掲載日:2013年04月11日 取材・写真・文/やかん
乗り手のキャラクターで表情を変えるオールラウンドMTB
NINETY-NINEは、26インチモデルのクロスカントリーレース&マラソン系のシリーズになります。メーカーでは「レースで勝つために作られた26インチフルサスペンションバイク」と謳っています。前後サスペンションは100mmのトラベル量を持ち、メーカーのキャッチ通り、チーム(MULTIVAN MERIDA BIKING TIAM)での使用実績もあるシリーズという事です。
その中でこのTEAM ISSUEは、チームモデルのイメージを踏襲したグラフィックが施されたアルミニウムフレームを採用したミドルグレードBIKEで、個人的に2012年モデルで印象の良かった、DT SWISS製サスペンションを前後に備えます。他には、ドライブトレインがSRAM製の2×10という特徴も持ちます。
乗り始めの印象は、29インチモデルに乗った直後だったためか、トップチューブが短く感じ、やや上体が窮屈な印象を受けました。それが結果的に身体の動きを制限してしまい、下りでも不自由を感じました。この日の、水分を多く含んだ土壌での走りも、全体的にモッサリとした感じで、特にリア周りの引きずり感を強く感じてしまいました。2012年モデルで好印象だった、前後サスペンションの挙動も、ややすっきりしません。セッティングは借り受ける時に体重をメリダスタッフに伝え、調整済みです。コンポーネンツのSRAMの動きも、どうもいまひとつの印象。乗車サイズが41cmと、ぼくの身体にジャストフィットではありませんが、当日これ以上小さなフレームは用意がなく、またこの印象にサイズは関係ない感じで、正直、はじめは「う〜ん」と頭を抱えてしまいました。
しかし、2周目に突入して、冷静に各部を俯瞰出来るようになると、自分のポテンシャルがこのBIKEを乗りこなせていない事に気が付いて来ました。チームで実戦採用があるシリーズという事もあって、それなりのパワーや技術が乗り手に求められるのです。それに加え、相当にタフなレース&コースに投入する事で各性能の歯車が合ってきて、『レーススペック』をいよいよ発揮できる仕様なのです。誰にでも最高の武器になるのではなく、相応しい資質を持ったライダーが乗車してはじめて、真価を発揮するBIKEと言えます。
ただ、その反面、BIKE任せでまったりと乗るとかなり楽な側面も持ち、エンデュランス系=いわゆるマラソンレースに向いてる、という事も実感出来ました。真面目に乗ると相手も真剣に返して来るので資質が問われますが、落ち着いた気持ちで乗ればそれに合わせてくれる、懐の深い1台です。
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