【カワサキ】モトクロッサー『KX』シリーズ 2021年モデル、プレ情報。

カワサキは、さらなる出力の向上やセルフスターターと油圧クラッチを新たに採用した4ストロークモトクロッサー、KX250などの2020年モデルを新発売する。

 
 

< リリースより >

【 KX450 】( 2021 )

 

カワサキ KX450(2021年モデル)

 

数多くの先進機能を採用したエンジンとスリムな車体を与えられた KX450 。「中級レベルのライダーからエキスパートライダーまで、表彰台の頂点に立たせる」という KX の設計概念は、KX ブランドをこの世に送り出し 40 年以上経った今でも揺るぎません。数々の AMA タイトル獲得の事実は、KX の真の実力を証明。

2019 年モデルにて吸気ラインのダウンドラフト化とフィンガーフォロワーロッカーアームの採用によるエンジンの高出力化、セルフスターターや油圧クラッチを搭載などフルモデルチェンジを行いました。

そしてこの度 2021 年モデルのアップデートにて、さらなるエンジン性能、操作性の向上を達成。ファクトリーマシンからフィードバックされた先進技術により、レースでの戦闘力を高めています。

 

カワサキ KX450(2021年モデル)

カワサキ KX450(2021年モデル)
カワサキ KX450(2021年モデル)
カワサキ KX450(2021年モデル)

カワサキ KX450(2021年モデル)

 

■主な特徴

  • NEW ピストンスカートのドライフィルムコーティングにより、フリクションを低減しエンジン性能を向上
  • 油圧クラッチ構造の見直しを行い、クラッチのコイルスプリングを皿ばねに変更とクラッチプレートの大径化、摩擦材の見直しにより、優れた耐フェード性と操作性を実現
  • NEW ファクトリースタイルのレンサル製 ø 28.6 mm アルミファットバーを標準装備
  • カラー & グラフィックの変更

 

カワサキ KX450(2021年モデル)

カワサキ KX450(2021年モデル)

 

モデル情報

車名/KX450
モデルイヤー/2021
マーケットコード/KX450JMFNN
価格/101万2,000円(税込)
カラー(カラーコード)/ライムグリーン(GN1)
発売予定日/2020年10月1日(木)
※KX450は公道や一般の交通に供する場所での走行は一切できません。
※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
※メーカー希望小売価格は消費税10%を含む参考価格です。

 

 
 
【 KX250 】( 2021 )
 

カワサキ KX250(2021年モデル)

 

高回転域における高いパフォーマンスと力強いパワーを誇る KX250 が、さらなるアップデートを果たし登場。「中級レベルのライダーからエキスパートライダーまで、表彰台の頂点に立たせる」という KX デビューから普遍の設計理念をもとに進化を遂げ、世界最高峰のモトクロスレースと称される AMA スーパークロスと AMA モトクロスの 4 ストローク 250 cc クラスにおいて、KX は最多タイトルを獲得しています。

新しく登場した KX250 は、249 cm³ 水冷 4 ストローク単気筒エンジンのさらなる出力向上を達成。さらに、セルフスターターと油圧クラッチを採用し、操作性を高めています。

また、ポテンシャルを最大限に発揮するため KX450 をベースにした新設計のフレームとスイングアームを採用。2021 年モデルにて進化を遂げた KX250 はレースにおける戦闘力をさらに高めています。

 

カワサキ KX250(2021年モデル)

カワサキ KX250(2021年モデル)
カワサキ KX250(2021年モデル)
カワサキ KX250(2021年モデル)
カワサキ KX250(2021年モデル)
カワサキ KX250(2021年モデル)
カワサキ KX250(2021年モデル)
カワサキ KX250(2021年モデル)
カワサキ KX250(2021年モデル)

カワサキ KX250(2021年モデル)

 

■主な特長

  • NEW 最高出力を約 1.0 kW( 1.4 PS )、レブリミットを 350 rpm 高めたエンジン( 14,500 rpm )
  • NEW 素早いエンジン始動を可能にするセルフスターター
  • NEW 優れたコントロール性を発揮する油圧クラッチ
  • NEW ポテンシャルを最大限に発揮する、KX450 をベースした新設計のフレームとスイングアーム
  • 新フレームに合わせてファインチューニングされた、フロントとリヤのサスペンションセッティング
  • NEW フロントブレーキのコントロール性と総合的なフィードバック性能を高める、KX450 同様のフロントマスターシリンダー
  • NEW 標準装備された、ファクトリースタイルのレンサル製 ø 28.6 mm アルミファットバー
  • NEW ライダーが動きやすいように、デザインが一新されたボディワーク
  • カラー & グラフィックの変更

 

カワサキ KX250(2021年モデル)

カワサキ KX250(2021年モデル)
カワサキ KX250(2021年モデル)
カワサキ KX250(2021年モデル)
カワサキ KX250(2021年モデル)
カワサキ KX250(2021年モデル)

カワサキ KX250(2021年モデル)

 

モデル情報

車名/KX250
モデルイヤー/2021
マーケットコード/KX252CMFNN
価格/84万7,000円(税込)
カラー(カラーコード)/ライムグリーン(GN1)
発売予定日/2020年8月20日(木)
※KX250は公道や一般の交通に供する場所での走行は一切できません。
※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
※メーカー希望小売価格は消費税10%を含む参考価格です。

 

[ 問い合わせ先 ]
カワサキモータースジャパンお客様相談室
フリーコール/0120 – 400819
月 ~ 金曜 9:00 ~ 12:00 、13:00 ~ 17:00( 祝日、当社休日を除く )

 


※ 編集部より:

 

カワサキ KX250(2021年モデル)

 

 時間切れのため、考察は後日に。お待ちください。なお、弊誌では地球環境や時代の変化を考え、ただのカラー & グラフィック変更のようなモデルは、扱わないこととしました。イヤーモデルという概念もやめるべきと考えます。(やかん)


 
 

【カワサキ】KLX230 / Rの全貌と魅力を紐解く、特濃試乗インプレッション&開発者インタビュー。(KLX230R編)

より突っ込んだ『インプレッション記事』。開発の経緯、目的、意図を尊重して『 KLX230R 』(コース専用車)を先に取り上げる。

掲載日/2020年2月17日  取材・写真・文/やかん
取材協力/カワサキモータースジャパン

 

━導入編からの続き

 さて、ではより突っ込んだ『インプレッション記事』である。

 順番的には、国内でのメインターゲットとなり得る『 KLX230 』(公道車)を紹介したくなるのだが、開発の経緯、目的、意図を尊重して『 KLX230R 』(コース専用車)を先に取り上げる。


カワサキ KLX230R(2020年モデル)
完全オールニューの、クローズドコース専用オフロードモデル。基本仕様は、同時期発売のKLX230とほぼ一緒。
価格:51万7,000円(税10%込み)、カラー:ライムグリーン、2019年10月1日発売済
都内での事前説明会に続き、試乗コースでもお話を聞かせてもらった、KLX230兄弟の開発陣。中央が、開発責任者である川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニーの和田 浩行氏。右が、エンジン設計の城崎 孝浩氏。左が、デザイナーの小林 稔氏。和田氏がかつのてオフロードブームを体験していて、その時の気持などが大きく投影されている印象を受けた。

 

何故ニュートラルポジションランプないのか甚だ疑問

 基本的な仕様は事前にアナウンスしているように、新型フレームに、同じく新型の空冷 4 ストローク 232cc SOHC 単気筒エンジンを搭載。250cc ではなく中途半端な(約)230cc になったのは、
「初中級ライダーが楽しめる走りを追求していった結果、車重を軽くする目的もあり空冷で、使い易いパワーと特性を狙いこの排気量になった」
とのこと。従来の『 KLX250 』の代わりを目指した訳ではないし、ホビーオフロードライドを企図しているので、納得かと。

KLX230兄弟の注目すべきポイントは、フレームもエンジンもオールニューであることだろう。この空冷エンジンは、《カワサキ 技術本部 第一設計部 第四課 基幹職》の城崎 孝浩氏が設計を担当。
「ハイパワーは求めないで、中低速での扱いやすいトルクと快適で自然なフィーリングを目指し、しっかり作り込みました」との談。R用は振動軽減のバランサーシャフトが入っていない、ある意味「本来の」キャラクターも持つ。

