2015 DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM #6 富士見パノラマ レポート1。

今年はいよいよ東日本にも進出して来てくれた、ダウンヒルシリーズ。会場となったのは、関東のマウンテンバイクライダーなら誰もがその名を上げる富士見パノラマリゾート(長野)。その大会に、宣言通りダート&モト編集部が参戦して来ました。

2015 DOWNHILL SERIES POWERD BY SRAM #6 富士見パノラマ レポート1。

掲載日:2015年09月28日  取材・写真・文/やかん

取材協力/ミヤタサイクル(MERIDA BIKES)

 

今年はいよいよ東日本にも進出して来てくれた、ダウンヒルシリーズ。会場となったのは、関東のマウンテンバイクライダーなら誰もがその名を上げる富士見パノラマリゾート(長野)。その大会に、宣言通りダート&モト編集部が参戦して来ました。

 

コース設定は驚きの
Aコースフル区間4.2km

今回のダウンヒルシリーズの最大の注目は、戦いの地となった富士見パノラマリゾートのコース設定です。この富士見パノラマはダウンヒルコースをいくつか持っていて、その中で最も難易度が高いと言われているAコースが舞台となりました。と、ここまではJCF管轄のレースでも何時も使用されているので代わり映えしないのですが、そこはやはり主催者側も分かっていたようです。なんと10年以上ぶりとなる、Aコースフル区間4.2kmを使用する設定となったのです。

JCFなどのレースでは規則の変更なども関係し、10年以上前からAコース途中からのレースとなっていました。スタート位置は何回か変わったと思いますが、とりあえずライダーたちはAコース途中までを自分のペースで降りてきて、途中に設置されたスタート位置からタイムアタックでした。筆者がダウンヒルを始めた頃やレースが富士見パノラマで開催され始めた頃は、Aコースフル区間使用は当たり前でしたが、とにかくこの4.2kmのレースは体力的に辛い。一時も気が抜けず、強いフィジカルが要求されるレースフォーマットでもありました。

筆者がダウンヒルシリーズにエントリーしてみようと思ったのは、そもそもはこのシリーズ戦の趣旨などに興味を持ち、一度は参加してみたかったからなのですが、まさかその一発目のレースがAコースフル区間になるとは。そもそも、Aコース自体を走るのも何十年ぶりなので、かなり不安でしたが腹をくくるしかありません。富士見パノラマ以外では、ダウンヒルシリーズの開催地は西日本に寄っていて、距離的に遠征が厳しいのです。諦めです。

ちなみに、今回の参戦にあたっては事前の告知通り、株式会社ミヤタサイクルの協力を得て、MERIDA BIKESのONE-TWENTY 7.500(2016)を用意しました。純然たるダンヒルバイクでないし、下り方向に振ったモデルでもないので、色々と不安はありましたが、プライスなどを考慮しての選定となりました。バランスの良いBIKEでどこまで走れるか?!

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受付で配られた物一覧。ゼッケンとシリーズ戦のチラシ、KONAとurgeのカタログ。記念品などはナシ。
受付で配られた物一覧。ゼッケンとシリーズ戦のチラシ、KONAとurgeのカタログ。記念品などはナシ。

会場入りは、試走とタイムドセッションが行われる、土曜日。本戦自体は日曜日単発になっていて、充分な試走や事前のタイム計測による出走順を気にしなければ、1日参加でもOKなレースとなっています。日曜日のみ参加の人も、それなりにいました。会場に着いて、簡単な設営などを済ませたら、早速の試走です。何十年も走っていないAコースをいきなり走れるのか、と不安も多かったですが仕方がありません。BIKEのセッティングについてだけ触れておきます。

 

死ぬかと思った
数十年ぶりのAコース

ONE-TWENTY 7.500(2016)は前後ともエア式のサスペンションを備えるモデルで、使用メーカーはどちらもSRサンツアーになります。エア圧に関してミヤタサイクルから詳細を聞けなかったので、こちらはSRサンツアーの国内代理店に問い合わせをしました。それによると、SRサンツアーの商品は、個々に決まった数値は持っておらず、各BIKEに付いた状態でのサグ測定でエア圧を決めて欲しい、という事でした。その数値は、全体のストローク量の20%をサグとして出すというので、ONE-TWENTY 7.500(2016)は前後とも120mmストロークなので、基準値は24mmです。測定はノギスを使って行いました。ダウンヒルレースなので少し動く方向でもよいのかな? とも思いましたが、エア式なのであまり加圧しない(柔らかくする)と底づき(スタックダウン)してサスペンションを傷めしまうので、それはしないで下さい、という話も代理店からはもらったので、20%のサグ値は正確にセッティングしました。

サグ値の測定にはノギスを使用した。
サグ値の測定にはノギスを使用した。
フロントはセッティングの参考になるOリングが装着されていたので、こちらを使用してサグ値を測った。
フロントはセッティングの参考になるOリングが装着されていたので、こちらを使用してサグ値を測った。
リアはOリングがなかったので、インナーチューブを綺麗に拭いてから、沈み込んだ時に出来るオイル線を参考に数値を出した。
リアはOリングがなかったので、インナーチューブを綺麗に拭いてから、沈み込んだ時に出来るオイル線を参考に数値を出した。

