【オフィシャルレポート】DOWNHILL SERIES 2015 #6 富士見パノラマに続き、井手川 直樹選手が2連勝を飾る!

「最高です!」と笑顔が弾ける。Aフルコースを採用し、6分を越える超ロングコースだった富士見パノラマ大会から一転、優勝タイムが40秒台というショートコースでの開催となった第7戦 吉無田高原。

【オフィシャルレポート】DOWNHILL SERIES 2015 #6 富士見パノラマに続き、井手川 直樹選手が2連勝を飾る!

 

「最高です!」と笑顔が弾ける。Aフルコースを採用し、6分を越える超ロングコースだった富士見パノラマ大会から一転、優勝タイムが40秒台というショートコースでの開催となった第7戦 吉無田高原。まったくタイプの異なるコースを完全攻略、2戦連続で勝利を手にしたのはベテラン・井手川 直樹選手(AKI FACTORY/STRIDER)だった。

 

昨年より1か月早い時期での開催となった吉無田大会。初日は素晴らしい天候に恵まれた。
昨年より1か月早い時期での開催となった吉無田大会。初日は素晴らしい天候に恵まれた。

 

ダウンヒルシリーズ第7戦は2015年11月21日、22日にかけて、熊本県吉無田高原 DHコースで開催された。阿蘇の外輪山の外れにある会場は、20年以上前からMTBイベントが開かれている九州ダウンヒルシーンの歴史の中心でもある。コースが設定される丘は、見渡す限りカヤと笹が生え広がり、スタートからフィニッシュまで一度も森のなかに入らないという、不思議な景色のなかにある。路面は火山灰の影響で真っ黒、表面の土は滑りやすく、しかしコツを掴めばグリップする。今年は昨年とはレイアウトを変え、レース時のみに使用する高速のジェットコースターセクションを採用。スタートしてから直線を駆け下り、大きな右コーナーと上り返しを経て、連続バーム、2つのテーブルトップ、最終コーナーという構成だ。

 

高原を覆う笹とすすきの中に作られたコース。「ストレスなく、気持ちよく!」がコースを設定した高野さんのコンセプト。ライダーは広島県から参戦した田中 将之(FOGbikes チキンヒーローズ)。
高原を覆う笹とすすきの中に作られたコース。「ストレスなく、気持ちよく!」がコースを設定した高野さんのコンセプト。ライダーは広島県から参戦した田中 将之(FOGbikes チキンヒーローズ)。

 

小雪が舞っていた昨年とは打って変わって、土曜日はポカポカ陽気。今年は、メーカーが5ブース、九州のショップが8ブース、地元の飲食店が2ブースと計15ブースが出展。フィニッシュエリアはいつになく賑やかで、九州のMTB熱の高さを物語る。

タイムドセッションでは、昨年の吉無田を制した井本 はじめ選手(SRAM/LITEC)が45秒171のタイムで1位。2位には0.445 秒差で井手川選手が、3位にはここ数戦表彰台から遠ざかっている安達 靖選手(SRAM/LITEC)が入った。全クラスの総合リザルトで見ると、PRO クラス 4位の阿藤 寛選手(Topknot racing)の後ろには、エリートクラスの福岡県・本村 貴之選手(delsol/cleat/トクサガミネ)、広島県・田丸 裕選手(SRAM/LITEC rising)が入った。本村選手は現在42歳。30代からレースを始めたが、「練習の鬼」と呼ばれるほどに練習を積み、ジャパンシリーズでも予選でエリートクラス一桁に入る実力の持ち主。一方の田丸選手は17歳。今年からSRAM/LITECの育成チーム「rising」に所属し、ホームコースである MIZUHO MTB PARK で開催された第5戦では優勝を期待されながらも下垣 大樹選手(Lapierre/重力技研)に破れ、惜しくも2位となっている。西のライダー2人の負けられない闘いが、毎回激戦となるエリートクラスの今回の見所だ。

 

コンパクトにレイアウトしたフィニッシュエリアには16のブースが並んだ。
コンパクトにレイアウトしたフィニッシュエリアには16のブースが並んだ。

 