 

 そのエンジンは、キャブレターではなくフューエルインジェクションで制御され、バッテリー搭載なので始動はスイッチ 1 つで可能。

 変わっているのは、ハンドルクランプ部(センター)にメインスイッチがあること。まずここを ON にしないと、右側のスタートスイッチを押しても始動はしない(ボタン色はグレー)。キルスイッチは、一般的な左ハンドルに(ボタン色はレッド)。

KLX230Rは言ってみれば「レーサー」なので、鍵(キー)はない。ハンドルクランプ近傍にあるのが、メインスイッチになる。左は給油、右はインジェクションエラーランプ。
始動関連は、このようになる。ハンドルクランプ部のメインスイッチを押さないと、インジェクションシステムも起動しない。

 

 このキルスイッチというのは、パドック(※)に戻ってきた時にエンジンを停止させる使い方のほか( R はキーレスなので)、コース上で転倒して後輪の回転が止まらず危険を感じた時などに強制停止させる役割もある。
※ここでは駐車場を指す。

『 無印( KLX230 のこと) 』もそうなのだが、KLX230 兄弟は、何故かギヤのニュートラルポジションランプがなく、いまギヤが何速に入っているかまったく解らない欠点がある。
(モトクロッサーでは当たり前であるが、入門車としてはこれは非常に不親切に感じる。)

 よって、転倒した時にギヤをニュートラルに戻してバイクを起こす、というのは非常に難しい。これは、オフロードバイクは倒れてもかなりの確率でリアタイヤが空転した状態になるからで、かとってそのまま起こすのは危ない。初心者はクラッチレバーを握りながらマシンを起こすのも大変だと思うので、ここは落ち着いて 1 度キルスイッチで停止させ、起こすのがベター。

 KLX230R はサイドスタンドがあるので、コース脇にマシンを寄せてスタンドを立てて一呼吸するのをお薦めする。ここがやはり、KX シリーズとは違うところだろう。「安全に」「楽しむ」が 1 番で、競ったり無理なペースで走る必要はまるでないのだ。

 

クラッチの操作フィーリングは標準レベル

 これに関係するクラッチ周りだが、レバーはワイヤー引き(ハイモデルやオンロードモデルは油圧式もあるが、オフロードではワイヤーが一般的)。引きは特段重くはなく、また低速重視で割りかし粘るエンジン特性なので、クラッチミートに神経質になる必要はない。

 ただし、KLX230R はエンスト防止のため、アイドリング回転数がかなり高く、「どかんっ」とクラッチを繋ぐと少々、扱いづらい。路面状況によっては、クラッチレバーを積極的に活用し、丁寧に繋いだほうがよい。マニアックな説明だと、KLX250 シリーズに FCR キャブレターを装着した時のようなアイドリングの高さになっている。よって、路面抵抗の低い箇所で乱暴に繋ぐと、後輪が空転してしまう傾向がある。

 ほかに細かなところでは、シフトペダルが気になる。標準では取り付け角度が下を向き過ぎていて、マシンの上でボディアクションを繰り返す乗り方では、体勢が不自然になってしまう。標準よりやや上向きでセットし直したほうが、圧倒的によい。

 オフロード走行は、いくらビギナーでも『ブーツ』の着用が望ましく、そのほとんどは足首の自由度がかなり制限されるので、つま先を大きく下げるような動作はできないからだ。

KLX230Rの無印(KLX230)との違いのひとつが、先端が可倒式になっているシフトペダル。ここが動かないと、転倒時にペダルを大きく曲げてシフトチェンジできなくなったりするので、必須の機構。
ちなみに他の部品でも言えるが、この2台は基本設計が一緒なので色々なところで共用ができ……。
参考:オフロードブーツは必須。初めは、プロテクション性能よりも足首の動かし易さを選定の目安にしたい。ソールは乗り方によるが、通常はフラットタイプ。降りて土の上でマシンを押す時間が長い場合は、エンデューロタイプがよい。

 

日本人は苦しむ、拷問に近いシート高

 オフロードブーツを履いた時の足首の不自由さに関連して、今回の KLX230 兄弟の最大の懸案は、そのシート高。筆者はプレ記事でも強く指摘してきたが、実車を前にしても『 無印 』も『 R 』もかなり高い。

<参考記事リンク>
【カワサキ】公道オフローダーとして『KLX230』が新たに登場! 心臓部は空冷4ストローク SOHC 2バルブ。

 これは、そもそもの開発初期において、モトクロッサーの KX シリーズのイメージを本機にも積極的に投影しよう、という強い方向性があったからだ。KX シリーズに羨望を抱くアジア圏ユーザーの心をキャッチする目的で、KX テイストがかなり取り入れられている。そのひとつが、タンク上端からリヤフェンダーまで流麗さを感じられるスタイリングで、結果、シートの落ち込みがほぼ皆無になっている。

イメージ:カワサキ KLX230R

 

 このようなスタイリングは、そもそもはモトクロッサーでは「当たり前」であり、マシンの上で自由かつ積極的なボディアクションが阻害されないことから、基本的には「良い」とされている。その代償が「足着きの悪さ」に結実する訳で、モトクロッサーは KX シリーズに限らず、背が低く股下が短い日本人のほとんどは、足が届かない。

参考:モトクロッサーはこのようなフラットデザインが当たり前。
参考2:スタートしたら最後、ゴールまで足を着かないレーススタイルもあり、落ち込んだシートはボディアクションの妨げにしかならない、という考えが主流。
参考3:レース中は、ほぼスタンディングで、シートに座るのは短い加速でジャンプを飛ぶ時などに、意図的にリアに強い荷重を掛けるシーンなどだけ、と独特でもある。
日本人だとこのパターンは多い。後述するが、足台必須。

 

『 R 』のメインターゲットが北米マーケットであるので止むなしではあるし、タンクから極端に落ち込んだシートのオフロード車は確かに格好悪いのは事実なので、そこを市場がどう捉えるか……。

カワサキの多くのモデルを担当した経験を持つ、《カワサキ 技術本部 デザイン部 スタイリング課》のデザイナー、小林 稔氏がスタイリングを担当。見ると解るが、北米向けの実績が多く、ここからもKLX230兄弟の立ち位置が読み取れる。

 

KLX230兄弟の開発&販売目的のひとつである、「KXシリーズに羨望を抱くアジア圏ユーザにミートさせる」。そのために意図的に取り入れられたのが、『KX譲りのシート下まで伸びたロングシュラウド』。2016年に大きく変わり同社オフモデルのアイコン的存在になったが、これも小林氏によるものであった。

 

『シート下まで伸びたロングシュラウド』は、見た目の印象だけでなく、そのシームレスさから、「ライダーが移動する範囲に部品の継ぎ目がなくなったことで、引っかかりのない機能面でのメリットも出た」。

 

特徴的なライムグリーンの大型パーツがホビーオフロードマシンにも採用されている点は、効果が非常に大きいと思う。筆者個人も、この一体型のシュラウドラインは、モデルチェンジしてからずっと憧れていたルックスである。

 

小林氏によるスケッチを見れば、明確にモトクロッサーKXシリーズを意識しているのが解る。だからといって、KX85ではないところも重要なポイント。
カワサキ KLX230R

 

足着きの悪さでトレッキングは微妙?

