【マウンテンバイク】コックピット周りのインターフェースを考える ~短いステムが欲しいぞ 編~

掲載日/2020年7月1日  取材・写真・文/やかん
取材協力/MSプロダクツ、エムシー・インターナショナル、グルーヴィーインターナショナル、桑原インターナショナル、ディライテッド、マルイ、Yuris、サイクルパーツ合同展示会

大きく様変わりしたハンドル周り

サスペンションの進化やホイール径の変化により、黎明期に較べ遥かに遊びの幅が広がった、マウンテンバイク。それに応じて、BIKE コントロールに大きく関わってくるハンドル周りの状況も変わってきた。代表例は、従来のステムに代わるダイレクトマウントスタイルだろうが、あれはダブルクラウンフォーク専用(サスペンション)のモノであり、特殊な事例。

一般的には、次の項目が上げられると思う。

□アップハンドルが主流に
□ショートステムの流行
□グリップに、「ロックオン」と呼ばれるタイプが登場
□ハンドルバークランプ径は、Φ31.8 mm か Φ35.0 mm が一般的に
□カーボン製品の増加

「ダイレクトマウント」と呼ばれるタイプのステム。モトクロッサー(モーターサイクル)の固定方法に近く、ダブルクラウンフォーク(サスペンション)では標準的。
短いステムと幅の広いハンドルバーが、今のマウンテンバイクのトレンド。

このうち、素材の違いとグリップのスタイルは個人個人の好みが強く、なかなか「代表アイテムはコレ!」や、「おすすめはコレ!」というのモノが上げづらい。

また、ハンドルバーのクランプ径も、未だにどちらが主導権を握るという状況にはなく、着地点がない。
(※完成車に Φ35.0 mm が増えたのは、アッセンブリーパーツの供給状況に拠る)

そこで、今回はその中でも、ハンドリング特性やポジション移動に大きく影響する『ステム』にのみ焦点を絞り、いくつか商品のピックアップを試みた。
(個人的にステムを探している最中、というのもあるが)

選定条件は、シンプルに以下の通り。

  • 長さ(リーチ)が、35 mm 以下
  • クランプ径は、Φ31.8 mm か Φ35.0 mm
  • 展示会で現物を確認している物

この条件で絞り込んでの結果は、続くカタログ記事を見て欲しいのだけれど、今回の調査で改めて浮き彫りになったのが、“ ブラック単色一択の現状 ”。

最近のマウンテンバイクしか知らないひとは不思議にも不満にも思わないだろうが、2000 年よりも前のブームを体験していると、なんとあの頃の色の選択肢は豊富だったこと!

カラー展開の一例。ダボム(DABOMB)より。
カラー展開の一例。こちらもダボム(DABOMB)。

筆者としては、断トツでカラーモデルを推したいところであるのだが、これも今回解ったのが、そういう志向(嗜好?)は極めて少ない、ということ。各代理店も、当初はカラーラインナップを用意していたが、ブラック以外はほとんど動かないことから、今の状態になったそうだ。

派手なステム、みなさんはお嫌い?

日本市場でのカラー展開は、売れ行きや代理店の意向が強く、本国では多色展開しているモデル・ブランドは多い。

と、すこし脱線したがカタログ的な本稿が、ハンドル周りの特性やライディングポジション変更の一助になれば!

バーグテック( BURGTEC )
バーグテック(BURGTEC) エンデューロ マークツー ステム(Enduro Mk2 Stem)

ブランド/BURGTEC(バーグテック)
商品名/Enduro Mk2 Stem
クランプ(mm)/Φ31.8
リーチ(mm)/35
ライズ(mm)/回答待ち
アングル(°)/0
ハイト(mm)/40
重量(g)/135
カラー/ブラック
生産国/U.K(イギリス)
価格/1万4,740円(10%税込み)
取扱い/グルーヴィーインターナショナル

エンデューロ用にデザインされた、軽量なステム。フル CNC にて製作されているので、軽いが頑丈に仕上がっている。31.8 mm クランプはブラックのみだが、35 mm は 8 色展開。

