<製品テスト>TIOGA スパイダー アウトランド(2015年マルイ製品展示会より.1)

2015年のマルイ製品展示会で発表はされたものの、発売がまだ先で紹介を見送っていた商品を順次紹介して行きたい。まず、トップバッターはタイオガ(TIOGA)から、スパイダー アウトランド(SPYDER outland)だ。

<製品テスト>TIOGA スパイダー アウトランド(2015年マルイ製品展示会より.1)

掲載日:2015年12月7日  写真・文/やかん

 

2015年のマルイ製品展示会で発表はされたものの、発売がまだ先で紹介を見送っていた商品を順次紹介して行きたい。まず、トップバッターはタイオガ(TIOGA)から、スパイダー アウトランド(SPYDER outland)だ。

 

2015年マルイ製品展示会にて。
2015年マルイ製品展示会にて。

 

[ TIOGA SPYDER outland ]

スパイダー アウトランドは、かなり前に発売されて話題をさらったスパイダー ツインテールの、発展・派生系モデル。その独特の蜘蛛の巣を連想させる大胆な肉抜きのされたデザインはそのままに、トレイルライドやエンデューロレースで求められる高い操作性を追求したモデルとなっている。

まず、再確認しておきたいのが、スパイダーシリーズはただの蜘蛛の巣状の樹脂サドルではない事だ。その構造は、“デュアル デンシティー ウェブ メッシュベース”という基本構造で構成されており、高強度グラスファイバー補強ナイロンとエラストマー添加ナイロンという、硬さの異なる樹脂材料のインサート成型技術でなりたっている。柔軟性と強度を両立させている、とあるがこれについては後述の試乗記に譲りたい。

他、空間の多いウェブ メッシュは、実際に通気性は高く、座面形状と曲率構成を追求して設計。パッドを有しない独特なスタイルのサドルでありながら、圧迫感の少ない乗り心地を提供するよう工夫されてもいる。アウトランドには、着脱可能なアンチスリップパッドが付属し、好みに応じて選択が可能にもなっている。

これに関連するのが、アウトランドはライダーがサドル上でフレキシブルなポジションを取れる事を念頭に置いていて、サイドをカットし腰を引きやすくしている事。パッドは、腰掛けるだけ程度の使い方ならなしでよいだろうし、ある程度シッティングもあり着座位置を固定したい場合やグリップ力を高めたい時は、有りで使う想定になっている。

アンチスリップパッドを取付けた状態。
アンチスリップパッドを取付けた状態。
裏面から見ると本製品の構造がよく解る。
裏面から見ると本製品の構造がよく解る。

 

ガッチリと座るライドには不向きだが
ストレスのないサドル形状は秀逸で、自由なポジショニングが可能

テストは前後が130mm程度のストロークを持つフルサスペンションBIKEで行った。まだエンデューロやマラソンといった概念のない時代のBIKEだが、テスト車として問題はないと思う。サドルの固定スタイルに特に指定はなかったので、従来付けていた物とほぼ同じポジションで取り付けた。走行シーンは、シーズン的に下りに偏った専用オフロードコースなどは使えなかったので、起伏が得られる平地のダート路面と河川敷のロングライドの2つを試した。付属のアンチスリップパッドは取り付けてテストを行った。

テスト車にも元々タイオガのサドルが付いてる。今回はこれを交換。
テスト車にも元々タイオガのサドルが付いてる。今回はこれを交換。
年代は古いが下り寄りのBIKEなので、セッティングは少しの斜度を付けている。
年代は古いが下り寄りのBIKEなので、セッティングは少しの斜度を付けている。

まず、ダート路面までのアスファルトでのアプローチでは、筆者の体重もあるのだろうが(50kg強)、どうしても硬さが気になった。アンチスリップパッドを取付けたといっても、主な役割は滑り止めであってパッティング類には程遠く、BMXのサドルに座っているような感覚だ。しかし、いざダート路面に付き、起伏のある路面を走る場合は、かなりの頻度で腰は浮かせているので問題なく、また練られた形状の為か、不用意にサドルに突き上げられる事もなかった。

次に、想定に含まれるのかは解らなかったが、河川敷のロングライドにトライしてみた。多少の凹凸はあるがほぼフラットな路面なので、100%シッティング。この状態で約1時間、座りっぱなしで走ってみた。こちらは、正直、かなり辛かった。BIKEが完璧には対応していないというのもあるだろうが(リアショックFOXはプロペダル化済み)、やはりどうしても座面の硬さが厳しく、尻骨がそれなりに痛くなる。ただ、ラフテストなのでパッド入りのレースパンツを履いてない事もあったのと、例えばエンデューロなどでは厚手のボトムスを履く事もあるだろうから、今回よりかは緩和されるかもしれない。構造上軽量なので、車重をなるべく抑えたいクロスカントリーBIKEなどで導入したくもなりそうだが、そちらは向いていないと思う。この点は、シーズンインをしたら、真面目なオフロードコースの、例えばリエゾン区間などであらためて試してみたいところだ。

元々付けているサドルとはかなり形状が違うのが解る。
元々付けているサドルとはかなり形状が違うのが解る。

フラットな路面でのシッティングを試した後は、積極的な身体の動きが必要になる厳しい上り下りを何度も走ってみた。そこで解ったのが、下り走行での抜群の腰の引きやすさ。サドル後方の“ひれ”の部分がスパッと進行方向と平行にカットされていて、これによりひれの部分にまったくフトモモが引っ掛からずに、自由な身体の動きが可能になっている。これには正直、舌を巻いた。以前、富士見パノラマリゾート(長野)のダウンヒルAコースを他のBIKEで下った時、この“ひれ”の部分の引っ掛かりが気になり、落差の急なセクションで体の動きが阻害されバランスを崩しかけたりした事があったが、アウトランドに関してはこの心配がまったくない。アンチスリップパッドも、過度にグリップする事なく良い塩梅で“引っ掛かり”が得られるので、「欲しい時に引っ掛かり、不要な時には滑る」バランスの良さが光った。

赤いラインの部分が平行にカットされたようなデザインになっていて、この部分が引っ掛かりをなくす。
赤いラインの部分が平行にカットされたようなデザインになっていて、この部分が引っ掛かりをなくす。

筆者は、まだ本格的なエンデューロレースに出場した事がないのだが、リエゾン区間がかなり長く、またそこが平坦でシッティングしてのパワーペダリングが必要であれば、アウトランドは「不向き」と言わざるを得ないが、実例としては、前述の富士見でCコース程度のシッティング率とサドルへの負荷の掛け方程度なら硬さは気にならず、むしろ動きを阻害しないその形状の恩恵に十全と与れるだろう。

座面は比較的フラットな作り。
座面は比較的フラットな作り。

また、これはテストした訳ではないので断言は出来ないが、ほぼ着座しないダウンヒルで、極度な落差なども頻発する本格コースでも効果を発揮すると思う。路面からのプッシュがあり、その際に硬いサドルにお尻がどれ程突き上げられるかはまだ解らないが、シーズンインしたらテストしてみる価値はあると思う。

今からの時期、降雪のないエリアであればトレイルライドが面白い時期でもある。あなたがもし、BIKEの上で積極的にボディアクションをするスタイルであるならば、このサドルは是非試してほしい出来栄えである。今まで以上に、自由に身体が動かせ、より高次元の走りが出来る筈である。

 

[ 製品情報 ]

メーカー/TIOGA
販売元/株式会社マルイ
製品名/SPYDER outland -新製品-
価格/1万3,000円(税抜)
カラー/ブラック/スモーク、ホワイト/クリア
サイズ/幅126×長さ281×高さ60mm
質量/206g
デュアル デンシティー ウェブ メッシュベース
デュアル アーク フレックス
φ7mmクロモリ中空レール
アンチスリップパッド付属

TIOGA SPYDER outland(ホワイト/クリア) 1万3,000円(税抜)
TIOGA SPYDER outland(ホワイト/クリア) 1万3,000円(税抜)

 

アウトランド以外の展開もあり。
アウトランド以外の展開もあり。

 

 

[ お問い合わせ ]
株式会社マルイ
TEL/078-451-2742

 

■スペシャライズド/SPECIALIZED S-Works Stumpjumper FSR CARBON 650b(2016) 102万円 Sサイズ MTB試乗インプレッション

S-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650bは、スペシャライズドの歴史の中でも初期から存在する『スタンプジャンパー』の名を冠する、オールラウンドなマウンテンバイクです。スペシャライズドでは「トレイルバイク」という言葉を使っています。

■スペシャライズド/SPECIALIZED S-Works Stumpjumper FSR CARBON 650b(2016) 102万円 Sサイズ MTB試乗インプレッション

 

SPECIALIZED S-Works Stumpjumper FSR CARBON 650b(2016) 102万円
SPECIALIZED S-Works Stumpjumper FSR CARBON 650b(2016) 102万円

 

掲載日:2015年10月19日  取材・写真・文/やかん

 

地球上にこんな極上のマウンテンバイクがあったのかと思わせられる1台

S-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650bは、スペシャライズドの歴史の中でも初期から存在する『スタンプジャンパー』の名を冠する、オールラウンドなマウンテンバイクです。スペシャライズドでは「トレイルバイク」という言葉を使っています。

 

このBIKEインプレッションは、スペシャライズド・ジャパンがランダムで行っている “ TEST THE BEST NEW MODEL試乗会 ” に参加してのもので、一般ユーザー向けの機会を利用したものです。今回の TEST THE BEST は、特に東関東のマウンテンバイクユーザーには馴染み深い、富士見パノラマ(長野)で開催されました。筆者は今回、テストライドを、すべてこの富士見パノラマのCコースをフルに使用しました。

 