 このような点から、発売前にイメージしたエンデューロレースでの使い方は、個人的にはやや懐疑的。やはり、モトクロッサーのように『足台』を用意して、パドックではそこからスタート。戻ってくる時用にも、事前に広い台を置いておくか手前に石などの足場を確認してから出発したほうがいい。ツワモノになると、スタートする時は片足をステップに掛けた状態で走り出し飛び乗ったり、帰ってきた時はその逆の動作で降りるが、正直スマートではないし『 R 』のターゲット層とは外れるスキル。

参考:いわゆる足台。
参考2:いわゆる足台。

 

 ファンライドやホビーレーサー向けモデルなので、コース上で転倒することは大いに考えられるし、慣れないコースを走る時、一旦止まりラインを見定めたりしたいことは多々あるので、日本人にとって、このシート高は地獄でしかない。

 筆者は身長が 156cm しかなく、取材当日の装備品含めた体重は 60kg で、ややハード目に設定されたサスペンションでは 1G’ (※)でも沈み込みはあまり期待できず、砂利からスタートした時、荷重が垂直に掛かっていない性でリアタイヤが流れ、いきなり転倒もした……。
※ワンジーダッシュ/車体全体の重みで沈んだ 1G に、ライダーがさらに跨ってその荷重が掛かった状態のこと。

 以下の動画は KLX230 のモノだが、あちらでも足着きの悪さは似たもので、終始動き回っているのは、未見のコースでは足着き場所が解らず停止できなかったため。

 湿った下り坂でいきなり派手に転倒しているのは標準のタイヤと空気圧に依るモノだが、尤も、このような局面では『 R 』ならではの特性が大きく有利にはたらく。

 

専用コースでのイージーモトクロスに好適な予感

 というのも、シート高に関してネガティブな印象を連々書いたが、ストローク豊かで硬めの足回り、クローズドコース専用(公道禁止)タイヤならではのグリップ力、保安部品がないことによる軽量な車体は、やはり戦闘力が高め。

カワサキ KLX230Rの走破力を上げている大きな要因のひとつが、標準装着のタイヤ。エンデューロにも対応するダンロップのD952を、前後に履く。
リアは、100/100-18 59Mとトレール系ではスタンダードな18インチ径。タイヤの選択肢は多いが、このD952で困ることはまったくない筈。
フロントは、80/100-21 51M。試乗車の空気圧もあるのだろうが、無印とRではこのタイヤ性能による差は大きく、KLX230Rでグリップ力に不安を抱くことは一切なかった。無印(KLX230)で走り込むひとは、ひとつ参考になるだろう。

 

 普段は KX80-II と、カスタムした KLX250SR でモトクロスをしている自分としては、確かに『 R 』はそれらの間に位置しそうな性能を持っている。ややモタっとした吹け上がりと、1 つのギヤでのパワーバンドの狭さは気になるが、逆に開け口での特性はマイルドで、かといってエンストしてしまうような線の細さは一切なく、オフロードに不慣れでアクセルワークが雑になってしまっても、急にマシンが暴れるおそれは少ない。

 

 慣れてきてアクセルを開けられるようになると、シフトアップは忙しくなるが半クラッチを覚えれば 1 速高いギヤでもエンジンは咳き込むことなく付いて来てくれるし、上がった速度に対してサスペンションもタイヤもまったく音を上げないので、安心して高いスピード域を維持できる。

筆者はオンロードにはほとんど乗らないのでピンッと来ないのだが、KLX230Rのフロントサスペンションは、きちんと左右どちらにもスプリングとダンパーが入っている。リアはリザーバータンクのないタイプだが、前後ともセッティングは当然、無印よりも硬め。
KLX230Rは走破力を高めるために無印(KLX230)よりも、サスペンションのストロークが長い。もっとも、KLX230兄弟は『R』ありきで始めたマシンでもあるので、“無印はこれよりもローダウンしたモデル”という認識が正しいのかもしれない。

 

 モトクロスをすると解るのだが、公道で快適な足回りというのはオフロードコースではほぼマイナスにはたらく。恐怖を感じるだけでなく転倒など怪我にも繋がりやすく、『 R 』はさすが、そこで破綻する気配を感じさせない。取材当日のフィールドがスピードを出すにはまったく不向きだったので、中速以上での KLX230R の能力は未知だが、その後に行なわれた販売店向け試乗会の動画を見るに、まったく問題ないようだ。

参考:試乗コースの一部。モトクロスコースのようなレイアウトではなく、ジャンプ性能などは確認できなかった。

 

 開発者はあまりジャンプは考慮していないようであったが、ホビーユース程度のジャンプなら楽しめそうなのも、ポイントは高い。オフロードコース専用車ならば、いずれは飛んでみたくなるのは自然な流れだし、ひとつの楽しみである。そこで、「はい、それは KX シリーズでやって」ではナンセンスであり、KLX230R にその心配はなさそうだ。

カワサキ KLX230Rの特徴のひとつ、リアブレーキはマスターシリンダーとリザーバータンクが一体のレーサータイプになる。フレームは無印(KLX230)とほぼ一緒なので、そちらに移植することも……?
KLX230Rはオフロード走行を重視しているので、リア周りが大きく違う。スイングアームは軽量なアルミ製で、チェーンガードも金属&樹脂のタフな物に。ホイールベースは、無印(KLX230)よりも20mm短い。ただし、サイドスタンドは標準装備なので、あらゆるシーンで便利で助かる。
燃料タンクは、レーサーでは一般的な樹脂製。キャップも、キーロック機構などのないただのねじ込み式なので、保管時は注意したい。容量は、6.5リットル。

 

お勧めはしたいが運搬手段がとにかくネック

 惜しむらくは、この KLX230R を簡単に誰彼構わずに奨めるのは、憚れるということだ。いくら「本格オフロード走行の入口車として作った」し、「これを機会にその世界に足を踏み入れて欲しい」、という開発者(和田氏)の想いはあっても、日本での運用は簡単なことではない。自走不可の障壁は大きい。KLX230 の頁でも触れるが、メンテナンスの(いい意味での)イージーさなどたいへんに工夫と気配りをされてはいるのだが、なにせトランスポーターが必須なのだから。

トランスポーター(クルマ)を使った積載&遊び方のイメージ。このハードルをどう突き崩していくかが、KLX230Rについては課題。

 

 日本はオフロード専用コースも少ないし、レンタル用としてこの車両を購入し新たな来場者に楽しんでもらえるよう整えられる運営母体もない。筆者としては、メーカー先導で、一般ユーザーに乗ってもらえる機会を作って、「本格オフロード走行(バイク)ってこんなに楽しいんだ!」と感じてもらい、その後に繋がる流れを実施してもらいたいのだが、事前説明会の時点( ’19 年 9 月)で「まったくその予定はない」、との回答であった。

 やはり、メインターゲットは北米になってしまうのだろう。非常に残念な話しなのだがそこは現実を見つめるとして、あとの頁で、この KLX230R を楽しむために金銭面を含め越えなければならない中身をシュミレートしてみようと思う。ここで一旦、『 R 』については筆を置き、国内での主要購買対象になる KLX230 に話しを移して行きたいと思う。

 

 

ダート&モト編集部
サトウハルミチ(やかん) Harumichi Sato
東京都生まれ千葉県育ちで、身長 156cm の mini ライダー。紙媒体の編集を長く経験した後、2012 年 4 月から初めて WEB マガジンに携わる。戦車から航空機まで無類の乗り物好きで、特に土の上を走る四輪・二輪に目がない。競争事も好きで、マウンテンバイク/モトクロスはレース経験あり。モーターサイクル/スポーツサイクル以外にフィルムカメラ、ホームオーディオ、クルマ、紙の読書(恩田 陸先生の大ファン)、ガンプラが大好きで、住まいはモノで溢れている。特技は、引き落としの滞納。モーターサイクルは、KLX250SR(’95)と KX80 – II(’98)を所有。

 

 

 

【カワサキ】モトクロッサー『KX』シリーズ 2020年モデルが登場! KX250はよりハイパワー仕様に。(4st編)

カワサキは、高回転域におけるパフォーマンスの向上とさらなる出力向上を実現した4ストロークモトクロッサー、KX250などの2020年モデルを新発売する。
 
 
< リリースより >
【 KX250 】
 

ファクトリースタイルのエンジンコンポーネントとチューニング
カワサキ KX250 2020年モデル/79万3,800円(税込)

 
高回転域におけるパフォーマンスの向上とさらなる出力向上を実現したKX250。「中級レベルのライダーからエキスパートライダーまで、表彰台の頂点に立たせる」というKXデビューから普遍の設計理念をもとに、歴代最速の4ストローク250cm³クラスのKXが誕生しました。

249cm³水冷4ストローク単気筒エンジンは、吸気バルブの大径化、フィンガーフォロワーロッカーアームの採用、デュアルインジェクター、ダウンドラフト構造の吸気ラインなどレーサー直系の先進技術により、さらなる進化を遂げています。
 

ファクトリースタイルの車体コンポーネントとチューニング
カワサキ KX250 2020年モデル/79万3,800円(税込)

