■スペシャライズド/SPECIALIZED S-Works Stumpjumper FSR CARBON 650b(2016) 102万円 Sサイズ MTB試乗インプレッション
掲載日:2015年10月19日 取材・写真・文/やかん
地球上にこんな極上のマウンテンバイクがあったのかと思わせられる1台
S-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650bは、スペシャライズドの歴史の中でも初期から存在する『スタンプジャンパー』の名を冠する、オールラウンドなマウンテンバイクです。スペシャライズドでは「トレイルバイク」という言葉を使っています。
このBIKEインプレッションは、スペシャライズド・ジャパンがランダムで行っている “ TEST THE BEST NEW MODEL試乗会 ” に参加してのもので、一般ユーザー向けの機会を利用したものです。今回の TEST THE BEST は、特に東関東のマウンテンバイクユーザーには馴染み深い、富士見パノラマ(長野)で開催されました。筆者は今回、テストライドを、すべてこの富士見パノラマのCコースをフルに使用しました。
さて、このS-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650b。まずプライスがとんでもありません。定価で100万円を超えます。ロードバイクではそれなりにあるプライスかもしれませんが、マウンテンバイクではなかなかお目に掛かれません。そのBIKEを試乗車として用意してしまう日本法人の姿勢にも驚きますが、それだけ自信のある1台なのであろうと想像出来ます。
S-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650bは、その名の示す通り、ホイール径がマウンテンバイクの今の主流になる、650b = 27.5インチのBIKE。従来の26インチより少し大きく、旋回性はやや独特ですが走破性は圧倒的な29インチよりは小さい。お互いの良いところを取った、今のトレンドサイズです。そしてフルサスペンションフレームとなり、そのほとんどの部位がカーボン製となります。このカーボンの勢いは、マウンテンバイクの世界でもやはり止まらなく、初期は小物類だけであったものがフレーム、ホイールとほとんどの部分を占めるようになっています。本機も、ホイールまでカーボン製を採用する徹底ぶりです。
サスペンションは、フロントがロックショックス・パイクRCT3 650b、リアがフォックスショックスのフロート ファクトリー。トラベル量はどちらも150mmとなり、この数値から本機がやや下り寄りのBIKEである事が解ります。そのサスペンション、取り上げるべき特記事項がリアショックのカスタム施工。スペシャライズドは以前から特にリアショックに関しては独自の方式やチューニングを取り入れていましたが、本機S-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650bもその例に洩れません。まず、2016年のスペシャライズド車の多くに採用される“セットアップが容易なAUTOSAG機能”。これはエアショックに予めある程度の加圧をしておき(300psi)、それからライダーがBIKEに跨った状態で専用のバルブコアをプッシュ(減圧)するだけで、最適なエア圧(サグ値)になるというものです。たいへん革新的な機能ですし、セッティングの手間が大幅に軽減され、ライダーが受ける恩恵はとても大きいです。
“Rx Trail Tune”というカスタマイズも施され、トレイルの上りでも下りでもよりしなやかで反応の良い動きを提供する、と言います。ギア関係は、やはり今のトレンドである、フロント1枚、リア11枚というもの。丁数は、フロント30T、リア10ー42Tです。その他、フレームとステム部に“SWAT”という工具格納システムを備えます。まず、フレームのダウンチューブに設けられたSWAT Doorを開くと、その中のコンパートメントにチューブ1本、ツール、ポンプを収納出来るようになっています。リアショックの付け根部分には専用のアーレンキーセットを収納。ステムには、チェーンのミッシングリンク用のツールを格納しています。スポーツドリンクで満たしたボトルをボトルケージに装着したら、極端な事を言えば身一つでトレイルへ走り出す事が出来です。それでは、筆者も早速このスペシャルプライスのBIKEでオフロードに繰り出してみます。