さて、このS-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650b。まずプライスがとんでもありません。定価で100万円を超えます。ロードバイクではそれなりにあるプライスかもしれませんが、マウンテンバイクではなかなかお目に掛かれません。そのBIKEを試乗車として用意してしまう日本法人の姿勢にも驚きますが、それだけ自信のある1台なのであろうと想像出来ます。

 

S-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650bは、その名の示す通り、ホイール径がマウンテンバイクの今の主流になる、650b = 27.5インチのBIKE。従来の26インチより少し大きく、旋回性はやや独特ですが走破性は圧倒的な29インチよりは小さい。お互いの良いところを取った、今のトレンドサイズです。そしてフルサスペンションフレームとなり、そのほとんどの部位がカーボン製となります。このカーボンの勢いは、マウンテンバイクの世界でもやはり止まらなく、初期は小物類だけであったものがフレーム、ホイールとほとんどの部分を占めるようになっています。本機も、ホイールまでカーボン製を採用する徹底ぶりです。

 

サスペンションは、フロントがロックショックス・パイクRCT3 650b、リアがフォックスショックスのフロート ファクトリー。トラベル量はどちらも150mmとなり、この数値から本機がやや下り寄りのBIKEである事が解ります。そのサスペンション、取り上げるべき特記事項がリアショックのカスタム施工。スペシャライズドは以前から特にリアショックに関しては独自の方式やチューニングを取り入れていましたが、本機S-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650bもその例に洩れません。まず、2016年のスペシャライズド車の多くに採用される“セットアップが容易なAUTOSAG機能”。これはエアショックに予めある程度の加圧をしておき(300psi)、それからライダーがBIKEに跨った状態で専用のバルブコアをプッシュ(減圧)するだけで、最適なエア圧(サグ値)になるというものです。たいへん革新的な機能ですし、セッティングの手間が大幅に軽減され、ライダーが受ける恩恵はとても大きいです。

 

“Rx Trail Tune”というカスタマイズも施され、トレイルの上りでも下りでもよりしなやかで反応の良い動きを提供する、と言います。ギア関係は、やはり今のトレンドである、フロント1枚、リア11枚というもの。丁数は、フロント30T、リア10ー42Tです。その他、フレームとステム部に“SWAT”という工具格納システムを備えます。まず、フレームのダウンチューブに設けられたSWAT Doorを開くと、その中のコンパートメントにチューブ1本、ツール、ポンプを収納出来るようになっています。リアショックの付け根部分には専用のアーレンキーセットを収納。ステムには、チェーンのミッシングリンク用のツールを格納しています。スポーツドリンクで満たしたボトルをボトルケージに装着したら、極端な事を言えば身一つでトレイルへ走り出す事が出来です。それでは、筆者も早速このスペシャルプライスのBIKEでオフロードに繰り出してみます。

 

富士見パノラマのCコースを下ってきての感想は、「もう最高」。申し訳ないですが、これが印象を表す最良の言葉です。オフロード走行とは思えない、超シルキーで極楽ライドがフルコースで堪能出来ました。軽量さが生み出す機敏性、重心が綺麗にまとめられコントロール性がとても高いフレームパッケージング。同社の技術の粋を集結したFACT 10mカーボンファイバー製のTrailシャーシとStumpjumper FSR M5チェーンステーは、bestな振動吸収性と路面応答性を提供。熟考されたリアサスペンション構造は、ペダリングでリアショックがまったく動かない驚異のテクノロジーに昇華。これほどオフロードを楽しく走れるマウンテンバイクが地球上に存在した事に、驚きです。間違わないように言っておきますが、全体的に乗り心地がソフトでサドルにドッシリ座ってライドが楽しめる、という事ではありません。適切な身体の動きはもちろん必要ですし、路面からの振動などもしっかりと伝わって来ます。ただ、すべての動き、フィードバックが信じられないほどの高次元で、今までに味わった事のない究極のオフロードライドを提供してくれたのです。「まいった、降参」といった感じです。

 

100万円を超すスポーツサイクル、誰しもが買える物ではありません。筆者でも到底ムリです。しかし、そこにはその価格分の説得力ある性能と楽しがありました。機会があれば、みなさまにも是非1度試乗をお薦めします。乗ってしまったら、ローンを組んででも買いたくなる人は少なくないと思います。サスペンションは予めチューニングされていますし、後から買い換える部品はひとつもありません。パッケージの完成度が高く、カーボン製フレームの性能も唸る以外ありません。ハードにマウンテンバイクライドを楽しみ、シーズンを通して乗り倒すぐらい使い込む人であれば、もったいなくはない投資と思えます。とにかく1度乗ってみて下さい。マウンテンバイクの最高峰がその先に見えると思います。そして、気が付いたら契約書にサインをしている筈です。『S-Works』の名に偽りなしでした。

 

※価格は税込み。掲載時点でのものです。

 

フロントサスペンションは、ロックショックスのパイク(Pike) RCT3 650bを装備。Solo Air spring機構で、150mmのトラベルを持つ。動き、剛性、ハンドリング性能、どれを取っても文句なし。フレームとのカラーマッチングもOK。
フロントサスペンションは、ロックショックスのパイク(Pike) RCT3 650bを装備。Solo Air spring機構で、150mmのトラベルを持つ。動き、剛性、ハンドリング性能、どれを取っても文句なし。フレームとのカラーマッチングもOK。
インナーチューブはDLCのような色合いで、ストロークなどの動きはとてもスムーズ。どうしても引っ掛かりやすい初期の沈み込みも、まったく問題ない。フロントタイアは、スペシャライズド製のButcher Control。サイズは、650b x 2.3"。
インナーチューブはDLCのような色合いで、ストロークなどの動きはとてもスムーズ。どうしても引っ掛かりやすい初期の沈み込みも、まったく問題ない。フロントタイアは、スペシャライズド製のButcher Control。サイズは、650b x 2.3″。
油圧式のディスクブレーキは、シマノ最高峰のXTRを採用。レバーはカーボン製。ハンドルバーは、スペシャライズド製FACT carbon仕様で、幅は750mm。クランプ径はφ31.8mm。どこまでも100万円の価格に見合う装備。
油圧式のディスクブレーキは、シマノ最高峰のXTRを採用。レバーはカーボン製。ハンドルバーは、スペシャライズド製FACT carbon仕様で、幅は750mm。クランプ径はφ31.8mm。どこまでも100万円の価格に見合う装備。
油圧式ディスクブレーキのキャリパーもシマノ XTR。モデルは“トレイル”仕様で、もちろんアイステック採用。ローター径は、フロントがφ180mm、リアがφ160mm。それなので、純然たる下りBIKEではない事が解る。
油圧式ディスクブレーキのキャリパーもシマノ XTR。モデルは“トレイル”仕様で、もちろんアイステック採用。ローター径は、フロントがφ180mm、リアがφ160mm。それなので、純然たる下りBIKEではない事が解る。
ロックショックス パイクは2-ステージ コンプレッション調整と、リバウンド調整機構を持つ。ロックも可能だが、トレイルでは不要だろう。
ロックショックス パイクは2-ステージ コンプレッション調整と、リバウンド調整機構を持つ。ロックも可能だが、トレイルでは不要だろう。
リアショックは、カスタムされたフォックスのフロート(FLOAT)Factory CTD。AUTOSAG機能、Rx Trail Tuneが施され、もちろんKashima coating済み。サスペンションシステムとしてのトラベル量は150mm。
リアショックは、カスタムされたフォックスのフロート(FLOAT)Factory CTD。AUTOSAG機能、Rx Trail Tuneが施され、もちろんKashima coating済み。サスペンションシステムとしてのトラベル量は150mm。
赤いバルブが、AUTOSAG機構。Rx Trail Tuneの表記も確認出来る。
赤いバルブが、AUTOSAG機構。Rx Trail Tuneの表記も確認出来る。
ユニット内のエア圧を規定量加圧しておいてから、BIKEに跨がり(正確には両ペダルに乗る)赤いバルブ内のエアリリースをプッシュする事でAUTOSAG機能がはたらく。素晴らしい仕組みだ。
ユニット内のエア圧を規定量加圧しておいてから、BIKEに跨がり(正確には両ペダルに乗る)赤いバルブ内のエアリリースをプッシュする事でAUTOSAG機能がはたらく。素晴らしい仕組みだ。
S-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650bは、このリンク周りとチェーンステーのみがアルミ製になる。チェーンステーは、M5仕様とぬかりない。
S-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650bは、このリンク周りとチェーンステーのみがアルミ製になる。チェーンステーは、M5仕様とぬかりない。
本文では触れなかったが、シートポストはドロッパーとなる。構造はエアで、ケーブルはシートチューブ内を通る。ひと昔前のような、沈んだ状態で持ち上げると動いてしまうような事は今はない。トラベル量はサイズで分けていて、Sは100mm、M/L/XLは125mm。サドルは定番のボディジオメトリーでチタンレール採用。
本文では触れなかったが、シートポストはドロッパーとなる。構造はエアで、ケーブルはシートチューブ内を通る。ひと昔前のような、沈んだ状態で持ち上げると動いてしまうような事は今はない。トラベル量はサイズで分けていて、Sは100mm、M/L/XLは125mm。サドルは定番のボディジオメトリーでチタンレール採用。
フロントギア(チェーンリング)は1枚。クランク、リング、デバイスすべてがスペシャライズド製となり、アームはFACT carbon製。リングは、X-Syncという技術を使う。丁数は、30T。
フロントギア(チェーンリング)は1枚。クランク、リング、デバイスすべてがスペシャライズド製となり、アームはFACT carbon製。リングは、X-Syncという技術を使う。丁数は、30T。
リアのギア周りはスラムを採用。ディレーラーが、XX1で11速対応。スプロケットは同じXX1で11速仕様。丁数は、10-42T。チェーンは、PC-XX1, 11-speed, w/ PowerLinkとなる。
リアのギア周りはスラムを採用。ディレーラーが、XX1で11速対応。スプロケットは同じXX1で11速仕様。丁数は、10-42T。チェーンは、PC-XX1, 11-speed, w/ PowerLinkとなる。
リムは、Roval Traverse社のSL 650b。なんとここもカーボン製。スポークは、フロントが24H、リアが28Hとなる。ハブも、前後でRoval Traverse SLを使用。
リムは、Roval Traverse社のSL 650b。なんとここもカーボン製。スポークは、フロントが24H、リアが28Hとなる。ハブも、前後でRoval Traverse SLを使用。
流麗なデザインとインターナルケーブル仕様のフレームは、FACT 10mカーボン製。“トレイル 650b”メイドのジオメトリーとなる。ヘッドチューブはテーパード仕様。
流麗なデザインとインターナルケーブル仕様のフレームは、FACT 10mカーボン製。“トレイル 650b”メイドのジオメトリーとなる。ヘッドチューブはテーパード仕様。
本機でわざわざ取り上げておきたいのが、このグリップ。スペシャライズド製の片側ロックオン仕様の物で、作りがほぼモトクロスバイクのそれ。馴染みのある筆者はとても好感触だった。実際、スペシャライズドはUSカワサキファクトリーチームとBIKE供給の付き合いがあり、技術提携も行われているという。
本機でわざわざ取り上げておきたいのが、このグリップ。スペシャライズド製の片側ロックオン仕様の物で、作りがほぼモトクロスバイクのそれ。馴染みのある筆者はとても好感触だった。実際、スペシャライズドはUSカワサキファクトリーチームとBIKE供給の付き合いがあり、技術提携も行われているという。
ダウンチューブのボトルケージ周りに見られる造りが、スペシャライズド社独自のアイディア機構、SWAT。このダウンチューブの物は、SWAT Doorと名付けられている。
ダウンチューブのボトルケージ周りに見られる造りが、スペシャライズド社独自のアイディア機構、SWAT。このダウンチューブの物は、SWAT Doorと名付けられている。
右側のドアロックを開放すると、ボトルケージのベースごと外れ、中空の物入れが姿を現す。
右側のドアロックを開放すると、ボトルケージのベースごと外れ、中空の物入れが姿を現す。
そこに収まる専用のバッグ。布製の物で、本機は2つ備わる。
そこに収まる専用のバッグ。布製の物で、本機は2つ備わる。
バッグは広げるとこのようになり、そこに例えば、チューブ1本、ツール、ポンプが入れられる。ツールにタイヤレバーを入れておけば、長距離ライドでのパンク処置が可能になる。
バッグは広げるとこのようになり、そこに例えば、チューブ1本、ツール、ポンプが入れられる。ツールにタイヤレバーを入れておけば、長距離ライドでのパンク処置が可能になる。
SWAT Doorに専用のバッグ2つを入れた状態。走行中、異音がする事はなかったし、またドアが不意に外れてしまう事も皆無だった。たいへん良く考えられたシステムだ。
SWAT Doorに専用のバッグ2つを入れた状態。走行中、異音がする事はなかったし、またドアが不意に外れてしまう事も皆無だった。たいへん良く考えられたシステムだ。
S-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650bは、リアショックの付け根にアーレンキー工具も収納。専用品で、使う時は軽いクリックで引き抜けるが、長時間の激しいライドで抜け落ちる事は、まったくなかった。
S-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650bは、リアショックの付け根にアーレンキー工具も収納。専用品で、使う時は軽いクリックで引き抜けるが、長時間の激しいライドで抜け落ちる事は、まったくなかった。
ヘッドパーツには、チェーンに使われるミッシングリンク用の工具が収められている。1回までのトラブルに対応出来るようになっている。
ヘッドパーツには、チェーンに使われるミッシングリンク用の工具が収められている。1回までのトラブルに対応出来るようになっている。