 
■主な変更点
・最高出力を約3.3PS高めた新型エンジン
NEW レブリミットを向上した、フィンガーフォロワーロッカーアームの採用
NEW 高回転域における性能を高めた、ボア×ストロークの変更(78.0×52.2)
・それぞれ異なる役割を担うデュアルインジェクターの採用
NEW エンジンマウント剛性バランスを最適化した、アルミニウム製ペリメターフレーム
NEW 滑らかな動きと確実な減衰特性を発揮する、ファクトリースペックの大径コイルスプリングフロントフォーク
NEW より強力な制動力を発揮する、ブレーキシステム
・カラー&グラフィックの変更
 
ファクトリーマシンのチューニングが施された、パワフルな高回転型水冷4ストローク249cm3単気筒エンジン

KX450 と同様、スーパーバイク世界選手権のエンジニアが設計したフィンガーフォロワーロッカーアームを採用。レブリミットを 500rpm 向上し、より強力なパワーが得られるアグレッシブなカムプロフィールの設定が可能となった。吸排気バルブの大径化(吸気:ø31mm → ø32mm、排気:ø25mm → 26.5mm)とハイリフト化(吸気:9.3mm →10.3mm、排気:8.8mm → 9.1mm)も行われている。
エアボックスの構造を見直し、テーパー形状のファンネルを短くすることで(120mm → 70mm)、高回転域の性能を向上。吸気ダクトの配置を見直すことで、さらに直線的な吸気アプローチを実現。ダウンドラフト構造の吸気ラインにより、シリンダーへの吸気進入角は 32.5°(従来は29.5°)となり、シリンダー充填効率とエンジン出力を向上させた。
新しいエンジンは最高出力を約2.4kW(3.3PS)高め、10,000rpm から際立つより強力な高回転性能を実現。ライダーにストレートでの優位性をもたらしている。またレブリミット向上との組み合わせが、コーナー間の走行をスムーズにし、より速いラップライムを刻むことが可能となった。
ファクトリーマシンと同一設計の大口径ピストンにより、あらゆる回転域で強力な性能を発揮。ブリッジドボックスボトムなどは変わらずだが、ピストンクラウンの設計を見直すことで圧縮比を向上(13.4:1→14.2:1)。
排気システムの変更により、高回転域の性能を向上。エキゾーストパイプの長さを30mm短縮し、ジョイントパイプにはハイドロフォーミングによる逆テーパー形状を採用(ø48.6mm → ø45~54mm)。
ø48mm倒立コイルスプリングフロントフォークを新たに採用し、ストローク初期動作を向上。大径インナーチューブの採用により大径ダンピングピストン(ø25mm)の使用を可能にし、滑らかな動きと確実な減衰特性を実現。スプリングレートは、KX250のエンジン出力向上に合わせて変更。
新しい KYB 製フロントフォークに合わせ、同じKYB 製リヤショックユニットを採用。
エンジン下部フロント側のマウント(クランクケース前面)に使用されている貫通ボルトをスタッドボルトへ変更し、全体的なフレーム剛性を最適化。その結果、リヤサスペンションの衝撃吸収性能が向上。アクセサリーシャーシパーツとして『スキッドプレート』の用意もある。

新しいボディワークに施されるファクトリースタイルのグラフィックスは、KX250のパフォーマンスイメージを反映。シュラウドをコンパクトに設計することで、ライダーの自由度を向上。段差のない滑らかなデザインにより、ライダーの動きを妨げない。また、ライダーの脚がひっかからないよう、シュラウドはフレームの一部も覆っている。
カワサキ KX250 2020年モデル/79万3,800円(税込)

 
モデル情報
車名(通称名)/KX250
モデルイヤー/2020
マーケットコード/KX252BLF
価格/79万3,800円(税込)
カラー(カラーコード)/ライムグリーン(GN1)
発売予定日/2019年8月1日
※KX250は公道や一般の交通に供する場所での走行は一切できません。
※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
※メーカー希望小売価格は2019年7月現在の消費税8%を含む参考価格です。
 

 
 
【 KX450 】
充実した装備と高い戦闘力を誇る4ストロークモトクロッサー、KX450。

カワサキ KX450 2020年モデル/99万3,600円(税込)

数多くの先進の機能を採用したエンジンとこれまでで最もスリムな車体を与えられたKX450。「中級レベルのライダーからエキスパートライダーまで、表彰台の頂点に立たせる」というKXの設計概念は、KXブランドをこの世に送り出し40年以上経った今でも揺るぎません。

数々のAMAタイトル獲得の事実は、KXの真の実力を証明。449cm³水冷4ストローク単気筒エンジンは、吸気ラインのダウンドラフト化、フィンガーフォロワーロッカーアームの採用により、高い出力を実現しています。

また素早い再始動が可能となるセルフスターターや、安定した操作フィーリングを可能にする油圧クラッチを搭載。ファクトリーマシンからフィードバックされた先進技術により、レースでの戦闘力を高めています。

■主な変更点
・カラー&グラフィックの変更
 

カワサキ KX450 2020年モデル/99万3,600円(税込)

 
モデル情報
車名(通称名)/KX450
モデルイヤー/2020
マーケットコード/KX450JLF
価格/99万3,600円(税込)
カラー(カラーコード)/ライムグリーン(GN1)
発売予定日/2019年8月1日
※KX450は公道や一般の交通に供する場所での走行は一切できません。
※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
※メーカー希望小売価格は2019年7月現在の消費税8%を含む参考価格です。
 
 
【 KLX110L 】
子供から大人まで幅広くオフロードを楽しめるKLX110L。
カワサキ KLX110L 2020年モデル/27万円(税込)

■主な変更点
・カラー&グラフィックの変更
 
モデル情報
車名(通称名)/KLX110L
モデルイヤー/2020
マーケットコード/KLX110DLF
価格/27万円(税込)
カラー(カラーコード)/ライムグリーン(GN1)
発売予定日/2019年10月1日
※KLX110Lは公道や一般の交通に供する場所での走行は一切できません。
※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
※メーカー希望小売価格は2019年7月現在の消費税8%を含む参考価格です。
※当モデルは川崎重工業株式会社の海外工場Kawasaki Motors Enterprise(Thailand) Co.,Ltd(KMT)で日本向けに生産された車両です。
※当モデルは体重70kg以下の方の使用を想定して設計されています。また激しいオフロード走行には適していません。
 

カワサキ KLX110L 2020年モデル/27万円(税込)

 
 
 


※編集部より:

小変更だがより煮詰めが進んだ KX250

 
 例年、モトクロッサーは450と250を順番に大幅チェンジしているが、KXは昨年の450の変化に比べ、250は小規模の変更となった。

 まず、450でカワサキモトクロッサーでは初となったバッテリー搭載でのセルモーター始動はなし。世界的に見れば、このクラスには不要との判断なのだろう。体格の小さな日本人としては厳しいが、致し方ない。エンジン自体は、元からトップが良く伸びると一般ライダーからも好評のKXの特性は、更に進化しているようだ。KXは海外ではファクトリークラス・ライダーの活躍が、どちらの排気量もひとりだけが抜きん出ている状態なので、一概にマシンの高性能、とは言い切れないところだが、調子のよくない車体でポディウムに登れる訳はないので、その点は間違いないのではないか。

 一時期注目されたエアサスペンションも、結局はオフロードバイクでの普及はなかったようだ。聞くところによると、エア式は初期の動作がやはりどうしても硬く、これはマウンテンバイクでもよく指摘される点だが、遥かに車重があるモーターサイクルではそれと動作のバランス取りが非常に難しいらしい。動きのスムーズさは、相変わらずコイル式に軍配が上がる、というのが今のところの評価だろう。

 体格やコースを考えると日本人にはよりマッチしやすいと思う250ccモデルだが、新生KX250の具合はどうであろうか? カワサキは現在、メディア向けにも公開してのモトクロッサー試乗会を実施していないので個々に借り出すしかないのだが、機会あれば体験してみたいとは考えている。(やかん)


 
 
[ 問い合わせ先 ]
カワサキモータースジャパンお客様相談室
フリーコール/0120-400819
月~金曜9:00~12:00、13:00~17:00(祝日、当社休日を除く)
 
 

【カワサキ】モトクロッサーの『KX』シリーズ 2020年モデルが登場。(2st編)