100%の雨予報だった日曜日。試走時間が終わる頃に20分ほどのお湿り程度の雨が降っただけで天候は回復したが、コースは不気味に濡れてしまった。少しの雨でもその影響は少なくなかったようで、試走とは変わってしまった路面コンディションに、滑ってコースアウトする選手も。注目のエリートクラスでは、前日のタイムドセッションを走らなかった木村宏一選手(nu style 海月)が47秒128というタイムを早い段階で出すと、その後、しばらくタイムは更新されない。残り2人となり、田丸選手がそれまでトップタイムを守っていた木村選手を2秒近く上回る45秒520というタイムで抜くと、コース脇で大きな歓声が上がった。そしてすぐに、本村選手のスタート。目視ではどちらが速いとも分からない、負けず劣らずの走りでフィニッシュ。その瞬間、MCが45秒672とタイムを読み上げると、コースをじっとみつめていた田丸選手に安堵の笑みが浮かび、ブースエリアから大きな拍手が送られた。第1戦 十種ヶ峰では5位、第2戦 SRAM PARKでは9位、その後練習中のケガを乗り越えながらも、第5戦で2位と悔しい思いをしてきた若者が、エリートクラス初優勝、そして念願だったPRO クラスに挑戦する「下克上」の権利を得た。

そして、PRO クラス。「下克上」田丸選手は45秒060とエリートクラス優勝時よりもタイムを伸ばしてフィニッシュ。そして、地元熊本が生んだトップライダーであり、タイムドセッションでは120%の境地を目指した結果、最下位に沈んだ浦上太郎選手(Transition Airlines/Cleat)がスタート。「どれくらいのスピードなら曲がれるかを考えてスピードを落とすのではなく、できるだけスピードを上げたうえで、どうやったら曲がれるかを考えています」というレース前のコメント通り、初の44秒台、44秒850というタイムを出す。続く阿藤選手、安達選手は45秒台でこのタイムに届かず。残り2人、井手川選手がフィニッシュし、44秒……770! と浦上選手を上回るタイムを出すと、会場は一瞬静まりかえったのち、大歓声。最終走者、井本選手が「ペダルがはまらなくて」とレース後に語ったように、上り返しでもたつく様子を見せ、フィニッシュすると46秒457。こうして、第6戦富士見パノラマに続き、井手川選手の優勝が決まった。

レース後、「コースが短いから、精神的にも技術的にも難しい。ショートコースでは、ミスしないように守って走っても勝てないから」と話し、会場については「よしむたキッズと呼ばれる子どもたちがたくさんいて、こういう環境があることが素晴らしいと思います。コースが全てじゃない。環境が大事。太郎君みたいなライダーがまた熊本から生まれるように、僕も応援しています。」と話した。

今回の総エントリーは85人。そのうち小学生が10人。中高生を含めると16人と、18歳以下の参加者が全参加者の2割弱を占める。昨年もたくさんのキッズが参加してくれたが、今年はそれを上回った。この会場内にはyansこと柳原氏が監修した常設の「体験コース」「パンプトラック」「ダートジャンプコース」が作られており、週末になるとここに走りに来る子どもたちがたくさんいる。その子どもたちが競い合い、そしてローカルライダーが育っていくという形が出来上がりつつある。試走中には、走るラインを決めきれず、プレッシャーで泣き出してしまった地元キッズライダーに井手川選手が一緒にコースを見に行き、アドバイスをする光景も見られた。年に一回プロライダーがやってきて自分たちと同じコースを走り、圧倒的な速さを見せつける。それをコース脇でぽかんと眺めるキッズ達の目が、なんともいえない憧れで輝いていたのを見て、DOWNHILL SERIESが目指している形に少しずつではあるが一歩ずつ近づいているのかもしれないと、強く感じた大会となった。

