■サスペンションの動きを向上させるスペシャルアイテム Enduro Shock Needle Bearing Kit

今回紹介するアイテムは、マウンテンバイクで使用するリアショックのマウント部に入れる、ベアリングキットです。とても小さな部品なのですが、作動性を良くする働きをします。

掲載日:2013年03月15日 ※本記事は転載に加筆修正したものです。

取材協力/グルーヴィーインターナショナル

リアサスペンションの
最良チューニング

今回紹介するアイテムは、マウンテンバイクで使用するリアショックのマウント部に入れる、ベアリングキットです。とても小さな部品なのですが、作動性を良くする働きをします。

ユニットを使うリアサスペンション機構は(テレスコピックでない)、必ず支持部が存在し、そこはある程度の回転をします。通常は、ユニットの両端部がそれにあたります(エンドアイと言うメーカーもあります)。この部分の動きは細かく見ればサスペンションの動きに影響を与え、動きが悪ければストロークを妨げる抵抗を発生していると言えます。モトクロッサー(オフロード用モーターサイクル)ではこの部分は常にグリスアップが必要な箇所で、グリス切れをおこすとリアサスペンションの動きはほぼ止まります(沈んだまま戻らなくなる)。

今まで、マウンテンバイクではあまりその点については話題に上がらなかったと思います。

ところが、ここ最近、日本ではマウンテンバイク用サスペンションの始祖とも言えるロックショックスと人気を二分するフォックスレーシングショックス(ともにUSA)が、この部分の抵抗を限りなく小さくする『リアショック用新型マウンティングキット』という物をリリースしました。

これはフォックス社のリアショック用新型マウンティングキット。

日本代理店では以下のように説明しています。
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従来のレデューサーとDUの組み合わせよりも、約50%ほど摩擦抵抗が少なくなりました。
素早くサスペンションユニットの位相を変えることによって理想に近い角度で衝撃を受けることができるため、小さな衝撃に対しても反応することが可能です。
リンケージ(リンク)が小型化・複雑化しているトレンドに合わせた改良とお考えください。

ツールいらずでシャフトを抜くことができます。
また土や水などの侵入を防ぐための設計がされており、従来のレデューサーとDUの組み合わせよりも10倍近い寿命を持っています。
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素晴らしいアイテムに思えます。

ただ、懐疑的なユーザー(SHOP含む)も多いようです。そんな小さな部分の僅か50%の低減など、何に影響するのだと。

しかし、個人的にはモトクロッサーで、リンク周りのグリスアップをするのとしないのとでは、まったくリアサスペンションの動きは違い、抵抗はより少ない方が良い、という考えを持っていました。

ぼくは、フォックスのリアショックを使っているマウンテンバイクを1台持っているので、そこで、この新型キットを導入しようか検討していました。すると、他所のメーカーからも「似たような商品が出ます」という案内を頂戴しました。

それが、今回紹介する『エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット』です。モデル名はエンデューロ用を指すのではなく、エンデューロ・ベアリング社というメーカー(USA)が出している商品だからのネーミングです。

まずは、写真を見てもらうのが手っ取り早い思います。

フォックス社純正のキットが、樹脂系の素材で構成され低抵抗を実現しているのに対して、エンデューロ社の物は、リンク周りのベアリングとしてはオーソドックスなニードルローラーを使用しています。先述のモトクロッサーやオフロードトレールバイクの多くもニードルローラーを採用しています。

フォックス社の純正キット。

エンデューロ社のキット。

この、モーターサイクルでの導入事例を知っていたからこそ、ぼくはエンデューロ社のキットに興味をより強く持ちました。マウンテンバイクより遥かに重く、それだけ加わる力も大きい衝撃を支えながらリアサスペンション周りをスムーズに動かすのに、長年ニードルローラーを採用しているわけですから、構造的にアドバンテージがそれだけある、という事の表れとも思うのです。

ニードルローラーベアリングは、ユーザークリーニングは必要ですがメンテナンスが容易であるという利点もあります。マウンテンバイクのリンク(ピボット)で多く採用されるシールドベアリングは、耐久性や性能で優る点が多いのでしょうが、文字の通りシールドされているので、メンテナンスは相当困難です。新品と打ち替えるのが一般的かと思います。その点、ニードルローラーは簡単にベアリングにアクセス出来るので、手間さえ惜しまなければ積極的にグリスアップして、いつでも最良の状態にしておけます。もっとも、フォックス純正はそれすらも不要なのですが(そもそもグリス禁止)。

そういう事で、長くなりましたが、このエンデューロ社の紹介文も日本代理店からもので紹介します。
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● Enduro Shock Needle Bearing Kit 取扱い開始!

ちっちゃいけれど、大きな仕事します!
Enduro社より、リアサスペンションの動きを滑らかにするショックニードルベアリングキットが発売されました。
本国ではもうちょっと前から販売されていたのですが、テストしてまして、ちょっと遅れて販売開始です!
従来のDUブッシュの代わりにローラーニードルベアリングを使うことにより、動きが格段に向上します。
フレームによっては、エアボリュームの調整をやり直さなければならないくらい動きが向上します。
一般的な外形15mm x 幅12.7mm規格のショックユニットに適合します。
価格も1,260円〜(記事掲載時点)とお求め易くなっており、対費用効果抜群の製品です!

デメリットは、ニードルローラーベアリングは、構造上泥の進入を許しやすい点です。
キットにはラバーシールドスペーサーが付属し、泥および埃の進入を防ぐ対策が施されています。
製品は5/100mm単位で正確に作られておりますが、フレーム側の精度によっては軸とシールドスペーサーの間に隙間ができる場合がございます。
このような場合、ニードルローラーベアリングに泥等が進入しやすくなりますが、このキットが不良ではございません。
したがって、このような場合、日本の気候風土では、頻繁に定期的なメンテナンスを必要とします。
上記理由により、泥の進入などによる回転不良や錆およびボトムアウト等による想定外の衝撃による破損などにつきましては、補償対象外となります。
構造と相手側精度をご理解の上、オススメください。
お求め易い価格ですので、消耗品として割り切ってご使用いただければ幸いです。

※備考
上記内容ですと、すぐに駄目なるかのごとく書いておりますが、私のクロカンバイクに3か月装着しておりますが、今のところトラブルはございません。
11月雨の日に一度40kmほど未舗装路を走り、今までノーメンテですが不具合はありません。
数件の販売店様にも試験運用頂きましたが、今のところトラブルは出ておりません。

■専用工具

Enduro Shock eye bushing replacement tool with needle driver
希望小売価格:10,290円/税込(記事掲載時点)

■対応リアユニット
FOX SHOCKS(ALL)
ROCKSHOX MONARCH AND VIVID SERIES
ROCKSHOX ARIO SHOCKS 2010以降
MARZOCCHI ROCO
MANITOU SHOCKS 2011以降
ELKA SHOCKS(ALL)
X-FUSION SHOCKS 2011以降

■Enduro Shock Needle Kit 小売価格表(記事掲載時点)
※注意:キットは1アイレット分です。1つのサスペンションに2セット必要となります。

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以上です。フォックスレーシングショックス以外の製品にも対応しているのもGoodですね。

なお、この案内をいただいたのは2013年1月22日。オイオイ、放置し過ぎじゃねぇか、なのですが、それはぼくのマウンテンバイクに取り付けるキットが手元に届いていなかったからなのです。

この度、無事自分用のキットが届いたのでレビュー前の予告として商品の案内をさせていただきました。早速取り付けや検証をしてみて、後日レポートします。お楽しみに!

やかん

 

 

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