【マウンテンバイク】2020年でも買える折り紙付き26インチタイヤ(MTBタイヤカタログ その2)

新たに取材ができましたので、追加のマウンテンバイク用 26 インチタイヤを紹介します。(MTBタイヤカタログ&ガイド)

掲載日/2020年3月15日  取材・写真・文/やかん
取材協力/サイクルパーツ合同展示会、井上ゴム工業、パナレーサー、マルイ

 

 予想外に好評でした 1 回目の実力派 26 インチタイヤ特集。あれから新たに取材ができましたので、追加のマウンテンバイク用 26 インチタイヤを紹介したいと思います。

 今回は、ほとんどが日本ブランド & 国内生産なので、ある意味、国内の土質に合っているのではないでしょうか?

 

アイアールシー( IRC )

 あとに上げるパナレーサーと合わせて、古くから日本のスポーツサイクル用タイヤの、特にレースタイヤの能力向上を牽引してきた片翼。最大の違いは、IRC はモーターサイクルのタイヤも多く手掛けていること。特にオフロード分野には強く、その意味でもマウンテンバイク用タイヤに寄せる期待と信頼は大きい。開発陣での、自転車とモーターサイクルの情報共有はあるようだ。


◇ミトス XC(MYTHOS XC)

アイアールシー(IRC) ミトス XC(MYTHOS XC)サイズ比較

 まず、この時世に幅違いで 3 種類ラインナップしていることを称賛したい。古くからある、クロスカントリーレースに於ける定番タイヤで、サイズ展開はその名残とも言える。メーカー曰く、「XC レースで勝つ!」ことを至上タスクとして開発されたレース直系のモデル。
 センターからショルダーのブロックを 2 段形状にして、剛性と耐摩耗性をキープしたままに小型・軽量化。それでいて、グリップ性能と耐パンク性能を疎かにはしていない。
 昨今の高速系コースでは太めをチョイスしたくなるが、後輪のみ軽さを狙って細めを履く、というのもひとつ。ブロックパターンが各サイズごとの専用設計になっていて、それぞれのパフォーマンスを最大限に引き出せるよう配置を最適化しているとのことなので、レース用途では事前のテストをお勧めしたい。

サイズ/26 × 1.95
ETRTO/53 – 559
コンパウンド/表記はないが、従来から変更なし
重量/525g

アイアールシー(IRC) ミトス XC(MYTHOS XC)

サイズ/26 × 2.10
ETRTO/57 – 559
コンパウンド/表記はないが、従来から変更なし
重量/595g

アイアールシー(IRC) ミトス XC(MYTHOS XC)

サイズ/26 × 2.25
ETRTO/60 – 559
コンパウンド/表記はないが、従来から変更なし
重量/610g
価格/5,060円 / 共通(10%税込み)
すべて、折り畳み可能

 


◇ミブロ – X(MIBRO – X)

アイアールシー(IRC) ミブロ-X(MIBRO-X)

 オールラウンド特性のマウンテンバイク用タイヤである『ミブロ』をベースに、さらにエキストリームな使い方(IRC では“アソビ”と表現)に対応させた、アドバンスドグレード。従来品であるミブロのパターンを徹底的にチューンナップし、ハードパックな路面でも音を上げない剛性を得た。グリップ性能にも優れる。
 なお、2.40 サイズより 2.25 の方が重いのは、タイヤ内部の構造が違うため。2.25 サイズには、ビード部にゴムを入れてこの付近の強度を持たせたブレーカーが使われている。

サイズ/26 × 2.25
ETRTO/60 – 559
コンパウンド/表記はないが、従来から変更なし
重量/875g

サイズ/26 × 2.40
ETRTO/100 – 559
コンパウンド/表記はないが、従来から変更なし
重量/770g
価格/5,060円 / 共通(10%税込み)
どちらも、折り畳み可能

 


◇ブリロ(BRILLO)

アイアールシー(IRC) ブリロ(BRILLO)

 マウンテンバイクのルックスやイメージを損なわない、ということで同社ではアーバン向けにカテゴライズされる街乗り用ブロックタイヤ。だが、筆者は 10 年以上使い続けていてダートでの性能になんら問題のないことを確認している。
 ポイントは耐久性と価格だが、その分、重量はどうしても犠牲になっている。センターリッジのパターンになっていて、転がり抵抗を軽減。耐久性に優れたゴムでサイドをカバー & 強化してもいる。スチールビードなので、折り畳みはできない。

アイアールシー(IRC) ブリロ(BRILLO)

サイズ/26 × 1.75
ETRTO/47 – 559
コンパウンド/−
重量/790g
価格/オープン(実勢価格 3,000円 前後)

サイズ/26 × 2.00
ETRTO/54 – 559
コンパウンド/−
重量/900g
価格/オープン(実勢価格 3,000円 前後)

 

 なお、ミブロ for マラソン チューブレスレディ(MIBRO for MARATHON TUBELESS READY) サイズ/26 ×2.25(19635E)は、廃番とのこと。残念!

 

 

パナレーサー( Panaracer )

 先に紹介したアイアールシーと共に、国内レースシーン用タイヤの両翼を担う存在。26 インチタイヤの数は 1 モデルのみとなってしまったが、以前から決戦用チューブやコストパフォーマンスに優れたタイヤレバーなど、周辺アイテムの充実が目立つ。近年は、新タイプの空気入れを開発し(ワンタッチポンプ)、ラインナップを増やしてもいる。


◇マッハ SS(Mach SS)

パナレーサー(Panaracer) マッハ SS(Mach SS)

 高速系マウンテンバイク用タイヤの走りともなった、マッハシリーズ。『SS』は、その中でも最も低抵抗のセミスリックトレッドモデルとなる。見た目はグリップ力に劣るように感じるが、当時からよく考えられたパターンで問題はない。基本的にはハード & ドライコンディション用のタイヤなので、マディでの挙動は事前にテストしておくのが望ましい。
 全体的に耐久性にも優れているため、ロングライフという面でも魅力が強い。コンパウンドは、特に名称はないが耐摩耗に優れた物を採用。ケーシングは、太いナイロンコードを使用した『800D Strong Cord(800D 強化コード)』。ビード部に、厚みのあるチェーファを採用し(ASB Chafer / アンチスネークバイト チェーファ)、耐リム打ちパンクに優れる。
 ビード自体はスチールなので、折り畳みはできない。