 

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2015 DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM #6 富士見パノラマ レポート3。

東日本に初進出したダウンヒルシリーズの第6戦 富士見パノラマラウンド。続いたレースレポートも、今回でEND。最後はやや蛇足的なお話をしたいと思います。

2015 DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM #6 富士見パノラマ レポート3。

掲載日:2015年10月01日  取材・写真・文/やかん

取材協力/ショウエイミヤタサイクル(MERIDA BIKES)

 

東日本に初進出したダウンヒルシリーズの第6戦 富士見パノラマラウンド。続いたレースレポートも、今回でEND。最後はやや蛇足的なお話をしたいと思います。

 

お手製ゼッケンは
取り扱い要注意

さて筆者、初参加となったダウンヒルシリーズでありましたが、少し拍子抜けしたのが受付で渡されたゼッケンプレート。見るからにお手製感あり、素材も紙に近い感じがします。土曜日のまだ濡れた路面の中を走って、大きく泥跳ねを受け、途中で挟んだ洗車TIMEも受けて分かった事は、やはりほとんど紙です。一応は耐水性を持つようですが、泥水などでみるみるインクは滲み始め、またタイラップで4箇所留めているホールもちぎれ始めています。このゼッケンプレートは毎度同じ仕様のようなので、参加される皆さんはぜひ、現場で処理できる簡易的なパウチセットを持参するのが吉です。

現に他のライダーも振動で千切れたり、酷い泥で数字が判別不可能になったりのトラブルが頻発していました。取り付け方法も工夫して下さい。多くのライダーが、ゼッケンプレートの下端の固定が甘く、計測時にめくれ上がってしまい、やはり数字が判読出来ない、というケースが多々有りました。このレポートをお読みになられて次戦参加される方は、簡単なパウチセットと、受付で多めにタイラップをもらい、しっかりゼッケンプレートが正面を向くように固定して下さい。

個人的には、歴代参加したレースのゼッケンプレートは記念品として部屋の壁面に掲示しているので、ダウンヒルシリーズのそれも樹脂製が嬉しかったですね。当然、これはコストとの兼ね合いです。聞く所によると、昨年は都度回収していたそうなのですが、やはり回収率が悪く、今年のこの紙スタイルに落ち着いたそうです。レース申込時に紙製か樹脂製か選べて、それによってエントリーフィーが変わる方式でも良いと思います。記念品にしたい人は他にもいるでしょうから、そういう人は少し多めにお支払いしてね、と。来年から、どうでしょうか?

ゼッケンプレートはほぼ紙製で濡れたり振動ですぐにダメになるので、ライダー自身での保護など工夫が必要だ。また、計測のトラブルに繋がるので、下端は特にしっかりタイラップで固定、かつ下を向くようにしておきたい。スムーズなレース進行の為にも、どうか協力を。
ゼッケンプレートはほぼ紙製で濡れたり振動ですぐにダメになるので、ライダー自身での保護など工夫が必要だ。また、計測のトラブルに繋がるので、下端は特にしっかりタイラップで固定、かつ下を向くようにしておきたい。スムーズなレース進行の為にも、どうか協力を。

 

プログリップゴーグルの
ダブルレンズは最強過ぎる

今回、自宅を出る時点で雨でしたし、現地の天気予報も降雨であったので、とにかくゴーグルはたくさん持ちました。軽い試走では専ら使っている、ストラップのゴムもフェイス部のスポンジももうダメになっているプログリップ(PROGRIP)のゴーグルも、念の為、練習用ヘルメットに装着したまま出発しました。現地では、さすがにそのボロさはもうNGだろう、と試走には他のゴーグルを使いました。

ところが、それがAコース前半のつづら折りセクションで早くも曇り始め、中間のスピードが出るセクションでもそれほど晴れてくれず、そのまま後半のシングルトラックに突入してしまった為、眼を傷めるのを覚悟でゴーグルを外さざるを得ませんでした。経験上、ダウンヒルはかなりゴーグル内が曇る事は知っていたので、予め曇り止め液を塗布しておいたのにも関わらずです。タイムドセッションが行われた土曜日は、会場の全体的な湿度感も高く、ゴンドラ下でもやや湿気っぽさは感じていましたが、まさかこれほどまでとは、です。

初日の試走1本は、数十年ぶりのAコースという事で余計に汗をかき、スピードがかなり遅かったとはいえ、ストレート区間ではそれなりのフレッシュエアがゴーグル内に入った筈なのですが、この日はとにかくダメでした。筆者はレース時はコンタクトをするので、泥砂やちりは眼球を大きく傷めるたいへん怖いものになり、Nonゴーグルはまず考えられません。そこで、他にも用意していたゴーグルをパドックの駐車場で確認したところ、とにかくことごとく曇ります。都合、4つテストしてすべて駐車場レベルで曇りました。この日の気候も影響していたと思います。

そのような中、とにかくまったく曇らなかったのが、冒頭で登場した「もう耐用年数限界」のプログリップのゴーグルです。駐車場でのテストで、どうやっても曇る事なく、ダブルレンズなのに間違って水洗いを過去にしてしまい、レンズの隙間に水垢が残っているにも関わらず、この日最もクリアな視界を提供してくれそうでした。その後、タイムドセッションを含む3本の走行をすべて、このボロボロのプログリップゴーグルを使用しましたが、終始安定した視界を提供してくれ、結局、天候が回復した翌日も、不安でこのプログリップを再修理して本戦を走りました。

ダブルレンズが曇りに強いのは知っていましたが、この能力差は圧倒的でした。別にスポンサードを受けている訳でもないのでここまでヨイショするのは癪なのですが、プログリップのダブルレンズ仕様のゴーグルは、曇りに悩むダウンヒルライダーにはお薦めかと思います。土曜日、ことごとくダメだったゴーグルたちはモトクロスでは一回もトラブルになった事はないので、ダウンヒルはやはりかなり特性が違うという事ですね。宣伝したくはないのですが、あまりに違いがあったので、仕方がなくご報告しておきます。

タイムドセッション・本戦と都合、2日間使い続けた、もうボロボロのプログリップゴーグル。本来はレンズがライトセンシティブになっているので紫外線を当てると調光するのだが、これはもう使用期限が切れていてクリアのまま変化しない。それでも、曇りは皆無であった。悔しい〜!
タイムドセッション・本戦と都合、2日間使い続けた、もうボロボロのプログリップゴーグル。本来はレンズがライトセンシティブになっているので紫外線を当てると調光するのだが、これはもう使用期限が切れていてクリアのまま変化しない。それでも、曇りは皆無であった。悔しい〜!

