掲載日/2019年11月06日 取材・写真・文/やかん
取材協力/PRインターナショナル、マルイ
※パート 2 はこちら。
【マウンテンバイク】2020年でも買える折り紙付き26インチタイヤ(MTBタイヤカタログ その2)
長い間、マウンテンバイクのホイール径は 26 インチとされてきました。しかし、それも今となっては昔話。いくつものサイズや規格が提案され登場したこのサイズ紛争ですが、結論として、従来サイズの 26 インチは掃討されてしまったと見てよいでしょう。
代わって主流となったのは、27.5 インチと 29 インチ。それぞれに利点があり、確かに 26 インチに回帰する理由は、今のところ見当たらないのが実情でもあります。
さらに、チューブの代わりにシーラント液を入れる“チューブレスレディ”がレースシーンでは主力となりつつあり、それに呼応して、26 インチはタイヤもチューブも供給が不安視されています。
しかし、様々な理由から 26 インチホイールを使い続けなければならないユーザーは、一定数いるでしょう。それは、マウンテンバイクを日常使いにしているひとだけではなく、ホビーユースのひとでも少数はいると思います。
ところが、規格やタイヤ クリアランスなどの観点から、従来の BIKE に 27.5 インチ以上のホイール & タイヤを履くことは推奨できず、昨今のタイヤ事情は頭痛の種です。
トレッドパターンなどは従来品のままでも、せめて新しいゴムで使いたい、という気持ちは当然のものです。筆者も多くの 26 インチマウンテンバイクを所有しているので、今年の展示会は特にその事に注意して、「2020 年もまだ 26 インチ径のマウンテンバイクは闘えるのか?」という観点で、お呼ばれした会場を見て周りました。
シュワルベ(SCHWALBE)
値段はやや高いが、高性能・高品質で定評あるブランド。ハイエンド、レース向けモデルに限り、チューブレスレディ対応品あり。
◇マジックマリー(MAGIC MARY)
日本での人気が高い、ダウンヒルレースでの定番タイヤ。オールラウンダーだがマディ路面への対応力も人気の秘密かと。
サイズ/26 × 2.35
ETRTO/60 – 559
コンパウンド/ADDIX(ソフト)
重量/1,045g
価格/1万780円(10%税込み)
チューブレスレディ
◇ノビーニック パフォーマンス(NOBBY NIC Performance)
汎用性のあるマウンテンバイク用タイヤだが、ブロックパターンからも解るようにかなり路面に食いつきそう。重さもあるので、下りセクション多いシチュエーションに向いてるかと。
サイズ/26 × 2.25
ETRTO/57 – 559
コンパウンド/ADDIX
重量/715g
価格/6,050円(10%税込み)
チューブレスレディ
◇スマートサム(SMART SAM)
アディックスは採用しているが、センターノブのデザイン上、湿った富士見パノラマリゾート A コースは避けたほうがいいかも、とのこと。個人的にはやる気を感じさせるブロックに惹かれるが。あと、消耗品なのでこのプライスは助かる。ケブラービードでもある。
サイズ/26 × 2.10
ETRTO/54 – 559
コンパウンド/ADDIX
重量/645g
価格/3,850円(10%税込み)
◇ラピッド ロブ(RAPID ROB)
同社マウンテンバイク用タイヤのスタンダード品である“レーシング ラルフ”のDNAを受け継いだ、汎用性の高いモデル。パンク対策に K ガードを採用しているので重さはあるが、信頼度は高い。ブロックタイヤは摩耗が早いので、やはりこのプライスは助かる。
サイズ/26 × 2.10
ETRTO/54 – 559
コンパウンド/SBC
重量/650g
価格/2,860円(10%税込み)
サイズ/26 × 2.25
ETRTO/57 – 559
重量/720g
価格/2,860円(10%税込み)
◇ハリケーン(HURRICANE)
従来品から大きく生まれ変わり、日本代理店でもかなりの期待を寄せているオールラウンダー系タイヤ。マウンテンルックに見えそうだが、以前から高速系クロスカントリー用ではこのようなパターンは他社でも存在し、恐らくはヤスリ状のセンタートレッドはそれほど滑り出しは速くないと思われる。26 インチは、レースガード仕様のみ。ケブラービード。
サイズ/26 × 2.10
ETRTO/54 – 559
コンパウンド/ADDIX
重量/620g
価格/4,950円(10%税込み)
2020年2〜3月入荷予定
マキシス(MAXXIS)
マキシスは、チューブレスレディではないモデルもあるが、意外と種類はまだ豊富。
◇ミニオン(MINION) DHF
ダウンヒル向けのフロント用。
サイズ/26 × 2.50
ETRTO/55 / 59 – 559
コンパウンド/3C Maxx Terra
重量/860g
価格/8,580円(10%税込み)
◇ミニオン(MINION) DHR II
ダウンヒル向けのリア用。
サイズ/26 × 2.40
ETRTO/61 – 559
コンパウンド/3C Maxx Terra
重量/880g
価格/8,580円(10%税込み)
◇ビーバー(BEAVER)
ウェット & マッド路面に対応したクロスカントリー向けモデル。
サイズ/26 × 2.00
ETRTO/50 – 559