富士見パノラマのCコースを下ってきての感想は、「もう最高」。申し訳ないですが、これが印象を表す最良の言葉です。オフロード走行とは思えない、超シルキーで極楽ライドがフルコースで堪能出来ました。軽量さが生み出す機敏性、重心が綺麗にまとめられコントロール性がとても高いフレームパッケージング。同社の技術の粋を集結したFACT 10mカーボンファイバー製のTrailシャーシとStumpjumper FSR M5チェーンステーは、bestな振動吸収性と路面応答性を提供。熟考されたリアサスペンション構造は、ペダリングでリアショックがまったく動かない驚異のテクノロジーに昇華。これほどオフロードを楽しく走れるマウンテンバイクが地球上に存在した事に、驚きです。間違わないように言っておきますが、全体的に乗り心地がソフトでサドルにドッシリ座ってライドが楽しめる、という事ではありません。適切な身体の動きはもちろん必要ですし、路面からの振動などもしっかりと伝わって来ます。ただ、すべての動き、フィードバックが信じられないほどの高次元で、今までに味わった事のない究極のオフロードライドを提供してくれたのです。「まいった、降参」といった感じです。
100万円を超すスポーツサイクル、誰しもが買える物ではありません。筆者でも到底ムリです。しかし、そこにはその価格分の説得力ある性能と楽しがありました。機会があれば、みなさまにも是非1度試乗をお薦めします。乗ってしまったら、ローンを組んででも買いたくなる人は少なくないと思います。サスペンションは予めチューニングされていますし、後から買い換える部品はひとつもありません。パッケージの完成度が高く、カーボン製フレームの性能も唸る以外ありません。ハードにマウンテンバイクライドを楽しみ、シーズンを通して乗り倒すぐらい使い込む人であれば、もったいなくはない投資と思えます。とにかく1度乗ってみて下さい。マウンテンバイクの最高峰がその先に見えると思います。そして、気が付いたら契約書にサインをしている筈です。『S-Works』の名に偽りなしでした。
※価格は税込み。掲載時点でのものです。
![フロントサスペンションは、ロックショックスのパイク(Pike) RCT3 650bを装備。Solo Air spring機構で、150mmのトラベルを持つ。動き、剛性、ハンドリング性能、どれを取っても文句なし。フレームとのカラーマッチングもOK。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/018.jpg?w=840)
![インナーチューブはDLCのような色合いで、ストロークなどの動きはとてもスムーズ。どうしても引っ掛かりやすい初期の沈み込みも、まったく問題ない。フロントタイアは、スペシャライズド製のButcher Control。サイズは、650b x 2.3"。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/027.jpg?w=840)
![油圧式のディスクブレーキは、シマノ最高峰のXTRを採用。レバーはカーボン製。ハンドルバーは、スペシャライズド製FACT carbon仕様で、幅は750mm。クランプ径はφ31.8mm。どこまでも100万円の価格に見合う装備。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/037.jpg?w=840)
![油圧式ディスクブレーキのキャリパーもシマノ XTR。モデルは“トレイル”仕様で、もちろんアイステック採用。ローター径は、フロントがφ180mm、リアがφ160mm。それなので、純然たる下りBIKEではない事が解る。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/046.jpg?w=840)
![ロックショックス パイクは2-ステージ コンプレッション調整と、リバウンド調整機構を持つ。ロックも可能だが、トレイルでは不要だろう。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/076.jpg?w=840)
![リアショックは、カスタムされたフォックスのフロート(FLOAT)Factory CTD。AUTOSAG機能、Rx Trail Tuneが施され、もちろんKashima coating済み。サスペンションシステムとしてのトラベル量は150mm。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/057.jpg?w=840)
![赤いバルブが、AUTOSAG機構。Rx Trail Tuneの表記も確認出来る。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/05-1.jpg?w=840)
![ユニット内のエア圧を規定量加圧しておいてから、BIKEに跨がり(正確には両ペダルに乗る)赤いバルブ内のエアリリースをプッシュする事でAUTOSAG機能がはたらく。素晴らしい仕組みだ。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/085.jpg?w=840)
![S-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650bは、このリンク周りとチェーンステーのみがアルミ製になる。チェーンステーは、M5仕様とぬかりない。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/066.jpg?w=840)