イギリス、バーグテック(BURGTEC)のパーツ群。
バーグテックのパーツは、サンタクルズ・シンジケート チーム(Santa Cruz Syndicate Team)やオレンジバイク(Orange Bikes)の完成車でも採用される。

クローダー( CRODER )
クローダー(CRODER) NATINO ブラック

ブランド/CRODER(クローダー)
商品名/NATINO
クランプ(mm)/Φ31.8
リーチ(mm)/35
ライズ(mm)/N/A
アングル(°)/0
ハイト(mm)/N/A
重量(g)/127
カラー/ブラック、ブルー、グリーン、レッド カラー展開!
生産国/台湾
価格/9,790円(10%税込み)
取扱い/MSプロダクツ

6061 – T6 アルミの無垢材から CNC 切削で製作。そのため、軽い。

クローダー(CRODER) NATINO ブルー
クローダー(CRODER) NATINO グリーン
クローダー(CRODER) NATINO レッド

商品名/NATINO
クランプ(mm)/Φ35.0
リーチ(mm)/35
ライズ(mm)/N/A
アングル(°)/0
ハイト(mm)/N/A
重量(g)/N/A
カラー/ブラック、ブルー、グリーン、レッド カラー展開!
生産国/台湾
価格/1万450円(10%税込み)
こちらは、35 mm クランプ仕様。


ダボム( DABOMB )
ダボム(DABOMB) バレット シェル(Bullet Shell) ブラック

ブランド/DABOMB(ダボム)
商品名/Bullet Shell
クランプ(mm)/Φ31.8
リーチ(mm)/35
ライズ(mm)/0
アングル(°)/0
ハイト(mm)/40
重量(g)/149
カラー/ブラック、レッド、ブルー、シルバー カラー展開!
生産国/台湾
価格/6,600円(10%税込み)
取扱い/Yuris

6061 アルミを使った、鍛造成形のステム。CNC 切削と違って滑らかな造形が特徴となり、同時に価格も抑えられている。

ダボム(DABOMB) バレット シェル(Bullet Shell)
ダボム(DABOMB) バレット シェル(Bullet Shell)
ダボム(DABOMB) バレット シェル(Bullet Shell) シルバー
Photo/Yuris
ダボム(DABOMB) バレット シェル(Bullet Shell) シルバー
Photo/Yuris
ダボム(DABOMB) バレット シェル(Bullet Shell) シルバー
Photo/Yuris

ファイヤアイ( Fireeye )
ファイヤアイ(Fireeye) タロン AM 35(TALON AM 35)

ブランド/Fireeye(ファイヤアイ)
商品名/TALON AM 35
クランプ(mm)/Φ31.8
リーチ(mm)/35
ライズ(mm)/0
アングル(°)/0
ハイト(mm)/40
重量(g)/128
カラー/オレンジ、アップルグリーン、ブルー、パープル、レッド、ブラック ※カラー展開!
生産国/台湾
価格/8,500円(10%税込み)
取扱い/Yuris

6061 – T6 アルミをフル CNC 切削し、アルマイトで仕上げたモデル。CNC ならではのエッジを活かしたデザインで、レーザーロゴは光の当たり具合により浮き出る。豊富なカラー展開が嬉しい。

ファイヤアイ(Fireeye) タロン AM 35(TALON AM 35) アップルグリーン
Photo/Yuris
ファイヤアイ(Fireeye) タロン AM 35(TALON AM 35) アップルグリーン
Photo/Yuris
ファイヤアイ(Fireeye) タロン AM 35(TALON AM 35) アップルグリーン
Photo/Yuris
ファイヤアイ(Fireeye) タロン AM 35(TALON AM 35) アップルグリーン
Photo/Yuris
ファイヤアイ(Fireeye) タロン AM 35(TALON AM 35) ブルー
ファイヤアイ(Fireeye) タロン AM 35(TALON AM 35) レッド
ファイヤアイ(Fireeye) タロン AM 35(TALON AM 35) レッド