コンパウンド/Dual
重量/540g
価格/8,580円(10%税込み)
チューブレスレディ
◇アイコン(IKON)
転がり抵抗重視の、軽量クロスカントリー向けモデル。池田 祐樹選手の 2019 年王滝優勝 BIKE でも使用された。これは、濡れた路面でも流れが速かったり水はけが良い場合、泥がまとわり付きにくいので、このぐらいのトレッドでも目詰まりしないため。
サイズ/26 × 2.00
ETRTO/50 – 559
コンパウンド/3CMaxx Speed
重量/585g
価格/9,900円(10%税込み)
チューブレスレディ
◇クロスマーク(CROSSMARK) II
総合バランスに優れたクロスカントリー向け。直線に並んだセンターノブは転がり抵抗を軽減しつつ、その両脇に広がるブロックが旋回時のグリップを確保する。
サイズ/26 × 2.10
ETRTO/53 – 559
コンパウンド/Dual
重量/635g
価格/7,920円(10%税込み)
チューブレスレディ
一応、世の中的にメジャーなサイズについても新作をお知らせ。
シュワルベは、マジックマリーに、スーパーグラビティー仕様の 29 × 2.60 が登場。従来品は、スネークスキンのみ。
サイズ/29 × 2.60
ETRTO/65 – 622
コンパウンド/ADDIX(ソフトのみ)
重量/1,370g
価格/1万780円(10%税込み)
チューブレスレディ
先に紹介したスマートサムは、29 × 2.60の取り扱いを開始。
サイズ/29 × 2.60
ETRTO/65 – 622
コンパウンド/ADDIX
重量/920g
価格/4,620円(10%税込み)
マキシスは、ショーティー(SHORTY)に 29 インチが追加に。完全なダウンヒルレース用で、コーナーコントロール力は MAX 値だが転がり抵抗は激重。
サイズ/29 × 2.50
ETRTO/63 – 622
コンパウンド/3C Maxx Grip
重量/1,330g
価格/1万780円(10%税込み)
チューブレスレディ
2019年12月入荷予定
アセガイ(ASSEGAI)は、エンデューロレースを考えた軽量仕様が新登場。コーナーコントロール力が MAX 値かつ転がり抵抗もかなり軽いという、稀有なバランス。
サイズ/29 × 2.50
ETRTO/63 – 622
コンパウンド/3C Maxx Terra
重量/1,165g
価格/1万120円(10%税込み)
チューブレスレディ
2020年春入荷予定
ディセクター(DISSECTOR)は、まだデータ不明。トロイ・ブロスナン選手との開発をした新モデルということ。
参考出品
2020年春入荷予定
※情報追記
コーナリングでのコントロール性能を維持しながら、抵抗力を最小限に抑えることを目的とした設計のMTBタイヤ。ドライコンディションでの高速走行に最適です。内幅30〜35mmのリムに最適な、ワイドトレイルケーシングを採用。オーストラリアのDHプロライダー、トロイ・ブロスナン選手シグネチャーモデル。耐パンク性能は、中庸。
サイズ/27.5 × 2.40
ETRTO/61 – 584
コンパウンド/3C Maxx Terra
重量/800g
チューブレスレディ
サイズ/29 × 2.40
ETRTO/61 – 622
コンパウンド/3C Maxx Terra
重量/861g
価格/1万780円(ともに10%税込み)
チューブレスレディ
フォーキャスター(FOREKASTER)は、要望の多い 29 インチを追加。
サイズ/29 × 2.35
ETRTO/60 – 622
コンパウンド/Dual
重量/735g
価格/8,580円(10%税込み)
チューブレスレディ
2019年12月入荷予定
ちなみに、どこで選手に聞いても、「29 インチの可能性」「チューブレス(レディ)以外は考えられない」が主流で、試乗車に於いてもその恩恵は筆者も理解しています。どちらにも今すぐスイッチしたいですが、なかなかそうもいかず。現状、26 インチのチューブレスレディ対応の新品リムを 3 種類見付けたので、まずはそれでホイールを組み直すぐらいから始めたいと考えています。
新しい物が良いのは事実ですが、まだ 26 インチマウンテンバイクに御用あるひとがいたら、本稿がその一助になればさいわいであります。
※第 2 弾を公開しました。
【マウンテンバイク】2020年でも買える折り紙付き26インチタイヤ(MTBタイヤカタログ その2)
ダート&モト編集部
サトウハルミチ(やかん) Harumichi Sato
東京都生まれ千葉県育ちで、身長 156cm の mini ライダー。紙媒体の編集を長く経験した後、2012 年 4 月から初めて WEB マガジンに携わる。戦車から旅客機まで無類の乗り物好きで、特に土の上を走る四輪・二輪に目がない。競争事も好きで、マウンテンバイク/モトクロスはレース経験あり。モーターサイクル/スポーツサイクル以外にフィルムカメラ、ホームオーディオ、クルマ、紙の読書(恩田 陸先生の大ファン)、ガンプラが大好きで、住まいはモノで溢れている。特技は、引き落としの滞納。スポーツサイクルは、マウンテンバイク 6 台と BMX 1 台を所有。
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