![本文では触れなかったが、シートポストはドロッパーとなる。構造はエアで、ケーブルはシートチューブ内を通る。ひと昔前のような、沈んだ状態で持ち上げると動いてしまうような事は今はない。トラベル量はサイズで分けていて、Sは100mm、M/L/XLは125mm。サドルは定番のボディジオメトリーでチタンレール採用。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/094.jpg?w=840)
![フロントギア(チェーンリング)は1枚。クランク、リング、デバイスすべてがスペシャライズド製となり、アームはFACT carbon製。リングは、X-Syncという技術を使う。丁数は、30T。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/104.jpg?w=840)
![リアのギア周りはスラムを採用。ディレーラーが、XX1で11速対応。スプロケットは同じXX1で11速仕様。丁数は、10-42T。チェーンは、PC-XX1, 11-speed, w/ PowerLinkとなる。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/114.jpg?w=840)
![リムは、Roval Traverse社のSL 650b。なんとここもカーボン製。スポークは、フロントが24H、リアが28Hとなる。ハブも、前後でRoval Traverse SLを使用。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/123.jpg?w=840)
![流麗なデザインとインターナルケーブル仕様のフレームは、FACT 10mカーボン製。“トレイル 650b”メイドのジオメトリーとなる。ヘッドチューブはテーパード仕様。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/132.jpg?w=840)
![本機でわざわざ取り上げておきたいのが、このグリップ。スペシャライズド製の片側ロックオン仕様の物で、作りがほぼモトクロスバイクのそれ。馴染みのある筆者はとても好感触だった。実際、スペシャライズドはUSカワサキファクトリーチームとBIKE供給の付き合いがあり、技術提携も行われているという。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/142.jpg?w=840)
![ダウンチューブのボトルケージ周りに見られる造りが、スペシャライズド社独自のアイディア機構、SWAT。このダウンチューブの物は、SWAT Doorと名付けられている。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/151.jpg?w=840)
![右側のドアロックを開放すると、ボトルケージのベースごと外れ、中空の物入れが姿を現す。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/161.jpg?w=840)
![そこに収まる専用のバッグ。布製の物で、本機は2つ備わる。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/171.jpg?w=840)
![バッグは広げるとこのようになり、そこに例えば、チューブ1本、ツール、ポンプが入れられる。ツールにタイヤレバーを入れておけば、長距離ライドでのパンク処置が可能になる。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/18.jpg?w=840)
![SWAT Doorに専用のバッグ2つを入れた状態。走行中、異音がする事はなかったし、またドアが不意に外れてしまう事も皆無だった。たいへん良く考えられたシステムだ。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/19.jpg?w=840)
![S-Works スタンプジャンパー FSR カーボン 650bは、リアショックの付け根にアーレンキー工具も収納。専用品で、使う時は軽いクリックで引き抜けるが、長時間の激しいライドで抜け落ちる事は、まったくなかった。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/20.jpg?w=840)
![ヘッドパーツには、チェーンに使われるミッシングリンク用の工具が収められている。1回までのトラブルに対応出来るようになっている。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/10/21.jpg?w=840)
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UCI 2015 マウンテンバイク世界選手権 ダウンヒル結果&データ。