ファン( FUNN )
ファン(FUNN) クロスファイア ステム(Crossfire Stem) ブラック

ブランド/FUNN(ファン)
商品名/Crossfire Stem
クランプ(mm)/Φ31.8
リーチ(mm)/35
ライズ(mm)/0
アングル(°)/N/A
ハイト(mm)/35
重量(g)/130
カラー/ブラック
生産国/台湾
価格/7,480円(10%税込み)
取扱い/桑原インターナショナル

6061 アルミの鍛造製で、高い強度を持ちながらも軽くできている。クランプ径違いで 2 モデルをラインナップ。​取り付け方に指定があり、上側のクランプボルトを先に完全に締め付けてから、下側のクランプボルトを締め付けてゆく。締め付けトルクも、最大 6 Nm と規定されているので、トルク管理は厳格に。

ファン(FUNN) クロスファイア ステム(Crossfire Stem) ブラック
ファン(FUNN) クロスファイア ステム(Crossfire Stem) ブラック

商品名/Crossfire Stem
クランプ(mm)/Φ35.0
リーチ(mm)/35
ライズ(mm)/0
アングル(°)/N/A
ハイト(mm)/35
重量(g)/125
カラー/ブラック
生産国/台湾
価格/7,480円(10%税込み)
クランプ径、35 mm 仕様。


商品名/Funnduro

ファン(FUNN) ファンデューロ(Funnduro) ブラック

クランプ(mm)/Φ31.8
リーチ(mm)/35
ライズ(mm)/0
アングル(°)/N/A
ハイト(mm)/30
重量(g)/120
カラー/ブラック
生産国/台湾
価格/7,150円(10%税込み)

素材は同じ 6061 アルミだが、こちらはフル CNC 削り出しの軽量モデル。

かつてのイベント会場展示より。ファンデューロも、以前はカラーラインナップを揃えていたのが解る。

インダストリーナイン( IndustryNine )
インダストリーナイン(IndustryNine) A318 コンビカラー
Photo/Yuris

ブランド/IndustryNine(インダストリーナイン)
商品名/A318
クランプ(mm)/Φ31.8
リーチ(mm)/30
ライズ(mm)/+ / – 4.4
アングル(°)/8
ハイト(mm)/40
重量(g)/127
カラー/11 色 ブラック、シルバー、ゴールド、オレンジ、レッド、ピンク、パープル、ブルー、ターコイズ、ライム、グリーン & 組み合わせ可能 カラー展開!
生産国/アメリカ
価格/1万9,800円(ソリッド)、2万900円(コンビ / ともに10%税込み)
取扱い/Yuris

現在、ハイエンドステムの一角を占めているモデルで、A シリーズとも言う。アメリカ国内調達の 7075 アルミ材を切削して、製造。高強度 316 ステンレスの M5 ボルトを 6 つ使用し、180 度の反転使用も可能。ハブで有名な会社だが、そのハブと同じ 11 色のアルマイトを展開。本体とフェイス部で別個に指定することもできる。カラーモデル好きには、最高の仕様。リーチが最短なのも、見逃せない。

インダストリーナイン(IndustryNine) A318 ソリッドカラー
Photo/Yuris
インダストリーナイン(IndustryNine) A318 ソリッドカラー
Photo/Yuris
インダストリーナイン(IndustryNine) A318 ソリッドカラー
Photo/Yuris
インダストリーナイン(IndustryNine) A318 コンビカラー
Photo/Yuris
インダストリーナイン(IndustryNine) A318 コンビカラー
Photo/Yuris
インダストリーナイン(IndustryNine) A318 コンビカラー
Photo/Yuris

商品名/A35

インダストリーナイン(IndustryNine) A35 コンビカラー
Photo/Yuris

クランプ(mm)/Φ35.0
リーチ(mm)/32
ライズ(mm)/+ / – 5.0
アングル(°)/9
ハイト(mm)42
重量(g)/128
カラー/11 色 ブラック、シルバー、ゴールド、オレンジ、レッド、ピンク、パープル、ブルー、ターコイズ、ライム、グリーン & 組み合わせ可能 カラー展開!
生産国/アメリカ
価格/1万9,800円(ソリッド)、2万900円(コンビ / ともに10%税込み)