サイズ/26 × 1.95
ETRTO/53 – 559
コンパウンド/−
重量/650g
価格/3,279円(10%税込み)

 

 

タイオガ(TIOGA)

 かつては、国産で良質なタイヤを多く出していた三ツ星に委託したレース用マウンテンバイクモデルをラインナップ。現在は、三ツ星のタイヤ事業廃業により、かなり後退。その中でも、今回紹介する 1 モデルだけは台湾で他社のレースタイヤと同じ製造ラインで作られる。


◇サイコ II(Psycho – II)

タイオガ(TIOGA) サイコ II(Psycho-II)

 過去に存在したタイオガの名作『サイコ』の、普及モデル。路面コンディションを選ばないオールラウンド仕様で、価格を含め入門用にも最適なタイヤ。折り畳み不可。

サイズ/26 × 1.95
ETRTO/52 – 559
コンパウンド/AP ラバー コンパウンド
重量/710g
価格/3,080円(10%税込み)

 

 


 今回紹介するマウンテンバイク用タイヤは、これで以上になります。ほとんど過去からの継続モデルなので“チューブレスレディ”には非対応ですが、新品ゴムで 26 インチタイヤが入手できるのは助かるところであります。

 ちなみに、ある問屋の話しでは 26 インチのマウンテンバイク用タイヤは、アメリカに於いては日本比で 5 倍くらいの需要があると言います。車体自体の買い替え意欲がないのか、物を大事に使う文化なのか、判断は難しいところですが「持続可能」という言葉ばかりが踊る昨今、ひとつ、見つめ直すべき点ではないでしょうか?

 

関連:1 回目の特集

【マウンテンバイク】2020年にまだ26インチのマウンテンバイクは闘えるのか?(MTBタイヤカタログ) ※情報追記

 

 

ダート&モト編集部
サトウハルミチ(やかん) Harumichi Sato

東京都生まれ千葉県育ちで、身長 156cm の mini ライダー。紙媒体の編集を長く経験した後、2012 年 4 月から初めて WEB マガジンに携わる。戦車から爆撃機まで無類の乗り物好きで、特に土の上を走る四輪・二輪に目がない。競争事も好きで、マウンテンバイク / モトクロスはレース経験あり。モーターサイクル / スポーツサイクル以外にフィルムカメラ、ホームオーディオ、クルマ、紙の読書(恩田 陸先生の大ファン)、ガンプラが大好きで、住まいはモノで溢れている。特技は、引き落としの滞納。スポーツサイクルは、マウンテンバイク 6 台と BMX 1 台を所有。

 

 

【トレック】まったく新しい衝撃吸収技術『WaveCel』を搭載したヘルメット、2種発売に。

トレック・ジャパンは、2019年3月20日、サイクリングヘルメットの安全性に寄与する衝撃吸収技術『ウェーブセル』を搭載したモデルを、ボントレガーブランドから発売する。
 
 

BONTRAGER WaveCel

 
< リリースより >
まったく新しい衝撃吸収技術「WaveCel」

2019年3月20日、この度トレック・ジャパンは、サイクリングヘルメットの安全性を飛躍的に高める衝撃吸収技術WaveCel(ウェーブセル)を搭載したヘルメット2モデルを、ボントレガーブランドから発売いたします。WaveCelとは、ヘルメットの内側に設置されたまったく新しい衝撃吸収技術のことで、本製品は世界で初めてWaveCelを搭載した製品となります。
 
■サイクリングヘルメットにおけるプロテクション
一般的なEPSフォーム(発泡スチロール)のヘルメットは、主に頭部に垂直にかかる衝撃を吸収し、頭蓋骨骨折を防ぐことを想定して開発されています。しかし現実世界では、サイクリング中に転倒した場合、頭部が斜め方向で地面に衝突し、回転やひねりの力によって脳が揺さぶられることで、脳震とうや後遺症につながる脳障害が発生します。こういった脳へのダメージの多くは、頭蓋骨骨折を伴わず、頭蓋骨の内部で発生することがわかっています。トレックは、このダメージを最小化することこそがサイクリングヘルメットに求められる最も重要な性能であると考え、より安全なヘルメットを提供するため、外部研究機関と綿密に連携しながらヘルメットの開発を進めてきました。

■WaveCelの機能
WaveCelは、頭部にかかる斜めの衝撃を吸収することを目的に開発されました。衝撃を受けると、WaveCelのレイヤーが独立して動き、セル構造が変形し、潰れた後に横方向へ滑り、頭部にかかる衝撃を積極的に吸収します。WaveCelは、一般的なサイクリングでの転倒を想定した実験*において、軽度の脳障害の発生を1.2%に抑えます。なお、従来のEPSフォームヘルメットにおいては、同条件での実験で、軽度の脳障害の発生が58.2%、WaveCelと同じく斜めの衝撃を吸収するために開発されたスリップライナー「MIPS(ミップス)」を搭載したヘルメットにおいても、34.2%に留まり、WaveCelは他製品と比べ、圧倒的なプロテクションパフォーマンスを提供します。
*本実験は、標準的なEPSフォームのヘルメットと、WaveCelを取り付けた同一のヘルメットを、秒速6.2m、斜め45度の衝突で生じるAIS スコア2の怪我(脳震とう~軽度の脳障害)の発生確率を比較

WaveCelは、衝撃を緩和する為に「曲がる」→「潰れる」→「滑る」の3ステップをおこなう。
秒速6.2m、斜め45度で生じる、AISスコア2(中程度)の脳障害の発生確率。※トレック資料より

■WaveCelの今後の展開
トレックは、米APEXバイオメディカルが開始したWaveCelの技術研究に初期段階から協力してまいりました。今回発売されるヘルメットは、世界初のWaveCelが搭載された製品となります。今後、他のスポーツやアクティビティ用のヘルメットにおいて、WaveCelの技術が搭載された製品が発売予定です。

WaveCelは、約50gだけ重くなるという。代わりに、安全性は大幅に向上する、とのこと。
トレックの言い分では、より速く走る人ほどWaveCelの必要性は高まるという。

■トレック・バイシクル アメリカ本社 社長 ジョン・バークのコメント
「より多くの人にバイクに乗ってもらうには、ライドをより安全で身近なものにしなければならない。WaveCelは、今までデザインされた中で最も発達したヘルメットテクノロジー。これを搭載したヘルメットこそが、ライドをより安全にし、誰でも楽しめるものにする」
 