UCI Mountain Bike 2015 World Championships Downhill(アンドラ公国・ヴァルノード)は、男子がロイク・ブルーニ(フランス)、女子はレイチェル・アサートン(グレートブリテン)が勝利。
UCI 2015 マウンテンバイク世界選手権 ダウンヒル結果&データ。
UCI Mountain Bike 2015 World Championships Downhill(アンドラ公国・ヴァルノード)は、男子がロイク・ブルーニ(フランス)、女子はレイチェル・アサートン(グレートブリテン)が勝利。
今回は、男子の上位陣と日本でも名を聞くその他の選手について、所属チームや年齢といったデータをまとめてみた。何かの参考になれば。
※ライダー名のカタカナ表記は統一基準がないため、独自です。
■Men Elite World Championships (AND/CM) Downhill
順位 ライダー名 国籍 年齢 チーム(本拠地) タイム
1 Loic BRUNI / ロイク・ブルーニ FRA 21 LAPIERRE GRAVITY REPUBLIC(ルクセンブルク) 4:19.58
2 Greg MINNAAR / グレッグ・ミナー RSA 34 登録なし(Santa Cruz Syndicate) 4:21.95
3 Josh BRYCELAND / ジョシュ・ブライスランド GBR 25 登録なし(Santa Cruz Syndicate) 4:24.36
4 Michael(Mike) JONES / マイク・ジョーンズ GBR 20 CHAIN REACTION CYCLES / PAYPAL(グレートブリテン) 4:26.17 *BIKEはNukeproof
5 Marcelo GUTIERREZ VILLEGAS / マルセロ・グーティエレズ・ヴィレガス COL 25 GIANT FACTORY OFF-ROAD TEAM(アメリカ) 4:26.42
6 Troy BROSNAN / トロイ・ブロスナン AUS 22 SPECIALIZED RACING(アメリカ) 4:26.43
7 Samuel(Sam) BLENKINSOP / サム・ブレンキンソップ NZL 27 NORCO FACTORY RACING(カナダ) 4:26.74
8 Connor FEARON / コナー・フィーロン AUS 21 KONA FACTORY TEAM(アメリカ) 4:26.87
9 Rémi THIRION / レミ・ティリオン FRA 25 COMMENCAL / VALLNORD(フランス) 4:28.87
10 Michael(Mick) HANNAH / ミック・ハナー AUS 32 POLYGON UR(フランス) 4:29.20
11 Danny HART / ダニー・ハート GBR 24 MS MONDRAKER TEAM(オーストラリア) 4:29.57
17 Brendan FAIRCLOUGH / ブレンダン・フェアクロー GBR 27 GSTAAD-SCOTT(スイス) 4:31.83
18 Steve SMITH / スティーブ・スミス CAN 26 DEVINCI GLOBAL RACING(カナダ) 4:33.54
20 Brook MACDONALD / ブルック・マクドナルド NZL 24 TREK WORLD RACING(スペイン) 4:33.98
22 Matthew(Matt) SIMMONDS / マット・シモンズ GBR 28 MADISON SARACEN FACTORY TEAM(グレートブリテン) 4:35.16
25 Neko MULALLY / ネコ・ミュラリー USA 22 GSTAAD-SCOTT(スイス) 4:37.81
33 Nick BEER / ニック・ビア SUI 28 RADON MAGURA FACTORY(スイス) 4:41.70
45 Samuel(Sam) HILL / サム・ヒル AUS 30 CHAIN REACTION CYCLES / PAYPAL(グレートブリテン) 4:47.04 *BIKEはNukeproof
74 Aaron GWIN / アーロン・グウィン USA 28 SPECIALIZED RACING(アメリカ) 5:11.70
77 Gee ATHERTON / ジー・アサートン GBR 30 GT FACTORY RACING(グレートブリテン) 5:14.51
82 Junya NAGATA / 永田 隼也 JPN 27 AKI FACTORY(日本) 5:22.24
<トピックス> – トレック・ジャパンfacebookより
【世界トップレベルのDHライダー来日決定!】
Trek World Racing所属のDH(ダウンヒル)ライダーであるブルック・マクドナルド(ニュージーランド)の来日が決定しました!
常にワールドカップで上位に入る実力の持ち主で、先日イタリアで行われたレースでも4位に入っています。
日本で参戦するレースは10月11日と17日に行われる「Coupe du Japon」のDHレースの2戦です!世界レベルの下りの技術をお見逃しなく!