予備運動もロクにせずいきなり飛び込んだAコースは、早朝まで降った雨の為、かなりスリッピー。コースレイアウトもまったく忘れていたので、それに対応するので精一杯でライン取りもペース配分もあったものではありません。走り終わると、BIKEはかなりの泥だらけになっていました。筆者がエントリーしたファーストタイマークラスは、タイムドセッションは午後一で実施されたので、最後の気合でAフルコース1本を走り終えたら、後はゴールエリアに設けられた各ブランドのブースを、無料で提供されたRedBullを飲みながら見て回りました。

マディーでスリッピーな路面であったが、タイアトレッドが泥で埋まってしまうまではいかなかったのは幸い。ONE-TWENTY 7.500(2016)は、前後サスペンションの調整をしただけで、他はメーカー出荷状態。
マディーでスリッピーな路面であったが、タイアトレッドが泥で埋まってしまうまではいかなかったのは幸い。ONE-TWENTY 7.500(2016)は、前後サスペンションの調整をしただけで、他はメーカー出荷状態。
今大会の冠スポンサーにもなったコナブース。展示車両だけでなく、試乗車も多く用意し、本格ダウンヒルバイクはAコース試乗も出来た。
今大会の冠スポンサーにもなったコナブース。展示車両だけでなく、試乗車も多く用意し、本格ダウンヒルバイクはAコース試乗も出来た。
シリーズ戦のスポンサーであるスラムブース。代理店が扱うアトラスブレースやフォックスのガードなど、ダウンヒルで必須のプロテクター類を展示。試し付けもOK。
シリーズ戦のスポンサーであるスラムブース。代理店が扱うアトラスブレースやフォックスのガードなど、ダウンヒルで必須のプロテクター類を展示。試し付けもOK。
JCFレースでも積極的にブース展開する、ベルヘルメットとマキシスタイア。展示と説明だけでなく、ステッカーブレゼントも実施した。
JCFレースでも積極的にブース展開する、ベルヘルメットとマキシスタイア。展示と説明だけでなく、ステッカーブレゼントも実施した。
多くのライダーの足元をサポートするマビックホイールとシューズ展示。ホイールは恒例となった、自身のBIKEに付けての試走が可能なキャンペーンを本大会でも開催。
多くのライダーの足元をサポートするマビックホイールとシューズ展示。ホイールは恒例となった、自身のBIKEに付けての試走が可能なキャンペーンを本大会でも開催。
軽量で独特なベンチレーション機構が特徴のアージュヘルメットの展示・試着ブース。キッズ用からダウンヒル用まで、幅広い展開。
軽量で独特なベンチレーション機構が特徴のアージュヘルメットの展示・試着ブース。キッズ用からダウンヒル用まで、幅広い展開。
今年のトレックはダウンヒルにも積極的。最新BIKEを持ち込んでのアピールを展開した。もちろん跨るのOK。10月には本国ファクトリーライダーが来日する。
今年のトレックはダウンヒルにも積極的。最新BIKEを持ち込んでのアピールを展開した。もちろん跨るのOK。10月には本国ファクトリーライダーが来日する。
主催者によるアイディアでゴールエリアに展開された各メーカーブース。ライダーはゴール後は必ずここを通るルートになっていて、展示する側のコンタクトチャンスを最大限に発揮出来るようになっていた。
主催者によるアイディアでゴールエリアに展開された各メーカーブース。ライダーはゴール後は必ずここを通るルートになっていて、展示する側のコンタクトチャンスを最大限に発揮出来るようになっていた。

 

本大会で一番オトクだった
PROライダーによるコース解説

なお、いくつかの会場では実施していたようですが、タイムドセッションがすべて終了した後の夕方から、受付をした建物内でPROライダーによるコース解説が行われ、これがウルトラお得な時間でした。参加自由・無料で、ヘルメットカメラで撮影した動画を使いながら、ライン取りなどのレクチャーをしてくれるのですが、その場に集まった参加者は当然さきほどAコースフル区間を走り終えていて、その感覚を忘れないうちにレクチャーしてくれるこの催しは最強、素晴らし過ぎました。筆者レベルだと、PROライダーの走りやライン取りはもう別次元で頷く事しか出来なかったのですが、ある程度のレベルのライダーなら教わった内容を翌日の本戦で活かせるのです。コース解説だけでなく質疑応答も自由で、1時間を軽く超す、非常に盛り上がって熱い時間となりました。参加費8,000円と、決して安くはないレースですがこのコース解説を聞けた人は、まったく損した気分にはならなかったと思います。土日開催にしているメリットでもありますね。

メインの講師を努めたのは、井手川 直樹選手。自身が撮影した動画で細かなレクチャーをしてくれた。
メインの講師を努めたのは、井手川 直樹選手。自身が撮影した動画で細かなレクチャーをしてくれた。
講師陣は他にもたくさん。清水 一輝選手と九島 勇気選手は寝ている訳ではない。瞬きのタイミングで撮影しただけ。色々と話してくれた。
講師陣は他にもたくさん。清水 一輝選手と九島 勇気選手は寝ている訳ではない。瞬きのタイミングで撮影しただけ。色々と話してくれた。
井本 はじめ選手は、時折身を乗り出しての積極的なレクチャー。途中から、黒沢 大介選手も加わってのセッションとなった。
井本 はじめ選手は、時折身を乗り出しての積極的なレクチャー。途中から、黒沢 大介選手も加わってのセッションとなった。

さて、初日の様子はここまでです。続きはまた明日。