カワサキは、充実した装備と高い戦闘力を誇る2ストロークモトクロッサー、KX85-II他の2020年モデルを新発売する。
 
 
< リリースより >
【 KX85-II 】
 

カワサキ KX85-II 2020年モデル/38万3,400円(税込)

 
KX85・KX85-IIは高い剛性を誇るペリメターフレームに84cm³のパワフルな2ストロークエンジンを搭載。インナーチューブ径36mmの倒立フロントフォーク、ユニトラックリヤサスペンションなど充実した装備との組み合わせは優れたパフォーマンスを発揮します。

また、ハンドルバーは6つのポジションに調節が可能。ライダーの好みに応じて選択出来るようになっています。

さらに人間工学を取り入れたボディワークは快適な乗り心地と操作性を両立。「表彰台のトップにライダーを送り込む」というカワサキの設計理念がふんだんに盛り込まれています。

フロント17インチ、リヤ14インチのKX85に加え、フロント19インチ、リヤ16インチの大径ホイールを採用したKX85-IIも同時にラインナップしています。
 

カワサキ KX85 2020年モデル/37万2,600円(税込)

 
■主な変更点
・カラー&グラフィックの変更
 
カワサキ KX85 2020年モデル/37万2,600円(税込)

カワサキ KX85-II 2020年モデル/38万3,400円(税込)

 
モデル情報
車名(通称名)/KX85、KX85-II
モデルイヤー/2020
マーケットコード/KX85CLF、KX85DLF
価格/37万2,600円、38万3,400円(ともに税込)
カラー(カラーコード)/ライムグリーン(GN1)
発売予定日/2019年8月1日
※KX85・KX85-IIは公道や一般の交通に供する場所での走行は一切できません。
※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
※メーカー希望小売価格は2019年7月現在の消費税8%を含む参考価格です。
 
 
【 KX100 】
ファクトリーマシンをイメージした本格派FUNライドモデルKX100。
カワサキ KX100 2020年モデル/40万5,000円(税込)

■主な変更点
・カラー&グラフィックの変更
 

カワサキ KX100 2020年モデル/40万5,000円(税込)

 
モデル情報
車名(通称名)/KX100
モデルイヤー/2020
マーケットコード/KX100FLF
価格/40万5,000円(税込)
カラー(カラーコード)/ライムグリーン(GN1)
発売予定日/2019年8月1日
※KX100は公道や一般の交通に供する場所での走行は一切できません。
※当モデルは二輪車リサイクル対象車両です。価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
※メーカー希望小売価格は2019年7月現在の消費税8%を含む参考価格です。
 
 
 


※編集部より:

KX100 があるが、やはり本命は KX85-II

 
 排ガスなどの問題から、確実に市場から姿を消しつつある2ストロークエンジン。一部で125ccのエキシビション的な動きはあるものの、一般普及への復活とは当然ならず、ホンダを除けば車格が小さく軽量な85ccサイズ(海外ではミニバイク扱い)がキッズを中心に生き残っているのが現状。

 とは言うものの、そのホンダの4ストローク車に牙を剥くように一度リニューアルしたカワサキ・KX85のポテンシャルは凄まじいもので、外車勢ではまだまだ活況の2ストロークエンジンの余波を感じさせるものであった。その当時の筆者体重は45kgであったが、正直、素人では到底扱いきれない爆発的なパワーと、それに見合ったハードな足回りを持っていた。

参考/コラム
三月は深き紅のダートを Dirt53 全日本後のSUGOをダッシュ!

 身体が小さな日本人には、確実な武器になるのは間違いないことをここで保証しておく。

 ただし、KX80に未だに乗っている筆者もそうであるが、アタマの痛いのが2ストオイルの問題。かつて定番であったカストロール製が生産をストップしてしまい、それに代わる商品がこれといってないのが現状だ。アムズオイル製を後釜で使おうとした矢先、本国の意向と日本での販路変更があり、今は正規では買えない状態。排気煙の香りを楽しめるのも2ストロークエンジンならでは、と考えているので、ストックしたオイルを大事に使うしかない日々である。

 さて、そんな中、20年モデルでも国内で継続販売となったKX100であるが、どういった使い道があるだろうか? 参考として車格やパワーを窺ってみたい。

< KX100 >
全長/1,920mm
シート高/870mm
内径x行程/圧縮比/52.5mm×45.8mm/10.2:1(低回転)・8.7:1(高回転)
ホイールトラベル/前 275mm,後 275mm
タイアサイズ/前 70/100-19 42M,後 90/100-16 52M
車両重量/77kg
燃料タンク容量/5.0L

< KX250 >
全長/2,172mm
シート高/948mm
内径x行程/圧縮比/78.0mm×52.2mm/14.2:1
タイアサイズ/前 80/100-21 51M,後 100/90-19 57M
ホイールトラベル/前 314mm,後 310mm
車両重量/105.3kg
燃料タンク容量/6.4L

< YZ125(ヤマハ) >
全長/2,135mm
シート高/975mm
内径x行程/圧縮比/54.0mm×54.5mm/8.6-10.7:1
タイアサイズ/前 80/100-21 51M,後 100/90-19 57M
ホイールトラベル/前 300mm,後 315mm
車両重量/94kg
燃料タンク容量/8.0L

 一瞬、国内でも試験的に始まった2スト125エキシビションへの特例参加はどうか、とも思ったが、スペック的には厳しさある雰囲気だ。モトクロッサーはパワー表記が公式にないので、出力は数値から想像するしかないが、YZ125と比べてもやや弱めか。足回りも、タイアサイズが説得力にすこし欠ける。シート高がかなり低いので、やはりファンライド的な楽しみかたが好適かもしれない。日本でその目的で本機を所有するのは、なかなかに裕福ではあるが。

 なお、現段階ではKX65のアナウンスはありかなしかも一切ない。USでは一応、発表済み。(やかん)


 
 
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カワサキモータースジャパンお客様相談室
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月~金曜9:00~12:00、13:00~17:00(祝日、当社休日を除く)
 
 

【ホンダ】モトクロス競技専用車『CRF250R』、エンデューロ競技専用車『CRF250RX』の2020年モデルを発売。

ホンダは、モトクロッサー『CRF250R』とエンデュランサー『CRF250RX』の仕様を一部変更して、2020年モデルとして発売する。
 
 
< リリースより >
Hondaは、モトクロス競技専用車『CRF250R』とエンデューロ競技専用車『CRF250RX』のエンジン出力を向上させるなど仕様の一部を変更し、2020年モデルとしてそれぞれ2019年8月30日(金)に受注期間限定※で発売します。
※ 受注期間は2019年5月23日(木)から12月31日(火)まで
 

ホンダ CRF250R 2020年モデル

 
CRF250R、CRF250RXともに、シリンダーヘッド、ピストン、カムシャフトのエンジン主要部品とエキゾーストパイプを新設計、またエアフィルタを大型化することで、高回転域の出力を向上させるとともに、低回転域でのトルク向上を実現しました。

さらに、ギアレシオを最適化するとともに、ギアポジションごとに最適な燃料噴射のセッティングを施すことで、より扱いやすく、力強い走行フィーリングを実現しました。
車体は、フレームとスイングアームの剛性と、前後サスペンションのセッティングを最適化することで、優れたハンドリング性能を追求しています。
カラーリングは、両車種ともにHondaのモトクロスマシンのアイデンティティーを継承するエクストリームレッドとしています。
 

ホンダ CRF250RX 2020年モデル

 
価格(消費税8%込み)
CRF250R 83万1,600円

CRF250RX 84万7,800円

*価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
*このCRF250R、CRF250RXは公道および一般交通の用に供する場所では一切走行ができません。また、登録してナンバープレートを取得することもできません
*走行場所には十分注意してください。私道や林道、河原、海辺などの公共の道路以外の場所でも、人や車が自由に出入りできるところは道路とみなされ、道路交通法および道路運送車両法の違反になります
 