 

ケガと弁当は自分持ち
常設コースであっても備えるべし

ダウンヒル競技は、練習にしろレースにしろ、とにかく怪我が付きものです。残念ですが、何本か走れば一回ぐらいどこかを痛めると思います。筆者もかなりの回数、転倒をし、タイムドセッションでは拠りにも寄ってプロテクターの隙間を狙って大きな岩と衝突してしまいました。かなりの激痛で、後半の難しいシングルセクションでブレーキ操作に支障が出るほどで、さらなる怪我を誘発しそうでしたが、何とかゴールラインまで降りてこれました。

パドックに戻り、用意しておいた冷却スプレーでアイシングしますが、経過がどうも思わしくありません。翌日にも確実に引きずる感じであったので、まずは主催関係者がいる受付建物を訪ねました。ところが、うっかりしていたのですがダウンヒルシリーズは草レースなのです。まともな救護キットは用意していなく、OUTでした。それでは、富士見パノラマは常設コースでもあるので、レスキュー隊が控えいてます。そちらの詰め所を次に尋ねたところ、「氷はあるがシップはない」との回答。

筆者、ロキソニン(痛み止め飲み薬)は用意していましたが湿布は準備していませんでした。時間が経つ程に痛みは酷くなってくるので、諏訪の町まで降りて湿布薬を購入しました。これ、完全に筆者の落ち度です。怪我するのは解っていたのに。また、ダウンヒルシリーズに過剰な期待をし過ぎました。形態が大きく見えますが、ひとつの小さな草レースに過ぎません。救護を期待してはいけませんでした。どこのコースでもダウンヒルは怪我をすると思います。レースに限らずですが、現地に最低限の備えは持って行って下さい。

レース参戦にあたり、コールドスプレーとロキソニンは用意していたが、湿布薬は忘れていた。強打した右上腕部は今でもひどい痛みと腫れなので、最低限の救護キットは持参するべきだ。主催者に甘えてはいけない。
レース参戦にあたり、コールドスプレーとロキソニンは用意していたが、湿布薬は忘れていた。強打した右上腕部は今でもひどい痛みと腫れなので、最低限の救護キットは持参するべきだ。主催者に甘えてはいけない。

 

イベントはこれが大好き
赤札特価の物販エリア

レポート2でもお知らせしましたが、今回のレースイベントには2つの物販エリアが並びました。そこでサスペンションフォークチューニングなども行ってもらいましたが、重い買い物はしませんでした。家庭の事情で。しかし結局、表彰式前にちょっとだけお買い物をしました。なにせとんでも価格での販売でしたからね。各レースイベントで、出店する業種のジャンルは様々ですが、筆者の経験から言うと、マウンテンバイクのイベントでもそれなりにお得感ある買い物は出来ます(ロードレースの比ではありませんが)。今回のダウンヒルシリーズも、見事それに応えてくれたので、レース参戦だけでなく、こういった催しも愉しむと良いと思います。

インナーパッド付きレースパンツとプロテクションが付いたレースグローブ、手首の保護をするリストブレース。これら3点を合わせて、今回は2,000円! でお買い物できた。すべて、正規のトロイリーデザインズ製。お得でしょ?
インナーパッド付きレースパンツとプロテクションが付いたレースグローブ、手首の保護をするリストブレース。これら3点を合わせて、今回は2,000円! でお買い物できた。すべて、正規のトロイリーデザインズ製。お得でしょ?

 

後日譚
洗濯ネットを活用しよう

さて、本レポートの本当にラスト。レース後のお話です。今更な人もいると思うのですが、念の為に。今回、自宅に帰って来てウェアやヘルメット類をクリーニングした際、首元ストラップのガードパッドを片方紛失してしまいました。また、ボディプロテクターも初めて洗濯機に入れて洗ったところ、ブランドのエンブレムが剥がれてしまいました。教訓。壊れやすいかもと、細かな物を洗う時は、絶対に洗濯ネットを使いましょう! 不測の事態や紛失を回避してくれます。筆者は家の人に泣きついたところ、「当たり前だ! そういうのはネットに入れて洗うんだよ!」と激怒されました。ちっちゃな事ですが、思い当たる方は洗濯ネットをお薦めしておきます。嗚呼……。

本戦で使ったショウエイヘルメット・VFX-Wの、ストラップガードを洗濯時に紛失してしまった。今回は、泣きついたらサンプル品を補修部品で提供してくれたが、次はないと思う。肝に銘じなければ。
本戦で使ったショウエイヘルメット・VFX-Wの、ストラップガードを洗濯時に紛失してしまった。今回は、泣きついたらサンプル品を補修部品で提供してくれたが、次はないと思う。肝に銘じなければ。

さて、3回に渡ってお届けしてきたダウンヒルシリーズ 第6戦 富士見パノラマラウンドのレポートは以上です。ダウンヒルシリーズ、今後どういった方向に進んで行くのでしょうか?!

3-06

 

2015 DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM #6 富士見パノラマ レポート2。

初! 東日本進出のダウンヒルシリーズ。祝! このレースイベントに以前から興味があったダート&モト編集部は、己の力量も考えず無謀にも参戦。日曜日は、いよいよ本戦(決勝みたいなもの)です。さて、結果は?

2015 DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM #6 富士見パノラマ レポート2。

掲載日:2015年09月29日  取材・写真・文/やかん

取材協力/アルパインスターズ、ショウエイダートフリークミヤタサイクル(MERIDA BIKES)

 

初! 東日本進出のダウンヒルシリーズ。祝! このレースイベントに以前から興味があったダート&モト編集部は、己の力量も考えず無謀にも参戦。日曜日は、いよいよ本戦(決勝みたいなもの)です。さて、結果は?

 

念願の最新泥除けをGet
気分を高める

本戦日となった9月27日(日曜日)は、「曇り時々雨」であった天気予報を見事に裏切った良い天気。時々晴れ間が覗く行楽日和となり、懸案であった路面コンディションもおそらく回復傾向に。そんな中、事前情報を得ていた当日追加の出店ブースを行脚する事にしました。

まずは、重力技研(群馬県に居を構えるプロショップ)のブースを訪ね、念願であった最近流行りの泥除け(マッドフェンダー)を購入。昔はモーターサイクル並みの大型フェンダーが流行りましたが、最近の傾向は一部分だけをカバードするタイプになっていて、筆者、実はこれをマイBIKEに付けるのが夢だったのです。

予報を見事裏切る素晴らしい快晴! 高原の澄んだ涼やかな風が心地よいスタートとなった。
予報を見事裏切る素晴らしい快晴! 高原の澄んだ涼やかな風が心地よいスタートとなった。
本戦日は、メーカー出展ブースに物販を行う2つのテントが追加され、会場をさらに賑やかなものにしてくれた。
本戦日は、メーカー出展ブースに物販を行う2つのテントが追加され、会場をさらに賑やかなものにしてくれた。
物販出店の1つ、重力技研のブース。JCF管轄のレースイベントにも精力的に参加している群馬県のプロショップ。
物販出店の1つ、重力技研のブース。JCF管轄のレースイベントにも精力的に参加している群馬県のプロショップ。

Getしたのは、重力技研オリジナルブランド『GL-COMPONENTS』からのフロントフェンダー Ver2。結構肉厚な1.2ミリの樹脂板で、色は黒と白を用意。取付け用のタイラップが付属するので、筆者のように現地で購入してもすぐに取り付けられます。今回は、イメージ的に黒を選択。早速、出走車両のMERIDA BIKES ONE-TWENTY 7.500(2016)に勝手に付けちゃいました。借り物なのですが……。

他にも、重力技研では『サスペンションシールルブリカント』という製品のお試しDEMOも実施していて、ONE-TWENTY 7.500(2016)に処理してもらいました。これは、
シールの潤滑が落ち、動きの悪いフォークのダストリップ周辺インナーチューブへ、少量塗布するだけで、シールを傷めず非常にスムースになります。少量で効果がある為、低コストパフォーマンスで、小さい容器の為工具箱へ常に入れておいても邪魔になりません、シール寿命も延びます。
という売り文句の商品です。「まあ試してみて下さいよ」、という具合に各レースイベントで実施しているトライアルキャンペーンで、これのお試しも今回のダウンヒルシリーズの楽しみの一つでした。

GL-COMPONENTSのフロントフェンダー Ver2。定価は送料・税込み1,380円だが、現地では1,300円で販売していた。
GL-COMPONENTSのフロントフェンダー Ver2。定価は送料・税込み1,380円だが、現地では1,300円で販売していた。
ONE-TWENTY 7.500(2016)に装着の図。タイラップ4本で固定する簡易的なものだが、今のダウンヒルシーンは海外も含めこのスタイルが主流。
ONE-TWENTY 7.500(2016)に装着の図。タイラップ4本で固定する簡易的なものだが、今のダウンヒルシーンは海外も含めこのスタイルが主流。
フェンダーは後ろ方向が長く取られており、泥や小石の巻き上げを防ぐ。特にデメリットはないので、サスペンションを装備しているマウンテンバイクは付けっぱなしで良い。
フェンダーは後ろ方向が長く取られており、泥や小石の巻き上げを防ぐ。特にデメリットはないので、サスペンションを装備しているマウンテンバイクは付けっぱなしで良い。

