2019年 3月31日(日)10:00~11:30
雨天中止

 定員になり次第締め切りになりますので、お早めにお申し込みください。

『つくで手作り村』ホームページ

マウンテンバイク教室開催!