2015 DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM #6 富士見パノラマ レポート3。

東日本に初進出したダウンヒルシリーズの第6戦 富士見パノラマラウンド。続いたレースレポートも、今回でEND。最後はやや蛇足的なお話をしたいと思います。

2015 DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM #6 富士見パノラマ レポート3。

掲載日:2015年10月01日  取材・写真・文/やかん

取材協力/ショウエイミヤタサイクル(MERIDA BIKES)

 

東日本に初進出したダウンヒルシリーズの第6戦 富士見パノラマラウンド。続いたレースレポートも、今回でEND。最後はやや蛇足的なお話をしたいと思います。

 

お手製ゼッケンは
取り扱い要注意

さて筆者、初参加となったダウンヒルシリーズでありましたが、少し拍子抜けしたのが受付で渡されたゼッケンプレート。見るからにお手製感あり、素材も紙に近い感じがします。土曜日のまだ濡れた路面の中を走って、大きく泥跳ねを受け、途中で挟んだ洗車TIMEも受けて分かった事は、やはりほとんど紙です。一応は耐水性を持つようですが、泥水などでみるみるインクは滲み始め、またタイラップで4箇所留めているホールもちぎれ始めています。このゼッケンプレートは毎度同じ仕様のようなので、参加される皆さんはぜひ、現場で処理できる簡易的なパウチセットを持参するのが吉です。

現に他のライダーも振動で千切れたり、酷い泥で数字が判別不可能になったりのトラブルが頻発していました。取り付け方法も工夫して下さい。多くのライダーが、ゼッケンプレートの下端の固定が甘く、計測時にめくれ上がってしまい、やはり数字が判読出来ない、というケースが多々有りました。このレポートをお読みになられて次戦参加される方は、簡単なパウチセットと、受付で多めにタイラップをもらい、しっかりゼッケンプレートが正面を向くように固定して下さい。

個人的には、歴代参加したレースのゼッケンプレートは記念品として部屋の壁面に掲示しているので、ダウンヒルシリーズのそれも樹脂製が嬉しかったですね。当然、これはコストとの兼ね合いです。聞く所によると、昨年は都度回収していたそうなのですが、やはり回収率が悪く、今年のこの紙スタイルに落ち着いたそうです。レース申込時に紙製か樹脂製か選べて、それによってエントリーフィーが変わる方式でも良いと思います。記念品にしたい人は他にもいるでしょうから、そういう人は少し多めにお支払いしてね、と。来年から、どうでしょうか?

ゼッケンプレートはほぼ紙製で濡れたり振動ですぐにダメになるので、ライダー自身での保護など工夫が必要だ。また、計測のトラブルに繋がるので、下端は特にしっかりタイラップで固定、かつ下を向くようにしておきたい。スムーズなレース進行の為にも、どうか協力を。
ゼッケンプレートはほぼ紙製で濡れたり振動ですぐにダメになるので、ライダー自身での保護など工夫が必要だ。また、計測のトラブルに繋がるので、下端は特にしっかりタイラップで固定、かつ下を向くようにしておきたい。スムーズなレース進行の為にも、どうか協力を。

 

プログリップゴーグルの
ダブルレンズは最強過ぎる

今回、自宅を出る時点で雨でしたし、現地の天気予報も降雨であったので、とにかくゴーグルはたくさん持ちました。軽い試走では専ら使っている、ストラップのゴムもフェイス部のスポンジももうダメになっているプログリップ(PROGRIP)のゴーグルも、念の為、練習用ヘルメットに装着したまま出発しました。現地では、さすがにそのボロさはもうNGだろう、と試走には他のゴーグルを使いました。

ところが、それがAコース前半のつづら折りセクションで早くも曇り始め、中間のスピードが出るセクションでもそれほど晴れてくれず、そのまま後半のシングルトラックに突入してしまった為、眼を傷めるのを覚悟でゴーグルを外さざるを得ませんでした。経験上、ダウンヒルはかなりゴーグル内が曇る事は知っていたので、予め曇り止め液を塗布しておいたのにも関わらずです。タイムドセッションが行われた土曜日は、会場の全体的な湿度感も高く、ゴンドラ下でもやや湿気っぽさは感じていましたが、まさかこれほどまでとは、です。

初日の試走1本は、数十年ぶりのAコースという事で余計に汗をかき、スピードがかなり遅かったとはいえ、ストレート区間ではそれなりのフレッシュエアがゴーグル内に入った筈なのですが、この日はとにかくダメでした。筆者はレース時はコンタクトをするので、泥砂やちりは眼球を大きく傷めるたいへん怖いものになり、Nonゴーグルはまず考えられません。そこで、他にも用意していたゴーグルをパドックの駐車場で確認したところ、とにかくことごとく曇ります。都合、4つテストしてすべて駐車場レベルで曇りました。この日の気候も影響していたと思います。