 
【 主要諸元 】
通称名/CRF250R
車名・型式/ホンダ・ME12
全長×全幅×全高(mm)/2,181×827×1,260
軸距(mm)/1,486
最低地上高(mm)/327
シート高(mm)/957
車両重量(kg)/108
エンジン種類/水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒
総排気量(cm3)/249.4
内径×行程(mm)/79.0×50.9
圧縮比/13.9
燃料供給装置形式/電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)>(スロットルボアΦ44mm)
始動方式/セルフ式
点火装置形式/DC-CDI式
燃料タンク容量(L)/6.3
クラッチ形式/湿式多板コイルスプリング式
変速機形式/常時噛合式5段リターン
キャスター角(度)/トレール量(mm)/27° 29´ / 116
タイア 前/80/100-21 51M
 後/100/90-19 57M
ブレーキ形式 前/後/油圧式ディスク
懸架方式 前/テレスコピック式(倒立サスペンション)➖クッションストローク305mm
 後/スイングアーム式(プロリンク)➖アクスルトラベル317mm
フレーム形式/アルミツインチューブ
(Honda測定値)
■製造事業者/本田技研工業株式会社 熊本製作所
 
 
[ 問い合わせ ]
ホンダお客様相談センター
TEL/0120-086819
 
 

【ホンダ】モトクロス競技専用車『CRF450R』、エンデューロ競技専用車『CRF450RX』の2020年モデルを発売。

ホンダは、モトクロッサー『CRF450R』とエンデュランサー『CRF450RX』の仕様を一部変更して、2020年モデルとして発売する。
 
 
< リリースより >
Hondaは、モトクロス競技専用車『CRF450R』とエンデューロ競技専用車『CRF450RX』に、動力を効率よく後輪に伝達する「Honda セレクタブル トルク コントロール(HSTC)」を初採用するなど仕様の一部を変更し、2020年モデルとしてそれぞれ2019年8月30日(金)に受注期間限定※で発売します。
※ 受注期間は2019年5月23日(木)から12月31日(火)まで
 

ホンダ CRF450R 2020年モデル

 
CRF450R、CRF450RXともに、急な路面状況の変化によるリアタイアの空転を抑制し、効率よく動力を伝達する、3段階のレベル選択が可能なHonda セレクタブル トルク コントロールを初採用するとともに、エンジンの回転上昇を瞬時にコントロールし、より安定したスタートを実現するローンチコントロールシステムを、より緻密に制御できるように進化させています。

また、燃料噴射のセッティングを最適化することで、エンジン低回転域での扱いやすさを向上させました。
車体は、バッテリー搭載位置を変更し低重心化を図るとともに、前後サスペンションのセッティングを最適化することで、操縦安定性をより向上させました。
カラーリングは、両車種ともにHondaのモトクロスマシンのアイデンティティーを継承するエクストリームレッドとしています。
 

ホンダ CRF450RX 2020年モデル

 
価格(消費税8%込み)
CRF450R 97万7,400円

CRF450RX 99万3,600円

*価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
*このCRF450R、CRF450RXは公道および一般交通の用に供する場所では一切走行ができません。また、登録してナンバープレートを取得することもできません
*走行場所には十分注意してください。私道や林道、河原、海辺などの公共の道路以外の場所でも、人や車が自由に出入りできるところは道路とみなされ、道路交通法および道路運送車両法の違反になります
 
 

ホンダ CRF450R 2020年モデル

ホンダ CRF450R 2020年モデル

 
【 主要諸元 】
通称名/CRF450R
車名・型式/ホンダ・PE07
全長×全幅×全高(mm)/2,183×827×1,260
軸距(mm)/1,482
最低地上高(mm)/328
シート高(mm)/960
車両重量(kg)/112
エンジン種類/水冷4ストロークOHC4バルブ単気筒
総排気量(cm3)/449.7
内径×行程(mm)/96.0×62.1
圧縮比/13.5
燃料供給装置形式/電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)>(スロットルボアΦ46mm)
始動方式/セルフ式
点火装置形式/DC-CDI式
燃料タンク容量(L)/6.3
クラッチ形式/湿式多板コイルスプリング式
変速機形式/常時噛合式5段リターン
キャスター角(度)/トレール量(mm)/27° 22´ / 116
タイア 前/80/100-21 51M
 後/120/80-19 63M
ブレーキ形式 前/後/油圧式ディスク
懸架方式 前/テレスコピック式(倒立サスペンション)➖クッションストローク305mm
 後/スイングアーム式(プロリンク)➖アクスルトラベル314mm
フレーム形式/アルミツインチューブ
(Honda測定値)
■製造事業者/本田技研工業株式会社 熊本製作所
 
 
[ 問い合わせ ]
ホンダお客様相談センター
TEL/0120-086819
 
 

あの名ライダーたちが2ストロークマシンで大暴れ! TRANSWORLD MOTOCROSS PREMIX。

今回紹介するのは、そんなある種ノスタルジーは感じてしまうが独特の魅力を持った2ストロークエンジンの「サウンド」面が堪能出来る、映像作品。

あの名ライダーたちが2ストロークマシンで大暴れ! TRANSWORLD MOTOCROSS PREMIX。

 

ある世代から前と後ろでは感じ方が違うのが、モトクロスバイクのエンジンへの想い。現在、フルサイズ車両は4ストロークの250ccからが定番化しているが、以前は2ストローク125ccがフルサイズモトクロッサーの登竜門だった。パワーソースの違いは、レース展開をまた新たな次元に引き上げスリリングなものに変えたが、そこで失われてしまったのが2ストロークエンジン特有のサウンドと排気臭。

これはもう言っても詮無いことだが、2ストロークエンジンのエキゾーストサウンドは独特の甲高い魅力あるもので、いかにも「モトクロスをやってる!」と思わされたものだ。また、ガソリンとブレンドするエンジンオイルが焼けた時の独特の香りも、レースマインドを刺激するものだった。

今回紹介するのは、そんなある種ノスタルジーは感じてしまうが独特の魅力を持った2ストロークエンジンの「サウンド」面が堪能出来る、映像作品。アメリカのモトクロスメディア、TRANSWORLD MOTOCROSSが送る『PREMIX』というもので、2ストロークのソウルフルなサウンドを十全と堪能する為に新規で作成された作品。登場するマシンは各メーカー、ファクトリーが、登場するライダーとこの作品に向けて用意したもので、ライダーの面子も合わせて凄い。2015年シーズン中にプロライダーを引退してしまったライアン・ビロポートも、今回のプロジェクトをとても楽しみにしていたようで、SNSでNewマシンの様子をアップしていた。

先日行われた収録からトレーラー映像(公式映画予告編)が起こされ、先行公開がスタートしている。本映像は11月27日(アメリカ時間)に、有料のVimeo on Demandとして楽しむ事が出来るという事だ。世代によってはピンと来ない作品かもしれないが、オールドスクールには必ずミートする逸品になる事だろう。当然、大サウンドで!!

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【登場ライダー】
・ライアン・ビロポート/Ryan Villopoto
・ジェレミー・マクグラス/Jeremy McGrath
・ブロック・ティックル/Broc Tickle
・ディーン・ウィルソン/Dean Wilson
・ウエストン・ペイック/Weston Peick
・シェーン・マケラス/Shane McElrath
・クリスチャン・クレイグ/Christian Craig
・ジョシュ・ヒル/Josh Hill
・ショーン・コリアー/Sean Collier
・アシュリー・フィオレク/Ashley Fiolek

 

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[ ソース ]

TRANSWORLD MOTOCROSS

 

DRCからモトクロッサー85/150cc用の大人仕様フロントフォーク/リアショックスプリングが登場。

メーカーが本来想定する動きをサスペンションしない事があり、それを回避する為に大人用のスプリングとして用意されたのが、今回の商品。

DRCからモトクロッサー85/150cc用の大人仕様フロントフォーク/リアショックスプリングが登場。

 

もともとはジュニア用として開発設計されているミニモトクロッサー(2スト85cc/4スト150cc)だが、重心位置のシビアさやホイールベースの短さからのタイトな特性を持ち、大人がライディングの基本を学ぶのに好適な教材でもある。車両の軽量さ、足着き性の良さからも実際に大人での愛用者は多いが、その時にネックになってくるのがライダー体重の違い。それにより、メーカーが本来想定する動きをサスペンションがしない事があり、それを回避する為に大人用のスプリングとして用意されたのが、今回の商品。

多くのミニモトクロッサーに対応するバリエーションを持ち、すべて体重65kgを目安に最適なスプリングレートを設定している。ジャンプ着地での底づきや、コーナリング時のスタビリティ性に不具合があるライダーは見直しをしてもいいだろう。