それで、動きはどうなったでしょうか? SRサンツアーのAionは、初期の沈み込みでやや引っ掛かる傾向があったのですが、この初期の渋さが見事に解消されました。プリロードを強く掛けた時のように、フォークがすっと入って行ってくれます。これは良いですね。お薦めです。

満足したところで、お次はもう一つの物販出店となったA&Fを襲撃しました。こちらでは、トロイリーデザインズの旧品を一緒くた、「どれでも一律◯◯円」で販売していて、筆者、バーゲンセールのおばさんの如く、商品の山をひっくり返して欲しいものだらけの荒波に揉まれました。快感〜。ただ、プライベートなお話で恐縮ですが、近々拙宅は家族が増える予定があったので、購入は一旦控えました。同行してくれた家の人が、とにかく冷たい視線を送ってくるものでして……。

重力技研GL-COMPONENTSの、サスペンションシールルブリカントをトライアルキャンペーン。萩原店長自らが施工してくれた。
重力技研GL-COMPONENTSの、サスペンションシールルブリカントをトライアルキャンペーン。萩原店長自らが施工してくれた。
フロントサスペンションのインナーチューブ下端に、粘土の高いグリスのようなオイルを塗布してストロークを何回かさせれば、処理は完了。もちろんひとりで施工可能。
フロントサスペンションのインナーチューブ下端に、粘土の高いグリスのようなオイルを塗布してストロークを何回かさせれば、処理は完了。もちろんひとりで施工可能。
1日人だかりが絶えなかったA&Fの物販コーナー。トロイリーデザインズの商品がびっくりする価格で販売され、お得感が満載だった。
1日人だかりが絶えなかったA&Fの物販コーナー。トロイリーデザインズの商品がびっくりする価格で販売され、お得感が満載だった。

ところで、本戦日なのに何でこんなにのんびりしているのでしょうか? それは、決勝ランが午後一スタートだったからです。当日組は午前中に入念な試走が必要ですが、筆者は前日に走っていますし、体力の残量を考え午前中のライドを控えました。天候の回復と共にコンディションも時間が経つ程良い方向に行く筈なので、決勝1本のランに集中する事にしました。

2-01

2-11

 

いよいよ始まった決勝ラン
注目のPROクラスを制したのは?!

さて、そろそろ本戦です。このダウンヒルシリーズは、最高峰のクラスとして『PROクラス』というのが設けられていますが、その下の『エリートクラス』でTOPタイムを叩き出したライダーは、記念として、このPROクラスに当日出走する権利が与えられます。PROクラスは上位3名に賞金が用意されてもいるので、ひょっとするとエリートクラスでTOPになったライダーは、その賞金もかっさらえるチャンスが訪れる事になります。そのシステム上、本戦はまずこのエリートクラスからのスタート。その後、筆者も参加したファーストタイマークラスがスタートします。富士見パノラマのAコースフル区間4.2kmを、果たして無事に降りてこられるのか?! まあ、ドベの結果を知りたい人はそういないと思うのでそこは割愛します。

ただ、ここでひとつだけ苦言を。ファーストタイマークラスは、開催要項により次のように規定されています。

・マウンテンバイクレースへの参加が初めての人
・レース初心者
・色々と心配な人

ところが、蓋を開けてみると7分台で降りてくるライダーが少なくありません。このタイムは、総合リザルトを見ると分かりますが(リンク)、エリートクラス、スポーツクラスに余裕で該当します。ファーストタイマークラスそういったライダーが混ざった事から、スタート時とゴールラインでの着順がめちゃくちゃになり、集計に大混乱が起きました。「何人抜かれて、何人抜いた」とかいう話がポンポン出たのです。情けないですが、筆者も都合5人のライダーに抜かれました。

「鯛(たい)の尾より鰯(いわし)の頭」ということわざがありますが、7分台のライダーの姿勢には「う〜ん」ですね。抜かれる側はびくびくしますし、抜く方だってイライラします。仕組みとして前日のタイムドセッションで、ある程度のタイムを出したライダーは、自動的に本戦は昇格する、というシステムにして欲しいです。モトクロスの草レースでは、午前中に実施する予選で(練習走行兼ねる)、申告クラスを超えるタイムであったり主催者が「上」と判断したライダーは、午後の本戦はクラスが上がります。結果的にレース進行の妨げになったり大事故に繋がる事もあるので、この点はダウンヒルシリーズ、見直しが必要と感じました。

ダウンヒルシリーズ 第6戦 富士見パノラマ の本戦がいよいよスタート。ダウンヒルBIKEとライダーはプロ・アマ問わず、やはりカッコイイ。
ダウンヒルシリーズ 第6戦 富士見パノラマ の本戦がいよいよスタート。ダウンヒルBIKEとライダーはプロ・アマ問わず、やはりカッコイイ。
筆者もおっかなびっくり、なんとか本戦を走りきった。十数年ぶりのAコース、結局最後までコースを覚えられずテンポの悪い結果に。ONE-TWENTY 7.500(2016)には大いに助けられた。
筆者もおっかなびっくり、なんとか本戦を走りきった。十数年ぶりのAコース、結局最後までコースを覚えられずテンポの悪い結果に。ONE-TWENTY 7.500(2016)には大いに助けられた。

さてさて、少し水をさしてしまいましたが、十数年ぶりのAコースフル区間レースのPROクラスを制したのは誰か? そこは見事、前日の夜にコース解説をしてくれた井手川 直樹選手が優勝! 年齢的にはそれなりのライダーなので、もちろん彼はフル区間のレース経験もあり、自身も話してくれたように「オールドスクールらしさを出せた」、というレース結果になりました。タイムは6:18.468。これが今後のAコースフル区間の基準タイムになるでしょう。JCFで言うエリートライダーが全員顔を揃えたレースではなかったですが、それでもかなりの人数のTOPライダーが走った今大会での優勝は、その『長距離レースである難しさ』も含め、かなり意義のあるものだったと思います。とにかく一瞬たりとも気の抜けない、厳しいコースですから。

井手川 直樹選手、オールドスクールの意地を見せ、Aコースフル区間レース、PROクラスで見事に優勝。底力を見せ付けたと言っていい。
井手川 直樹選手、オールドスクールの意地を見せ、Aコースフル区間レース、PROクラスで見事に優勝。底力を見せ付けたと言っていい。
名物MCワダポリス氏との優勝インタビューセッション。実は、ワダポリス氏がMCを務めた大会で勝った事がなかったという井手川選手。そこも「嬉しい」と話してくれた。
名物MCワダポリス氏との優勝インタビューセッション。実は、ワダポリス氏がMCを務めた大会で勝った事がなかったという井手川選手。そこも「嬉しい」と話してくれた。

 

そのエントリーフィー
PROライダーの支えに使われます

こうして終了した、ダウンヒルシリーズの富士見パノラマラウンド。結局、ファーストタイマークラスは大混乱が収まらず最後までタイム掲示がされませんでしたが、なんとか30分遅れで表彰式もスタート。ダウンヒルシリーズは訳の分からない取り決めが事が一切ないので、表彰台に登壇したライダーは各スポンサーのアイテムを身に着け、また優勝したライダーは堂々と自身のBIKEを魅せつけてくれました。他ジャンルの本格レースでは当たり前の光景が、ここにはしっかりとありました。これがあるべき姿です。

また、ダウンヒルシリーズには立派な賞金が用意され(PROクラスのみ)、優勝者には10万円、2位のライダーには3万円、3位ライダーには1万円が授与されます。これはレースを主催するSLmediaの想いで、「勝ったライダーには栄誉だけでなく対価も与えよう。使途自由、使って!」という考えからです。「プロ」とは、本来そのカテゴリーのみで生計を立てる人の事を指しますが、日本のダウンヒルレーサーでそれを実践できている人はほとんどいません。ひょっとしたら0(ゼロ)かもしれません。「それではプロとは言えない」という考え、『ダウンヒル』という競技への熱い想い、そういったものがこのダウンヒルシリーズの根幹にはあり、「このシーンをより良くしていきたい」という強い意志をしっかりと確認出来たレース参戦でした。

井手川選手が表彰式インタビューで、「年一回、フルコースのレースあってもいいね」と話していて、これは筆者も同感でした。このハードなレースを制してこそ『ダウンヒル』という感想ですし、走りきった後の達成感も格別です。富士見パノラマでの開催は、主催者のSLmediaにとって、実はかなりのハードルを超えた先にあった大会だったのですが、是非来年も開催してほしいものです。実際は、SLmediaの中川氏、「今年の1回で勘弁してよ」が本音のようですが、当日集まったライダーたちは絶対に許さないと思います。2015年大会に出られなかったライダーは、何としても来年は参加して下さい。Aコースフル区間のレースは、堪らなく最高ですよ!

エリート女子表彰台。優勝、末政 実緒選手。2位、中川 弘佳選手。着替えた綺麗なウェア、サポートされている装備品、優勝BIKEのアピール。これが正しい表彰式。
エリート女子表彰台。優勝、末政 実緒選手。2位、中川 弘佳選手。着替えた綺麗なウェア、サポートされている装備品、優勝BIKEのアピール。これが正しい表彰式。
下克上システムとも呼ばれるPROクラスに挑戦出来るエリート男子TOPは、貫禄の黒沢 大介選手。エリート走行は手堅くまとめたが、PRO走行は挑み過ぎてクラッシュを喫する。
下克上システムとも呼ばれるPROクラスに挑戦出来るエリート男子TOPは、貫禄の黒沢 大介選手。エリート走行は手堅くまとめたが、PRO走行は挑み過ぎてクラッシュを喫する。
本格タイム計測を行ってのAコースフル区間は未経験のライダーもいたかもしれない、PRO表彰台の顔ぶれ。そこはやはり経験のなせる技か? 井手川 直樹選手が優勝。置かれた優勝BIKEが眩しい事この上ない。
本格タイム計測を行ってのAコースフル区間は未経験のライダーもいたかもしれない、PRO表彰台の顔ぶれ。そこはやはり経験のなせる技か? 井手川 直樹選手が優勝。置かれた優勝BIKEが眩しい事この上ない。
SLmedia代表の中川氏からTOPライダーたちへの大入賞金授与。勝って、サポート会社に恩返しして、報奨金も貰える。草レースの域を超えたか?!
SLmedia代表の中川氏からTOPライダーたちへの大入賞金授与。勝って、サポート会社に恩返しして、報奨金も貰える。草レースの域を超えたか?!