■ボントレガー WaveCel ヘルメット ラインアップ
1.XXX WaveCel Road Helmet(トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット)
・エアロダイナミクスや軽量性を重視したハイエンドモデル。
・価格/3万4,000円(税込)
・サイズ/S/M、M/L
・カラー/Black, White, Red, Visibility Yellow, Azule, Purple Phase
・アジアフィット 2019年4月下旬予定 ※トレックツイッターアカウントによると、ゴールデンウィーク明けの入荷を予定

ボントレガー トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット Black
ボントレガー トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット White
ボントレガー トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット Red
ボントレガー トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット Visibility Yellow
ボントレガー トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット Azule

ボントレガー トリプルエックス ウェーブセル ロード ヘルメット Purple Phase

 
2.Specter WaveCel Road Helmet(スペクター ウェーブセル ロード ヘルメット)
・日常的なサイクリングを目的としたミドルグレードモデル
・価格/2万1,000円(税込)
・サイズ/M、L
・カラー/Black, White, Red, Visibility Yellow
発売中

ボントレガー スペクター ウェーブセル ロード ヘルメット Black
ボントレガー スペクター ウェーブセル ロード ヘルメット White
ボントレガー スペクター ウェーブセル ロード ヘルメット Red

ボントレガー スペクター ウェーブセル ロード ヘルメット Visibility Yellow

 
 
 


※編集部より:
 近年、ヘルメットに於ける新技術の流れは従来の、「衝撃を吸収する」ものに加え、それを「受け流す」方向に変わってきている。これは、今回のトレックのリリースにあるように、二輪に於ける頭部へのインパクトはひとつの方向からのみではなく、そもそも対象が動き続けていることに起因する。
(これを、直線加速度と回転加速度という。)

 その観点から、スポーツサイクルよりもスピードが上がるモーターサイクル用では、例えばアライヘルメットは古くから、ヘルメット外装を極力、張り出しのないたまごのようなカタチにし、路面に接触した際、滑っていくことで衝撃を逃がす、というコンセプトを継続している。

 ショウエイについては、MIPSではなく独自のM.E.D.S.を使うことで、やはり回転加速度の低減を図っている。

ショウエイが新開発した独自の衝撃吸収構造『M.E.D.S.』(Motion Energy Distribution System)。インサートライナーがスイングし、頭部を衝撃吸収ライナーへ沈めることにより回転方向のエネルギーを吸収する。*画像はイメージ。

 乗員の安全性により敏感で先進的なアメリカでは、最近ではAISという新技術を取り入れたヘルメットも登場しており、二輪用ではフライ レーシングがフォーミュラというフルフェイスヘルメットを発売開始する。

二輪用ではフライレーシングが新しく採用する、AIS(ADAPTIVE IMPACT SYSTEM)。スノーボードなど他の分野では、採用済み。

 筆者が過去に雑誌で検証記事を組んだ時の経験としては、人間の頭部はたいへんに脆いものでありながら、二輪に乗車状態では最も高い位置に存在し、転倒時にそこに加わる衝撃は常人の想像を遥かに超えるものである。
(あの高さから地面に打ち付けられる為。)

 また、上記にもあるように、実は損傷よりも衝撃によるダメージによる死亡の方が、圧倒的に多い、という医療機関のデータがある。
(今回のトレックの資料によると、「自転車事故による脳障害の90%は頭蓋骨の破損なしで発生している」。)

 その時の実感として、また当時の技術ではまだEPSフォームしかなかったが、「こんなチープな物でも被らないより格段マシ」、であった。モーターサイクル用ではグラスファイバーなどを主体とした高い弾性と引張強度を持つ有機繊維を使い、それを積層した構造によりガッチガチの高強度シェルを実現しているのに対し、スポーツサイクル用は恐ろしく脆弱であったが(今でもそうだが)、極端なハナシ、帽子1枚でも被っていただけでかなり違う、とも言われる人間の頭部である。例え、発泡スチロールでもあれだけの厚みがあれば、違いは明白である。

 もちろん、スポーツサイクルで重量のある、また空気が抜けて行きにくい構造のヘルメットが倦厭されるのはよく解る。であれば、今回のウェーブセルのような構造は歓迎されるべきであろう。現在、MIPSを筆頭にヘルメットの考え方はひとつの転換期を迎えつつある(理論としては以前からあったが、技術がなかった)。「たかが自転車の転倒」、と思うかもしれないが、状況によってはその惨事はとんでもないことになる。先に述べたように、外傷はなくとも脳は強いダメージを受け、帰らぬ人になることは多々ある。よしんば死ななくとも、一生、植物状態、全身不随になったらどうだろうか。家族は? 身内は? そう考えたら、決して疎かにはできない筈だ。

 諸手を挙げてウェーブセル商品を推すことは勿論ないが、これを機に、自転車(特に、スピードが上がるスポーツサイクル)に於いて、ヘルメットの重要性を今一度、見つめ直してもらいたい。

△古い雑誌ですが、バイシクルナビNo.3 146ページから、はとても参考になります。(やかん)


 
 
[ ソース ]
トレック・ジャパン
 
 

【マウンテンバイク】『マウンテンバイク教室@つくで手作り村』を開催。

< 主催者告知文より >
 イベントのお知らせです!

 愛知県新城市にある道の駅『つくで手作り村』にて、マウンテンバイク教室を2日間、開催します。

日時/2019年3月24日(日) 午前10時〜
 同3月31日(日) 午前10時〜

 手作り村では、マウンテンバイクの貸出を始めることとなりました!
 4時間 2,000円、8時間 3,500円 となっており、作手の綺麗な空気と景色、歴史に四季を感じて貰えたらと思います。

 先立ちまして、自転車を提供して下さった作手のマウンテンバイク サロン、サローネデルモンテ店主・鎌苅さんを迎えまして、マウンテンバイク教室を開催致します。
 3/24、3/31 の2日間、いずれも受付開始 9:30~10:00。
 教室開始 10:00~11:30となっております。

両日とも、午前中、約2時間ほどのレッスンです。
どなたでも参加できます。

 参加料は、1,000円。1教室につき定員15名、ヘルメット、自転車のレンタルは先着8名様まで。
 (レンタサイクル料 2,000円)
 かっこいいHAROのレンタルバイクと、ヘルメットもあります(有料・要予約)。

 自転車をお持ちの方は、マイ自転車持参OK!