 

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[ 製品情報 ]

メーカー/DRC

販売元/ダートフリーク

製品名/フロントフォーク/リアショックスプリング 85/150cc 大人仕様

価格/フロント 7,200円、リア 8,000円(税抜)

対応車種/CR80R2/85R2、CRF150R2、YZ80LW/85LW、KX80II/85II、RM85Lなど

車種別適合表

バネレート(参考値)/3.3N/mm

対純正UP率(参考値)/12〜20%

大人がミニモトクロッサーでオフロード走行をする際に、最も適したサスペンション効果を得られるスプリングを独自に設計。体重65kgを目安に、各車両ごとに最適なスプリングレートを設定。モトクロスコースにおいてスタビリティの向上・底突き感を軽減し、ストレスのない快適なスポーツライディングを実現。

 

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[ お問い合わせ ]
ダートフリーク
TEL/0561-86-8305

 

■Enduro Shock Needle Bearing KitをFOXユニットに取り付ける

ひとつ前の投稿でキット(エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット)の説明はしましたので、今回は実際の取付け方法を細かく紹介していきます。

掲載日:2013年03月18日 ※本記事は転載に加筆修正したものです。

取材協力/グルーヴィーインターナショナル

精密で繊細な部品なので
作業は専門店に頼むのがベター

ひとつ前の投稿でキット(エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット)の説明はしましたので、今回は実際の取付け方法を細かく紹介していきます。

写真を中心に進めて行きますので、お付き合い下さい。

 


わざわざ速達で送って頂いた紙封筒を開けますと、中には小さなEnduro Shock Needle Bearing Kit(エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット)がポツンと1個。


ぼくが使うFOX(フォックス)のユニット、バニラRは特殊な構造で、下側しかエンドアイ(アイレット)が存在しないので、キットは1つで充分です。普通はもう1つ必要になります。ちなみに、マウンテンバイクフレームは、SCHWINN(シュゥィン)・4 BANGER(バンガー)です。


まずはFOX(フォックス)純正のレデューサーとDUを見ていきましょう(右部品の傷は無視して下さい)。


この様な部品が左右均等に嵌め込まれています。ガッチリ嵌っていて、これは回転などまったくしません。これがレデューサーと言うようです。


Enduro Shock Needle Bearing Kit(エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット)と並べてみると、幅など同じに見えます。正確には、FOX純正は幅22mmですが、キットにジャストサイズの用意はなく、21.90mmの商品になります。後述しますが、結果的にこれで問題ありませんでした。


FOX(フォックス)の標準仕様は、このボルトというかピンというのかな部品がエンドアイの部分を貫通します。お互いにベアリングのような物は存在せず、単に金属同士が擦れ合うだけの構造です。


Enduro Shock Needle Bearing Kit(エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット)を横から見ると、中にスリーブのような物があります。


それぞれのマウンテンバイクで使うボルト(ピン)によるのでしょうが、今回の場合はマウンテンバイクに付属するボルト(ピン)の径がちょうどこのスリーブと同じだったので、Enduro Shock Needle Bearing Kit(エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット)に付いているスリーブは使いません(右の取り外した部品)。


FOX(フォックス)純正の部品同士の組合せ。ご覧のように、本当にダイレクトに通すだけです。グリスアップが必須かと思います。


ボルト(ピン)はこのように、左右で連結されます。ボルトとユニットの隙間が、フレームの台座分になります。


Enduro Shock Needle Bearing Kit(エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット)をバラして中身を見ると、ニードルローラーが見えます。モトクロッサーで見慣れている身としては、そそる光景です。シールするブッシュは、左右で2個ずつになります。


今回題材としたFOX(フォックス)のユニットは、上部の部品位置を変える事でマウンテンバイクの車高が変わり特性に違いが出るようなのですが、車両(シュゥィン・4バンガー)の入手経緯が特殊で説明書などがなく、適当に乗っていたのですが、これを機に、必死で当時の説明書を探しました。

結果的に、オール画像のものだけweb上で見つかり、仕方なく英字を必死で手入力し、つたない翻訳をしました。要約すると、trunnionという部品を上に上げると車高が上がり路面からのヒットは少なくなり、ヘッドアングルも立つのでハンドリングがクイックになる。下げると逆で、車高が下がり重心も落ちるので安定性が高まり、ハンドリングはアングルが寝るので鈍くなる、という事でした。今回は、基準値より少し下げ目の設置にする事にしました。

さて、次は標準の部品を取り外さなければいけません。レデューサーなるものは、再使用しないのであれば、スパナなどでガッチリ挟み込んでグリグリ回しながら外せます。ぼくは一応、当て布をして取りましたが、それでも傷は付きました(上から4番目の写真、右側のレデューサー)。そして、当初、これだけ取ればEnduro Shock Needle Bearing Kit(エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット)が嵌るんだろう、と思っていたら違いました。中に更に何かスリーブのような物が嵌っていて、これの径がキットと同寸です。さては、これがDUという部品ですね。

更に、これもぴったりとユニット本体に埋め込まれていて、しかも出っ張りなどがないので、外すのは素人にはお手上げっぽいです。色々やってみましたが、やはり無理なので、専門店にレスキュー。近所のマウンテンバイクプロショップに電話をして、可否を尋ねました。すると、「ああ、取れるよ。あの、赤い色が付いている部品でしょ?」と即答。すぐに作業してもらう事にしました。


マウンテンバイクプロショップにて。これが専用の工具。先日の投稿でそういえば、■専用工具 Enduro Shock eye bushing replacement tool with needle driver という物も紹介しました。どうやら、これが必要だったようです。ただ、この先も落とし穴がもう1個あったので、基本的に交換作業は専門店に頼むのがベターです。


専用工具をあてがい、万力に挟みます。


万力でそぅと押していくと、


無事に(DUと言うのでしょうか)取れました。しっかり嵌っていて、専用工具なしでは絶対に取れません。要注意。


そして、次の落とし穴。DUなるものがしっかり嵌っていた、という事は、Enduro Shock Needle Bearing Kit(エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット)自体も手では入れられないのです。やはり、専用工具で圧入する必要があります。


もし個人でやる場合、注意点がひとつ。このタイプの部品はかならずどちらかの淵が僅かに丸くなっていて、入りやすくなっています。そちらから圧入して下さい。反対側(面の立っている方)は、何かしらの文字が入っている事が多いそうです。


こちらもそっうと圧入して行って、


さあ、入りました。嗚呼、ニードルローラーの格好いい事! 個人的には惚れ惚れの光景です。


これが面の立っている側です。ENDUROと、小さく文字が入っています。なお、この状態になると当然、外側から力が掛かっていなかった時よりも径は僅かですが縮まっているので、シャフトを通すと動きがやや渋いです。

ぼくは、オリジナルで標準のグリスに加え、スリックハニーを溢れるぐらい塗って、更にトリフローVを適宜差して、相当クルクル回るようにしました。季節にもよりますが、グリスだけだと動きが渋いかもしれません。初めは固くても、乗っているうちに抵抗で温度が上がり、スムーズに動くようになる可能性もありますが。


念のため、重さの比較。Enduro Shock Needle Bearing Kit(エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット)は、15.9g(一番内側のスリーブは抜いています)。


FOX(フォクス)純正のDUとレデューサーの組み合わせで、10.4g。やはり、僅かに重くはなります。その分の効果はあると思いますが。


蛇足で、取り付けるマウンテンバイク、シュゥィン・4バンガー。これは極端ですが、ユニット長を縮めるとBB(ボトムブラケット)部を中心に車高が下がります。


おもいっきり伸ばすと車高はかなり上がります。ヘッドアングルも当然変わってきます。


今回は説明書に書かれている中庸よりやや下げぐらい(といってもmm単位)でセットする事にします。


上側のtrunnion固定箇所を綺麗にします。ベアリングなどは一切、入っていません。


下側も綺麗にします。特に今回は新品のEnduro Shock Needle Bearing Kit(エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット)が入りますので、入念です。


上側は、このような樹脂ブッシュがスイングアームとユニットの間に挟まります。自己潤滑性の樹脂だと思うのですが、ある意味、今のFOXのリアショック用新型マウンティングキットに近いのかもしれません。