さて、本戦レポートはここまでです。明日は蛇足的な事を少々。

 

2015 DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM #6 富士見パノラマ レポート1。

今年はいよいよ東日本にも進出して来てくれた、ダウンヒルシリーズ。会場となったのは、関東のマウンテンバイクライダーなら誰もがその名を上げる富士見パノラマリゾート(長野)。その大会に、宣言通りダート&モト編集部が参戦して来ました。

2015 DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM #6 富士見パノラマ レポート1。

掲載日:2015年09月28日  取材・写真・文/やかん

取材協力/ミヤタサイクル(MERIDA BIKES)

 

今年はいよいよ東日本にも進出して来てくれた、ダウンヒルシリーズ。会場となったのは、関東のマウンテンバイクライダーなら誰もがその名を上げる富士見パノラマリゾート(長野)。その大会に、宣言通りダート&モト編集部が参戦して来ました。

 

コース設定は驚きの
Aコースフル区間4.2km

今回のダウンヒルシリーズの最大の注目は、戦いの地となった富士見パノラマリゾートのコース設定です。この富士見パノラマはダウンヒルコースをいくつか持っていて、その中で最も難易度が高いと言われているAコースが舞台となりました。と、ここまではJCF管轄のレースでも何時も使用されているので代わり映えしないのですが、そこはやはり主催者側も分かっていたようです。なんと10年以上ぶりとなる、Aコースフル区間4.2kmを使用する設定となったのです。

JCFなどのレースでは規則の変更なども関係し、10年以上前からAコース途中からのレースとなっていました。スタート位置は何回か変わったと思いますが、とりあえずライダーたちはAコース途中までを自分のペースで降りてきて、途中に設置されたスタート位置からタイムアタックでした。筆者がダウンヒルを始めた頃やレースが富士見パノラマで開催され始めた頃は、Aコースフル区間使用は当たり前でしたが、とにかくこの4.2kmのレースは体力的に辛い。一時も気が抜けず、強いフィジカルが要求されるレースフォーマットでもありました。

筆者がダウンヒルシリーズにエントリーしてみようと思ったのは、そもそもはこのシリーズ戦の趣旨などに興味を持ち、一度は参加してみたかったからなのですが、まさかその一発目のレースがAコースフル区間になるとは。そもそも、Aコース自体を走るのも何十年ぶりなので、かなり不安でしたが腹をくくるしかありません。富士見パノラマ以外では、ダウンヒルシリーズの開催地は西日本に寄っていて、距離的に遠征が厳しいのです。諦めです。

ちなみに、今回の参戦にあたっては事前の告知通り、株式会社ミヤタサイクルの協力を得て、MERIDA BIKESのONE-TWENTY 7.500(2016)を用意しました。純然たるダンヒルバイクでないし、下り方向に振ったモデルでもないので、色々と不安はありましたが、プライスなどを考慮しての選定となりました。バランスの良いBIKEでどこまで走れるか?!

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受付で配られた物一覧。ゼッケンとシリーズ戦のチラシ、KONAとurgeのカタログ。記念品などはナシ。
受付で配られた物一覧。ゼッケンとシリーズ戦のチラシ、KONAとurgeのカタログ。記念品などはナシ。

会場入りは、試走とタイムドセッションが行われる、土曜日。本戦自体は日曜日単発になっていて、充分な試走や事前のタイム計測による出走順を気にしなければ、1日参加でもOKなレースとなっています。日曜日のみ参加の人も、それなりにいました。会場に着いて、簡単な設営などを済ませたら、早速の試走です。何十年も走っていないAコースをいきなり走れるのか、と不安も多かったですが仕方がありません。BIKEのセッティングについてだけ触れておきます。

 

死ぬかと思った
数十年ぶりのAコース

ONE-TWENTY 7.500(2016)は前後ともエア式のサスペンションを備えるモデルで、使用メーカーはどちらもSRサンツアーになります。エア圧に関してミヤタサイクルから詳細を聞けなかったので、こちらはSRサンツアーの国内代理店に問い合わせをしました。それによると、SRサンツアーの商品は、個々に決まった数値は持っておらず、各BIKEに付いた状態でのサグ測定でエア圧を決めて欲しい、という事でした。その数値は、全体のストローク量の20%をサグとして出すというので、ONE-TWENTY 7.500(2016)は前後とも120mmストロークなので、基準値は24mmです。測定はノギスを使って行いました。ダウンヒルレースなので少し動く方向でもよいのかな? とも思いましたが、エア式なのであまり加圧しない(柔らかくする)と底づき(スタックダウン)してサスペンションを傷めしまうので、それはしないで下さい、という話も代理店からはもらったので、20%のサグ値は正確にセッティングしました。

サグ値の測定にはノギスを使用した。
サグ値の測定にはノギスを使用した。
フロントはセッティングの参考になるOリングが装着されていたので、こちらを使用してサグ値を測った。
フロントはセッティングの参考になるOリングが装着されていたので、こちらを使用してサグ値を測った。
リアはOリングがなかったので、インナーチューブを綺麗に拭いてから、沈み込んだ時に出来るオイル線を参考に数値を出した。
リアはOリングがなかったので、インナーチューブを綺麗に拭いてから、沈み込んだ時に出来るオイル線を参考に数値を出した。

予備運動もロクにせずいきなり飛び込んだAコースは、早朝まで降った雨の為、かなりスリッピー。コースレイアウトもまったく忘れていたので、それに対応するので精一杯でライン取りもペース配分もあったものではありません。走り終わると、BIKEはかなりの泥だらけになっていました。筆者がエントリーしたファーストタイマークラスは、タイムドセッションは午後一で実施されたので、最後の気合でAフルコース1本を走り終えたら、後はゴールエリアに設けられた各ブランドのブースを、無料で提供されたRedBullを飲みながら見て回りました。

マディーでスリッピーな路面であったが、タイアトレッドが泥で埋まってしまうまではいかなかったのは幸い。ONE-TWENTY 7.500(2016)は、前後サスペンションの調整をしただけで、他はメーカー出荷状態。
マディーでスリッピーな路面であったが、タイアトレッドが泥で埋まってしまうまではいかなかったのは幸い。ONE-TWENTY 7.500(2016)は、前後サスペンションの調整をしただけで、他はメーカー出荷状態。
今大会の冠スポンサーにもなったコナブース。展示車両だけでなく、試乗車も多く用意し、本格ダウンヒルバイクはAコース試乗も出来た。
今大会の冠スポンサーにもなったコナブース。展示車両だけでなく、試乗車も多く用意し、本格ダウンヒルバイクはAコース試乗も出来た。
シリーズ戦のスポンサーであるスラムブース。代理店が扱うアトラスブレースやフォックスのガードなど、ダウンヒルで必須のプロテクター類を展示。試し付けもOK。
シリーズ戦のスポンサーであるスラムブース。代理店が扱うアトラスブレースやフォックスのガードなど、ダウンヒルで必須のプロテクター類を展示。試し付けもOK。
JCFレースでも積極的にブース展開する、ベルヘルメットとマキシスタイア。展示と説明だけでなく、ステッカーブレゼントも実施した。
JCFレースでも積極的にブース展開する、ベルヘルメットとマキシスタイア。展示と説明だけでなく、ステッカーブレゼントも実施した。
多くのライダーの足元をサポートするマビックホイールとシューズ展示。ホイールは恒例となった、自身のBIKEに付けての試走が可能なキャンペーンを本大会でも開催。
多くのライダーの足元をサポートするマビックホイールとシューズ展示。ホイールは恒例となった、自身のBIKEに付けての試走が可能なキャンペーンを本大会でも開催。
軽量で独特なベンチレーション機構が特徴のアージュヘルメットの展示・試着ブース。キッズ用からダウンヒル用まで、幅広い展開。
軽量で独特なベンチレーション機構が特徴のアージュヘルメットの展示・試着ブース。キッズ用からダウンヒル用まで、幅広い展開。
今年のトレックはダウンヒルにも積極的。最新BIKEを持ち込んでのアピールを展開した。もちろん跨るのOK。10月には本国ファクトリーライダーが来日する。
今年のトレックはダウンヒルにも積極的。最新BIKEを持ち込んでのアピールを展開した。もちろん跨るのOK。10月には本国ファクトリーライダーが来日する。
主催者によるアイディアでゴールエリアに展開された各メーカーブース。ライダーはゴール後は必ずここを通るルートになっていて、展示する側のコンタクトチャンスを最大限に発揮出来るようになっていた。
主催者によるアイディアでゴールエリアに展開された各メーカーブース。ライダーはゴール後は必ずここを通るルートになっていて、展示する側のコンタクトチャンスを最大限に発揮出来るようになっていた。

 