 少しでも興味があるお客様は、手作り村またはサローネデルモンテさんに、お電話にてお問い合わせくださいませ!

初めてマウンテンバイクに乗る方、興味がある方、小中学生、女の子、親子で、夫婦で、カップルで!

■申し込みは、手作り村
TEL/0536-37-2772
■初めてで不安なので色々質問したい方は、サローネデルモンテ
TEL/0536-37-5151 へ

開催日時・開催期間/
2019年 3月24日(日)10:00~11:30
2019年 3月31日(日)10:00~11:30
雨天中止

 定員になり次第締め切りになりますので、お早めにお申し込みください。

『つくで手作り村』ホームページ

マウンテンバイク教室開催!

【マウンテンバイク】抜群のコントロール性を誇る油圧式ブレーキ《マグラ》 HC3 レバーブレード & HS33R。

掲載日/2019年03月15日  取材・写真・文/やかん

取材協力/サイクルパーツ合同展示会

 

 

マグラ/MAGURA

 ここ日本でも古くから油圧系ブレーキで定評のある、ドイツ(バートウーラッハ)ブランドのマグラ。

 特に注目されたのは、ダウンヒルが脚光を浴びるようになってからで、当時はまだリムブレーキタイプではあったが、とにかく従来のカンチブレーキとは比較にならないストッピングパワーを持つ、との評判は広く知れ渡るようになった。

 その後、Vブレーキが登場したことと油圧タイプは高価であったことから市場規模は縮小傾向になったが、ご存知の通りディスクブレーキが一般化した昨今では、完全復権の趣である。

 全体的に、マグラ製品の価格が引き下がった印象があるのはもちろんのことだが、さらに安価で利きも強烈な油圧式ディスクブレーキが市場に溢れる現況なのに、何故だろうか?

 それは、動力が“人力”と“重力”のみに限定される自転車に於いて、強いストッピングパワーが必ずしもよい、と判断されないからであろう。

 例えば、「制動力」と言われるように、スポーツサイクルでは止まることよりも、動きを制する=減速することが重要視される。エンジン付きのように急減速してからでも一気にトップスピードに持っていけるような加速性や動力性能は、人力ではとても無理だ。

 それぞれのライダーにとっての安全圏ギリギリまで減速できればよいだけで、止まりたい訳ではないのだ。速度を僅か落としたいだけなのに、限りなく0km/hまで落ちてしまっては、レースシーンなどでは致命的でしかない。

 また、地面とのミューが低く、その状態も常に安定しないダート路面を走るマウンテンバイクにとっては、タイアがロックしかねないようなブレーキの効きは歓迎されない。それでは簡単にスリップか転倒するだろう。

 減速はしたい、しかしロックはしたくない、微妙なさじ加減。そして、上体が常に大きく揺れ動くダート路面でも、安定したブレーキ操作をしたい。

 さらに、コース後半で体力が落ちた局面でも、ストレスなく少ない力でブレーキ操作をおこないたい。

 そういった難しい要求をバランスよく満たしているのがマグラのブレーキシステム、ということなのだ。リムブレーキの頃からそうであったが、ストッピングパワーはもちろん、微妙な加減が非常にやり易く、「繊細さ」を高く求めるレーサーやユーザーからの支持が圧倒的な同社。

 多くのメーカーがディスクブレーキをリリースする中、生き残った古参にはやはり意味があるのだ。

 

 

マグラ HC3 レバーブレード 価格/9,000円(1pc・税別)

 掌が小さい日本人にはうれしい、リーチアジャスト機構が付いたモデル。かつ、剛性が非常に高い。利点ばかりでこのレバーに交換したくなるが、注意が一点。
 高剛性ばかりに長時間ライドでは腕に来やすく、たとえばエンデューロレースなどでは不向きなひとも出てくるとのこと。ここ一発や体力に自身のあるライダー向け。

【 仕様 】
MT8/MT7/MT6/MT Trail Carbonに適合
リーチアジャストに加え、独自の機構によるレシオアジャスト(レバー比変更機能)を装備した、高剛性レーシングショートレバー。
ブレーキングパワーとフィッティングをフルに調整する事ができます。(リリースより)

 

マグラ HS33R 価格/1万8,000円(片側・税別)

 じつは、いまだに油圧式リムブレーキはリリースされている。Vブレーキが台頭してからはやや、タッチが「0 or 1」と言われることもあったが、それは昔の話し。代理店によれば、リムタイプでもマグラ特有の良コントロールは維持されているという。

【 仕様 】
アルミレバー(2フィンガー/4フィンガー)
EVO2アダプター付属
重量/449g(片側)
カラー/ブラック・シルバー
Vブレーキ台座に装着できる油圧式リムブレーキ。トレッキングバイク・トライアルバイクに最適。
MTと同じく、マスターシリンダーに超高剛性カーボン素材「カーボテクチャー」を採用。
新設計ラジアルタイプマスターで、繊細なタッチと高いストッピングパワー(前モデルより5%UP)を両立。(リリースより)

フィーリングの向上は、新設計のラジアルタイプマスターに因るところが大きいという。

 

マグラ ヴァイロン ドロッパーシートポスト 価格/6万8,000円(各種・税別)

【 諸元 】
ストローク量/150mm 、 125mm 、 100mm
全長/446mm(150mmモデル) 、 421mm(125mm) 、 396mm(100mm)
重量/595g
取り付け時長さ/56mm 〜 206mm(150mm) 、 181mm(125mm) 、 156mm(100mm)
必要(最低)挿入長/120mm
最大挿入長/240mm
油圧制御 ━ 圧縮エア伸長式(エアは米式バルブで再充填可能)
サドルクランプ/2本ボルト
適合シートポスト内径/30.9mm 、 31.6mm
適合充電コネクタ/マイクロUSB
充電所要時間/約3時間
満充電時動作可能回数/約400回
電波法による技術適合証明取得済
【 付属品 】
・ELECTリモートコントローラー
・ELECTリモートキャップ
・リモコン取り付け用Oリング2種
・リモコン台座ゴム
・充電用マイクロUSBケーブル
・取扱説明書(英語・日本語)
VYRONドロッパーシートポストは、リモートコントロールに電波(ELECTワイヤレスリモートコントロール)を使用した、非常にスマートなドロッパーポストです。
コントロールの通信に電波を使用するので、本体を操作するためのケーブル類が全く無く、取り付け時に手間をかけて配線を行う必要は一切ございません。
本体よりケーブル類が飛び出ていないので、フレーム形状による取り付けの制約がほとんど無く、シートポスト径さえ同じならお手持ちの別の自転車にも簡単に付け替えることができます。
多くの技術革新を持つVYRONドロッパーシートポストは、Design&Innovation Award 2016の金賞を含め、沢山の賞に輝いています。