■レーススケジュール
10月11日:石川県白山一里野スキー場
10月17日:富士見パノラマスキー場
■ブルック・マクドナルド
・Trek World Racing所属
・2009年DHジュニア世界チャンピオン、2015DH世界選手権5位
・8月22日に行われたワールドカップで4位入賞
<あのメーカーは?>
南アフリカ産のマウンテンバイクフレームメーカーで、一時期表彰台も獲得していたMOREWOOD。日本での支持も多かったメーカーだが、今回のリザルトを整理していて同社の名前がなく、そういえば?、と思った。MOREWOODは、技術屋であるパトリック・モアウッドと経営を担うリチャードの間で意見の食い違いが起き、それを機にモアウッドは会社を離れる。その辺りからファクトリー活動も縮小→消滅したようで、現在はリザルトでその名を見る事がなくなたっという訳だ。私心になるが、当時のMOREWOOD製ダウンヒルバイクはとても優れたものだったので、残念でならない。なお、技術屋のモアウッドはその後、PYGA INDUSTRIES(パイガ インダストリー)という会社を興し、現在も活動を続けている。
![今回のコースは、過去の世界選手権では例のない、もの凄く勾配が急なセクションを含む、とても難しいものであった(最大斜度は62度!)。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/09/036.jpg?w=840)
![海外開催のマウンテンバイク大会は、いつも多くの観客が詰めかける。日本ではなかなか見られない光景だ。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/09/044.jpg?w=840)
![年1回の大舞台で勝利した、ロイク・ブルーニ(フランス / ラピエール グラビティー リパブリック)。ラピエールBIKEが、ここ一番の勝負で勝てる事も実証した。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/09/016.jpg?w=840)
![惜しくも2位に留まった、グレッグ・ミナー(南アフリカ共和国 / サンタクルズ・シンジケート)。年齢を考えると、大健闘。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/09/026.jpg?w=840)
![UCI 2015 マウンテンバイク世界選手権 9月6日、ヴァルノードでのダウンヒル男子表彰台。左から、グレッグ・ミナー、ロイク・ブルーニ、ジョシュ・ブライスランド。世界選手権は各国からの代表になるので、選手は国旗をイメージさせるウェアを着る。ブルーニのみ勝者が袖を通せるレインボージャージ。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/09/064.jpg?w=840)
![トラブルであろうか? 最下位に沈んだノエル・ニーダーベルガー(スイス / スイス・ダウンヒル・シンジケート, ペーターリヴィーゼ 31)。ジュニア時代に650BのプロトBIKE(スコット)で優勝した経験があるのだが、現在所属するチームがどうも例のMOREWOODを採用しているようなのだ。興味深い。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/09/054.jpg?w=840)
[ ソース ]
UCI
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■メリダ/MERIDA BIG.SEVEN 100(2016) 8万2,900円 43cm MTB試乗インプレ
BIG.SEVEN(ビッグセブン)は、2015年時点のMTBトレンドのひとつ、ホイールサイズが27.5インチになるハードテイルモデル群です。
掲載日:2015年08月18日 取材・写真・文/やかん
過去のネガティブな印象をすべて拭い去った超お買い得モデル
BIG.SEVEN(ビッグセブン)は、2015年時点のMTBトレンドのひとつ、ホイールサイズが27.5インチになるハードテイルモデル群です。これまでMTBのホイールサイズは26インチが当たり前に使われていましたが、ある時から大型化の29インチが登場し、そのうち、両者の間を取った27.5インチが広まって来ました。
その効果については割愛しますが、筆者は2014年に初めてこの27.5インチのMTBに乗りました。29インチのような格段のメリットを感じる事はなく、しかし、26インチに対してマイナスの印象を抱く点もなく、ごく普通にライド出来ました。その時点では、「やがてMTBのスタンダードは27.5インチに移るだろう」という印象でした。市場の受け止め方も似たもので、今では26インチは少数派。また、厳密な話をしなければ互換性がないわけでもなく、流れは完全に27.5インチになりました。
ただ、メリダに限った話をすれば、カーボンフレームの27.5インチハードテールは頗る良好なのですがアルミフレームはそこまでではない。むしろ、29インチのモデルに楽しさを感じるところがありました。27.5インチは、26インチ比であまりハンドリングなどに変化がなく、フレーム勝負な面がないとは言い切れず、カーボン技術が優れているメリダとあっては、そちらに軍配を上げるシーンが多かったのです。
そのような状況の中、2016年もアルミフレームの27.5インチハードテールMTBは日本のカタログ上には載りました。まだ日本市場には活路がある、と見たのでしょう。試乗したのは、下から2番目のグレードになる『100』。カタログでの売り文句は「油圧ディスクブレーキとロックアウト機構搭載サスペンションを採用した27.5”トレイルバイク」。歴代、100のモデルからブレーキが油圧になるので、筆者としても毎回注目しているランクです。価格は税抜きで8万2,900円なので、定価で買ったとしても10万円用意すればお釣りでヘルメットは買えます。この価格が高いか安いか?