【他クラス優勝者】
XC バイククラス/岡山 優太選手(MASAYA Bicycle Works) 56秒274
ファーストタイマー男子クラス/大栗 秀介選手(人生下り坂) 53秒530
スポーツ女子クラス/荒木 昌子選手 1分45秒718
スポーツ男子クラス/川本 大輔選手(ちゅう吉福山 DH部) 48秒638
エキスパート女子クラス/崎野 真子選手 1分00秒814
エキスパート男子クラス/山田 将輝選手(Limited846/LITEC) 48秒094
エリート女子クラス/末政 実緒選手(SRAM/LITEC) 50秒467

 

多くのライダーを戸惑わせた「高速直線」セクション。すこしでもラインを誤ると、ライダーは冷や汗をかくことになる。浦上太郎(Transition Airlines/Cleat)の表情は余裕なのか、それとも苦笑いか。
多くのライダーを戸惑わせた「高速直線」セクション。すこしでもラインを誤ると、ライダーは冷や汗をかくことになる。浦上太郎(Transition Airlines/Cleat)の表情は余裕なのか、それとも苦笑いか。
コースで唯一のクイックを攻略する浦上太郎。ライダーによって解釈の違いが顕著に現れ、観客を沸かせた。
コースで唯一のクイックを攻略する浦上太郎。ライダーによって解釈の違いが顕著に現れ、観客を沸かせた。
「3コーナー」と呼ばれた大きなカーブを走る安達 靖(SRAM/LITEC)。
「3コーナー」と呼ばれた大きなカーブを走る安達 靖(SRAM/LITEC)。
「3コーナー」入り口からフィニッシュエリアを望む。
「3コーナー」入り口からフィニッシュエリアを望む。
上部、第2コーナーを抜ける井本はじめ(SRAM/LITEC)。ローカルはドライでもマッドタイヤを使うのが吉無田流だが、初日はセミスリックを使用していた。
上部、第2コーナーを抜ける井本はじめ(SRAM/LITEC)。ローカルはドライでもマッドタイヤを使うのが吉無田流だが、初日はセミスリックを使用していた。
昼休みに開催された Topknot ミーティングには、自身がプロデュースしたソックスの愛用者をたくさん集めた阿藤 寛。そろそろ勝利が欲しい。
昼休みに開催された Topknot ミーティングには、自身がプロデュースしたソックスの愛用者をたくさん集めた阿藤 寛。そろそろ勝利が欲しい。
スタートヒルで出走に備えるのは XCバイククラスに参戦した岡山 優太MASAYA Bicycle Works)。
スタートヒルで出走に備えるのは XCバイククラスに参戦した岡山 優太MASAYA Bicycle Works)。
激戦のエリートクラスを制した田丸 裕(SRAM/LITEC rising)。ジャンプ中もペダリングし続ける積極的な走りを披露した。
激戦のエリートクラスを制した田丸 裕(SRAM/LITEC rising)。ジャンプ中もペダリングし続ける積極的な走りを披露した。
激戦のエリートクラスを制した田丸 裕(SRAM/LITEC rising)。ジャンプ中もペダリングし続ける積極的な走りを披露した。
激戦のエリートクラスを制した田丸 裕(SRAM/LITEC rising)。ジャンプ中もペダリングし続ける積極的な走りを披露した。
フィニッシュ手前に用意されたジャンプを飛ぶ浦上 太郎。
フィニッシュ手前に用意されたジャンプを飛ぶ浦上 太郎。
タイトなS字に進入する安達 靖。トップから7位までの選手が1秒以内にひしめく大混戦。一瞬も気が抜けないレイアウトだった。
タイトなS字に進入する安達 靖。トップから7位までの選手が1秒以内にひしめく大混戦。一瞬も気が抜けないレイアウトだった。
プロクラス優勝の井手川 直樹(AKI	FACTORY/STRIDER)。ベテランならではの集中力を決勝の一本で見事に発揮した。
プロクラス優勝の井手川 直樹(AKI FACTORY/STRIDER)。ベテランならではの集中力を決勝の一本で見事に発揮した。
XC BIKE Class 表彰式。
XC BIKE Class 表彰式。
エリート女子表彰式。
エリート女子表彰式。
エリート男子表彰式。
エリート男子表彰式。
PRO 表彰式。
PRO 表彰式。
集合写真。
集合写真。

 

