過去のネガティブな印象をすべて拭い去った超お買い得モデル
BIG.SEVEN(ビッグセブン)は、2015年時点のMTBトレンドのひとつ、ホイールサイズが27.5インチになるハードテイルモデル群です。これまでMTBのホイールサイズは26インチが当たり前に使われていましたが、ある時から大型化の29インチが登場し、そのうち、両者の間を取った27.5インチが広まって来ました。
その効果については割愛しますが、筆者は2014年に初めてこの27.5インチのMTBに乗りました。29インチのような格段のメリットを感じる事はなく、しかし、26インチに対してマイナスの印象を抱く点もなく、ごく普通にライド出来ました。その時点では、「やがてMTBのスタンダードは27.5インチに移るだろう」という印象でした。市場の受け止め方も似たもので、今では26インチは少数派。また、厳密な話をしなければ互換性がないわけでもなく、流れは完全に27.5インチになりました。
ただ、メリダに限った話をすれば、カーボンフレームの27.5インチハードテールは頗る良好なのですがアルミフレームはそこまでではない。むしろ、29インチのモデルに楽しさを感じるところがありました。27.5インチは、26インチ比であまりハンドリングなどに変化がなく、フレーム勝負な面がないとは言い切れず、カーボン技術が優れているメリダとあっては、そちらに軍配を上げるシーンが多かったのです。
そのような状況の中、2016年もアルミフレームの27.5インチハードテールMTBは日本のカタログ上には載りました。まだ日本市場には活路がある、と見たのでしょう。試乗したのは、下から2番目のグレードになる『100』。カタログでの売り文句は「油圧ディスクブレーキとロックアウト機構搭載サスペンションを採用した27.5”トレイルバイク」。歴代、100のモデルからブレーキが油圧になるので、筆者としても毎回注目しているランクです。価格は税抜きで8万2,900円なので、定価で買ったとしても10万円用意すればお釣りでヘルメットは買えます。この価格が高いか安いか?
今時としてはギアが、フロント3速、リヤ9速と古さは否めませんがこれはコンポーネントの価格を抑える為で、その分アルミフレームにはお金が掛かっている筈です。タイアもしっかりとMAXXIS(マキシス)製が奢られています。サスペンションはSRサンツアーのメリダメイドモデルが付き、ストロークは100mm。プリロードの調整のみ可能で、個人的にロックアウトは不要と思います。
試乗のコースは昨年と同じ場所で、違う点といえば砂埃が舞うほどのドライコンディションであった事ぐらい。BIG.SEVEN 100は、初めのキツイ上り坂で既に昨年とは異なる顔を覗かせました。硬さが気になったリア周りに不快な突き上げ感を感じなくなり、また路面にとても良くリアタイアが食い付いてくれます。その後の比較的フラットなダートから続く荒れた下り路面でも、TFS 3次元成型ダブルバテッドアルミフレームの着実な進化を感じます。独特の鋭い跳ねがなくなり、軽快なハンドリングはそのままにバックがとてもしなやかに仕事をしてくれます。テーパードヘッドチューブを採用している事で、ハンドル周りの正確な動作も向上しているように感じます。
スポーツサイクルの入門者にとっては10万円に近い買い物はとても高価に感じますが、程度を知っている人にとっては安価な部類に入ります。そういう人たちは軽視しがちなグレードですが、2016年モデルの『100』はもの凄い進化を遂げています。価格的には街乗りに使われてしまいそうですが、とんでもないです。ダート路面を走りたいユーザーに積極的に乗って欲しい1台に仕上がっています。MERIDAの本気を見せられたのと同時に、大枚を叩くに値するフレームとパッケージに拍手喝采を送りたいと思います。
サスペンションは、SRサンツアーのSR 27 XCM HLO 100。ストローク量は100mm。ブラックは、OEMモデルのみのカラー。とても良い動きをしてくれる。
HLOというグレードもSRサンツアーのカタログには設定がなく、メリダのチューニングが入っている事が分かる。