受信&コントロールユニットは、やぐら部にレイアウトされる。

ワイヤレスELECTリモートコントロールは、ボタンにワンタッチするだけでサドルを落とすことができるばかりでなく、150mm・125mm・100mmの各範囲内で最適なサドル高に調整する事ができます。
シートポストの固定と開放はモーターと油圧バルブによって行われます。ダンピングオイルはMAGURAロイヤルブラッドミネラルオイルを使用しており、長期間メンテナンスフリーでご使用頂けます。
サイズ、操作感ともにやや慣れは必要はある、と感じた。

リモコン(リモートキャップ付き):同梱のキャップをリモコンに取り付けることで、より容易にボタンを押す事ができます。(リリースより)

 

 

取り扱い/エムシー・インターナショナル
06-6318-5000

 

 

【ガエルネ】足首の動きに自由があるモデル、ファストバック / FASTBACKが発売開始。

ジャペックスから『ガエルネ』のエンデューロ向けブーツ、「ファストバック」が発売開始された。
 
 
< リリースより >
このたび、株式会社ジャペックスはイタリアのブーツメーカー“GAERNE / ガエルネ”の”FASTBACK/ファストバック”の発売を開始いたします。
 

ガエルネ ファストバック/ホワイト

 
■商品説明
エンデューロやラリーライダーのために開発された、操作性に優れたモデル。

ファストバックで特筆すべきものは、何と言っても足首部分に配置されている「アンクルフレーム」の存在です。
ガエルネ最高峰モトクロスブーツのSG-12やSG-10のフレームは、通常、ブーツの足首部分からふくらはぎ上部までフレームが伸びています。
これによりプロテクション性は格段にアップするものの、バイクを降りた時は動きづらいというデメリットが付いてきます。

ファストバックの「アンクルフレーム」は、コンパクトな作りになっていることにより基本的なプロテクションを抑えつつ、降りた時の動作をスムーズにしてくれます。
乗り降りの多いエンデューロやラリーの競技には、欠かせないポイントとなるでしょう。
 
■スペック
外装/本革(フルグレインレザー)、プラスチック
内装/ファブリック生地
ソール/ガエルネフラットソール(修理交換可)
サイズ/25.0cm~28.5cm(5mm刻み)
質量/1,930g(片足)- 27.5cm
足入れ全高/38cm
価格/3万9,000円(税込)
生産国/イタリア
発売中
 

ガエルネ ファストバック/ブラック

ガエルネ ファストバック/レッド

 
 
[ ソース ]
ジャペックス
 
 

TAIOGA他の製品テストを予定しています。

先日、自転車商社の株式会社マルイの新製品展示会に足を運び、いくつも魅力的な商品を見られました。

先日、自転車商社の株式会社マルイの新製品展示会に足を運び、いくつも魅力的な商品を見られました。

その内いくつかは既に現物を用意出来るという事だったので、早速お借りしました。

・TIOGA SPYDER outland
・TOPEAK Combo Torq Wrench & Bit Set
・BRAKCO BrakeShoe Tuner

上記の3製品のテスト記事を実施する予定です。

期待してお待ち下さい。

JCFのお粗末さとCJの誰得? 制度。ブースも存在意義を問われる質の悪さ。

富士見パノラマリゾート(長野)にて開催された全日本マウンテンバイク選手。あれからほぼ一週間が経ち、その間に頭を冷やした。しかし、どうしても書かずにはいられない酷い点が多く目立った大会であり、どのくらいの効果があるかはわからないが警鐘という意味で記しておく。

JCFのお粗末さとCJの誰得? 制度。
ブースも存在意義を問われる質の悪さ。

掲載日:2015年07月27日  取材・写真・文/やかん

 

長文になるが、ぜひ多くの方に読んでいただきたい。

富士見パノラマリゾート(長野)にて開催された全日本マウンテンバイク選手権。あれからほぼ一週間が経ち、その間に頭を冷やした。しかし、どうしても書かずにはいられない酷い点が多く目立った大会であり、どのくらいの効果があるかはわからないが警鐘という意味で記しておく。

長らくJシリーズという名で開催されていた国内唯一の自転車競技連盟(JCF)公式レースは、今シーズン、運営方式や大会規則・制度がガラリと変わりCoupe du Japon(以下、CJ)と名称も変わった。切り替わり当初から登録システムやジャージ規則などでおかしな点が多く、あわや揉め事? となる程のものであった。

筆者はそのCJがどのようなものであるか、関東圏から比較的近い富士見パノラマリゾートで行われたダウンヒルレースを見に行った(2015年5月30日)。元はJシリーズであり期待値もそれほど大きくなく、また久しぶりに足を運んだJCF管轄レースであったため、収穫は少しあった(善悪どちらも含め)。

そして、今回の全日本大会である。国際格式の大会で、海外のレースを走るのに必要なナショナルポイントを獲得出来る唯一のレースである事から、海外遠征組も帰国してのほぼフルメンバー(エリートクラス)開催となった。レース自体はあいにくの雨でパッとしないのは仕方がないとして、JCFの運営体制や規則の酷さ・あいまいさが明確に表面化したのが表彰式の時である。

まず、これは会場である富士見パノラマリゾートに非があるわけではないのを始めに断っておくが、国際格式レースであるのに用意された表彰台がとても酷い。写真を見ていただければ分かるが、非常にチープな物であり、また雨で滲みも散見された。年一の唯一の優勝者を決める、ナショナルポイントも付く、マウンテンバイクという小さなコミュニティーの中であっても大変重要なこの場で、なんと酷い有様であろうか。みっともない事この上ない。