本大会で一番オトクだった
PROライダーによるコース解説

なお、いくつかの会場では実施していたようですが、タイムドセッションがすべて終了した後の夕方から、受付をした建物内でPROライダーによるコース解説が行われ、これがウルトラお得な時間でした。参加自由・無料で、ヘルメットカメラで撮影した動画を使いながら、ライン取りなどのレクチャーをしてくれるのですが、その場に集まった参加者は当然さきほどAコースフル区間を走り終えていて、その感覚を忘れないうちにレクチャーしてくれるこの催しは最強、素晴らし過ぎました。筆者レベルだと、PROライダーの走りやライン取りはもう別次元で頷く事しか出来なかったのですが、ある程度のレベルのライダーなら教わった内容を翌日の本戦で活かせるのです。コース解説だけでなく質疑応答も自由で、1時間を軽く超す、非常に盛り上がって熱い時間となりました。参加費8,000円と、決して安くはないレースですがこのコース解説を聞けた人は、まったく損した気分にはならなかったと思います。土日開催にしているメリットでもありますね。

メインの講師を努めたのは、井手川 直樹選手。自身が撮影した動画で細かなレクチャーをしてくれた。
メインの講師を努めたのは、井手川 直樹選手。自身が撮影した動画で細かなレクチャーをしてくれた。
講師陣は他にもたくさん。清水 一輝選手と九島 勇気選手は寝ている訳ではない。瞬きのタイミングで撮影しただけ。色々と話してくれた。
講師陣は他にもたくさん。清水 一輝選手と九島 勇気選手は寝ている訳ではない。瞬きのタイミングで撮影しただけ。色々と話してくれた。
井本 はじめ選手は、時折身を乗り出しての積極的なレクチャー。途中から、黒沢 大介選手も加わってのセッションとなった。
井本 はじめ選手は、時折身を乗り出しての積極的なレクチャー。途中から、黒沢 大介選手も加わってのセッションとなった。

さて、初日の様子はここまでです。続きはまた明日。

 

2015 MTB ファンミーティング レポート2。

今年も元気に開催されたMTBファンミーティング(富士見パノラマリゾート/長野)。今回は後編をお届けする。

2015 MTB ファンミーティング レポート2。

掲載日:2015年08月11日  取材・写真・文/やかん

 

今年も元気に開催されたMTBファンミーティング(富士見パノラマリゾート/長野)。今回は後編をお届けする。

軽量ながら安全性が確保されている、アトラスブレース。筆者も使用しているが、今まで専用のブレストガードがなく、フィッティングに苦労するケースもあった。そのようなユーザーに朗報なのが、待望の専用ガード。アトラスディフェンダーという商品名になり、サイズはアダルトフリーのみとなる。カラーは、デジタルホワイトとデジタルブラックの2色展開。装着は、ジャージの外内どちらにも対応する。

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水に浮いたサングラスを展示していたのは、ドラゴンを扱うストレートシックス。この軽量なサングラスは、H2Oフロータブルという仕様で、個別のモデルではなく、各シリーズに用意がある(全シリーズではない)。偏向レンズにもなっているので、ギラつく太陽の照り返しがキツイこの時期に最適だ。もう一つは、ツルの部分が交換出来る新作で、リシュー付きを選択すると不意の落下を防げる。まだUSのみの販売で、現在日本での販売価格を調整中との事。

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スコットジャパンでは同ブランド下り系最高峰のギャンブラー710を試乗車として用意。ワールドカップでも活躍するBIKEなので、多くのユーザーが食い付いていた。ホイール径は完成車だと27.5インチだが26インチにもフレームは対応する。MIPSを採用したヘルメットも展示していた。

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独特の構造を持つフローティング リンク サスペンション。FOX RC4を使用するのに最適化されている。
独特の構造を持つフローティング リンク サスペンション。FOX RC4を使用するのに最適化されている。

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アイウェアメーカーのスミスを古くから取り扱うエス・エム・ジェイでは、MTBラインのゴーグルとサングラスを展示。サングラスはそのほとんどがジャパンフィットになる。更に、発表時海外で話題になった独創的なヘルメットも用意。構造物のメイン部にハニカム状の樹脂(KOROYD® )を使い、耐衝撃性に加え空気抜きを良くしている。これは、スノーでの使用から出たアイディアという。ハニカムは一見軟そうに見えるが、その実方向性を的確に配置してやると驚く程の強さを発揮する。

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ほとんどの部分をハニカム構造物で構成する。スミスでは、エアロコア構造と命名している。
ほとんどの部分をハニカム構造物で構成する。スミスでは、エアロコア構造と命名している。
ハニカム構造物(KOROYD® )のサンプル。縦方向にはたいへんな強さを持つ。
ハニカム構造物(KOROYD® )のサンプル。縦方向にはたいへんな強さを持つ。
抜け具合が良く分かる。そこそこ高価なアイテムだが、頭部を守る役割を考えれば安い。
抜け具合が良く分かる。そこそこ高価なアイテムだが、頭部を守る役割を考えれば安い。

クワハラ バイク ワークスでは、アイビスのモジョ HD 3を展示。最新のdwリンクを搭載したMOJOシリーズの新モデルで、フレームはカーボン製。対応ホイール径は650b(27.5インチ)になる。他、ワールドカップでの使用率も高いファンの製品群、最近27.2mmに対応するロープライスのモデルも出たカインドショックのドロッパーポストなどを見せてくれた。

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MTBファンミーティングレポートは以上で終わりである。

<1回目レポートリンク>

 

SPECIALIZED TEST THE BEST『富士見パノラマリゾート』プレ。 ※インプレ追加

週末に、スペシャライズドの2016年モデル試乗会が富士見パノラマリゾート(長野)で開催されました。

SPECIALIZED TEST THE BEST『富士見パノラマリゾート』プレ。

週末に、スペシャライズドの2016年モデル試乗会が富士見パノラマリゾート(長野)で開催されました。
一般向けのイベントでしたが参加してきて、結構な数のBIKEに乗れました。
インプレッションなどは掲載にはもう少しお時間を下さい。

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楽しみにお待ち下さい。

 

※追記
インプレッション記事を作成しました。

SPECIALIZED S-Works Stumpjumper FSR 650b(2016) 102万円
SPECIALIZED S-Works Stumpjumper FSR 650b(2016) 102万円

■スペシャライズド/SPECIALIZED S-Works Stumpjumper FSR 650b(2016) 102万円 Sサイズ MTB試乗記

 

2015 MTB ファンミーティング(富士見パノラマリゾート)プレ。

今年も暑い最中、2015年8月1日・2日に行われました。気になったアイテムなどをこれからピックアップして行きたいと思います。

 今年も暑い最中、2015年8月1日・2日に行われました。
CIMG5769
 各社からのブース出展もあり、その中から気になったアイテムなどをこれからピックアップして行きたいと思います。

 今しばらくお待ちください。
CIMG5770

JCFのお粗末さとCJの誰得? 制度。ブースも存在意義を問われる質の悪さ。

富士見パノラマリゾート(長野)にて開催された全日本マウンテンバイク選手。あれからほぼ一週間が経ち、その間に頭を冷やした。しかし、どうしても書かずにはいられない酷い点が多く目立った大会であり、どのくらいの効果があるかはわからないが警鐘という意味で記しておく。

JCFのお粗末さとCJの誰得? 制度。
ブースも存在意義を問われる質の悪さ。

掲載日:2015年07月27日  取材・写真・文/やかん

 

長文になるが、ぜひ多くの方に読んでいただきたい。

富士見パノラマリゾート(長野)にて開催された全日本マウンテンバイク選手権。あれからほぼ一週間が経ち、その間に頭を冷やした。しかし、どうしても書かずにはいられない酷い点が多く目立った大会であり、どのくらいの効果があるかはわからないが警鐘という意味で記しておく。

長らくJシリーズという名で開催されていた国内唯一の自転車競技連盟(JCF)公式レースは、今シーズン、運営方式や大会規則・制度がガラリと変わりCoupe du Japon(以下、CJ)と名称も変わった。切り替わり当初から登録システムやジャージ規則などでおかしな点が多く、あわや揉め事? となる程のものであった。

筆者はそのCJがどのようなものであるか、関東圏から比較的近い富士見パノラマリゾートで行われたダウンヒルレースを見に行った(2015年5月30日)。元はJシリーズであり期待値もそれほど大きくなく、また久しぶりに足を運んだJCF管轄レースであったため、収穫は少しあった(善悪どちらも含め)。

そして、今回の全日本大会である。国際格式の大会で、海外のレースを走るのに必要なナショナルポイントを獲得出来る唯一のレースである事から、海外遠征組も帰国してのほぼフルメンバー(エリートクラス)開催となった。レース自体はあいにくの雨でパッとしないのは仕方がないとして、JCFの運営体制や規則の酷さ・あいまいさが明確に表面化したのが表彰式の時である。

まず、これは会場である富士見パノラマリゾートに非があるわけではないのを始めに断っておくが、国際格式レースであるのに用意された表彰台がとても酷い。写真を見ていただければ分かるが、非常にチープな物であり、また雨で滲みも散見された。年一の唯一の優勝者を決める、ナショナルポイントも付く、マウンテンバイクという小さなコミュニティーの中であっても大変重要なこの場で、なんと酷い有様であろうか。みっともない事この上ない。

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重ねて言うが、富士見パノラマリゾートが悪いのではない。この日のために、とてもしっかりとした物をJCFが用意すべきなのだ。表彰台など1度作ってしまえば向こう何年と使い続けられる。良い物を作って損はまったくないのだ。それなのに、栄えある選手が高らかに上るお立ち台が小学校の運動会以下。開いた口が塞がらなかった。

次に、これはCJが始まった当初から問題視されていたチームジャージ登録制度。選手は何時如何なる時もどのレースでも、始めに登録したジャージ現物しか着用が許されないという、とんでもなく阿呆らし規則。海外の自転車競技連盟であるUCIがそもそものお手本で同じ規則があるそうなのだが、ある1チームはこれに反発してチーム登録をせずワールドカップを転戦している。今年のUK大会でそのチームのライダーが優勝したのだが、チーム登録をしていないのでライブ配信でもオフィシャルリザルトでも、チーム欄はすべて空白であった。

