ことの始まりは、KTM デューク( DUKE )の 125 cc が相変わらず気になっていたものの、日本導入当時に比べると方々で見掛けることが増え(そのほとんどは排気量大きいが)、すこし手垢感が強いと感じて、代替として中身は一緒、でも見た目はかなり違う、グループ会社のハスクバーナ スヴァルトピレンの 125 cc にターゲットを変えたことです。
→前半はある程度解りますが、後半で突如「ロングトラベルバイクの〜」が登場するの、解りません。フルサスペンション BIKE のことでしょうか?
また、詳細を現在確認中ですが、BIG.TRAIL (ビッグ トレイル)の開発にはドイツの R & D チームだけでなく、イギリスのショップがかなり噛んでいるようです。彼の地は、以前からハードテイル BIKE でダウンヒルコースのような場所を豪快にライドする文化があり、そういったモデルを得意とする小さなブランドも多いです。
従来仕様の BIKE だと、サドル位置を決めているシートポスト(ピラー)はバンド部品で固定されていて、クイックレバーを緩めて上げ下げするか、レバーレスのボルトタイプだと、都度、工具を使って緩める必要がありました。ドロッパーポストは、ハンドルバーに固定を解除するレバーが付き、乗車したまま手元でサドルの位置を自由に上げ下げできます。
さらに、本機の内幅 29 mm のリムは『チューブレスレディ』仕様なので、必然的に対応タイヤを選択した場合は、下りでのクッション性向上を企図して、空気圧は相当下げる使い方になると思います。そうすると、タイヤの抵抗力は増しますので、ひたすらな登りが続いた場合は、しんどいです。山頂までのアプローチは登りがほぼメインなので、往路は空気圧を高くして軽快さを出し、山頂からの復路ではめいいっぱい空気圧を下げてハードに攻める、ならありと思いますが。
それを裏付けるように、本機の油圧式ディスクブレーキは、ローター径が前後ともに 180 mm です。ハードテイル BIKE は、一般的にフロントよりもリアのほうがローター径は小さくなり、また、フロントは 160 mm までが主流です。どちらも 180 mm を装備するというのは、それだけ高速域での BIKE コントロールが必要になる、とメーカーでは想定して作っている訳です。
後半は、各種数値や価格の面から、本機が魅力的な BIKE かどうかを見ていきたいと思います。正直、自分も国内に入ってきているすべてのモデルを把握している訳ではないので。
まず、この BIG.TRAIL 400 (ビッグ トレイル 400 )の価格は、15万3,890円(10%税込)。一般的なひとの感覚からすると、安くはないです。サイズ展開は、S( 38 cm )と M( 41 cm )の 2 種類。重さは、M サイズで 14.3 kg なので、今となってはハードテイル BIKE のカテゴリーでは、軽くはないです。ドロッパーポストとチューブレスレディ対応リムを標準採用しながらこの価格で抑えるには、どうしてもコンポーネンツ群のグレードをやや落とさざるを得ず、結果、重量増に繋がっているのでしょう。
ただし、このあたりは他社も同じだと思いますので、見てみましょう。(※編注:敢えてぼやかしています)
・G 約15万込 13.1kg 120mm 15mm Axle 180mm / 160mm 27.5 x 2.6 Tubeless Ready 12s(11-50T) 31.8 780mm 30.9 x 345/T100mm 395/T125mm 15 x 110mm / 141mm Tubeless Ready
・T 約15万込 14.84kg Boost110 15mm 20mm 180mm / 160mm 27.5 x 2.80″(29 x 2.40″コンパチ) 12s(11-50T) 31.8mm 750mm 100mm 31.6mm 361mm 130mm 31.6mm 425mm Boost110 15mm thru axle Boost141 5mm QR Tubeless Ready 40mm
・J 約16万込 14.5kg 15 x 110mm axle 130mm 180mm / 160mm 27.5 x 2.8” TCS Tubeless 10s(11-42T) 31.8 x 740mm Dropper TCS Tubeless 15 x 110mm & 12 x 148mm
・K 約18万込 約14kg 130mm 110mm 180mm / 160mm 27.5 x 2.8″(29″コンパチ) 12s(11-50T) 35 31.6mm 約100mm / 125mm 110 x 15mm 148 x 12mm チューブレスレディ
・G 約17万込 確認中kg 130mm 15 × 110mm 180mm / 160mm 29 × 2.3” 12s(11-50T) 31.8mm 780mm 31.6mm 15 × 110 12 × 148 チューブレスレディ
・S 約19万込 約14.25kg Boost™ 120mm 180mm / 160mm 27.5 x 3.0″ tubeless ready 11s(11-42T) 750mm 31.8mm 30.9mm S 120mm M/XXL 150mm 15 x 110mm thru-axle 12 x 148mm thru-axle 38mm tubeless ready
・M 約26万込 13.9kg 110 x 15mm Boost 130mm 180mm / 180mm 27.5 × 2.6” Tubeless Compatible 11s(11-46T) 780mm S 125mm All Other Sizes 150mm 30.9mm 29mm Tubeless Compatible 110 x 15mm 12 x 148mm
・C 該当類似 BIKE なし
・S 該当類似 BIKE なし
このように見較べてみると、まず前述の重量は、この『新カテゴリー』では標準的な重さである、と言えます。高剛性フレームやボリュウムあるタイヤを備えるので、純レーサーのようなクロスカントリー BIKE とはやはり趣が違うようです。どの専門店に行っても並んでいるメジャーどころをピックアップしたつもりなのですが、用意がないブランドもありました。新世代らしい、というよりか、これは単純に国内に入って来ていないだけですね。
MERIDA BIG.TRAIL 400(2021年モデル) 15万3,890円(10%税込) SILK DARK PURPLE(SILVER-PURPLE):EM03
ということで、このBIKEは初級者向けダウンヒルコースである、Cコースを走りました。スペックの特徴としましては、スコットが誇る各種カーボン技術に加え、FOXと組んで開発した前後のサスペンション。それに、レース 仕様のジオメトリーと言えます。個人的見どころは、よく動くリアサスペンションと、前後同時にロックできる『Twinloc Lever System』だと思います。
特に、後者は完璧なまでにサスペンションがロックされ、完全なソリッドBIKEになったかのように感じます。FOXのNude リアサスペンションテクノロジー、というのも特徴のひとつということですが、数あるロック機構の中でも、この性能は群を抜いているように感じました。Twinloc Lever Systemは、サスペンションの旧来見られたON/OFFだけでなく、『トラクションモード』という中間のモードも持ち、サスペンションの働きにより、上り坂では失いがちのグリップ力をアシストしながら、下りセクションでは適度な沈み込みもあると、とても微妙な動作をしてくれます。年々、ハードなセクションが増えながらも高速化が進むリアルクロスカントリーレースの世界では、コンマ1を争う状況で、そこで僅かなミスも起こさない走りに結実する能力と感じました。
恐らく、ひとによってはマラソンレースでの使い道もあると思います。なにせ、とにかくTwinloc Lever Systemが良い仕事をしてくれます。この機能はスコットでないと実現しないものになるので、バリュはとても高いと思います。リジッドのクロスカントリーBIKEは少し身体に辛い、というひとは、ぜひこのスパークを選んでみてはどうでしょうか。