このように嵌めて、trunnionに接します。前はグリスを塗っていましたが、新型マウンティングキット同様にノングリスで今回はいってみます。この手の部品にグリスを付けると、逆効果な事が多いみたいなので、そのためです。


Enduro Shock Needle Bearing Kit(エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット)側も取付け出来ました。外側に2つラバーブッシュがあるので、多少の公差は問題ないようです。規定の幅よりやや短くてもOK。ガタもまったくありません。

 

という事で、取付け工程の紹介は終わりです。

さて、乗り味の変化はあるのでしょうか。それは、また後日で。その前にちょっとした動画をお届け出来ればと思います。お楽しみに。

やかん

 

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■サスペンションの動きを向上させるスペシャルアイテム Enduro Shock Needle Bearing Kit

今回紹介するアイテムは、マウンテンバイクで使用するリアショックのマウント部に入れる、ベアリングキットです。とても小さな部品なのですが、作動性を良くする働きをします。

掲載日:2013年03月15日 ※本記事は転載に加筆修正したものです。

取材協力/グルーヴィーインターナショナル

リアサスペンションの
最良チューニング

今回紹介するアイテムは、マウンテンバイクで使用するリアショックのマウント部に入れる、ベアリングキットです。とても小さな部品なのですが、作動性を良くする働きをします。

ユニットを使うリアサスペンション機構は(テレスコピックでない)、必ず支持部が存在し、そこはある程度の回転をします。通常は、ユニットの両端部がそれにあたります(エンドアイと言うメーカーもあります)。この部分の動きは細かく見ればサスペンションの動きに影響を与え、動きが悪ければストロークを妨げる抵抗を発生していると言えます。モトクロッサー(オフロード用モーターサイクル)ではこの部分は常にグリスアップが必要な箇所で、グリス切れをおこすとリアサスペンションの動きはほぼ止まります(沈んだまま戻らなくなる)。

今まで、マウンテンバイクではあまりその点については話題に上がらなかったと思います。

ところが、ここ最近、日本ではマウンテンバイク用サスペンションの始祖とも言えるロックショックスと人気を二分するフォックスレーシングショックス(ともにUSA)が、この部分の抵抗を限りなく小さくする『リアショック用新型マウンティングキット』という物をリリースしました。

これはフォックス社のリアショック用新型マウンティングキット。

日本代理店では以下のように説明しています。
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従来のレデューサーとDUの組み合わせよりも、約50%ほど摩擦抵抗が少なくなりました。
素早くサスペンションユニットの位相を変えることによって理想に近い角度で衝撃を受けることができるため、小さな衝撃に対しても反応することが可能です。
リンケージ(リンク)が小型化・複雑化しているトレンドに合わせた改良とお考えください。

ツールいらずでシャフトを抜くことができます。
また土や水などの侵入を防ぐための設計がされており、従来のレデューサーとDUの組み合わせよりも10倍近い寿命を持っています。
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素晴らしいアイテムに思えます。

ただ、懐疑的なユーザー(SHOP含む)も多いようです。そんな小さな部分の僅か50%の低減など、何に影響するのだと。

しかし、個人的にはモトクロッサーで、リンク周りのグリスアップをするのとしないのとでは、まったくリアサスペンションの動きは違い、抵抗はより少ない方が良い、という考えを持っていました。

ぼくは、フォックスのリアショックを使っているマウンテンバイクを1台持っているので、そこで、この新型キットを導入しようか検討していました。すると、他所のメーカーからも「似たような商品が出ます」という案内を頂戴しました。

それが、今回紹介する『エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット』です。モデル名はエンデューロ用を指すのではなく、エンデューロ・ベアリング社というメーカー(USA)が出している商品だからのネーミングです。

まずは、写真を見てもらうのが手っ取り早い思います。

フォックス社純正のキットが、樹脂系の素材で構成され低抵抗を実現しているのに対して、エンデューロ社の物は、リンク周りのベアリングとしてはオーソドックスなニードルローラーを使用しています。先述のモトクロッサーやオフロードトレールバイクの多くもニードルローラーを採用しています。

フォックス社の純正キット。

エンデューロ社のキット。

この、モーターサイクルでの導入事例を知っていたからこそ、ぼくはエンデューロ社のキットに興味をより強く持ちました。マウンテンバイクより遥かに重く、それだけ加わる力も大きい衝撃を支えながらリアサスペンション周りをスムーズに動かすのに、長年ニードルローラーを採用しているわけですから、構造的にアドバンテージがそれだけある、という事の表れとも思うのです。

ニードルローラーベアリングは、ユーザークリーニングは必要ですがメンテナンスが容易であるという利点もあります。マウンテンバイクのリンク(ピボット)で多く採用されるシールドベアリングは、耐久性や性能で優る点が多いのでしょうが、文字の通りシールドされているので、メンテナンスは相当困難です。新品と打ち替えるのが一般的かと思います。その点、ニードルローラーは簡単にベアリングにアクセス出来るので、手間さえ惜しまなければ積極的にグリスアップして、いつでも最良の状態にしておけます。もっとも、フォックス純正はそれすらも不要なのですが(そもそもグリス禁止)。

そういう事で、長くなりましたが、このエンデューロ社の紹介文も日本代理店からもので紹介します。
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● Enduro Shock Needle Bearing Kit 取扱い開始!

ちっちゃいけれど、大きな仕事します!
Enduro社より、リアサスペンションの動きを滑らかにするショックニードルベアリングキットが発売されました。
本国ではもうちょっと前から販売されていたのですが、テストしてまして、ちょっと遅れて販売開始です!
従来のDUブッシュの代わりにローラーニードルベアリングを使うことにより、動きが格段に向上します。
フレームによっては、エアボリュームの調整をやり直さなければならないくらい動きが向上します。
一般的な外形15mm x 幅12.7mm規格のショックユニットに適合します。
価格も1,260円〜(記事掲載時点)とお求め易くなっており、対費用効果抜群の製品です!

デメリットは、ニードルローラーベアリングは、構造上泥の進入を許しやすい点です。
キットにはラバーシールドスペーサーが付属し、泥および埃の進入を防ぐ対策が施されています。
製品は5/100mm単位で正確に作られておりますが、フレーム側の精度によっては軸とシールドスペーサーの間に隙間ができる場合がございます。
このような場合、ニードルローラーベアリングに泥等が進入しやすくなりますが、このキットが不良ではございません。
したがって、このような場合、日本の気候風土では、頻繁に定期的なメンテナンスを必要とします。
上記理由により、泥の進入などによる回転不良や錆およびボトムアウト等による想定外の衝撃による破損などにつきましては、補償対象外となります。
構造と相手側精度をご理解の上、オススメください。
お求め易い価格ですので、消耗品として割り切ってご使用いただければ幸いです。

※備考
上記内容ですと、すぐに駄目なるかのごとく書いておりますが、私のクロカンバイクに3か月装着しておりますが、今のところトラブルはございません。
11月雨の日に一度40kmほど未舗装路を走り、今までノーメンテですが不具合はありません。
数件の販売店様にも試験運用頂きましたが、今のところトラブルは出ておりません。

■専用工具

Enduro Shock eye bushing replacement tool with needle driver
希望小売価格:10,290円/税込(記事掲載時点)

■対応リアユニット
FOX SHOCKS(ALL)
ROCKSHOX MONARCH AND VIVID SERIES
ROCKSHOX ARIO SHOCKS 2010以降
MARZOCCHI ROCO
MANITOU SHOCKS 2011以降
ELKA SHOCKS(ALL)
X-FUSION SHOCKS 2011以降

■Enduro Shock Needle Kit 小売価格表(記事掲載時点)
※注意:キットは1アイレット分です。1つのサスペンションに2セット必要となります。

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以上です。フォックスレーシングショックス以外の製品にも対応しているのもGoodですね。

なお、この案内をいただいたのは2013年1月22日。オイオイ、放置し過ぎじゃねぇか、なのですが、それはぼくのマウンテンバイクに取り付けるキットが手元に届いていなかったからなのです。

この度、無事自分用のキットが届いたのでレビュー前の予告として商品の案内をさせていただきました。早速取り付けや検証をしてみて、後日レポートします。お楽しみに!

やかん

 

 

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