サスペンションクラウン右レッグにはロックアウト機構。SRサンツアーでは、speed lock outと命名している。舗装路以外では、OPENで良いと思う。ダート路面では、上りでもサスペンションが動くことで横滑りなどを防げるからだ。
クラウン左レッグにはプリロードの調整。ばねはコイルになり、この他の調整機構は付かないが、とても良く動くサスペンションで不満はない。剛性不足も感じなかった。
MERIDAの2016年モデルはその多くにテーパードヘッドチューブを採用している。。以前から言われている事だが、ハンドリングへの寄与は想像以上。硬すぎないのも良い。
タイアはMAXXIS(マキシス)のIKONを装着。トレッド幅は2.20で、とてもしなやかな良いタイアだ。クッション性、グリップ力、ともに優秀。
2年前のグラフィックは独特のデザインで好みだったが、’16年モデルは一転しておとなし目。TFSの表示もない。ケージマウントは2つ備わるので、本格レースでの使用も耐えられる。
ドライブトレインにコストダウンを図ることで、全体の価格を抑えている。クランクはSRサンツアー製。チェーリングにはガードが付く。ディレイラーはシマノ・アセラでダイナシス対応。
リヤのギアは9速になるが、レースの上級クラスで走らなければ気にならないだろう。ディレイラーはシマノ・アリビオになる。ハンガーはトレンドを取り入れている。変速性能に気になる点はなかった。
DOWN TUBE EXITという技術でワイヤー類は下部を通すスッキリとした処理法。ボトムブラケットのベアリングはカートリッジ式なので、酷い泥などを走った場合は、メンテナンスを行いたい。
油圧ブレーキはテクトロ製で、環境負荷の少ないミネラルオイルを使用する。シフターはシマノ・アルタスを組ませる。グリップが一般的なゴム製に変わっているのも’16年の特徴。
フロントブレーキはテクトロ・Auriga。ローター径はφ180mmで、コントロール性は秀逸。最近の油圧ディスクブレーキはハズレがなくなった。車軸固定は、9mmのクイックレリーズ。
リヤの油圧ブレーキもテクトロ・Auriga。フレーム性能や合理性でアドバンテージのある、チェーンステーブレーキマウントを採用。好ましい選択。ローター径はφ160mm。
2016年モデルはとにかく、このリアバックの性能が格段に向上した。本格クロスカントリーレースからトレイルライドまで、乗り手を異界に誘ってくれる。
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今年も元気に開催されたMTBファンミーティング(富士見パノラマリゾート/長野)。今回は後編をお届けする。
2015 MTB ファンミーティング レポート2。
掲載日:2015年08月11日 取材・写真・文/やかん
今年も元気に開催されたMTBファンミーティング(富士見パノラマリゾート/長野)。今回は後編をお届けする。
軽量ながら安全性が確保されている、アトラスブレース。筆者も使用しているが、今まで専用のブレストガードがなく、フィッティングに苦労するケースもあった。そのようなユーザーに朗報なのが、待望の専用ガード。アトラスディフェンダーという商品名になり、サイズはアダルトフリーのみとなる。カラーは、デジタルホワイトとデジタルブラックの2色展開。装着は、ジャージの外内どちらにも対応する。
水に浮いたサングラスを展示していたのは、ドラゴンを扱うストレートシックス。この軽量なサングラスは、H2Oフロータブルという仕様で、個別のモデルではなく、各シリーズに用意がある(全シリーズではない)。偏向レンズにもなっているので、ギラつく太陽の照り返しがキツイこの時期に最適だ。もう一つは、ツルの部分が交換出来る新作で、リシュー付きを選択すると不意の落下を防げる。まだUSのみの販売で、現在日本での販売価格を調整中との事。
スコットジャパンでは同ブランド下り系最高峰のギャンブラー710を試乗車として用意。ワールドカップでも活躍するBIKEなので、多くのユーザーが食い付いていた。ホイール径は完成車だと27.5インチだが26インチにもフレームは対応する。MIPSを採用したヘルメットも展示していた。