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重ねて言うが、富士見パノラマリゾートが悪いのではない。この日のために、とてもしっかりとした物をJCFが用意すべきなのだ。表彰台など1度作ってしまえば向こう何年と使い続けられる。良い物を作って損はまったくないのだ。それなのに、栄えある選手が高らかに上るお立ち台が小学校の運動会以下。開いた口が塞がらなかった。

次に、これはCJが始まった当初から問題視されていたチームジャージ登録制度。選手は何時如何なる時もどのレースでも、始めに登録したジャージ現物しか着用が許されないという、とんでもなく阿呆らし規則。海外の自転車競技連盟であるUCIがそもそものお手本で同じ規則があるそうなのだが、ある1チームはこれに反発してチーム登録をせずワールドカップを転戦している。今年のUK大会でそのチームのライダーが優勝したのだが、チーム登録をしていないのでライブ配信でもオフィシャルリザルトでも、チーム欄はすべて空白であった。

Greg Minnaar - Portrait

明らかにおかしな規則なのだが、これが全日本でも悪さをした。この日は台風の余波を受け、コースのコンディションはヘヴィマディであった。当然、ゴールしたライダーはヘルメットからシューズのつま先まで泥で真っ黒。さて、表彰台に上れるリザルトを残したライダーはこの後どうするだろうか? ゴールから表彰式までの時間は僅かしかないが、なんとかその間に綺麗なウェアに着替えて皆に誇れる姿で台の上に立とうとするだろう。ライダーによってはジャージにスポンサーロゴがプリントされているので、これが泥で隠れてしまうのも大きな損失である。

ところがである。JCFの運営委員がこれに待ったをかけたのである。「登録したジャージのみが認められるので、泥だらけのその格好で表彰台には上ってくれ」と。???????。もう、ハッ? である。このドロドロのまま表彰式に出ろと。少ないが取材陣も待ち構え、多少なりともどこかに露出するであろうこの重要な局面で。更にここでおかしな事案が発生したのだが、この「待った」は事前通知が厳密にあったわけではなかったようで、着替えているライダー、ジャージ以外は綺麗になったライダー、シューズからジャージに至るまですべて綺麗な新品を着用したライダー。次から次へと台の上に立つ各クラスでの格好が、もうまちまちなのである。筆者が表彰台前で見ている限り、登壇を禁止されたりペナルティが課された、という事はない。もともと首を傾げたくなる規則なのに、輪を掛けてその管理があいまいなのである。ダメ出し連発である。

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この泥だらけのウェア着用は、またある問題を発生させた。今大会の栄冠であるチャンピオンウェアはクラスによりTシャツ、ジャージと分かれたが少なくともジャージはパールイズミからの提供品であり、大切に扱うべき物であった。表彰台にもパールイズミが提供である、とか書かれたプレートが置かれた。それなのに、ライダーに袖を通させる事だけはやけに慣れていたJCFのお偉いさんは、容赦なく泥だらけのウェアの上からチャンピオンジャージ(もしくはTシャツ)を着させるのである。まったく、おいおいな事態。やはり、あっというまに純白のジャージは泥で黒く染まり始める。嗚呼、帰宅してからではいくら高性能な洗濯機と洗剤でも、あれは真っ白には戻らないだろう。ライダーには切ない思いしか残らないのである。

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首を傾げたくなる問題点はまだまだある。現場はやはりこの表彰式。Jシリーズなどではなんとなく慣例となっている優勝者のBIKEだけ表彰台の前に飾るあれ。一番高い真ん中の台に上ったライダーは、鼻高々であると共に、自身を勝利に導いてくれた優秀・有能なBIKEを誇らしげにアピールするのである。BIKEをもし輸入代理店などが提供(スポンサード)してくれているのであれば、絶好のアピールチャンスである。観客がいたとしたら(マウンテンバイク大会はいないのがほぼ当たり前)、「あのBIKEで優勝したんだ。うーん、検討するかー」となるだろう。だが、全日本大会ではこれもNGとなった。やはり事前通知はなかったようで、短い時間で一生懸命大量にこびり付いた泥を洗い流して表彰台へ持って来たメカニックが手前で制止を受け、鳩が豆鉄砲を食ったようになっていた。そうであろう。まったく不可解で理解不能な事態である。そこにBIKEを置く事になんの不都合があるのだろうか?

Gee Atherton, Aaron Gwin, Greg Minaar, Marcelo Gutierrez Villegas, Samuel Blenkinsop - Lifestyle

 

話が戻るが、ジャージの登録システムもそうだ。毎戦同じジャージを着なければいけない理由は何なのだ? 都合の悪い点があるのだろうか。表彰式前の着替えすら許されないとは。そしてその運用も現場ではあいまい。誰が得をするのか、という規則・制度に加え、チープな表彰台で挑んだJCFのお粗末さ。ライダーがよく、「業界を盛り上げたい、大会を活性化させたい、観客を増やしたい」と言うが、所属する母体がこれでは、いくら足掻いてみても無駄である。

残念だが質の悪さが目立った場所は他にもあった。各代理店やメーカーが軒を構えたテントブースも惨憺たるものだったのだ。商材がただ並べてあるだけのところ、担当者がひとりもいないところ、ただの雨避け代わりで身内で寄り集まってお喋りに興じ、ブースを訪れた人に無反応なところ。酷いレベルでは、テントを張っただけでテーブル1つ置いてあるだけの所もあった。かろうじてBIKEが並べてあっても、モデル名/プライスタグも何も付いていない。ただ並べてあるだけのそのさまは、まるで駅前の駐輪場のようであった。ハッキリ言って酷い。当然、出店や屋台といった賑やかしもなく、こちらも小学校の運動会以下レベルである。運動会ですら身内・関係者しか集まらないのに、それ以下の自転車イベントに誰が足を運ぶであろうか?