A シリーズの、クランプ径 35 mm 仕様(モデル表記の数字がハンドルバーのクランプサイズを表している)。A シリーズステムはすべて、ハブと同じノースカロライナー州にある I9 社内で、機械加工からアルマイト、組立までを一貫した工程でおこなっている。高価なのはそのためもあるが、豊富なカラー展開は魅力。

インダストリーナイン(IndustryNine) A35 コンビカラー
Photo/Yuris
インダストリーナイン(IndustryNine) A35 コンビカラー
Photo/Yuris

エムエスシー( MSC )
エムエスシー(MSC) ステム35 / 31.8 ブラック

ブランド/MSC(エムエスシー)
商品名/ステム35 / 31.8
クランプ(mm)/Φ31.8 / Φ35.0
リーチ(mm)/35
ライズ(mm)/N/A
アングル(°)/N/A
ハイト(mm)/N/A
重量(g)/102 ※今回の中で最軽量!( Φ31.8 mm )
カラー/ブラック
生産国/台湾
価格/6,028円(10%税込み)
取扱い/MSプロダクツ

基本的なカタチは鍛造で構成し、それを僅かに削って仕上げたモデル。たいへんよく売れている、とのこと。

エムエスシー(MSC) ステム35 / 31.8 ブラック

リバースコンポーネンツ( Reverse Components )
リバースコンポーネンツ(Reverse Components) ブラックワン エンデューロ(BLACK ONE ENDURO) ブラック

ブランド/Reverse Components(リバースコンポーネンツ)
商品名/BLACK ONE ENDURO
クランプ(mm)/Φ31.8
リーチ(mm)/35
ライズ(mm)/N/A
アングル(°)/8
ハイト(mm)/40
重量(g)/126( +/- 5% 重量許容差)
カラー/ブラック
生産国/台湾
価格/1万3,200円(10%税込み)
取扱い/エムシー・インターナショナル

エンデューロ BIKE(用途)を想定したステム。剛性と強度、それに応答性を強く意識していて、760 mm から 800 mm 以上のハンドルバーを確実に保持できる幅広いクランプ部を持つ( 50 mm )。現在利用可能な中で最も過酷な、耐久試験設備を持つラボでテストされている。同社によると、リーチ 35 mm のステムは、長いトップチューブ / リーチを備えた今のフレームに最適とのこと。

リバースコンポーネンツ(Reverse Components) ブラックワン エンデューロ(BLACK ONE ENDURO) ブラック

商品名/BLACK ONE ENDURO
クランプ(mm)/Φ35.0
リーチ(mm)/35
ライズ(mm)/N/A
アングル(°)/8
ハイト(mm)/40
重量(g)/130( +/- 5% 重量許容差)
カラー/ブラック
生産国/台湾
価格/1万3,200円(10%税込み)

クランプ径 35 mm 仕様。ハンドルバーに掛かるストレスを軽減させる目的で開発された、『 Stress Reduction Clamping 』( SRC・応力低減クランプ)という技術が投入されている。クランプ構造が一般的なステムとは逆の仕組みで、最適化された負荷分散になることから、特にカーボンバーに勧めたいという。ブロック自体は 6061 – T6 アルミを CNC 加工した物で、クランプ径で共通。

リバースコンポーネンツ(Reverse Components) ブラックワン エンデューロ(BLACK ONE ENDURO) ブラック
リバースコンポーネンツ(Reverse Components) ブラックワン エンデューロ(BLACK ONE ENDURO) ブラック