独特の構造を持つフローティング リンク サスペンション。FOX RC4を使用するのに最適化されている。
アイウェアメーカーのスミスを古くから取り扱うエス・エム・ジェイでは、MTBラインのゴーグルとサングラスを展示。サングラスはそのほとんどがジャパンフィットになる。更に、発表時海外で話題になった独創的なヘルメットも用意。構造物のメイン部にハニカム状の樹脂(KOROYD® )を使い、耐衝撃性に加え空気抜きを良くしている。これは、スノーでの使用から出たアイディアという。ハニカムは一見軟そうに見えるが、その実方向性を的確に配置してやると驚く程の強さを発揮する。
ほとんどの部分をハニカム構造物で構成する。スミスでは、エアロコア構造と命名している。
ハニカム構造物(KOROYD® )のサンプル。縦方向にはたいへんな強さを持つ。
抜け具合が良く分かる。そこそこ高価なアイテムだが、頭部を守る役割を考えれば安い。
クワハラ バイク ワークスでは、アイビスのモジョ HD 3を展示。最新のdwリンクを搭載したMOJOシリーズの新モデルで、フレームはカーボン製。対応ホイール径は650b(27.5インチ)になる。他、ワールドカップでの使用率も高いファンの製品群、最近27.2mmに対応するロープライスのモデルも出たカインドショックのドロッパーポストなどを見せてくれた。
MTBファンミーティングレポートは以上で終わりである。
<1回目レポートリンク>
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アメリカンモトクロスウェアを代表するブランドの1つ、シフト(SHIFT)から早くも2016年モデルが登場。今回はその中からオフロードバイク用ヘルメットを紹介。
SHIFTの2016 MX ギアが早くも発売開始。<ヘルメット>
アメリカンモトクロスウェアを代表するブランドの1つ、シフト(SHIFT)から早くも2016年モデルが登場。今回はその中からオフロードバイク用ヘルメットを紹介。SG規格適合品で公道走行可能になっていて、MFJ公認レースでの使用もOKとなっている。2015年9月末頃の発売を予定している。
レースグリーン
[ 製品情報 ]
メーカー/SHIFT
販売元/ダートフリーク
製品名/アザルトヘルメット
価格/28,000円(税抜)
サイズ/S、M、L、XL
カラー/レース グリーン、レース オレンジ、レース ブラック/ホワイト、レース イエローブルー
レース オレンジ
レース ブラック/ホワイト
レース イエロー/ブルー
[ お問い合わせ ]
ダートフリーク
TEL/0561-86-8305
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プロサーキット(PRO CIRCUIT)とOGIOのWネームからなる、モトクロスなどで使えるギアバッグが登場した。
プロサーキット仕様のOGIO製ギアバッグが登場。
プロサーキット(PRO CIRCUIT)とOGIOのWネームからなる、モトクロスなどで使えるギアバッグが登場した。1泊の週末レースから海外遠征まで幅広く使えるバリエーションを揃え、本場AMAの空気を纏ってレースに参加出来る。
[ 製品情報 ]
メーカー/PRO CIRCUIT
販売元/ウエストウッド
製品名/PROCIRCUIT MONSTER TRAVELER2 ギアバッグ
価格/43,000円(税抜)
製品名/PROCIRCUIT MONSTER RECONギアバッグ
価格/30,000円(税抜)
製品名/PROCIRCUIT MONSTER COMMANDER2 ローラーバッグ
価格/28,000円(税抜)
製品名/PROCIRCUIT MONSTER ヘルメットケース
価格/15,500円(税抜)
[ お問い合わせ ]
ウエストウッド
TEL/0297-64-8198
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