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JCFも最悪で酷かったが、そこに属する関係各社(者)もとんでもなく最低であった。相変わらずであるのも事実だが、これでは『集客』などは夢のまた夢である。多くの人がマウンテンバイクには大きな大会があり、それは野球や相撲のように見応えがあり楽しい時間が過ごせる、などとは何時まで経っても至らないのである。

最後にまた苦言をひとつ。今回も大会運営には元ダウンヒルエリートライダーが協力していたようである。姿を方方で見かけた。彼は選手時代の気持ちを忘れてしまったのだろうか? 自分が出場する側であったら到底理解できない理不尽な事だらけである。ライダー側に立ち、大会を少しでもよいものに変えていく使命を帯びている筈なのに、そういう点はひとつも見つけられなかった。選手時代はそれなりに名声を得ていたが、今や完全に氏も没落。残念至極である。

 

なお、これに対抗するわけではないと思うのだが、運営母体が異なるダウンヒルシリーズという大会が年間で何回か開催されている。昨年までは西日本がメインであったためまだ足を運んだ事がないのだが、今年はここ富士見パノラマリゾートにもやってくる予定がある。久しぶりになるが筆者もライダーとしてエントリーし、JCF大会とはどのように違うか、果たして楽しい場なのかどうか、観察してみたいと思う。

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ただし、未だヘルメットだけが揃っていないのである。嗚呼。

 

 

■メリダ/MERIDA O.NINE SUPERLITE TEAM(2013) 699,000円 46cm MTB試乗インプレ

メリダ26インチMTBハードテールシリーズ、『O.NINE』のフラッグシップモデル。

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掲載日:2013年04月30日  取材・写真・文/やかん

比類なきカーボンテクノロジーで武装した純レースBIKE

 メリダ26インチMTBハードテールシリーズ、『O.NINE』のフラッグシップモデル。試乗BIKEはぼくの体格には明らかに大き過ぎるのですが、当日は小さなサイズの用意がなくそれでもどうしてもその最高峰に跨ってみたく、合わないのを承知でお借りしました。

 スペックは、メリダワールドチームライダーのホセ・ヘルミダ選手が優勝した時に駆っていたBIKEと同等で、ひとつ下のランクになるPRO TEAM ISSUEとはフレーム構造がやや異なります。41cmモデルでの完成車重量はなんと8.3kg(!)となり、ギアも2×10の仕様になります。

 このBIKEの乗車の印象も、「とにかく軽い」。そして、フレームの質量配分に偏りがなく、身体の動きにBIKEが素直に応えてくれます。あまりにも、自分の意思に精確に素速く追従してくるので、まるでBIKEという質量物が身体の下に存在しないような感覚になります。微細なコントロールが要求されるテクニカルセクションでも、ライダーの意思そのままに動いてくれます。BIKEが何か不要な動きをしたり、ライダーの意思を阻害するような事を一切しないのです。フロントギア板が2枚だけのコンポーネンツは、コースシチュエーション、ライダーのパワー、慣れによって気にならなくなりそうなレベルで、特別な違和感は感じません。PRO TEAM ISSUE同様に、軽さだけでないフレームのとても伸びやかな反応も好印象で、やはり他のメリダBIKEに較べ、2つぐらい重いギア(リア)が使えました。それに加えて、本機はペダリングする歓び、爽快感までもを感じました。非常に伸び伸びとした特性を持っているのです。

 サイズの合わないフレームでこの印象ですから、これがジャストサイズだったらどのような事になっているのか、想像しただけで身震いします。このBIKEと同じ技術を使って作られた29インチモデルが同社にはあり(BIG.NINE CARBONモデル)、しかし当日ぼくが乗れるサイズがやはりなく、余計に「このポテンシャルで29インチにも乗ってみたい!」と強く感じました。メリダは古くからあるメーカーなのでアルミフレームの技術やノウハウの蓄積に一日の長があるのは分かっていましたが、カーボンの技術もとても高いのだ(才能がある)、と確認できた1台でもありました。

フロントサスペンションは、DT Swiss XRC100 Race Remote。特徴的なアーチは『HOLLOW ARCH』と呼称され、ロワーまで含めカーボン製となる。軽量さが売りで単体、1,250g。トラベル量は100mm。 サスペンションは右側手元でのロックアウトが可能。O.NINE PRO TEAM ISSUE同様、SRAMのシフター(XX)はインジケーターがないタイプで、プロ選手には不要の物なのだろうか? ギアレシオは2×10なので、特にフロントギアには必要ないのかもしれない。 性能や仕様の違いの表記はないが、SUPERLITE TEAMは“ウルトラ”ハイモジュラスカーボンファーイバーをフレームに使い、やはりこの2013年モデルからシートステーにバイオファイバーが加えられた。メリダのこのカーボンバックは本当に秀逸。
曲げや捻れ剛性を向上しつつ、衝撃への耐久性を上げ軽量化にも寄与するというDouble Chamber Technologyも使われる。ボトムブラケット規格はBB30を採用し、ダイレクトでロスの少ないペダリングを実現する。 ブレーキは油圧式SRAM XX。ローターにはセンターロックの、同じくSRAM XXを使い、前がφ180mm、後がφ160mmの異径組み合わせ。フローティングにも見える、ややスーパースポーツな外観。 コンポーネンツ系はすべてSRAM XXで統一し、フロントチェーンリングはグループ会社のトゥルバティブの2枚タイプになる。42-28Tと歯数が極端に離れ、またクランク長は175mmと標準の日本人には長過ぎるかも。

 

■メリダ/MERIDA O.NINE PRO TEAM ISSUE(2013) 279,000円 41cm MTB試乗インプレ

メリダワールドチームのライダー、ホセ・ヘルミダ選手が2010年の世界選手権を制した時に乗っていたのが、このO.NINEシリーズです。

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掲載日:2013年04月15日  取材・写真・文/やかん

最先端カーボンテクノロジーを纏うレーススペックMTB

 メリダワールドチームのライダー、ホセ・ヘルミダ選手が2010年の世界選手権を制した時に乗っていたのが、このO.NINEシリーズです。26インチハードテールのピュア・レースBIKEで、オールドスクールと見る向きもあるかもしれませんが、MTBの原点と言えます。そのO.NINEシリーズの中のPRO TEAM ISSUEは、カーボン素材を使ったチームレプリカBIKEで、2012年まで大きな変更がありませんでしたが、2013年モデルから、同社のロードバイクに採用されたバイオファイバーをカーボンレイアップに加えた構造をシートステーに取り入れ(Bio Fiber Damping Compound)、更なる振動吸収性と快適性を追求しています。完成車質量は、41cmモデルで驚きの9.9kg。