Greg Minnaar - Portrait

明らかにおかしな規則なのだが、これが全日本でも悪さをした。この日は台風の余波を受け、コースのコンディションはヘヴィマディであった。当然、ゴールしたライダーはヘルメットからシューズのつま先まで泥で真っ黒。さて、表彰台に上れるリザルトを残したライダーはこの後どうするだろうか? ゴールから表彰式までの時間は僅かしかないが、なんとかその間に綺麗なウェアに着替えて皆に誇れる姿で台の上に立とうとするだろう。ライダーによってはジャージにスポンサーロゴがプリントされているので、これが泥で隠れてしまうのも大きな損失である。

ところがである。JCFの運営委員がこれに待ったをかけたのである。「登録したジャージのみが認められるので、泥だらけのその格好で表彰台には上ってくれ」と。???????。もう、ハッ? である。このドロドロのまま表彰式に出ろと。少ないが取材陣も待ち構え、多少なりともどこかに露出するであろうこの重要な局面で。更にここでおかしな事案が発生したのだが、この「待った」は事前通知が厳密にあったわけではなかったようで、着替えているライダー、ジャージ以外は綺麗になったライダー、シューズからジャージに至るまですべて綺麗な新品を着用したライダー。次から次へと台の上に立つ各クラスでの格好が、もうまちまちなのである。筆者が表彰台前で見ている限り、登壇を禁止されたりペナルティが課された、という事はない。もともと首を傾げたくなる規則なのに、輪を掛けてその管理があいまいなのである。ダメ出し連発である。

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この泥だらけのウェア着用は、またある問題を発生させた。今大会の栄冠であるチャンピオンウェアはクラスによりTシャツ、ジャージと分かれたが少なくともジャージはパールイズミからの提供品であり、大切に扱うべき物であった。表彰台にもパールイズミが提供である、とか書かれたプレートが置かれた。それなのに、ライダーに袖を通させる事だけはやけに慣れていたJCFのお偉いさんは、容赦なく泥だらけのウェアの上からチャンピオンジャージ(もしくはTシャツ)を着させるのである。まったく、おいおいな事態。やはり、あっというまに純白のジャージは泥で黒く染まり始める。嗚呼、帰宅してからではいくら高性能な洗濯機と洗剤でも、あれは真っ白には戻らないだろう。ライダーには切ない思いしか残らないのである。

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首を傾げたくなる問題点はまだまだある。現場はやはりこの表彰式。Jシリーズなどではなんとなく慣例となっている優勝者のBIKEだけ表彰台の前に飾るあれ。一番高い真ん中の台に上ったライダーは、鼻高々であると共に、自身を勝利に導いてくれた優秀・有能なBIKEを誇らしげにアピールするのである。BIKEをもし輸入代理店などが提供(スポンサード)してくれているのであれば、絶好のアピールチャンスである。観客がいたとしたら(マウンテンバイク大会はいないのがほぼ当たり前)、「あのBIKEで優勝したんだ。うーん、検討するかー」となるだろう。だが、全日本大会ではこれもNGとなった。やはり事前通知はなかったようで、短い時間で一生懸命大量にこびり付いた泥を洗い流して表彰台へ持って来たメカニックが手前で制止を受け、鳩が豆鉄砲を食ったようになっていた。そうであろう。まったく不可解で理解不能な事態である。そこにBIKEを置く事になんの不都合があるのだろうか?

Gee Atherton, Aaron Gwin, Greg Minaar, Marcelo Gutierrez Villegas, Samuel Blenkinsop - Lifestyle

 

話が戻るが、ジャージの登録システムもそうだ。毎戦同じジャージを着なければいけない理由は何なのだ? 都合の悪い点があるのだろうか。表彰式前の着替えすら許されないとは。そしてその運用も現場ではあいまい。誰が得をするのか、という規則・制度に加え、チープな表彰台で挑んだJCFのお粗末さ。ライダーがよく、「業界を盛り上げたい、大会を活性化させたい、観客を増やしたい」と言うが、所属する母体がこれでは、いくら足掻いてみても無駄である。

残念だが質の悪さが目立った場所は他にもあった。各代理店やメーカーが軒を構えたテントブースも惨憺たるものだったのだ。商材がただ並べてあるだけのところ、担当者がひとりもいないところ、ただの雨避け代わりで身内で寄り集まってお喋りに興じ、ブースを訪れた人に無反応なところ。酷いレベルでは、テントを張っただけでテーブル1つ置いてあるだけの所もあった。かろうじてBIKEが並べてあっても、モデル名/プライスタグも何も付いていない。ただ並べてあるだけのそのさまは、まるで駅前の駐輪場のようであった。ハッキリ言って酷い。当然、出店や屋台といった賑やかしもなく、こちらも小学校の運動会以下レベルである。運動会ですら身内・関係者しか集まらないのに、それ以下の自転車イベントに誰が足を運ぶであろうか?

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JCFも最悪で酷かったが、そこに属する関係各社(者)もとんでもなく最低であった。相変わらずであるのも事実だが、これでは『集客』などは夢のまた夢である。多くの人がマウンテンバイクには大きな大会があり、それは野球や相撲のように見応えがあり楽しい時間が過ごせる、などとは何時まで経っても至らないのである。

最後にまた苦言をひとつ。今回も大会運営には元ダウンヒルエリートライダーが協力していたようである。姿を方方で見かけた。彼は選手時代の気持ちを忘れてしまったのだろうか? 自分が出場する側であったら到底理解できない理不尽な事だらけである。ライダー側に立ち、大会を少しでもよいものに変えていく使命を帯びている筈なのに、そういう点はひとつも見つけられなかった。選手時代はそれなりに名声を得ていたが、今や完全に氏も没落。残念至極である。

 

なお、これに対抗するわけではないと思うのだが、運営母体が異なるダウンヒルシリーズという大会が年間で何回か開催されている。昨年までは西日本がメインであったためまだ足を運んだ事がないのだが、今年はここ富士見パノラマリゾートにもやってくる予定がある。久しぶりになるが筆者もライダーとしてエントリーし、JCF大会とはどのように違うか、果たして楽しい場なのかどうか、観察してみたいと思う。

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ただし、未だヘルメットだけが揃っていないのである。嗚呼。

 

 

2015 全日本マウンテンバイク選手権ピットレポート2。

現地からの様子をお届けする、ピットレポート。2015年7月18日(土)19日(日)、富士見パノラマリゾート(長野)にて開催された全日本マウンテンバイク選手権、初日の様子をお届けする、第二弾。

2015 全日本マウンテンバイク選手権ピットレポート2。

掲載日:2015年07月23日  取材・写真・文/やかん

 

現地からの様子をお届けする、ピットレポート。2015年7月18日(土)19日(日)、富士見パノラマリゾート(長野)にて開催された全日本マウンテンバイク選手権、初日の様子をお届けする、第二弾。

今シーズン、SRサンツアーと組んでレースを転戦するブリヂストン・アンカーテントでは、オールブラックでところどころに迷彩グラデーションのような色変化が見られる、ステルス仕様のクロスカントリーBIKEが展示。大会ゼッケンを付けていなかったので練習用かテスト車と思われる。乗車ライダーは、小林 輝紀。アンカーではトップチューブに選手ネームのステッカーを貼ってBIKEを管理しているようで、他のBIKEでも見られた。沢田 時は650Bのフレームを使う。

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再び重力技研へ。SNSで予告していた新作のサスペンションルブリカントを展示・販売。この日は、BIKEを持ってくれば体験塗布サービスも行っていた。青いプラスチック形状のヘラのような物は、ダストーシール内などの汚れを掻き出す道具。ルブリカントと同時使用する事で、サスペンションの動きを向上させられる。

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これは前から不思議なのだが、清水 一輝とSHIMANOはべったり。彼は海外をメインに活動しているためか毎回自身のブースは構えず、BIKE整備などもシマノテントで行われる。BIKEは日本ではまだ珍しいPATROL。フロント周りに見られる独自の泥対策に注目したい。フロントフェンダーは、2つの別々のブランドの物を組み合わせて取り付けていた。

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SRAM/LITECテントでは、ゼッケン1が輝く安達 靖の乗るSARACENを展示。母体であるダートフリークの関係でロックショックス、スラムで組み上げている。泥対策はフォークアーチとクラウンの間に、広げたゴムチューブを取り付ける手法を採る。

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ジャイアントテントは、注目のグローリー2016年モデルが選手の分だけ2台。というのが、ナント日本国内には16年モデルはまだこの場にある2台のみ、というからだ。壊したら大ごとで、本国からフレームだけ届いたので、15年のBIKEからパーツを移植した。GIANTはカーボンが得意なイメージがあるが、グローリーに関しては市販までとても時間がかかったとの事。また、カーボンなのは前三角だけで、リア側はすべてアルミ製となる。これはジャイアントの考え方のようで、以前にフルサスペンションのカーボンクロスカントリーBIKEをリリースしたが2シーズン程で中止。その後は、やはりリアだけアルミになったという。各メーカーの考え方が表れる点で、興味深い。

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今のBIKEは構造上、リアタイアとフレームの間に泥が詰まりやすい物が多く、ジャイアントメカニックはタイラップを組み合わせたオリジナルの排土パーツを考案。素晴らしいアイディア。また、この日はマッド用タイアでも泥詰まりが酷くグリップしないという事で、急遽ブロックカット処理を行っていた。カットし過ぎるとポテンシャルが下がるので、勘所が重要だ。

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BIKEがただ並べてあっただけのファンファンシーテント。村井 直のBIKEはピボットで、サスペンションは前後ともフォックス レーシングショックスを使用。リアユニットはエアサスであった。高松 健二のBIKEをよく観察したかった。

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ピットレポートは以上で終わりである。

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