今時としてはギアが、フロント3速、リヤ9速と古さは否めませんがこれはコンポーネントの価格を抑える為で、その分アルミフレームにはお金が掛かっている筈です。タイアもしっかりとMAXXIS(マキシス)製が奢られています。サスペンションはSRサンツアーのメリダメイドモデルが付き、ストロークは100mm。プリロードの調整のみ可能で、個人的にロックアウトは不要と思います。
試乗のコースは昨年と同じ場所で、違う点といえば砂埃が舞うほどのドライコンディションであった事ぐらい。BIG.SEVEN 100は、初めのキツイ上り坂で既に昨年とは異なる顔を覗かせました。硬さが気になったリア周りに不快な突き上げ感を感じなくなり、また路面にとても良くリアタイアが食い付いてくれます。その後の比較的フラットなダートから続く荒れた下り路面でも、TFS 3次元成型ダブルバテッドアルミフレームの着実な進化を感じます。独特の鋭い跳ねがなくなり、軽快なハンドリングはそのままにバックがとてもしなやかに仕事をしてくれます。テーパードヘッドチューブを採用している事で、ハンドル周りの正確な動作も向上しているように感じます。
スポーツサイクルの入門者にとっては10万円に近い買い物はとても高価に感じますが、程度を知っている人にとっては安価な部類に入ります。そういう人たちは軽視しがちなグレードですが、2016年モデルの『100』はもの凄い進化を遂げています。価格的には街乗りに使われてしまいそうですが、とんでもないです。ダート路面を走りたいユーザーに積極的に乗って欲しい1台に仕上がっています。MERIDAの本気を見せられたのと同時に、大枚を叩くに値するフレームとパッケージに拍手喝采を送りたいと思います。
![HLOというグレードもSRサンツアーのカタログには設定がなく、メリダのチューニングが入っている事が分かる。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/035.jpg?w=840)
![サスペンションクラウン右レッグにはロックアウト機構。SRサンツアーでは、speed lock outと命名している。舗装路以外では、OPENで良いと思う。ダート路面では、上りでもサスペンションが動くことで横滑りなどを防げるからだ。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/053.jpg?w=840)
![クラウン左レッグにはプリロードの調整。ばねはコイルになり、この他の調整機構は付かないが、とても良く動くサスペンションで不満はない。剛性不足も感じなかった。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/063.jpg?w=840)
![MERIDAの2016年モデルはその多くにテーパードヘッドチューブを採用している。以前から言われている事だが、ハンドリングへの寄与は想像以上。硬すぎないのも良い。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/073.jpg?w=840)
![タイアはMAXXIS(マキシス)のIKONを装着。トレッド幅は2.20で、とてもしなやかな良いタイアだ。クッション性、グリップ力、ともに優秀。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/043.jpg?w=840)
![2年前のグラフィックは独特のデザインで好みだったが、’16年モデルは一転しておとなし目。TFSの表示もない。ケージマウントは2つ備わるので、本格レースでの使用も耐えられる。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/083.jpg?w=840)
![ドライブトレインにコストダウンを図ることで、全体の価格を抑えている。クランクはSRサンツアー製。チェーリングにはガードが付く。ディレイラーはシマノ・アセラでダイナシス対応。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/093.jpg?w=840)
![リヤのギアは9速になるが、レースの上級クラスで走らなければ気にならないだろう。ディレイラーはシマノ・アリビオになる。ハンガーはトレンドを取り入れている。変速性能に気になる点はなかった。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/103.jpg?w=840)
![DOWN TUBE EXITという技術でワイヤー類は下部を通すスッキリとした処理法。ボトムブラケットのベアリングはカートリッジ式なので、酷い泥などを走った場合は、メンテナンスを行いたい。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/113.jpg?w=840)