スパンク( SPANK )
スパンク(SPANK) スプリット33(SPLIT 33) ブラックベース

ブランド/SPANK(スパンク)
商品名/SPLIT 33
クランプ(mm)/Φ31.8
リーチ(mm)/33
ライズ(mm)/回答待ち
アングル(°)/回答待ち
ハイト(mm)/回答待ち
重量(g)/129
カラー/ブラックベース
生産国/回答待ち
価格/1万4,850円(10%税込み)
取扱い/DELIGHTED → ダートフリークに変更(SPLIT 33の登録はなし)

スパンクのスプリット33は、今回のステム特集で、「軽い!」の基準となったモデル。リーチの短さも惹かれる。
スパンク(SPANK) スプリット33(SPLIT 33) ブラックベース
スパンク(SPANK) スプリット33(SPLIT 33) ブラックベース
スパンク スプリット33は、このクランプタイプで起きがちなフェイスプレートの破断とは無縁という。
スパンク スプリット33のフェイスプレートには、ハンドルバー角度のセッティング用に目盛りが付いている。

商品名/SPIKE 35

スパンク(SPANK) スパイク35(SPIKE 35) ブラック

クランプ(mm)/Φ35
リーチ(mm)/回答待ち
ライズ(mm)/回答待ち
アングル(°)/回答待ち
ハイト(mm)/回答待ち
重量(g)/回答待ち
カラー/ブラック
生産国/回答待ち
価格/回答待ち → ダートフリークに変更(SPIKE 35の登録はなし)

スパンク(SPANK) スパイク35(SPIKE 35) ブラック

タイオガ( TIOGA )
タイオガ(TIOGA) シンチ ステム(CINCH Stem) ブラック

ブランド/TIOGA(タイオガ)
商品名/CINCH Stem
クランプ(mm)/Φ31.8
リーチ(mm)/35
ライズ(mm)/N/A
アングル(°)/0°
ハイト(mm)/40
重量(g)/115
カラー/ブラック
生産国/台湾
価格/3,300円(10%税込み) ※今回の中で最安!( Φ31.8 mm )
取扱い/マルイ

多用途に使える、鍛造アルミ合金( 6061 – T6 )製ステム。キャップも素材は統一され、軽量かつ低価格という嬉しい特徴を持つ。今回紹介するのはリーチ最短の 35 mm 仕様だが、これより長いモデルも数種展開している。

タイオガ シンチステムの、55mm仕様。
タイオガ シンチステムは、リーチ違いで複数種を展開するので、価格も相俟ってBIKEセッティングの幅が広がる。

さて、今回のステム特集(カタログ)は、以上である。気になる商品はあっただろうか?

ちなみに、マウンテンバイクにおけるインターフェースというと、この他に『ペダル』が上げられるが、これも各自で好みが大きく分かれる。さらには、現地でも交換が容易なことから、やはり「コレ!」というおすすめをピックアップするのは無理。

一般的には、フラットタイプであろうがビンディングタイプであろうが、軸の回転性は重視されるものだが、今回の取材の中で実に特異なペダルに出会った。

それは、バーグテックの『ペントハウス フラット マークフォー ペダル』( Penthouse Flat Mk4 Pedals )。このペダルは、敢えて軸の回転を渋くしている。

バーグテック(BURGTEC) ペントハウス フラット マークフォー ペダル(Penthouse Flat Mk4 Pedals) 2万350円(スチールアクスル)、2万9,480円(チタンアクスル / ともに10%税込)、8色展開。

「何故?」と真っ先に思うのだが、これは “ ペダルから一度足を離し、再度踏もうとした時 ” に、無用に回転してしまった故に「縁の部分が上を向いてる!」、あの状態を避ける狙いから。
咄嗟の時に、薄い縁が上を向いていると容易に踏み外してしまい、レースシーンでのタイムロスに繋がるどころか、ファンライドであってもアクシデントに直結する。筆者も、今まで何回も「ヒヤッ」とした経験があり、このアイディアには「なるほど」と思った。

バーグテック ペントハウス フラット マークフォー ペダルは、軸(スピンドル)を意図的に渋く作ることで、薄い縁が自重で上を向かないようにしている。

この記事が掲載される時点では新しいモデルも登場している予定だが、構造は不明。

◇はみだし情報◇

ロックオングリップ嫌いの救世主 ?!