そのような中、とにかくまったく曇らなかったのが、冒頭で登場した「もう耐用年数限界」のプログリップのゴーグルです。駐車場でのテストで、どうやっても曇る事なく、ダブルレンズなのに間違って水洗いを過去にしてしまい、レンズの隙間に水垢が残っているにも関わらず、この日最もクリアな視界を提供してくれそうでした。その後、タイムドセッションを含む3本の走行をすべて、このボロボロのプログリップゴーグルを使用しましたが、終始安定した視界を提供してくれ、結局、天候が回復した翌日も、不安でこのプログリップを再修理して本戦を走りました。

ダブルレンズが曇りに強いのは知っていましたが、この能力差は圧倒的でした。別にスポンサードを受けている訳でもないのでここまでヨイショするのは癪なのですが、プログリップのダブルレンズ仕様のゴーグルは、曇りに悩むダウンヒルライダーにはお薦めかと思います。土曜日、ことごとくダメだったゴーグルたちはモトクロスでは一回もトラブルになった事はないので、ダウンヒルはやはりかなり特性が違うという事ですね。宣伝したくはないのですが、あまりに違いがあったので、仕方がなくご報告しておきます。

タイムドセッション・本戦と都合、2日間使い続けた、もうボロボロのプログリップゴーグル。本来はレンズがライトセンシティブになっているので紫外線を当てると調光するのだが、これはもう使用期限が切れていてクリアのまま変化しない。それでも、曇りは皆無であった。悔しい〜!
タイムドセッション・本戦と都合、2日間使い続けた、もうボロボロのプログリップゴーグル。本来はレンズがライトセンシティブになっているので紫外線を当てると調光するのだが、これはもう使用期限が切れていてクリアのまま変化しない。それでも、曇りは皆無であった。悔しい〜!

 

ケガと弁当は自分持ち
常設コースであっても備えるべし

ダウンヒル競技は、練習にしろレースにしろ、とにかく怪我が付きものです。残念ですが、何本か走れば一回ぐらいどこかを痛めると思います。筆者もかなりの回数、転倒をし、タイムドセッションでは拠りにも寄ってプロテクターの隙間を狙って大きな岩と衝突してしまいました。かなりの激痛で、後半の難しいシングルセクションでブレーキ操作に支障が出るほどで、さらなる怪我を誘発しそうでしたが、何とかゴールラインまで降りてこれました。

パドックに戻り、用意しておいた冷却スプレーでアイシングしますが、経過がどうも思わしくありません。翌日にも確実に引きずる感じであったので、まずは主催関係者がいる受付建物を訪ねました。ところが、うっかりしていたのですがダウンヒルシリーズは草レースなのです。まともな救護キットは用意していなく、OUTでした。それでは、富士見パノラマは常設コースでもあるので、レスキュー隊が控えいてます。そちらの詰め所を次に尋ねたところ、「氷はあるがシップはない」との回答。

筆者、ロキソニン(痛み止め飲み薬)は用意していましたが湿布は準備していませんでした。時間が経つ程に痛みは酷くなってくるので、諏訪の町まで降りて湿布薬を購入しました。これ、完全に筆者の落ち度です。怪我するのは解っていたのに。また、ダウンヒルシリーズに過剰な期待をし過ぎました。形態が大きく見えますが、ひとつの小さな草レースに過ぎません。救護を期待してはいけませんでした。どこのコースでもダウンヒルは怪我をすると思います。レースに限らずですが、現地に最低限の備えは持って行って下さい。

レース参戦にあたり、コールドスプレーとロキソニンは用意していたが、湿布薬は忘れていた。強打した右上腕部は今でもひどい痛みと腫れなので、最低限の救護キットは持参するべきだ。主催者に甘えてはいけない。
レース参戦にあたり、コールドスプレーとロキソニンは用意していたが、湿布薬は忘れていた。強打した右上腕部は今でもひどい痛みと腫れなので、最低限の救護キットは持参するべきだ。主催者に甘えてはいけない。

 

イベントはこれが大好き
赤札特価の物販エリア

レポート2でもお知らせしましたが、今回のレースイベントには2つの物販エリアが並びました。そこでサスペンションフォークチューニングなども行ってもらいましたが、重い買い物はしませんでした。家庭の事情で。しかし結局、表彰式前にちょっとだけお買い物をしました。なにせとんでも価格での販売でしたからね。各レースイベントで、出店する業種のジャンルは様々ですが、筆者の経験から言うと、マウンテンバイクのイベントでもそれなりにお得感ある買い物は出来ます(ロードレースの比ではありませんが)。今回のダウンヒルシリーズも、見事それに応えてくれたので、レース参戦だけでなく、こういった催しも愉しむと良いと思います。

インナーパッド付きレースパンツとプロテクションが付いたレースグローブ、手首の保護をするリストブレース。これら3点を合わせて、今回は2,000円! でお買い物できた。すべて、正規のトロイリーデザインズ製。お得でしょ?
インナーパッド付きレースパンツとプロテクションが付いたレースグローブ、手首の保護をするリストブレース。これら3点を合わせて、今回は2,000円! でお買い物できた。すべて、正規のトロイリーデザインズ製。お得でしょ?