![油圧ブレーキはテクトロ製で、環境負荷の少ないミネラルオイルを使用する。シフターはシマノ・アルタスを組ませる。グリップが一般的なゴム製に変わっているのも’16年の特徴。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/123.jpg?w=840)
![フロントブレーキはテクトロ・Auriga。ローター径はφ180mmで、コントロール性は秀逸。最近の油圧ディスクブレーキはハズレがなくなった。車軸固定は、9mmのクイックレリーズ。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/133.jpg?w=840)
![リヤの油圧ブレーキもテクトロ・Auriga。フレーム性能や合理性でアドバンテージのある、チェーンステーブレーキマウントを採用。好ましい選択。ローター径はφ160mm。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/143.jpg?w=840)
![2016年モデルはとにかく、このリアバックの性能が格段に向上した。本格クロスカントリーレースからトレイルライドまで、乗り手を異界に誘ってくれる。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/153.jpg?w=840)
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2015 MTB ファンミーティング レポート2。
今年も元気に開催されたMTBファンミーティング(富士見パノラマリゾート/長野)。今回は後編をお届けする。
2015 MTB ファンミーティング レポート2。
掲載日:2015年08月11日 取材・写真・文/やかん
今年も元気に開催されたMTBファンミーティング(富士見パノラマリゾート/長野)。今回は後編をお届けする。
軽量ながら安全性が確保されている、アトラスブレース。筆者も使用しているが、今まで専用のブレストガードがなく、フィッティングに苦労するケースもあった。そのようなユーザーに朗報なのが、待望の専用ガード。アトラスディフェンダーという商品名になり、サイズはアダルトフリーのみとなる。カラーは、デジタルホワイトとデジタルブラックの2色展開。装着は、ジャージの外内どちらにも対応する。
水に浮いたサングラスを展示していたのは、ドラゴンを扱うストレートシックス。この軽量なサングラスは、H2Oフロータブルという仕様で、個別のモデルではなく、各シリーズに用意がある(全シリーズではない)。偏向レンズにもなっているので、ギラつく太陽の照り返しがキツイこの時期に最適だ。もう一つは、ツルの部分が交換出来る新作で、リシュー付きを選択すると不意の落下を防げる。まだUSのみの販売で、現在日本での販売価格を調整中との事。
スコットジャパンでは同ブランド下り系最高峰のギャンブラー710を試乗車として用意。ワールドカップでも活躍するBIKEなので、多くのユーザーが食い付いていた。ホイール径は完成車だと27.5インチだが26インチにもフレームは対応する。MIPSを採用したヘルメットも展示していた。
![独特の構造を持つフローティング リンク サスペンション。FOX RC4を使用するのに最適化されている。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/061.jpg?w=840)
アイウェアメーカーのスミスを古くから取り扱うエス・エム・ジェイでは、MTBラインのゴーグルとサングラスを展示。サングラスはそのほとんどがジャパンフィットになる。更に、発表時海外で話題になった独創的なヘルメットも用意。構造物のメイン部にハニカム状の樹脂(KOROYD® )を使い、耐衝撃性に加え空気抜きを良くしている。これは、スノーでの使用から出たアイディアという。ハニカムは一見軟そうに見えるが、その実方向性を的確に配置してやると驚く程の強さを発揮する。
![ほとんどの部分をハニカム構造物で構成する。スミスでは、エアロコア構造と命名している。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/101.jpg?w=840)
![ハニカム構造物(KOROYD® )のサンプル。縦方向にはたいへんな強さを持つ。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/111.jpg?w=840)
![抜け具合が良く分かる。そこそこ高価なアイテムだが、頭部を守る役割を考えれば安い。](https://yakandirtmoto.wordpress.com/wp-content/uploads/2015/08/121.jpg?w=840)
クワハラ バイク ワークスでは、アイビスのモジョ HD 3を展示。最新のdwリンクを搭載したMOJOシリーズの新モデルで、フレームはカーボン製。対応ホイール径は650b(27.5インチ)になる。他、ワールドカップでの使用率も高いファンの製品群、最近27.2mmに対応するロープライスのモデルも出たカインドショックのドロッパーポストなどを見せてくれた。