装着や交換が容易で、今やほぼ主流と考えてよい『ロックオン』タイプのグリップ。だが、実は筆者、これが嫌い。というのが、構造上、内側に 1 枚スリーブが入ることでどうしても握り心地が硬くなり、細身でやや柔らかいグリップ好きとしては満足なモノがなく、今まで使ってこなかった。そんな中、とうとう「コレなら!」、という商品に出会った。

バーグテック(BURGTEC) バーテンダー プロ グレッグ・ミナー シグネチャー エディション(Bartender Pro Greg Minnaar Signature Edition) 3,300円(10%税込)、8色展開。

『バーテンダー プロ グレッグ・ミナー シグネチャー エディション』( Bartender Pro Greg Minnaar Signature Edition )というこちらは、ロックオンタイプなのに握り心地が柔らかく、かつそれほど太くない。「こりゃいいですね!」と代理店に話しを振ったところ、実はプロライダーの永田 隼也選手( KONA RACING TEAM )も、お気に入りの 1 品だという。以前、イベントの協賛品として用意していたところ、会場でそれを引き取りに来た永田選手がその場で気に入ったのがキッカケという。ぜひ一度、お試しあれ。

永田 隼也選手( KONA RACING TEAM )。一瞬で、自分がベストと思うモノにアンテナが反応するのは、さすがプロ。
出典:アキコーポレーション

ダート&モト編集部
サトウハルミチ(やかん) Harumichi Sato

東京都生まれ千葉県育ちで、身長 156 cm の mini ライダー。紙媒体の編集を長く経験した後、2012 年 4 月から初めて WEB マガジンに携わる。戦車から爆撃機まで無類の乗り物好きで、特に土の上を走る四輪・二輪に目がない。競争事も好きで、マウンテンバイク / モトクロスはレース経験あり。モーターサイクル / スポーツサイクル以外にフィルムカメラ、ホームオーディオ、クルマ、紙の読書(恩田 陸先生の大ファン)、ガンプラが大好きで、住まいはモノで溢れている。特技は、引き落としの滞納。スポーツサイクルは、マウンテンバイク 6 台と BMX 1 台を所有。

2015 MTB ファンミーティング レポート1。

今年も暑い最中開催されたMTBファンミーティング(富士見パノラマリゾート/長野)。各ブランドのテントブースが軒を連ね、普段なかなか伺えない話しを聞けたり、より詳しい事が分かるとあって製品に興味がある人には魅力のイベントだ。

2015 MTB ファンミーティング レポート1。

掲載日:2015年08月06日  取材・写真・文/やかん

 

今年も暑い最中開催されたMTBファンミーティング(富士見パノラマリゾート/長野)。各ブランドのテントブースが軒を連ね、普段なかなか伺えない話しを聞けたり、より詳しい事が分かるとあって製品に興味がある人には魅力のイベントだ。その現地からの様子をダイジェスト的にお届けする。なお、会期は2015年8月1日(土)2日(日)の2日であったが、レポートは初日の様子のみとなる。

ジャイアントは、最速アイテムとして完全下り系BIKEのグローリーを3モデルで展開。ユーザーの買い替えサイクルが長い中での意欲的な取り組みに見える。3モデルともタイヤ径はトレンドの27.5インチとなり、またフレームはカーボン、アルミをグレードにより使い分ける。国内ダウンヒルレースでチーム活動をしているので、早い1勝が望まれる。

01

東商会では、出来たてホヤホヤのイーストン新ステムが登場。筆者も気になる32mmとリーチの短いモデルを用意するが、ハンドルバークランプ径は海外での最先端φ35.0mm対応。日本ではまだφ31.8mmと思うが、輸入モデルの完成車では既にφ35.0mmが付いてくる事も多くなっていると言う。このヘブン 35 ステムは、その他に60mm、80mmの展開(突き出し量)。全体的に軽量な仕上がり。