 乗ってすぐに感じた印象は、その質量が素直に効いて、とても軽い、という事です。フレームだけでなくBIKE全体が軽く感じ、またフレームが伸び伸びと前に跳ねてくれる事から、この日の試乗コースを、他のモデルに較べギア2つぐらい上(重たいの)が使えます。速くなったと感じるのではなく、実際に速くなります。2013年モデルで刷新されたというリア周りは、個人的にはそれでもまだ僅かに硬い印象は受けますが、その分、とにかく良く走ります。路面からの突き上げをやや緩和させる目的で、通常のセッティングよりもサドル高を少し下げたら、この突き上げ感は解消されました。

 当日の試乗コースは、個人的には29インチMTBの効果をとても感じられるレイアウトだったので、それに較べると僅かに慣性力に物足りなさを感じたのは事実ですが、フレームの出来がとにかく素晴らしく、『自転車はフレームが命』である事をあらためて痛感させられました。日本では、まだ26インチMTBの方が真価を発揮するフィールドが多い事もあって、充分出番のある即戦力レースBIKEです。37cmも用意されているので、小柄なライダーでも選択出来るのも良いです。

フロントサスペンションは、DT Swiss XRM 100 Remote。特徴的なアーチはTORSION BOXと呼称され、ローワーと一体成形されるマグネシウム製。内部構造はエア式で、Auto Balancing Springを採用。トラベル量は100mm。 サスペンションは右側手元でのロックアウトが可能。シフターはSRAMのX9で、インジケーターがないタイプ。個人的には不便に感じる。ギアレシオはベーシックな3×10になる。メリダの純正グリップはスポンジ状が多く、なかなか具合が良い。 ハイモジュラスカーボンファーイバーをフレームに使い、2013年からはシートステーにバイオファイバーが加えられた。メリダはガーボン成形のレベルも非常に高く、Nano Matrix Carbon、Anti Wrinkle Systemなど独自の技術を多く持つ(本機も採用)。
カーボンチューブ内にリブを入れたメリダ独自の技術、Double Chamber Technologyを採用する。2つの独立したチャンバー(空洞)をフレーム内に設ける事で、曲げや捻じれに対する剛性を大幅に上げ、衝撃に対する耐久性も向上させている。 ブレーキは前後に油圧式ディスクのMagura MT4を採用。昨今のクロスカントリーは平均スピードの上昇と下りセクションの激化が進んでいるため、対応してローター系は前がφ180mm、後ろがφ160mmになる。デザインも最新の物に。 O.NINEもトップチューブにアイコン的グラフィックが入れられる。ヘッドチューブは同社オリジナルの、中心部が膨らんだEgg-Shape形状。セミインテグラルのヘッドパーツと組み合わせる事で、剛性を高めている。塗装の仕上がりも素晴らしい。

 

■MERIDA/メリダ NINETY-NINE TEAM ISSUE(2013) 259,000円 41cm MTB試乗インプレ

NINETY-NINEは、26インチモデルのクロスカントリーレース&マラソン系のシリーズになります。

掲載日:2013年04月11日  取材・写真・文/やかん

乗り手のキャラクターで表情を変えるオールラウンドMTB

 NINETY-NINEは、26インチモデルのクロスカントリーレース&マラソン系のシリーズになります。メーカーでは「レースで勝つために作られた26インチフルサスペンションバイク」と謳っています。前後サスペンションは100mmのトラベル量を持ち、メーカーのキャッチ通り、チーム(MULTIVAN MERIDA BIKING TIAM)での使用実績もあるシリーズという事です。

 その中でこのTEAM ISSUEは、チームモデルのイメージを踏襲したグラフィックが施されたアルミニウムフレームを採用したミドルグレードBIKEで、個人的に2012年モデルで印象の良かった、DT SWISS製サスペンションを前後に備えます。他には、ドライブトレインがSRAM製の2×10という特徴も持ちます。

 乗り始めの印象は、29インチモデルに乗った直後だったためか、トップチューブが短く感じ、やや上体が窮屈な印象を受けました。それが結果的に身体の動きを制限してしまい、下りでも不自由を感じました。この日の、水分を多く含んだ土壌での走りも、全体的にモッサリとした感じで、特にリア周りの引きずり感を強く感じてしまいました。2012年モデルで好印象だった、前後サスペンションの挙動も、ややすっきりしません。セッティングは借り受ける時に体重をメリダスタッフに伝え、調整済みです。コンポーネンツのSRAMの動きも、どうもいまひとつの印象。乗車サイズが41cmと、ぼくの身体にジャストフィットではありませんが、当日これ以上小さなフレームは用意がなく、またこの印象にサイズは関係ない感じで、正直、はじめは「う〜ん」と頭を抱えてしまいました。

 しかし、2周目に突入して、冷静に各部を俯瞰出来るようになると、自分のポテンシャルがこのBIKEを乗りこなせていない事に気が付いて来ました。チームで実戦採用があるシリーズという事もあって、それなりのパワーや技術が乗り手に求められるのです。それに加え、相当にタフなレース&コースに投入する事で各性能の歯車が合ってきて、『レーススペック』をいよいよ発揮できる仕様なのです。誰にでも最高の武器になるのではなく、相応しい資質を持ったライダーが乗車してはじめて、真価を発揮するBIKEと言えます。

 ただ、その反面、BIKE任せでまったりと乗るとかなり楽な側面も持ち、エンデュランス系=いわゆるマラソンレースに向いてる、という事も実感出来ました。真面目に乗ると相手も真剣に返して来るので資質が問われますが、落ち着いた気持ちで乗ればそれに合わせてくれる、懐の深い1台です。

フロントサスペンションは、DT Swiss XRM 100 Remote。エアスプリングでAuto Balancing Springという機構を持つ。黒いインナーチューブとリバースアーチが特徴的。 リアサスペンションにはM.O.R.E(Merida Optimized Ride Engineering)と呼ぶリンクが使われる。ユニットはDT SwissのM212 38 ABS w/Remote。 油圧ディスクブレーキは前後に名門Magura MT4を採用。長くハードな下りも含まれるマラソンステージを想定してか、ローター径はフロントが180mm、リアは160mm。
ハンドル右側にフロントサスペンション用のロックアウトリモートを装備。シフターはスラム X9。                          リアユニット用もロックアウト出来るため、ハンドル左側にリモートを装備。前後ともロックアウト出来ると左右に異なるリモートが備わり、操作は複雑になる。 フロントギアは2枚の、2×10ドライブトレインを採用。チェーンリングとクランクは、スラムのグループ会社になるトゥルバティブ製。丁数は38-24T。