MTBファンミーティングレポートは以上で終わりである。
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SPECIALIZED TEST THE BEST『富士見パノラマリゾート』プレ。 ※インプレ追加
週末に、スペシャライズドの2016年モデル試乗会が富士見パノラマリゾート(長野)で開催されました。
SPECIALIZED TEST THE BEST『富士見パノラマリゾート』プレ。
週末に、スペシャライズドの2016年モデル試乗会が富士見パノラマリゾート(長野)で開催されました。
一般向けのイベントでしたが参加してきて、結構な数のBIKEに乗れました。
インプレッションなどは掲載にはもう少しお時間を下さい。
楽しみにお待ち下さい。
※追記
インプレッション記事を作成しました。
■スペシャライズド/SPECIALIZED S-Works Stumpjumper FSR 650b(2016) 102万円 Sサイズ MTB試乗記
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2015 全日本マウンテンバイク選手権ピットレポート2。
現地からの様子をお届けする、ピットレポート。2015年7月18日(土)19日(日)、富士見パノラマリゾート(長野)にて開催された全日本マウンテンバイク選手権、初日の様子をお届けする、第二弾。
2015 全日本マウンテンバイク選手権ピットレポート2。
掲載日:2015年07月23日 取材・写真・文/やかん
現地からの様子をお届けする、ピットレポート。2015年7月18日(土)19日(日)、富士見パノラマリゾート(長野)にて開催された全日本マウンテンバイク選手権、初日の様子をお届けする、第二弾。
今シーズン、SRサンツアーと組んでレースを転戦するブリヂストン・アンカーテントでは、オールブラックでところどころに迷彩グラデーションのような色変化が見られる、ステルス仕様のクロスカントリーBIKEが展示。大会ゼッケンを付けていなかったので練習用かテスト車と思われる。乗車ライダーは、小林 輝紀。アンカーではトップチューブに選手ネームのステッカーを貼ってBIKEを管理しているようで、他のBIKEでも見られた。沢田 時は650Bのフレームを使う。
再び重力技研へ。SNSで予告していた新作のサスペンションルブリカントを展示・販売。この日は、BIKEを持ってくれば体験塗布サービスも行っていた。青いプラスチック形状のヘラのような物は、ダストーシール内などの汚れを掻き出す道具。ルブリカントと同時使用する事で、サスペンションの動きを向上させられる。
これは前から不思議なのだが、清水 一輝とSHIMANOはべったり。彼は海外をメインに活動しているためか毎回自身のブースは構えず、BIKE整備などもシマノテントで行われる。BIKEは日本ではまだ珍しいPATROL。フロント周りに見られる独自の泥対策に注目したい。フロントフェンダーは、2つの別々のブランドの物を組み合わせて取り付けていた。
SRAM/LITECテントでは、ゼッケン1が輝く安達 靖の乗るSARACENを展示。母体であるダートフリークの関係でロックショックス、スラムで組み上げている。泥対策はフォークアーチとクラウンの間に、広げたゴムチューブを取り付ける手法を採る。
ジャイアントテントは、注目のグローリー2016年モデルが選手の分だけ2台。というのが、ナント日本国内には16年モデルはまだこの場にある2台のみ、というからだ。壊したら大ごとで、本国からフレームだけ届いたので、15年のBIKEからパーツを移植した。GIANTはカーボンが得意なイメージがあるが、グローリーに関しては市販までとても時間がかかったとの事。また、カーボンなのは前三角だけで、リア側はすべてアルミ製となる。これはジャイアントの考え方のようで、以前にフルサスペンションのカーボンクロスカントリーBIKEをリリースしたが2シーズン程で中止。その後は、やはりリアだけアルミになったという。各メーカーの考え方が表れる点で、興味深い。
今のBIKEは構造上、リアタイアとフレームの間に泥が詰まりやすい物が多く、ジャイアントメカニックはタイラップを組み合わせたオリジナルの排土パーツを考案。素晴らしいアイディア。また、この日はマッド用タイアでも泥詰まりが酷くグリップしないという事で、急遽ブロックカット処理を行っていた。カットし過ぎるとポテンシャルが下がるので、勘所が重要だ。
BIKEがただ並べてあっただけのファンファンシーテント。村井 直のBIKEはピボットで、サスペンションは前後ともフォックス レーシングショックスを使用。リアユニットはエアサスであった。高松 健二のBIKEをよく観察したかった。
ピットレポートは以上で終わりである。
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