50mmではまだ柄を入れる余裕があるが、
50mmではまだ柄を入れる余裕があるが、
32mmになるともうそれすら入れられない。
32mmになるともうそれすら入れられない。

ダブルクラウンフロントフォークで使用するダイレクトマウントのステムでは、コアから突き出し量30mmの物が追加になった。モデル名は、トーション V2 ダイレクトマウントステム。こちらのハンドルバークランプ径はφ31.8mmだ。

04

イーストンでは35 ステムに対応したφ35.0mmのハンドルバーも用意。アルミとカーボンの展開で、幅はどちらも750mm。ライズがLO(20mm)、HI(40mm)と選べる。カーボンはプライスでアルミの約2倍になるが、その分質量もほぼ半分になる。またそれよりも、クランプ径が太くなると剛性が上がる傾向にあり、筆者としては微振動を吸収してくれる特性でカーボン製をお薦めする。

06

コアもφ35.0mmのハンドルバーを展開。OCD M35 ライザーバーというモデルで、幅は更にアグレッシブな800mm。ライズは25mmのみ。チュービングはトリプルバテッド。その他に、デュロックス ライザーバーという新製品もお目見え。アルミ製でφ31.8mm、幅は760mmとなりオールマウンテンやエンデューロライド向けの、一日中山の中を走っても疲れない適度な硬さになっていると言う。ライズは、20mmと35mmを用意。

05

イーストン製のロックオングリップは、アルミ製のクランプが直接バーに当たらないロック機構を持ち、クランプ部はグリップにより隠れるので滑らかな外観にもなる。GUMカラーが新しく加わった。グリップ直径は、φ30mmとφ33mmの2種類。

写真一番左が、GUMカラー。
写真一番左が、GUMカラー。

次に訪れたのは、yurisのテント。まず、発売されたばかりで新しい製法により作られているというカーボン製ハンドルバー、F。フォルモサというyurisのプライベートブランドからの発売で、クランプ径φ31.8mm、幅760mm、ライズは17mmとなる。カーボン製なのでトルク管理は厳密に行いたい。

一番下のハンドルバーがF。
一番下のハンドルバーがF。

ポジションニングを見直す時、ハンドルバー同様やはり煮詰めたいステム長。ダボンではミニミ2というショートタイプのステムをラインナップ。突き出し量は33mmと、かなり短い部類に入る。クランプ径はφ31.8mm。堅牢な分、少し重さは感じる。デザインは秀逸。

09

他に、ミグ31という突き出し量が45mmのステムも展示。大きく見えるがかなり軽量に作られており、愛用者も多い。クランプ径はφ31.8mm。他に、キングというモデルがあり、こちらはφ35mm用。堅牢で最新のダウンヒルシーンに対応する。また、シムが付属していて、φ31.8mmでの使用も可能。

ミグ31
キング
キング

ペダルは最新のモデルを持ち込んでいた。ダボンのシュートブロックというアイテムで、厚み9mmの流行り系。ボディはAL6061-T6ダイキャストで出来ていて、軸は2つのシールドベアリングと1つのDUブッシュで構成される。補修ピンと工具が付属するので、メンテナンスが容易になっているのは嬉しい。

12

そのペダルの奥に見えたのは、拘りの作りを持つリアスプロケットカセット一式。SEQ Liteというカセットのみを作り続けている会社のブランドで、OEMも手掛けている。日本導入の第1弾は、MTB用の11速カセットで、軽量さが売り(質量:約260g)。また軽さだけでなく過酷なレースシーンにも目を向け、アルミとクロモリのハイブリッド構造にする事で耐久性も持たせいてる。肉抜きはかなり大胆で、手にすると確かに軽く仕上がっている。

13

写真では分かりにくいが、刃先は計算された角度になっている。
写真では分かりにくいが、刃先は計算された角度になっている。
耐久性が要求されるロー側がクロモリ製。
耐久性が要求されるロー側がクロモリ製。
アウター側3枚はアルミ製になる。
アウター側3枚はアルミ製になる。

 

<続く>