【2015 DOWNHILL SERIES #7吉無田高原 DHコース ハイライト動画】
予定あり

 

 

[ 問い合わせ先 ]
SL MEDIA

 

DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM #6 富士見パノラマに出場します。

Dirt & MOTOは、今週末、2015年9月26日(土)、27日(日)、富士見パノラマリゾート(長野県)で開催される、DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM 第6戦に出場します。

DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM #6 富士見パノラマに出場します。

 

Dirt & MOTOは、今週末、2015年9月26日(土)、27日(日)、富士見パノラマリゾート(長野県)で開催される、DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM 第6戦に出場します。

今回のレース参加にあたり、株式会社ミヤタサイクルよりMERIDA BIKESの最新モデル、ONE-TWENTY 7.500(2016)を借りています。2日間とも、サイクルラックに展示しますので自由に見て下さい。駐車場を周るぐらいの事も対応します。免許証をお持ち下さい。実際の出場車両なので、本格試乗は不可になります。

 

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また、両日とも天気に拠りますが、MERIDA BIKESの最新カタログ2016年度版を部数限定ですが無料配布します。簡易チェアに置く予定でいますので、どうぞお持ちになって下さい。置いていなかったら、配布は終了です。

 

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その他、連載記事で紹介している、Enduro Shock Needle Bearing Kit(エンデューロ ショック ニードル ベアリング キット)を実装したマウンテンバイクも同時に展示します。その動きを簡単ですが、体感してみて下さい。

プライベーター参加なので、展示位置は第2駐車場になると思います。今の段階では、場所などの指示が出ていないので暫定です。当日の位置はTwitterなどSNSでお知らせ出来れば発信しますので、そちらをチェック下さい。オレンジ色のフォルクワーゲン・タイプ2(バス)が目印になります。何もお構い出来ませんが、もしよろしければお立ち寄り下さい。よろしくお願いします。

 

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−−Dirt & MOTO編集部

 

AKI FACTORY TEAM 永田 隼也選手が、唯一の日本人選手として世界選手権ダウンヒルに挑戦。

国内でマウンテンバイクダウンヒル選手として活躍する、永田 隼也。2015年は悲願の全日本選手権優勝も果たし、今シーズン一番の注目株。その永田が世界選手権のダウンヒル競技に出走する事が発表された。

AKI FACTORY TEAM 永田 隼也選手が、唯一の日本人選手として世界選手権ダウンヒルに挑戦。

 

国内でマウンテンバイクダウンヒル選手として活躍する、永田 隼也。2015年は悲願の全日本選手権優勝も果たし、今シーズン一番の注目株。その永田が世界選手権のダウンヒル競技に出走する事が発表された。

 

<以下、リリースより>
AKI FACTORY TEAM永田 隼也選手が、唯一の日本人選手として世界選手権に挑戦。

有限会社アキコーポレーション(所在地:大阪府守口市/二宮 明)は、AKI FACTORY TEAM所属、永田 隼也選手の世界選手権出場を発表した。

去る7月18日、長野県・富士見パノラマスキー場で開催された「第28回全日本マウンテンバイク選手権」のダウンヒル競技において、自身初の全日本チャンピオンに輝いた永田 隼也選手(AKI FACTORY TEAM所属)。
この結果を受け、8月31日からアンドラ公国Vallnordにて開催される世界選手権へ、日本代表選手として参加することが決定した。
世界選手権ダウンヒル競技の選手としては、日本唯一の選手として、さらに全日本チャンピオンとして、世界へチャレンジする。

永田選手からのメッセージは以下の通り。

「全日本チャンピオンというタイトルをようやく獲ることができ、やっと今までの想いを形にすることができました。ここまで支えて応援してくださったスポンサーや家族、友人、そして応援してくれるたくさんの方々への最高の恩返しになったと思います。本当に感謝しかありません。ジュニアで全日本チャンピオンを獲ってから約10年、ここからが新たなスタートだと思って全力で頑張って行きますので、進化していく永田 隼也の応援、これからもよろしくお願いいたします!!」

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[ リリース元 ]
アキコーポレーション