 

後日譚
洗濯ネットを活用しよう

さて、本レポートの本当にラスト。レース後のお話です。今更な人もいると思うのですが、念の為に。今回、自宅に帰って来てウェアやヘルメット類をクリーニングした際、首元ストラップのガードパッドを片方紛失してしまいました。また、ボディプロテクターも初めて洗濯機に入れて洗ったところ、ブランドのエンブレムが剥がれてしまいました。教訓。壊れやすいかもと、細かな物を洗う時は、絶対に洗濯ネットを使いましょう! 不測の事態や紛失を回避してくれます。筆者は家の人に泣きついたところ、「当たり前だ! そういうのはネットに入れて洗うんだよ!」と激怒されました。ちっちゃな事ですが、思い当たる方は洗濯ネットをお薦めしておきます。嗚呼……。

本戦で使ったショウエイヘルメット・VFX-Wの、ストラップガードを洗濯時に紛失してしまった。今回は、泣きついたらサンプル品を補修部品で提供してくれたが、次はないと思う。肝に銘じなければ。
本戦で使ったショウエイヘルメット・VFX-Wの、ストラップガードを洗濯時に紛失してしまった。今回は、泣きついたらサンプル品を補修部品で提供してくれたが、次はないと思う。肝に銘じなければ。

さて、3回に渡ってお届けしてきたダウンヒルシリーズ 第6戦 富士見パノラマラウンドのレポートは以上です。ダウンヒルシリーズ、今後どういった方向に進んで行くのでしょうか?!

3-06

 

紫外線の多い日が続くシーズンは、ライトセンシティブレンズのプログリップゴーグルが便利。

グリップで有名なPROGRIP社だが、実はゴーグルの実力も高くMXGPでは使用率も高い。

紫外線の多い日が続くシーズンは、ライトセンシティブレンズのプログリップゴーグルが便利。

 

グリップで有名なPROGRIP社だが、実はゴーグルの実力も高くMXGPでは使用率も高い。エントリーユーザー向けのゴーグル、PG3201はコストパフォーマンスが高くヒート毎に用意するのに助かる。エッジの効いた形状によりベンチレーション性、ノーズ回りのプロテクション性が向上するPG3450に、マッドコンディションで役立つロールオフシステムが標準搭載のセット、PG3458と展開も幅広い。

今回、その中から特にお薦めしたいのが紫外線の量(強さ)によりレンズが調光する、ライトセンシティブレンズ。山林セクションを挟むオープンコースではレンズカラーの選択が難しくなるが、このレンズを使う事である程度の幅で視界をフォローしてくれる。また、ツーリングでも昼間の眩しさを低減しながら夜間はクリアな視界へと変わる事からたいへん便利。調光レンズは使用期限があるが(化学変化が鈍くなる)、リプレースメントとして用意されるレンズも高価なものではなく、交換がしやすい。まだ紫外線の強い日が続くシーズン。ぜひ一度使ってみて欲しい。

 

PG3201 レースラインゴーグル グレー
PG3201 レースラインゴーグル グレー

 

[ 製品情報 ]

メーカー/PROGRIP

販売元/デイトナ

製品名/PG3450CA トップラインゴーグル カーボン

価格/7,870円(税抜)

品番90841のみライトセンシティブレンズ標準装備。

<スペアパーツ>
PG3235 クリアーレンズ/2,500円(税抜)
・アンチフォグ(曇り防止)
・アンチスクラッチ(傷付き防止)
・アンチUV(UVカット)加工
・ダブルレンズ
・ライトセンシティブ(感光性の調光レンズ。紫外線の量に反応してレンズ色の濃淡が自動的に調整される)

 

 

PG3201 レースラインゴーグル グリーン
PG3201 レースラインゴーグル グリーン
PG3450FL マルチレイヤードゴーグル
PG3450FL マルチレイヤードゴーグル
PG3235 クリアーレンズ(ライトセンシティブ採用)
PG3235 クリアーレンズ(ライトセンシティブ採用)
PG3244 POLAROZED スモークレンズ(偏光)
PG3244 POLAROZED スモークレンズ(偏光)
PG3257 オレンジレンズ
PG3257 オレンジレンズ

 

 

[ お問い合わせ ]
デイトナ
TEL/0538-84-2520